乳神隠し 第6章

初心者 作
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     返して。

     返してよ。

     美琴を返して。

     私の心の中でその言葉だけが繰り返される。

あずさ:「美琴ー!」

     私はただただ美琴を呼ぶが声は闇の中に溶け
     ていくだけだった。

     私はひたすら探した。

     美琴を。

     そしてあの幽霊を。

     もうどこまで歩いたのか私には分からない。

     私の頭は悲しみと憎悪が支配していた。

     ガチャッ

     私は部屋を見つけては中を懸命に調べた。

     美琴を探すためではない。

     武器を探すために。

     私は錆びた釘や古い黒インクなど武器として
     使えそうな物を集めてはポケットに入ってい
     たビニール袋に詰め込んだ。

     許さない。

     アイツだけは絶対に許さない。

     ゴトン

あずさ:「!!」

     隣の部屋で物音がした。

     私は身を構えて一歩一歩隣の部屋へと忍び寄
     る。

     私は木片を握る手に力を込め、息を殺して中
     を覗いた。

あずさ:(!!)

     アイツだ!

     部屋の中であの幽霊が床の辺りを手で探って
     いる。

     美琴の姿はない・・・

あずさ:(何をしてるのかしら?)

     私はそのまま幽霊の様子を窺った。

     ギィ

あずさ:(!、・・・隠し階段!?)

     幽霊の足元の床板が持ち上がり、中から地下
     に続く階段が現れる。

     幽霊はそのままゆっくりとその中へ入って 
     いった。

あずさ:(・・・美琴はあそこにいるかも・・・)

     私は音をたてないように幽霊を追跡した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


     コツン

     階段を下りきると、左右に鉄格子が一例に続
     いた空間が奥まで続いている。

あずさ:「っ!?」

     左右の鉄格子の中を見て私は驚愕した。

     鉄格子の中には骸骨が1つ、2つと転がって
     いる。

     どうやらここは地下牢のようだ。

     四方八方から生暖かい風が漂ってくる。

     私の足が恐怖で震えてくる。

     だめ・・・

     こんなところで怖がってどうするの!

     アイツを倒して美琴を助けるんだ。

     絶対に!

     私は震える体に鞭打ち、先へと進んだ。

     コツ、コツ、コツ

     自分の足音が大きく聞こえてしまう。

     ドッドッドッドッドッドッ

     心臓の鼓動も激しい。

     ピタッ

     ついに私の足が止まってしまった。

     なにしてるの!

     動いて!動いてよ!

     どんなに思っても体が言うことを聞かない。

     私の体は恐怖に完全に屈してしまった。

あずさ:「ハァ・・・ハァ・・・」

     口から荒い息が漏れる。

     私はゆっくり目を閉じて気を落ち着かせよう
     と試みた。

     冷静に。

     冷静になるのよ私。

     スゥーーー

     ハァーーー

     深呼吸をして体を落ち着かせる。

     よし。

     もう大丈夫。

     私はゆっくり目を開けた。

あずさ:「!!?」

     私の体が凍りつく。

     視線の先には床に映る影が・・・・2つ!!

???:「フフフフフフ」

     背中にゾクッとした寒気がはしる。

あずさ:「うわあああああああ!」

     私は即座に後ろを向いて木片を真上から振り
     下ろした。

     バキッ

     床に叩きつけられた木片が真っ二つに折れ、
     破片が床に散乱する。

???:「フフフフフフ」

     また背中にゾクッとした寒気がはしる。

あずさ:「あああああああ!」

     私は折れた木片を後ろに投げつける。

     カァン

     しかし木片は鉄格子に当たって虚しい金属音
     をたてただけだった。

あずさ:「あああ・・・ああ・・・」

     手持ちを失った私は鉄格子にもたれ掛かり、
     足がズルズルと崩れ落ちた。

あずさ:「返して・・・・美琴を・・・・哲史を返して
     よぉ。」

     私の口からはもうそれしか出なかった。

???:「ミタシテヤロウ」

     そういうと幽霊は着物に手をかける。

あずさ:「あ・・・あ・・・、このっ!」

     私はヤケになって持っていたビニール袋を放
     り投げた。

     バシッ

あずさ:「あ・・・あ・・・」

     しかし袋はいとも簡単に振り払われ、着物に
     黒インクが染み付いただけだった。

     私に抵抗手段がなくなったのがわかると幽霊
     は自分の胸をさらけ出し、乳首を私の口に突
     っ込んできた。

     ズプッ

あずさ:「んんー!」

     すごい圧力に私は体ごと背中の鉄格子に押し
     付けられる。

     必死に胸を振り払おうとするがムニムニと変
     形するだけで振り払えない。

     そうしているうちに幽霊の胸がどんどん熱く
     なっていく。

あずさ:「んんー!・・・んんー!」

     私のもがきを嘲笑うかのように、幽霊の胸が
     ズンズン張ってくる。

     そして

     プシャァァァァァ

あずさ:「んぐっ・・・んぐっ・・・ぷぁあ」

     私の体の中に生暖かい液体が流れ込んでしま
     った。

???:「アト、ヒトリ」

     スゥーーー

     そう言うと幽霊はゆっくりと消えていった。

あずさ:「ハァ・・・ハァ・・・」

     ごめんね美琴・・・

     あなたを・・・助けられなかった・・・

     1人になった私の目からは悔し涙がただただ
     流れていた。

     ドクン!

あずさ:「うっ!?」

     体中が急激に熱くなっていく。

あずさ:「ん・・・んん・・・」

     心臓の音がどんどん大きくなる。

あずさ:「あ・・・ああ・・・私の体がぁ!」

     ドクンドクンと心臓が鼓動する度に私の体が
     ビクンビクンと痙攣する。

あずさ:(私の体・・・どうなってるの?)

???:「やったわん。ついに私の時代の到来ね。」

あずさ:「ひっ!?」

     突如頭の中から突如おぞましい声が聞こえて
     くる。

あずさ:「なに?なになになに!?」

???:「あ〜ら、可愛らしいお嬢さん。あたしの名前
     はゴン子(本名、鬼山 厳蔵 <オニヤマ 
     ゴンゾウ>)よ・ろ・し・く(愛)」

あずさ:「ひぃぃぃぃぃ!!」

     頭が激しく混乱する。

     どうやら私は性魂の中でも大変なのに当たっ
     てしまったらしい・・・

ゴン子:「う〜ん、それにしてもあなたなかなかのスタ
     イルじゃない。足も長くておっぱいもあって
     羨ましいわぁ〜ん。」

あずさ:「ひっ!?」

     私の手が勝手に胸と足を触ってくる。

     スリスリスリスリ

あずさ:「ちょっと!やめなさい!」

ゴン子:「んふぅ〜、どうしてぇ?こんなにいい体して
     るのに?」

     ムニムニムニムニ

     左手が胸を上下に揉みはじめる。

あずさ:「キャウ!?・・・は、離しなさい・・・ヒャ
     ウン!?」

ゴン子:「あらあらぁ、可愛い声出せるじゃない。あな
     た。」

     スリスリスリスリ

     右手がスリスリと私の太ももをさする。

あずさ:「キャウン!?・・・い、いい加減離しなさい
     よ!このゴリオカマ!」

     プッツン

     今、頭越しに何かが切れる音がした。

ゴン子:「あ〜な〜た〜ね〜!オカマだけならまだいい
     わよ。でも『ゴリ男』と『オカマ』で『ゴリ
     オカマ』はないんじゃないのぉ〜!」

     言葉の裏にただならぬ殺意を感じる。

あずさ:「あなたがやめないからでしょ!このゴリオカ
     マ!」

ゴン子:「ムッキー!!!!あなたにはどうやら『女の
     子らしい可愛さ』が足りないようねぇ〜!、
     いいわ!私を怒らせた事を後悔させてあ・げ
     ・る!」

     ズキン

あずさ:「えっ!?」

     私の耳に突然激痛がはしる。

あずさ:「いやあああああ!耳が!!耳が痛いいい!」

     私はたまらなくなって耳を押さえる。

     シュルシュルシュル

あずさ:(み、耳が・・・小さくなってる!?)

     手のひらに感じられる耳の肌触りがどんどん
     なくなっていく。

     そしてついに私の耳は完全になくなってしま
     った。

あずさ:(なに?どうなってるの?)

     口で喋っても言葉は何も聞こえてこない。

     突然の音のない世界に私は怖くてたまらなく
     なる。

ゴン子:(ふふふ安心なさい。すぐに耳はあげるわよ。
     『素敵な耳』をね。)

     ズズッ、ズズズズッ

あずさ:(!?、頭から何かが・・・)

     私が頭をおさえると、髪の下から何か柔らか
     いモノがムクムクと生えてくる。

あずさ:(何これ?何かフサフサしてる!?)

     その謎の物体は掌と同じ位の大きさになると
     成長を止めた。

     いつの間にか聴力が回復している。

あずさ:「何?何なのこれ!?」

     頭のてっぺんに生えたフニャフニャした物に
     私は困惑してしまう。

ゴン子:「焦らない焦らない。今見せてあげるわよ。 
     そ〜れっ!」

     私の体が勝手に近くの水たまりに移動し、中
     を覗きこむ。

     そこに移っていたのは!?

     ピョコン、ピョコン

     私の頭に生えた2つの突起。

     それの正体が分かるまでしばらくかかってし
     まった。

     突起のまわりに生えている細かい毛。不自然
     にピクピクと動く先端部分。

     これって・・・まさか!?

あずさ:「ねっ!?猫みみーーーーー!?」

ゴン子:「ピンポーン。なかなか似合ってるじゃない。
     この世で初めてのリアル猫みみの持ち主の 
     誕生ね。」

あずさ:「冗談じゃないわ!早く元に戻してよ!」

     私はたまらず耳を両手で隠す。

ゴン子:「キャアー!、そのポーズ可愛いぃ!(愛)」

あずさ:「ふざけないで!!早く元に戻しなさいよ! 
     このゴリオカマ!」

ゴン子:「プッツ〜ン!どうやらまだお仕置きが必要な
     ようね。」

     むずむずむず

あずさ:「えっ!?」

     今度はお尻の辺りがむずむずしてくる。

あずさ:「なっ、何する気!?」

ゴン子:「あ〜ら、猫みみときたら次は決まってるじゃ
     ない。」

あずさ:「まっ、まさか!?」

     私は慌ててお尻に手を当てる。

あずさ:「!!」

     予想が的中してしまった。

     私のお尻の割れ目の辺りがむずむずして細い
     毛が生えてきたかと思うとその部分がいっき
     に盛り上がり始めた!

あずさ:「ひゃああああ!?」

     その突起物は私のパンツをぐぐぐっと押し上
     げ、ズボンの隙間からこぼれ出ると、その細
     さを保ったままどんどん長さを増していく。

あずさ:「やだああああ!しっぽが!しっぽがぁぁぁぁ
     ぁぁぁぁ!?」

     私のお尻から生えてきたしっぽは、足と同じ
     ぐらいの長さになると成長を止めた。

あずさ:「あああ・・・」

     私はヘニャヘニャと膝をついてしまった。

     股の間から、白い毛をまとった長いしっぽが
     フニフニと動いている。

あずさ:「いやぁ、私、しっぽまで生えちゃった・・・
     ・・・」

ゴン子:「やだぁ、すっごく可愛いわぁ!あなたには 
     勿体無いくらい。」

あずさ:「もういいから早く元に戻して・・・」

ゴン子:「なぁに言ってるの!こんなに可愛くなったの
     に。あとは・・・そうねぇ・・・こんなのは
     どうかしら。」

     そう言うと私の手が勝手にしっぽの方に移動
     する。

     そしてそのフニフニ揺れるしっぽに近づいた
     かと思うといっきに掴みかかった。

     ギュッ

あずさ:「ひゃあああああああ!!?」

     しっぽを握られただけの筈なのに全身を快感
     が駆け巡る。

     スリスリスリ

あずさ:「あっ・・・んっ・・・んんっ・・・いやああ
     あ!」

     しっぽを手のひらがスリスリと擦る度に私の
     体がビクンビクンと反応する。

ゴン子:「どぉ?あなたのしっぽをとっても感じやすく
     したの。お気に召して?」

あずさ:「やっ、やめ・・・・・・んああっ!」

     スリスリスリスリ

     擦れる度に私のしっぽはぶるっと震え、その
     刺激がまるで電流のように私の脳内に伝達さ
     れる。

     私はいつの間にかその刺激に酔いしれてしま
     っていた。

あずさ:「ハァ・・・ハァ・・・」

ゴン子:「どぉお?なかなか気持ちいいでしょ?次は 
     もっと気持ちいいことしてあ・げ・る。」

     ピクン

     私の手がしっぽから離れると、私の服に手を
     かける。

     プチ、プチ、プチ

     そのまま私の手が服のボタンを外していく。

あずさ:「だっ・・・だめっ・・・いやっ!」

     ブルン

あずさ:「あっ・・・」

     私の胸が大きく揺れて露わになる。

     快感に快感を重ね続けたせいで、乳首がぷっ
     くりと立ち上がってしまっている。

あずさ:「いやぁ・・・・・・いやぁ・・・・・・」

ゴン子:「あ〜ら、素敵なおっぱい。これを使わない手
     はないわね。」

     フニュン

     私のしっぽがピクンと立ち上がるとそのまま
     私の胸に挟まってきた。

あずさ:「ーーーーー!!」

     挟まったしっぽから谷間のほのかな温かさと
     絶妙な圧力が伝わってくる。

     そのままの状態で私の手は両側からしっぽを
     スッポリ包んでいる胸を揉み始めた。

     ムニュン、ムニュン

あずさ:「んわあああ・・・」

     胸が上下に揺れるごとに谷間の中でしっぽが
     擦れ、ゾクゾクとした快感が湧き上がってく
     る。

     胸に挟まれているしっぽは胸が動く度にピク
     ンピクンと身震いする。

     ムニムニ、スリスリ、ムニムニ、スリスリ

あずさ:「あん・・・あっ・・・あっ・・・ああっ!」

ゴン子:「いいわねぇ。すごく気持ちよさそう。もっと
     やったげる(愛)」

     モミモミ、スリスリ、モミモミ、スリスリ

あずさ:「ああああん!いやあああああ!」

     私は立て続けに起こる快感をただ受け入れて
     いくことしかできなかった。

     その時

     コツコツコツ

あずさ:「!!」

     誰かがこっちに来る!?

 哲史:「なぁフィル。本当にここにから声が聞こえた
     んだな?」

フィル:「うん!間違いないよ!」

 美琴:「なんだか・・・気味が悪いです。」

あずさ:(!!、哲史!?、美琴!?)

     2人とも無事だったのね!

     よかった。本当によかった。・・・ってよく
     ない!

     哲史にこんな姿見られたら私・・・

     私は両耳を手で隠して牢屋の隅っこに移動す
     る。

ゴン子:「なぁに隠れてるのよ。あなた。」

あずさ:(うるさい!あなたは黙ってて!)

     コツコツコツ

     足音がだんだん迫ってくる。

     ドキドキドキドキ

     心臓がどんどんはやくなっていく。

     どうしよう!

     どうしようどうしようどうしよう!!

     私の頭の中がグルグル回ってしまう。

 哲史:「あずさ!!」

 美琴:「あずさちゃん!!」

あずさ:「!!」

     ついに見つかってしまった。

あずさ:「み、美琴。それに哲史も・・・無事だったの
     ね、・・・アハ、アハハハ。」

     必死で平気なふりをするが自分でもおかしい
     と思うほどぎこちなくなってしまった。

 哲史:「あずさ、大丈夫だったか?」

あずさ:「だ、大丈夫よ。問題ないわ。アハ、アハハハ
     ハハ。」

 哲史:「あずさ。」

     トットットッ

あずさ:「!!」

     哲史が近づいてくる。

 哲史:「あずさ。とりあえずみんなで話したい事があ
     るんだ。ヤツが戻ってくる前に急いでここを
     出よう。」

     そう言うと哲史は私の手を取る。

あずさ:「あっ!?いやっ、待って!!」

     フニュン

あずさ:「あっ・・・・・・」

     手を引かれるのと同時に私の耳が、しっぽが
     外にフニュンと飛び出した。

 哲史:「なっ!?なななな!?」

     哲史が明らかに動揺している。

あずさ:「い・・・い・・・いやあああああ!!」

     バキッ

 哲史:「ぐぼぉ!?」

     私は恥ずかしいあまり哲史にアッパーを繰り
     出してしまった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 哲史:「・・・そうか。お前も取り憑かれてしまった
     のか・・・」

あずさ:「・・・美琴も取り憑かれちゃったのね。」

 美琴:「はい・・・それで哲史さんに服を貸してもら
     いました。」

あずさ:「そう・・・」

     結局私は美琴を守ることができなかった。

     心の中に虚しさと悔しさが込み上げてくる。

     ズキュン!

     ?

     何?今の音?

ゴン子:「やだぁ、あの坊や超可愛い!あたしのタイプ
     かもぉ〜。」

あずさ:「な゛っ!?ななななななな!?」

     突然のゴリオカマの告白に私は動揺してしま
     う。

 哲史:「ん?あずさ、どうした?」

 美琴:「あずさちゃん?」

     みんなが心配そうに見つめてくる。

あずさ:「なっ、なななんでもないの。アハハハ」

     私は動揺しつつもなんとかごまかす。

あずさ:(い、いきなり何言い出すのよ!)

ゴン子:「本当の事言っただけよぉ。なに?あなたも彼
     の事好きなの?」

あずさ:(なっ!?なに言って!?)

ゴン子:「ふぅ〜ん、そうなのねぇ〜。・・・そうだ!
     あなた彼とエッチしてよぉ。そうすれば私、
     成仏してあげるわぁ。」

あずさ:「なななななななななななななな!?」

     また激しく動揺してしまう。

 哲史:「あずさ、やっぱりなんか変だぞ?」

あずさ:「きっ、気にしないで。なんでもないから・・
     ・・・・」

     だめだめ!

     哲史と私がエッチなんて・・・

     エッチなんて・・・・・・

     ボッ!

     想像して顔中が熱くなってしまった。

 哲史:「あずさ・・・」

あずさ:「!!」

     哲史が迫って来る!?

あずさ:「ほ、本当になんでもないから!」

     必死にごまかすが哲史の接近は止まらない。

 哲史:「・・・・・・」

     哲史の手が私に伸びる。

あずさ:「ーーーーー!!」

     私は思わず目をつぶった。

     ピトッ

あずさ:「えっ・・・」

     哲史の手が私のおでこにあてられている。

     顔が・・・近い!?

     ドキドキドキドキ

     しっ、心臓が・・・・・・

 哲史:「!!、熱いな。熱があるじゃないか。あまり
     無理するなよ。」

 美琴:(哲史さん、それは風邪のせいではないと思う
     んですけど・・・)

フィル:(哲史ってほんと鈍いなぁ〜。)

 哲史:「とりあえず今は休むことにしよう。あずさが
     キツそうだ。」

 美琴:「そ、そうですね。」

フィル:「うん。」

美 琴
 & :(ツッコまないでおこう・・・・・・)
フィル

     ドキドキドキドキ

     だめっ。これ以上優しくされたら私・・・・
     我慢できなくなっちゃう・・・

ゴン子:「あぁん、もうっ!じれったいわね!」

     ガクン!

あずさ:(えっ!?きゃあ!?)

     突然私の体から力が抜け、私の体は倒れてし
     まった。

     ぽふっ

あずさ:「あっ!?」

     私の頭は哲史の体へと落下し、膝枕の状態に
     なってしまう。

     カァ〜〜〜〜〜

     ますます顔が熱くなっていく。

 哲史:「おいあずさ!?大丈夫か!?」

     ドキドキ(さっ、哲史に膝枕されてる!?)

フィル:「哲史!その人の中にまだ性魂がいるよ!」

 哲史:「何!?」

     ドキドキ(やだっ!?何してるの私。)

フィル:「哲史!はやく性魂を!」

 哲史:「しかし、猫みみ好きの性魂ってどうやったら
     成仏するんだ?」

     ドキドキ(だめっ・・・体が動かない。)

 美琴:「・・・フィルさん、ちょっと。」

フィル:「ふぇ?」

     ・・・美琴がフィルって子を連れて離れてい
     った。

     気を使ってくれたんだろうか。

 哲史:「あずさ。どうすれば性魂が成仏するか分かる
     か?」

あずさ:「そっ、それは・・・・・・」

     返答に困る。

     エッチなんていえるわけがない。

     私の猫みみがその困惑を表すようにピクピク
     と動いてしまう。

 哲史:(な、なんかあずさの耳がピクピクしてるんだ
     が・・・)

あずさ:(どうしよう・・・なんて答えたら・・・)

 哲史:(ああ、なんか触りたくなってきた。)
 ↑
 無類のネコ好き。

あずさ:(私と・・・して?・・・だめ!やっぱりそん
     なこと言えない!)

哲 史
 & :(・・・・・・ちょっとだけならいいかな?)
あずさ

     ・・・チョン

     あずさ:「ふにゃあ!」

 哲史:「いっ!?」

あずさ:「!?」

     自分の声に自分自身が驚いてしまった。

     何、今の?

     耳を触られただけなのに・・・

 哲史:(・・・も、もう一回だけ・・・)

     チョン

あずさ:「はにゃあ!?」

     私の口から再び意味不明な叫び声があがる。

あずさ:(やっ・・・やだっ・・・哲史・・・やめっ
     ・・・)

 哲史:(やっべえ。なんか楽しくなってきた。)

     コチョコチョコチョ

あずさ:「はにゃにゃにゃにゃにゃ〜〜〜!!」

     私の体は反射的に縮こまってしまった。

あずさ:(だめ・・・耳を弄られるのが・・・気持ち 
     いい。)

     私はいつからか哲史に完全に身を任せてしま
     っていた。

 哲史:(やばい、やりすぎたか?)

あずさ:(哲史・・・私・・・)

     スッ

 哲史:「んっ?」

     私は哲史の胸にそっと手を添える。

あずさ:(美琴・・・ごめん・・・私・・・我慢できな
     い。)

     心の奥底から湧き上がってくる感情を抑えら
     れなくなった。

     ギュッ

 哲史:「!!」

     私は哲史の背中に腕をまわすと哲史にスッと
     抱きついた。

 哲史:「わわっ・・・あっあずさ!?(む、胸があた
     って・・・)」

あずさ:「・・・・・・」

     体に哲史の温もりが伝わってくる。

     さっきまであんなに感じていた恐怖が嘘みた
     いにスゥーと消えていく。

     哲史といると本当に安心できる。

     そう思う私がいる。

     私はそのまま哲史に甘えて続けた。

 哲史:(あずさの体が震えてる?コイツこんなに怖が
     っていたのに1人で美琴を探していたのか・
     ・・・・・)

     スッ

あずさ:「ーーー!!」

     哲史の手が私の体を抱いてくれた。

     さわっ

     髪を撫でられる度に私の心の中があったかく
     なっていく。

 哲史:「・・・もう、無理するなよ。」

あずさ:「えっ?」

 哲史:「こんなに震えるまで自分を追いつめるな。 
     こんな時くらい生徒会長である事なんか忘れ
     ろ。・・・俺がみんなを守るから。」

あずさ:「・・・・・・」

     哲史は優しい。

     こんな戦慄すべき状況でも私を守ってくれて
     いる。

     あの時と同じように。

あずさ:「・・・・・・」

     ギュッ

     私は哲史をさっきよりも強く抱いた。

     哲史もそれに合わせて私を抱いてくれる。

     このまま時間が止まってほしい。

     私は心からそう思った。

ゴン子:「いい雰囲気のとこ悪いけど早くエッチしてく
     れない?ずっと待ってるんだけどぉ?」

あずさ:「ひっ!?」

     コイツの存在を忘れていた。

     私は反射的に哲史の抱擁から抜け出してしま
     う。

あずさ:「いやぁ・・・いやぁ・・・そんなこと・・・
     そんなこと・・・」

     性魂の言葉で私の体がまた震え始める。

     哲史に嫌われたくない。

     そんな気持ちで。

 哲史:「あずさ、どうした!?まさか性魂が・・・」

     哲史が心配してくれてる。

     これ以上哲史に心配かけたくない。

     けどエッチなんて・・・

     私はどうすればいいのか分からなくなった。

 哲史:「あずさ!言ってくれ!俺に出来ることなら 
     なんでもするから!」

     ガッ

あずさ:「ーーー!!」

     哲史が肩を掴んで私を見つめている。

     そんな目で見つめないで・・・

     もっと嫌われたくなくなる・・・

 哲史:「あずさっ!!」

あずさ:「・・・・・・エッチ。」

 哲史:「えっ。」

あずさ:「・・・・・・成仏してほしいならエッチしろ
     って・・・」

     言った。

     言ってしまった・・・

     私は目を瞑ってしまう。

     哲史・・・お願い・・・嫌いにならないで。

 哲史:「・・・わかった。」

あずさ:「えっ!?」

     哲史のそう言う声が聞こえたかと思うと私の
     体が床にゆっくりと押し倒された。

あずさ:「さっ・・・哲史?」

 哲史:「あずさ・・・絶対助けてやるからな。」

     ムニッ

あずさ:「あっ!?」

     哲史はそう言うと、私の胸に顔をうずめてき
     た。

     哲史の顔が私の胸に・・・

     恥ずかしくて顔が赤くなってしまう。

     哲史は胸に一通り顔をうずめた後、私の胸に
     手を伸ばす。

     ムニュン

あずさ:「ひゃうっ!?」

     ムニュムニュムニュ

     私の胸が哲史の手に合わせて形を変える。

     今まで男性に胸を揉まれたら反射的に抵抗し
     ていた私。

 哲史:「・・・脱がすぞ。いいか?」

あずさ:「・・・うん。」

     でも今は哲史のすべてを受け入れたいと思っ
     ていた。

     プルン

     ボタンが取れると私の胸が露わになる。

     私の荒い呼吸に合わせて私の胸は伸縮を繰り
     返している。

あずさ:「哲史・・・お願い・・・私を・・・」

 哲史:「ああ。必ず助けてやる。」

     ペロッ

あずさ:「キャウ!?」

     哲史の舌が私の乳首を優しく撫でる。

     ゾクッとした感覚とはまた違う何かが私の全
     身に駆け巡ってくる。

     ペロッ、ペロッ

     ムニュ、ムニュ、ムニュ

あずさ:「あああ、あっあああああ!」

     胸を弄られるほど私の体がビクッビクッと反
     応する。

あずさ:(だっ、だめっ・・・気持ちいい!)

     男性に胸を揉まれる事に、私は初めて快感を
     感じてしまった。

     ムニュン、ムニュン、ムニュン

あずさ:「ああっ、あっ、あっ、あっ、あああああ!」

     胸を揉まれる事がこんなに気持ちいいなんて
     ・・・お願い・・・もっと・・・もっと揉ん
     で・・・

     フニュン

あずさ:(えっ!?)

     突然私のしっぽがピクンと立ち上がる。

     そして私の頭の中にしっぽが寂しいというか
     うずうずしている感じが漂い出す。

あずさ:(しっぽ?・・・私のしっぽも哲史を求めてる
     の?)

     むずむずむずむず

     しっぽが快楽を求めて激しく震えている。

     私はなんだかたまらない気持ちになった。

あずさ:「ハァ・・・ハァ・・・さっ、哲史。」

 哲史:「なんだ?」

あずさ:「私の・・・私のしっぽがなんだかむずむずす
     るの。・・・お願い・・・」

     私はそう言うと体を起こして再び哲史に抱き
     ついた。

     ムニュン

     胸が哲史の服にこすれて気持ちいい。

     だけどそれ以上にしっぽがせつない。

 哲史:「あっ・・・あずさ?」

あずさ:「・・・私のしっぽを・・・メチャクチャにし
     て。」

     私の体はいつの間にか哲史の接触を求めてし
     まうようになっていた。

 哲史:「・・・わかった。しっぽだな・・・」

あずさ:「うん、お願い。」

     私の意思とは別に、しっぽが哲史の前に差し
     出される。

 哲史:「・・・いくぞ。」

     ギュッ

あずさ:「ふにゃああああああ!?」

     全身を電流のような刺激が襲う。

 哲史:「いっ!?・・・わ、わるい。痛かったか?」

あずさ:「ううん、いいの。・・・続けて。」

 哲史:「あっ、ああ。」

     ギュッ、ギュッ、ギュッ

あずさ:「はにゃああああああ!?」

     強く握られる度にしっぽがビクッと反応して
     私は甲高い喘ぎ声をあげる。

     スリスリスリスリ

あずさ:「ひゃあ・・・んっ・・・んっ・・・ひゃう 
     !?」

     哲史が私のしっぽを弄ってる。

     哲史の手と私のしっぽが擦れ合うのが気持ち
     いい。

     私の体がビクビク痙攣する度に哲史を抱きし
     める力が強くなる。

 哲史:「あっ・・・ああああずさ!?(む、胸がギュ
     ーッて・・・)」

あずさ:「哲史・・・もっと・・・もっとスリスリして
     ーーー・・・」

 哲史:「あっ、ああ。」

     スリスリ、スリスリ

あずさ:「にゃうぅぅぅぅ!」

     私はしっぽを弄られる事に言葉で表せないよ
     うな快感を感じていた。

ゴン子:「はあぁぁぁん!・・・ありがとぉう。あなた
     のおかげで満足できたわ〜ん!約束通り成仏
     してあげる。」

あずさ:(えっ!?)

     快楽に溺れそうになるなか、そう言う声を聞
     き取った。

ゴン子:「でもあたし体がちょっと大きいから我慢して
     ね(愛)。」

あずさ:(えっ?それってどういう・・・)

     私がそう思ったその時!

     ぐぐぐぐぐぐっ!

あずさ:「!!」

     胸が突然急激に張り出した。

 哲史:「あずさ!?」

あずさ:「いやあああ!?胸が・・・胸が張って・・・
     あああああ!」

     哲史の服にくっついて前半分が平らになって
     いた私の胸がぐんぐん弾力を上昇させ、どん
     どん哲史の体を押し返していく。

あずさ:「いやあああ・・・胸が・・・私の胸がぁぁぁ
     ・・・・・・」

     風船が空気を入れられるように私の胸はぐん
     ぐん弾力を増し、乳首がビクンと前に向かっ
     て立ち上がる。

     さらに胸の中で何かが湧き上がってくるよう
     な感覚が私の脳内にゾクゾクッと刻まれる。

あずさ:「あああ・・・んっ・・・んっ・・・ああああ
     あああ!」

     胸の中の張りがだんだん先端の方へ移動し、
     乳首の辺りがむずむずしてくる。

     まるで何かが乳首でつっかえているように。

あずさ:「あああ!やだっ・・・何かが出てきそうなの
     に・・・出てこないぃ!」

     私の乳首は中から何かをだそうとするように
     ぐぐっと膨らんだり縮んだりを繰り返してい
     るがその何かはなかなか出てこない。

 哲史:(まさか性魂が出ようとしてるのにつっかえて
     るのか?・・・あずさがかなり苦しそうだし
     ・・・仕方ない。)

 哲史:「あずさ、待ってろ!今搾り出してやる!」

     えっ?搾り出すって・・・

     ギューッ

あずさ:「ひゃあああああ!?」

     乳首を・・・乳首を掴まれてる!?

     哲史の両手がギュッギュッと私の乳首を刺激
     する。

あずさ:「あああああ!いやあああああ何か出ちゃうう
     ううう!!」

     ブシューーー!!

     私の乳首が一瞬大きく膨らんだかと思うと、
     白い液体が中から一気に吹き出した。

あずさ:「あっ・・・あっ・・・」

     私はそのまま気を失ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 哲史:「ふぅ。」

     俺は安堵の溜め息をはく。

     どうやらあずさの性魂は成仏したようだ。

     俺は床に倒れているあずさの服のボタンを閉
     じるとそのまま鉄格子にもたれた。

 哲史:「ふぅ。とりあえず一件落着か。俺もちょっと
     休もう。」

     俺はゆっくりと瞼を閉じ・・・・・・ようと
     したその時!

フィル:「さ〜と〜し〜!!」

 哲史:「んおっ!?」

     フィルがいきなり飛びついてきた。

     ガンッ!

     俺は後ろの鉄格子に後頭部をぶつける。

 美琴:「さっ、哲史さん、大丈夫ですか?」

 哲史:「あっ、ああなんとか。フィル!いきなりなん
     だよ!」

フィル:「だってだって!哲史ったら他の人とばっかり
     やるんだもの!ボクにもやってよ!」

 哲史:「・・・またいつかな。」

フィル:「なにそれぇ!」

     フィルはぷぅっと頬を膨らませ、そっぽを向
     いてしまった。

     まずいな。

     何とかして機嫌をなおさないと・・・

 哲史:「・・・(水春が持ってた)チョコやるから。」

フィル:「うわぁーい!ありがとー!」

     ・・・案外簡単になおった。

フィル:「はっ!?こっ、こんなのでごまかされないか
     らね!」

 哲史:「ごまかされてたじゃねぇか。」

フィル:「ーーーーー!!」

     フィルは顔を真っ赤にさせた。

 美琴:「哲史さん、それであずさちゃんは?」

 哲史:「ああ、もう大丈夫だ。今はぐっすり眠ってる
     よ。」

 美琴:「そうですか!ありがとうございます!」

     美琴は俺に一礼すると、あずさの方へ目をや
     る。

 美琴:(あずさちゃん、これでおあいこですよ。)

 哲史:「ん?美琴、何か言ったか?」

 美琴:「何でもないですよ。」

     そう言うと、美琴はこっちを向いてニコッと
     笑った。