響子の不思議な話 その1

ソバ屋 作
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10月 21日 雨

「ふうっ!凄い雨!」
そう言って、一人の少女が家の中に走っていった。
「これじゃあ、明日の体育祭は中止だね。」
彼女の名は 堀井 響子。中学2年の学級委員長である。
クラスでは、身長は一番大きいが、胸は一番小さかった。
「・・・あれ?
 ・・・何だろ?これ。」
響子は足下に置いてある
大きなダンボール箱に気付いた。
「・・・あたし宛て?」
響子は、そのダンボール箱を
とりあえず自分の部屋に運ぶことにした。
「うんっしょ!
 きゃぁ!重いっ!」
その箱は、80s程の重さがあって、
普通の女の子ではなかなか持ち上げられなかった。
「しょうがない・・・。
 引きずっていくか・・・。
 ・・・うんしょっ!」
響子の部屋は一階にあるので、引きずって行くことにした。
・・・そして、二分後・・・
「ふぅっ!!
 ・・・疲れた〜・・・。」
とりあえず、部屋に付いた響子は、
ベッドに倒れ込んで休憩した。
(・・・何だろうなぁ・・・。
 通販とかは・・・今まで・・・
 使ってなかったんだけどなぁ・・・。)
五分程考えて、
疲れが取れたところで響子は起き上がった。
「・・・開けてみよう。」
響子は、箱のフタを開け、中を覗いた。
「うわ・・・瓶が沢山。
 それと・・・メモだ。」
響子は、そのメモを取り出し、読んでみた。
「え〜っと・・・?
 『親愛なる堀井様』
 ・・・親愛?まぁいいや。
 『私は、あなたのお悩みを解決するため、
  この薬を開発致しました。
  どうぞ、お使い下さい。
  料金は頂きませんので。
       匿名希望』
 ・・・お悩み?」
響子は、自分の悩みを思い出してみた。
(・・・・・。)
「・・・あ。」
響子は、メモの裏にも何か書かれている事に気付いた。
「『バストアップドリンク』
 ・・・バストアップ?
 ・・・胸のことか。
 そんなに悩んでないんだけどなぁ。」
ふと、瓶の方を見た。
「・・・ん?
 『一日一本飲むだけで
  あなたの人生早変わり』
 ・・・はぁ。
 一本・・・ね。」
とりあえず、響子は箱から瓶の一本を取り出した。
そして、蓋を開け、中の液体を飲んでみた。
「・・・水・・・みたい。
 味も無いし・・・。」
響子は、疲れていたので
とりあえずベッドに入った。
「早いけど・・・もう寝よう。」
響子は、部屋の電気を消し、
ゆっくりと目を閉じた。

続く