「早く…早く出ておいで〜♪」
臨月になり、丸々と膨らんだお腹を撫でると内側から返事をするように蹴り上げる感覚が。
予定日は…既に7日も過ぎていた。少々成長過多気味なお腹を見ては、元気に生まれてくるように祈る。
「元気に生まれてくるのよ? こっちは…もう準備万端なんだから♪」
…特別に支給された『そこ』は、彼女の体が動くたびにトプトプと水音を立てる。
横、500m。縦、500m。深さ、1.5m。
破格の大きさを誇る『そこ』はいわゆる『巨大プール』。
その中を埋め尽くす乳白色の液体は、彼女の体とは逆側から滾々と湧き出している。
プール内部に作られた左右3つずつの排水口からは常に排水が行われているが、その処理能力も追いついていない。
排水された液体はプールの傍に作られた『施設』へと送られる。
その『施設』にはガス会社が持つような巨大タンクが何基も連なり、液体がそのタンクへと蓄えられていく。
―――十月十日
よく言ったものだ。子どもが出来て産まれるまでの期間。
その期間のうち、半分程を私はこの空間で過ごしてきた。
食事もなにもかもここで取り、この空間から出ることすらない。
「…ふぅ。こんなものね。」
防水加工されたペンとノート。特殊な成分は私のために開発、支給され、その代わり私にある事を課せてきた。
「じゃあ、今日の日記おしまい!」
パタンと閉じたノート。
ふと、気になって今までの日記を遡ることにした。
―――私が、『私』になるまでの十月十日を。
3月26日 晴れ
病院に行くと、嬉しいことが!
なんと妊娠してた!3か月って言ってたから…クリスマスのアレ、かも!
通りで『あの日』も来てなかったし…心配だったけど、これはこれで良かったのかも!
まだ男の子か女の子かは分からないみたい。どっちでも絶対に可愛がって育てる!
…にしても、妊娠したからか最近また一段とおっぱいが大きくなってきた。3か月前はBカップだったのに、今ではEカップ…お腹はそこまで膨らんでないから、傍から見たらただただ巨乳になっただけみたい。
普通はゆっくり2〜3カップ大きくなるらしいんだけど…お医者さんも驚いてた。「準備が早いですね」だって。
早く生まれてくるといいなぁ…
4月5日 晴れ
昨日の夜、おっぱいがパンパンになってると思ったら…今朝起きたらTシャツが染みだらけ。
もう母乳が出てきたみたい…ちょっと早いかも。
とりあえず、Eカップのブラにガーゼ当てて対処してる。母乳って、真っ直ぐ出るんじゃなくて『プシャッ』って霧吹きみたいに拡散して出るんだ。初めて知った。
それより、Eカップがキツい…締め付けられると絞られてるみたいだし。
今度パパに言って買いなおしてもらおうかな。
4月22日 曇り
…私のおっぱい、実はかなりのポテンシャルを秘めてるのかも。
Fカップ、Gカップを経て、今日お店で測って貰ったらHカップだった。
元がBカップの私からしたら驚き! Hカップって、本当に大きくて…もう巨乳の域も超えちゃったかな?
今日は友達の美樹が遊びに来てくれた。妊娠する前から会ってなかったから、会った瞬間豊胸手術を疑われちゃったけど…揉まれて母乳が出てくると信じてくれた。
にしても、美樹ったら私の事「おっぱいお化け」だってさ。ひどいよ…それ元は美樹のあだ名じゃん。美樹だってGカップのくせに…
4月23日 晴れ
起きたらおっぱいが凄いことになってた…
ブラの上におっぱいが乗って、苦しかった…慌てて下着屋さんに行くと昨日Hカップって言われたばかりなのに、今日はJカップとか言われちゃった。
Jカップ。すっかり爆乳だよ…歩くたびにプルプル震えてるし。絶対昨日美樹に揉まれたからだ!
お腹はちょっと膨らんできた。最近食欲も凄いあるし…体重も増えちゃった。でも、おっぱいも大きくなったし当然かも。
「これが限界です」って渡されたJカップのブラをつけて街を歩くと、私より大きい胸の人を見ない。ちょっと得意気に歩いたらいろんな人に見られちゃった。恥ずかしいけど、なんか誇らしかった。
5月4日 雨
おかしい…これはおかしい。
Bカップから大きくなっていったおっぱい。Jカップぐらいまでは良かった。まだブラもギリギリあったし、みんなの目もなんか気分良かったし。
…Uカップ。J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U。ほぼ1日1カップずつ大きくなって、今ではUカップ。
もはや爆乳なんてもんじゃない。歩くたびにタユンなんてものではなく ユッサァ…みたいな。
ブラなど当然あるはずも無く、ノーブラで過ごすことに。シャツが乳首に擦れるたび母乳が溢れる。新しいシャツでも5分で絞れるぐらいにビチャビチャだ。
とりあえず、連休が終わって…もうちょっと様子を見てから病院に行こう。じゃないと、パパも動くに動けないだろうし…
5月23日 曇り
原因不明。本来、妊娠後に乳腺の発達を促すホルモンが、私だけ2670倍分泌されてるらしい…
ぷっくり膨らんだお腹にのしかかるように肥大化した私のおっぱい… 測ったら、もう150cmを超えたんだって…アルファベット1個じゃ足らなくなっちゃった。
何もしてないのに常に母乳は滲み出てるし…乳首も大きくなって、赤ちゃんのお口に入らないかも…
6月7日 晴れ
良い天気。でも、パパの顔が晴れない。
お医者さんに言われたんだって。『真由美さんは、研究機関に保護されるべきです』って…
パパは必死に説得してくれたみたい。真由美はモルモットじゃないんだ。実験体みたいな扱いは止めろ。って。嬉しいけど…仕方ないよね。
だって…3890倍だって。ホルモンの分泌量。異常なんてものじゃない。
今だって、体を若干横にしておっぱいだけ別の台に乗せて貰ってる。先っぽには応急手当としてタライが用意されたけど…一日に5回ぐらい換えないとダメみたい。
なんでこんなになっちゃったんだろ…216cmのおっぱいを見ながら…私はただ優しいママになりたかっただけなのになぁ…
6月12日 晴れ
研究機関って凄い。遠くが見えないぐらいに大きなプールみたいのもあったし、隣にあった施設には何個も何個もおっきなタンクがあった。
まるで工場。戦艦かなにか作ってるって言われても不思議じゃないくらい。
266cmのおっぱい。一人じゃ持ち上がらないから、数人で片方ずつ持ってもらってる。勿論、みんなレインコートを着ながら。
施設内の見学を終わると、私はまたあのプールに戻ってきた。
端っこに椅子みたいのがあって、疲れたようだから座れって言われて…
その瞬間、私の運命は決まった。これを書いてる今だからそう思える。
6月30日 雨
全天候型のプールに置かれた椅子に腰かけて日々を過ごす。
472cmにまで成長したおっぱいは、床についちゃって…今ではプール全体にうすーく水の膜を張るくらいに母乳が出るようになった。
今日は研究員さん達が慌ただしく動き回ってた。なんか、毎日恒例の検査をしたら異常があったんだって。
…後で聞かされた。ホルモンの量、昨日の4430倍から…28690倍に膨れ上がったって…
ああ、おっぱいがドクンドクン言ってる…まだまだ大きくなるみたい。お腹をさすると、そこにも確かな膨らみが…
赤ちゃん、順調に育ってるみたい。ごめんね?こんなママで…でも、元気で生まれてくるんだよ? もう、君しか居ないんだから…
7月6日 晴れ
783cm。一週間で300cmだから…一日40cmぐらい大きくなってる。
もう分かるんだ。おっぱいが目に見えて大きくなってるのが。あれだけ薄く張ってた膜が、今では脛だもん。
私の体、もう動けなくなっちゃった。これから先は研究員さんたちがなんとかしてくれるらしいけど…正直どうか分からない。
…明日もまた検査。いっそのこと、もっともっと大きくなっちゃえ…そうしたら、赤ちゃんの飲むおっぱいも増えるし。
7月7日 晴れ
…あんなこと思ったから、罰が当たったのかも。
905cm。一日で120cmぐらい大きくなっちゃった…
一日寝て、起きたら太ももまで母乳に浸かってた。足を動かすと分かる、トロトロとした感触。完全に私の母乳だ。
研究員さんが教えてくれた。ホルモンの量、70000倍を超えたって。
ついでに言って来た。「あまりお子さんの事を考えると母性が刺激されるので控えてください」だってさ。
…うるさい。もう私にはこの子しか居ないんだ。
空は星空。今日は七夕。
いつの日か来なくなったパパのことを思いながら、織姫様と彦星様にお願い。
…どうか、もっともっと優しいママになれますように。
7月8日 曇り
1322cm。1日で300cm近く成長。
研究員が慌てて調べたところ、ホルモン量が20万倍近くになってたとか。
…良かった。順調に育ってる。
もっともっと大きくしないと、生まれてくる子のおっぱい足りなくなっちゃうかも。
お臍を超えた母乳プールのおかげで、少しおっぱいが浮いてきた。こうすると楽かも。
じゃあ、おっぱいがもっと出ればいいんじゃない?そうすれば楽だし…
7月9日 曇り
1589cm。順調順調。
「母性が湧くようなことを思わないように」って厳命された。なんか、このままだと成長が止まらなくなるんだって。
…大きなお世話だ。私から母親を取ったらなんになると思っているのだろうか。
これからもお腹の赤ちゃんのためにおっぱいを大きくしないと…
鳩尾まで母乳が溜まって来た。こうなってくるとおっぱいが浮いて過ごしやすい。
辺りに微かにミルクの匂いが漂ってる…赤ちゃん、安心するかな。これがママの匂いだよ…
7月24日 晴れ
3447cm。座ってたら目の前はおっぱいしか見えない。
でも、それが嬉しい。おっぱいが大きくないと優しいママじゃないから。
…なのに、なのに!今日研究員の奴らがホルモン抑制剤を投入してきた!
「薬が強いから、抑制剤と同時に促進剤も入れて、釣り合いをとらせて、一般の女性と同じぐらいのホルモン量に…」
…どうでもいい。一般の女性と同じ?そんなの少なすぎる。私は、世界一優しいママにならなきゃならないのに…
母乳も抜かれた。「元よりこうする予定だった」とか言いながら、全部抜いた。
プールの横の排乳口。あそこから根こそぎ。全部、全部!あいつら、私が動けないからって…
今も抑制剤と促進剤の両方が投与されてる。私の胸の付け根あたりに、二つ…
7月25日 晴れ
…3449cm。2cm。たった2cm。こんなの誤差でしかない。
やっぱり昨日の薬のせいだ…あいつら、余計な事しかしない。
検査結果を見て「やっとホルモン量が2桁に…」とか言いながら研究室に入っていく。2桁?ふざけないで。少なすぎる。一回20万倍まで行ったのに…
それにしても、おっぱいが重たい…母乳も無くなったし、今はまた薄く膜を張るぐらいしか母乳が出ていない。薬のせいで量も減っちゃった…
こんなんじゃあ赤ちゃんが泣いちゃう…こんなちょっとしか出ないおっぱいじゃダメ。絶対にダメ!
パンパンに張ってたおっぱいがなんか柔らかくなっちゃったし…どうにかしないと…
7月27日 曇り
すっかり成長が止まっちゃった。大きさは3449cmのまま。成長が0だなんて…
ホルモン量は人並みになったらしい。なっちゃいけないのに…あいつらの思うがままにされた。
何もしなければ育たないおっぱい。出てこない母乳。お腹の赤ちゃんが泣いちゃう姿が目に見える様。
泣いちゃう…泣いちゃう?そんなのダメ。私は世界一優しいママにならなきゃ。
早くおっぱいを大きくしないと。早く母乳を出さないと。
もっと、もっともっと大きなおっぱいに…もっと、もっともっと濃くて大量の母乳を…
そのためには、あんな奴らのやろうとすることなんて…
7月28日 晴れ
いい気味だ。やってやった。
柔らかくなったおっぱいのおかげで、投薬部に手が届いた。迷わず引き抜こうと…ちょっと考えて、抑制剤だけ引き抜いた。
そうしたらもう成長が凄い凄い!数分でおっぱいがパンッパン!我慢出来ずに母乳も溢れ出した。
今もグググググッ…って音を立てながら成長してる。今は夜だからあいつらも見に来ないし、今のうちに成長しておかないと…
良かった…これでもっと早く成長できる。世界一優しいママに…
そうだ。抑制剤のチューブ、刺さないけどおっぱいに隠しとこう。
こうしたらあいつらもきっと…
7月29日 晴れ
3972cm。やった…一日で500cm近く大きくなった!
研究員の奴ら、慌ててる。薬のチューブは両方刺さってるのに、ホルモン量がどんどん増えてるって。
で、出した方針が…やっぱり投薬量の大幅増量だって。これであいつらが気づくまで、薬の量は増えていく…
…そうよ。最初からそうやって協力してればいいのよ。私が世界一優しいママになるためにね…
母乳も止まらない。しかも、出てきた母乳を足で触ってみたらなかなか足が動かない…ものすっごく濃いのが出てるのかな。だとしたら嬉しいな…
8月4日 雨
6233cm。流石私のおっぱい。成長が止まらない。
こんもりと盛り上がった山は全部肌色。全部全部ぜーんぶ私のおっぱい。
最近、お腹を撫でたら赤ちゃんが動いてる気がする。元気に生まれてくるんだよ?
ついにプールいっぱいに溜まった母乳。今日は排乳口から母乳を出すんだって。させてやるもんですか。
赤ちゃんは私のおっぱいで育てるの。おっぱいで包んで、母乳のお風呂につけて…体中をママの優しさで包んであげるの。それが私の育て方…うん。決めた!
…排乳口が詰まったとか言って今作業してる。私のおっぱいがトロトロ過ぎて処理しきれなくなったんだって。
どうでもいいけど、とっとと出てってくれないかな…ここは私と赤ちゃんだけの部屋なのに…そう決めたのに。
8月10日 晴れ
10458cm。ついに1万!100m!
といっても、バストの測定値だから、直径は…30mくらい?
まだまだ足りないなぁ…このプール、一辺が500mぐらいあるみたいだし、せめて埋め尽くすぐらいじゃないと。
そう思って、今日来た研究員を母乳プールの中に引きずり込んで、おっぱいに挟んで脅してみた。
…喜んで「ホルモン促進剤を最大量投薬します。」って言ってくれた…最初からこうすれば良かったかな?
ついでに、許可なく部屋に入るのも禁止した。ここは私と赤ちゃんの愛の巣にするんだから、邪魔者はいらないもんね。
…夜にはもう投薬され始めたみたい。
おっぱいが「ググ、グッ、ブグ、ブブブググググリュリュリュリュッ!!」って大きくなってる。
…明日にはどんな大きさになってるんだろうなぁ…
8月11日 晴れ
14223cm。一日で4000cm大きくなった!このぐらいじゃなきゃね。
この研究施設で一番偉い人がやって来た。なんかいろいろ言って来たけど、無視して母乳プールに引き込んで脅してやった。
…協力してくれるってさ。これって、私がこの施設の全権を得たってことでいいのかな。いいんだよね。
とりあえず、母乳プールは常に満タンで。溢れそうになったら排乳するように言っといた。
お腹の赤ちゃんも嬉しそう。お腹の中で動いてる。
ママやったよ?こんなに過ごしやすい環境、手に入れちゃった。
だから、安心して出てくるんだよ〜?
8月25日 曇り
62839cm。今日まで一日4000cmぐらいずつ成長してきたのに、残念なお知らせ…
ホルモン薬が無くなったんだって…ここからは私自身の成長で頑張らないといけないみたい。
…ママ、頑張るよ?もっともっとおっぱい大きくして、母乳ももっと濃いのを出して、世界一優しいママになるんだからね?
一番偉い人がやって来て、謝って来た。もう薬がないとか…どうでもいいから早く出てってと言ったらすぐにどっか行ってくれた。
なんか、一日の母乳の噴出量が千リットルを超えたらしい。千リットルか…すっくないなぁ…
9月28日 曇り
86735cm。一か月で200mぐらいしか大きくならなかった…
やっぱりあの薬、凄かったんだなぁ…でも、成長してるし良いか。
最近は母乳の量が凄い。温泉みたいに乳首がある辺りからボコボコ湧いて出てる。
それにしても、凄い粘度だから「…ボコッ、ボコッ…」ってなってる。シチューみたいで美味しそう。
実際に飲んでみたけど、とっても美味しいし、何だか安心する味…良かった。しっかりママになって来てるんだ…
お腹の赤ちゃんも元気いっぱい。お腹も蹴りだして「早く出して」って言ってるみたい。
まだまだ口の中で無くならない母乳をニチャニチャ舐めながら、お腹を撫でる…最近の日課になってきた。
10月22日 晴れ
108093cm。ついにバスト1km越え!直径は…300mぐらい? 結構プールもパンパンになって来たかも。
目の前が島みたい。おっぱいの島。母乳でパンパンのミルク島。
…決めた。私の赤ちゃんは、この島で育てよう。いつも私の目の前に居るようにして…周りにこんなに母乳もある。いつもママの愛に、優しさに包まれて…幸せにしよう。
…おっぱい、暖かい…母乳が人肌で、常に新しい母乳と入れ替わってるからかな。
ここに入ってくるときに見た巨大タンク。あれ、一日で埋まるんだって。ぜーんぶ私のおっぱいで。凄いでしょ?
…そろそろ、世界一優しいママって言っていいのかな…
あ、赤ちゃんがお腹を蹴った。なに?ママの事世界一優しいママだって認めてくれるの?嬉しいなぁ…
「…長かったなぁ、ここまで。」
目の前に広がるおっぱい。おっぱい。おっぱい。
今日測ったら 134742cm。1347m。直径400mを超えちゃった。
そろそろ出産かな…じゃないと、プールもいっぱいになっちゃう。
研究員達はすっかり私の事崇めちゃってる。もう何言っても従ってくれる、都合のいい駒。
結構外の世界にも顔が広いみたい。もしかして、私ったらかなり偉い?って、当たり前か。私は『世界一優しいママ』になるんだもん。
「…んぁっ、あ、あれ…痛い…?」
―――出産のときは近いみたい。