カース・オブ・ビューティー

初心者 作
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{体が熱い。手足が、体が、胸が、成長する。}
{だれか、お願い。だれかとめてー}

由美:「キャァァァァァァァ!!」

気がつくとそこは自分の部屋だった。由美はすかさず自分の体を見たが、手も足も胸も元の姿に戻っている。

由美:「はぁ...はぁ...ゆ、夢、だったの?...そうよね、あんなこと起こるはずないもんね。はぁ〜よかった。」

ほっと一息ついて時計を見ると。<8:20!!>

由美:「うわぁぁ大変!今日も図書当番なのに〜、佐藤先生に殺される〜。」

由美はすばやく制服に着替えると、一心不乱に学校へ向けて走り出した。

由美:「まずいよ〜、遅刻なんて1回もしたことないのに〜。」

由美の家から学校までは歩いて通える距離にあったが、タイムリミットがあと5分では運動音痴といえど走るしかない。

由美:「ここを右に曲がって、つきあたりを左。あとは通りの信号をぬければ。」

信号は赤、レッド、ストップ!!
がっくしと肩を落とす由美に追い打ちをかけるように学校ではチャイムがキン〜コ〜ンカ〜ンコ〜ンと音をならしていた。

由美:(あ〜あ、先生にしかられる...)

裕也:「あれ、由美ちゃん。だいじょうぶ?」

由美:「へ?、は、ひゅーやふん。(あ、裕也くん)」

走りすぎて舌がまわらなくなっている。

由美:(あれ?あれは夢だったんだよね?、じゃあ裕也くんは何で私をしっているんだろう?)

由美:「あの、裕也くん、私たちって会ったのはじめてだよね。」

裕也:「えっ?、何いってるの?、昨日一緒に本運んだじゃん。...だいじょうぶ?」

由美:「えっ?あれっ?、あれっ?」

夢という思い込みが崩れ始める。

裕也:「それと由美ちゃん、その手の傷どうしたの?やけど?」

由美:「えっ?、傷?」

由美が手を見ると、そこには夢の中に出てきた結界と全く同じ模様のアザが浮かび上がっている。

由美:(そんな...あれは夢よ、そうに決まってる。...夢よ。夢、夢...誰か夢ですって言ってーーー!!)

佐藤先生:「夢じゃないわよ。」

図書室で先生にあっさりと希望を打ち砕かれた由美は、頭の中がまっしろになってしまった。

佐藤先生:「あなたが昨日かかってしまった呪いは間違いなく本物。その手のアザが何よりの証拠よ。」

由美:「でも先生、私、制服だって破れてないし、あの赤い本だってないし。」

佐藤先生:「制服は破れちゃったから昨日私が仲のいいこの学校の卒業生から借りてきたの。あの呪いの本は今私が持ってるわ。いろいろ調べてみたいしね。」

由美:「先生、なんだか楽しんでません?」

佐藤先生:「さ〜て研究のつづきつづき〜、あっあと由美さん、遅刻の罰としてトイレ掃除やっといてね。」

言い返すことができない由美をおいて先生はさっさと行ってしまった。

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由美:「いったいあれはなんだったんだろう...」

放課後、由美はトイレ掃除を終え、一人屋上で考えていた。今自分に起こっている非現実的なことはとても素直に受け入れられるものではなかったのだ。
そうしているうちに時間がたち、日がまもなく沈もうとしていたその時、突然由美の携帯が鳴りだした。(相手は...佐藤先生?)

由美:「はい、もしもし。」

佐藤先生:「あっ由美さん、今すぐ服を脱いで!!」

由美:「ぶっ!!...いっいきなり何言い出すんですか。」

佐藤先生:「あなたの呪いについて調べてたら呪いは太陽の光がある時間帯には活動しないことがわかったの。けど光がなくなる夜には再び呪いの効果が表れてしまうわ。つまり夜になるとあなたの体はまた成長しはじめるのよ。」

由美:「えっ...ということは...」

由美が前を見ると同時に太陽は沈んでしまった。
その瞬間

由美:「うっ!!」

由美の手の結界が赤く輝きだし、由美の体に衝撃が走る。

由美:「まさか...うぅ!」

気がついたときにはもう遅かった。由美の手足はゴゴゴッと音を立てて伸び始め、髪は一気にロングへと変わり胸には谷間がみるみるうちに形成され、どんどん深くなっていく。

由美:「服を...服を何とかしなきゃ...あぁぁぁ!!」

由美は服を脱ごうとするが、体が成長する感覚と体にかかる衝撃がそうさせてくれない。そうしているうちに身長は170cmをこえ、胸はセーラー服いっぱいに膨らみミチミチと音を立ている。もはやSSサイズの制服は彼女の胸を隠すだけのシロモノになっていた。

由美:「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」

由美が叫ぶと同時に由美の体はあっという間に服を引き裂いてしまった。成長が終わるころには由美は変身前からは想像もつかないくらい美人になっていた。心なしか昨日よりも成長が激しい気がする。...それからしばらくして佐藤先生がやってきた。

佐藤先生:「あ〜あ、やっちゃったわね。...本当にしょうがない子なんだから。」

由美:「先生、言うのが遅いですよ〜(泣)あと5分早く言ってくれたら...


佐藤先生:「人のせいにするんじゃないの。...それより服ね。また保健室に借りに行ってくるからそこで待ってて。今日も送って行くから。」
怒りの感情を言い表せない由美を尻目に、先生は保健室へ体操服を取りに行ってしまった。
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佐藤先生:「どう?また美人になった気分は?」

由美:「サイアクです。」

佐藤先生:「どうして?いいじゃないそっちのほうが。」

由美:「こうなったせいで服は2着も台無しになるしこんな格好で帰らなくちゃいけなくなったんですよ。恥ずかしくて...。」

佐藤先生:「泣きついたって服の弁償代はまけないわよ。」

由美:「...........................!!(怒)」

そうして話しているうちにあたりはすっかり暗くなっていた。体操服姿の由美の希望で二人はあまり人目の付かないところを通っていたのだがそれが裏目に出てしまった。
二人は男たち3人に囲まれてしまったのだ。
男A:「あらあらネーちゃんたち二人だけで歩いてたらあぶないよ〜」

男B:「俺たちがボディーガードになってやるよ。」

男C:「おうよ。俺たちとピーしてピーピーしようぜ〜」

一人本心がむきだしになっている...。

佐藤先生:「由美さん、逃げるわよ。」
そう言うと先生は急に走り出した。

由美:「えっ、ちょっと、先生〜」

先生はまるで陸上選手のように素早かったが普段から運動音痴でしかもなれない体になっている由美が男3人の足から逃げ切ることは到底不可能であり、あっという間につかまってしまった。

男A:「おい、この女体操服だぜ。」

男B:「本当だ。しかもノーブラだ。」

男C:「早くピーしてピーピーしようぜぇ〜ウヒヒヒヒ。」
一人完璧に暴走している...。

先生は奥の方で警察に電話しているらしく「た・え・ろ」というメッセージがアイコンタクトで感じ取れた。「む・り・で・す」と返したがやっぱり無視された。
男ALL:「Let's Go!!」

由美:「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

由美に3人の魔の手が容赦なくふりかかった。

由美:「えっ?、あれっ?」

由美は違和感に気づく。胸をいくら揉まれても何も感じないのだ。
目の前で言い表せないようなことが起こっているのに肌の神経が完全に停止しているような奇妙な感覚。しかし目にうつる光景は由美には恐怖でしかない。
由美:「助けて...」

由美がそう言ったその時、

男A:「ぐわっ!」
目の前の男が吹っ飛んだ。
男B:「てめぇ、なにを...ぶっ!」
言いきる前にもう一人の男が蹴りあげられた。
暴走男はすでに逃げだしている。
男たちはそのまま叫びながら逃げて行った。

???:「お姉さん、大丈夫ですか?」

由美:「えっ?、あっ、はい...。」
どこかで聞いたような声...由美が顔をあげると、

由美:「あっ!!」

助けてくれたのは裕也だった。

裕也:「こんなところ1人で歩いてたらあぶないよ。ああいうゴロツキがうろうろしてるんだから。」

由美:「えっ、あっはい、気をつけます...」

裕也:「.........................」

由美:「.........................」

二人の間に沈黙が続く。

裕也:「それじゃあ、俺そろそろ行くから」

由美:「あっ」

走って帰っていく彼に由美は声をかけることができなかった。

佐藤先生:「由美さん、大丈夫?」

由美:「.................................」

何も答えない由美を見て先生は一瞬疑問に思ったが、由美の視線の先を見て「ああ〜〜〜」と納得したようだった。

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次の日、また元の姿に戻った由美は3着めの制服(泣)をきて登校していた。

由美:(昨日裕也くんにお礼言えなかったな〜、今度会ったらちゃんとありがとうって言わないとな〜)

そんなことを考えながら歩いていると

裕也:「おっはよ〜う、由美ちゃん。」

由美:「えっ、きゃぁぁ!!」

突然考え事の張本人が出てきたので由美はびっくりして転んでしまった。

裕也:「そんなにおどろかなくても...(焦)」

由美:「あっ、あの...」

突然の出会いに動転しつつも由美は立ち上がって一言。

由美:「きっ昨日はあっああありがとうございました!」

裕也:「えっ?」

由美:「あっ」

相手の反応で初めて気づく。

由美:(そういえば、昨日裕也くんに助けられたのは「成長した」私であって、裕也くんはあれが私だとは知らないわけで...)
由美の顔がみるみるうちに赤くなる。

裕也:「あのっ?きのうって?」

由美:「あっ、えっと、...なっなんでもないですぅぅぅ〜〜〜」

由美はあまりの恥ずかしさに運動音痴なのも忘れ、学校に向かって全力で走って行った。