美琴:「哲史さーーーん!!」
私は廊下の奥に向かって大声で叫んだ。
この声が哲史さんに届く事を願って・・・・・・
麗:「やめなさい。」
不意に麗さんに口を塞がれた。
美琴:「でも早く哲史さんを見つけないと・・・・・・」
麗:「忘れたの?秋山君の話ではヤツらサキュバスは私達人間よりも聴覚が何倍も優れているのよ。
大声なんかあげたら居場所を教えてあげるようなものだわ。」
美琴:「でもっ・・・・・・でもっ・・・・・・」
私の身体が震える。
怖い。
不安でしょうがない。
哲史さんがあの幽霊に襲われてるかもしれないと考えると・・・・・・
不安でたまらなくなる。
麗:「・・・・・・落ち着きなさい。こんな時だからこそ落ち着かなきゃだめよ。
彼を本当に助けたいなら今は取り乱してる場合じゃないわ。・・・そうでしょ?」
美琴:「・・・・・・はい。」
・・・・・・麗さんはやっぱり大人だ。
こんなに臆病な私を優しく慰めてくれる。
なのに私は・・・・・・
・・・いや、だめだ。
いつまでも臆病でいちゃだめなんだ。
麗さんに甘えてるだけじゃだめ。
私自身が変わらないといけないんだ。
麗:「・・・・・・もう、大丈夫なようね。」
麗さんが安心した様子で言った。
美琴:「はい、もう・・・大丈夫です。」
私は気持ちを落ち着かせると、顔をあげた。
するとその時
美琴:「!!」
突然視界が開けたかと思うと、目の前にひとつの人影が映し出された。
あれは・・・・・・
美琴:「フィルさん!?」
麗:「えっ!?」
フィル:「!?」
私が声をあげて駆け寄るのと同時に、フィルさんが驚いた表情でこっちを見つめる。
哲史さんの姿は・・・・・・ない。
フィル:「ミコトに・・・レイ。どうして・・・・・・」
麗:「『どうして』はこっちの台詞よ。どうしてあなた『だけ』がこんな所にいるのよ。」
麗さんが棘のある言葉でフィルさんを問い詰める。
美琴:「ちょ、ちょっと麗さん。」
私はとっさに麗さんを止めようとするが麗さんの尋問は止まらない。
麗:「何で秋山君の姿がないのよ。・・・・・・もしかしてあなた・・・・・・」
フィルさんは黙ったまま虚ろな目をして下を向いている。
美琴:「フィルさん、教えてください。何があったんですか?哲史さんは?」
私は麗さんの言葉から棘を抜いて再び聞き直した。
フィルさんはしばらく黙っていたが、やがて観念したように
フィル:「サトシは・・・・・・」
そう重い口を開いたと思ったその時!
『キャアアアアアアアアアアアアアアアアア』
美琴:「!?」
突如私達の来た方角からおぞましい断末魔の叫びが轟いた。
美琴:「なっ、何!?」
私の心臓が恐怖と驚愕でバクバクと激しく音をたてる。
今の声は・・・・・・まさか
麗:「やられた!?」
麗さんのそう口走った声が私の耳の中でこだまする。
麗さんはクッと拳を握りしめると、叫び声がした方に向かって走り出した。
美琴:「あっ!?麗さん待って!!」
麗さんに続いて私も駆け出そうとするが、足がすくんで動かせない。
麗:「鈴原さんはここにいて!私が様子を見てくるから!」
美琴:「れっ、麗さん!」
私は必死に叫んだが、麗さんの姿は黒い霧の中に溶けて見えなくなった。
美琴:「・・・・・・」
一人ポツンと残された私はどうしようもない不安に駆られていた。
待っている間の一分一秒がすごく長い時間に感じられる。
美琴:「・・・・・・ねぇ、フィルさん。」
私はたまらなくなってフィルさんに助けを求めた。
しかし
美琴:「えっ・・・・・・」
そこにフィルさんの姿はどこにもなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「う・・・・・・」
重い目蓋が上がり、視界が開かれる。
いったいどのくらい寝ていたのだろうか?
身体にだるさがまだ残っていることを考えると、そんなに長く眠ってはいないみたいだが・・・・・・
哲史:「っ!!・・・フィル!?」
ハッと気がついて俺は辺りを見回す。
しかし周りにはフィルの姿はおろか、人影一つ見えない。
それどころか眠りにつく前には確かにあった鉄格子の縦列も無くなっている。
俺は確かにあの重苦しい黒ずんだ鉄の棒にもたれていたはずなのに、気がつくと白い砂浜の上に横たわっていた。
身体に付いた砂を払い落としてもう一度辺りを見回す。
俺の立っている白い砂浜には蒼色の波が打ち寄せ、所々にヤシの木と思われる木々が生えている。
わかりやすい言葉で表すなら『南の島』といった感じだ。
なぜ俺はこんな所にいる?
そしてここは一体どこなんだ?
疑問という疑問が頭の中を右往左往する。
哲史:「・・・・・・夢か?」
そう思って頬をつねってみたが鈍い痛みが返ってきただけだった。
哲史:「・・・・・・」
とりあえず俺はフィルを探すことにした。
歩けども歩けども白い砂浜がただただ続いている。
本当に俺は今どこにいるのだろうか?
そう思ったとき
???:「お〜〜〜い。」
哲史:「ん?」
誰かが手を振りながらこっちに走ってくる。
遠くて姿はよくわからない。
哲史:「・・・・・・フィルか?」
華奢な身体と走る度にぶるんぶるんと揺れ動く不釣り合いな胸からどことなくフィルっぽさを感じ取った俺だったが、
彼女の姿が近づいてくるにつれて、フィルじゃないことがはっきりとわかってきた。
その髪はショートではなく、ロングヘアーで、色も白ではなく艶やかな光沢の黒髪だった。
背中にはあの特徴的な翼もない。
???:「お〜〜〜い。」
彼女は俺を知っているように右手をぶんぶん振って近づいて来るので、俺も手を振り返した。
俺が手を振るのを見ると彼女はホッと息をついて、こっちにやってきた。
彼女は男が着るような大きなTシャツを着ているだけの簡単かつ色っぽい格好だった。
身体に不釣り合いな大きな胸が自己主張するように布地をグンと持ち上げている。
???:「はぁ・・・はぁ・・・」
俺の目の前にやってきた彼女は膝に手を突いて荒々しい息をたてている。
哲史:「おっ・・・・・・おい、大丈夫!?」
『大丈夫か?』と声をかけようとした俺の眼中に彼女の服の隙間から吸い込まれそうな深い谷間が飛び込んできた。
俺は慌てて目をそらす。
哲史:「えっと・・・・・・その、大丈夫か?」
目をそらしたまま尋ねる。
???:「はっ・・・・・・はい・・・大丈夫・・・。」
そう言うと彼女は膝から手を離し、スッと身体を起こした。
まだ息が少し荒々しい。
哲史:「えっと・・・・・・俺に何の用?」
俺は彼女から視線を少しそらしたまま話す。
???:「・・・・・・」
ひょこっ
哲史:「!」
俺の視線の方向に気づいたのか彼女が俺の正面に回り込む。
また視線をそらす。
???:「!」
ひょこっ
それを見て彼女がまた正面に回り込んだ。
哲史:「!」
またそらす。
???:「!」
ひょこっ
また回り込む。
そんなことを繰り返している内になんか馬鹿らしくなってきた俺は視線を止めた。
彼女の動きもそれに合わせて止まる。
哲史:「・・・・・・で、俺にいったい何の用だ!」
俺は少し声を荒くして言った。
彼女はしばらく俺の顔をまじまじとみていたが、やがて口を開くと
???:「秋山哲史さんですよね?」
そう口にした。
哲史:「っ!?・・・なんで俺の名前っ!?」
思わず身体がたじろぐ。
俺の反応を見るや否や彼女の顔がパアッと明るくなったかと思うと
???:「やっぱりそうだった!良かった。聞いてた人と違ってたらどうしようかと思いました。」
と嬉しそうに喋った。
哲史:「聞いてた・・・・・・って何を?」
俺の頭の上に『?』が浮かぶ。
???:「うん、『すごく純情(ウブ)』で。」
ゴンッ
???:「だけど『すごくエッチ』な。」
ガンゴンッ
???:「『童貞さん』って。」
ギンゴンガンッ
言葉の一つ一つが身体に重くのしかかる。
哲史:「違うっ!!」
俺は咄嗟に否定した。
すると彼女はニヤッと笑って
???:「そうやって向きになって否定する所も聞いてた通り。」
と指差しながら言った。
哲史:「ぐっ・・・・・・」
俺は言い返すことができない。
言葉を詰まらせる俺の顔を嬉しそうに見つめると、彼女はいきなり俺の手を取って歩き出した。
哲史:「えっ!?、おっ、おい。」
俺は彼女にされるがままに連れて行かれる。
???:「こっちですよ。」
彼女はそう言いながらただただ前に向かって歩いていく。
見た目からは想像できないすごい力だ。
哲史:「おっ、おい。俺をどこに連れてくんだ?」
手を引かれながら、俺は彼女に尋ねた。
???:「お・・・マスターの所です。」
哲史:「マスター・・・だと!?」
???:「そう。マスターの所。」
『マスター』・・・その言葉には聞き覚えがあった。
フィルが言っていた『マスター』と呼ばれる人物。
ソイツに会えということか?
ということはコイツはフィルと同じ・・・
『サキュバス』
バッ
その単語が頭をよぎると、俺の手は考えるよりも先に彼女の手を振り払っていた。
彼女が驚いた表情でこっちを向く。
???:「どうしたの?」
その言葉でハッと我に返る。
そうだ。
まだ彼女がそう決まったわけじゃない。
哲史:「あ・・・いや・・・引っ張らなくても自分で歩くから。」
俺は言葉を濁した。
???:「そう・・・・・・」
彼女は一瞬残念そうな素振りを見せると、1人で先に歩き出した。
哲史:「・・・・・・」
???:「・・・・・・」
互いに会話が生まれない。
一歩一歩進む度に空気の重さがひしひしと伝わってくる。
話題・・・何か話題を・・・・・・
哲史:「あっ・・・・・・あのさ・・・」
俺はこの重苦しい雰囲気に耐えきれなくなって口を開いた。
???:「なに?」
彼女がゆっくりと振り返る。
同時に服の中の球体もぶるんと揺れる。
また一瞬たじろいてしまった。
哲史:「えっと・・・そういやまだ名前聞いてなかったなって・・・・・・」
???:「あっ・・・・・・」
俺の言葉に彼女はハッとした顔をするとしばらく黙り込んでしまった。
哲史:(なんだ?名前を言うとまずいことでもあるのか?)
彼女は『考える人』のポーズをしてしばらく静止していたが突然
???:「あっ!!」
と言っていかにも『閃いた!』という感じに手をパンと叩くと
???:「M15号!」
哲史:「・・・は?」
奇想天外な名を発言した。
哲史:「なんだよそのエム15号って。」
???:「知らないよ。いつもマスターは私の事、『15号』って呼んでるし。」
よく見ると彼女の右肩に小さく『15』と数字が刻まれている。
哲史:「・・・お前、それでいいのか?」
???:「うん、私は別に気にしてないから。・・・あっ、ちなみに『M』ってのは『ミルク』の略だよ。」
哲史:「そんなこと聞いてな・・・・・・ん?『ミルク』?」
その単語を聞いた時、俺の頭の中に何かがよぎった。
そういや彼女には前にどこかで会ったことがある気がする。
どこだっけ・・・
???:「どうしたの?」
不意に彼女が俺の顔を覗き込んでくる。
哲史:「あ・・・・・・いや・・・・・・俺達前にどこかで会ったことあったっけ?」
俺の質問に彼女はちょっとの間キョトンとすると
???:「・・・・・・ぷっ。あはははは」
急に口に手を当てて笑い出した。
哲史:「なっ・・・・・・なんだよ。」
???:「だって『どこかで会ったことあったっけ』って、いったい何年前の口説き文句?」
哲史:「は?」
彼女の言葉で改めて考えてみると、彼女の言った意味がだんだん分かってきた。
俺の顔がみるみる紅潮する。
哲史:「ちっ、違うぞ!そういう意味じゃなくてだな・・・・」
???:「あはは真っ赤になって、かわいい。」
哲史:「ぐっ・・・・・・もういい。何でもいいから早く目的地に向かうぞ・・・えっと・・・」
???:「15号。」
哲史:「いや、その呼び方なんか抵抗あんだよな・・・」
???:「何で?」
哲史:「う・・・いや・・・・・・」
囚人番号みたいだなんて言えるわけがない。
哲史:「と、ともかくだ。何か別の呼び方考えるか。」
???:「どんな?」
哲史:「う・・・えっと・・・15号・・・15・・・イチ、ゴー・・・イチゴ。」
???:「・・・・まんまだね。」
哲史:「俺に良質なネーミングセンスを求めないでくれ。」
???:「まぁ、いいよ。イチゴで。かわいいし。」
結局イチゴと呼ぶ事になった。
イチゴ:「さぁ、決まったなら早くマスターの所に行くよ。」
哲史:「へいへい。」
・
・
・
・
・
哲史:「まだ着かないのか?」
イチゴ:「もう少しよ。」
・
・
・
・
・
哲史:「まだなのか?」
イチゴ:「もう・・・少しですよ。」
哲史:「・・・・・・」
・
・
・
・
・
哲史:「まだかーーー?」
イチゴ:「もう・・・少し・・・です。」
哲史:「それ2時間前にも言ってたぞ・・・。」
もう合計4時間はノンストップで歩き続けてる気がする。
イチゴの息も俺の息も大分あがってきた。
ひょっとしてイチゴはこんな途方もない距離を歩いて俺を探しに来てたのか?
そう思うと俺はなんだか申し訳ない気持ちになった。
哲史:「・・・・なぁ、少し休まないか?」
俺がそう言うとイチゴは『その言葉を待っていた!!』と言うように目をキラキラさせて
イチゴ:「そうですね。そうですよね。休みましょ休みましょ。」
と言って素早く腰を下ろした。
哲史:(よっぽど休みたかったんだな・・・)
俺はそう思ったが彼女のプライドの為にも黙っていることにした。
哲史:「・・・で、結局あとどれくらいかかるんだ?」
俺は腰を下ろしてイチゴに確認する。
イチゴ:「えっ・・・えっと・・・・・・も、もう少しですよ。」
哲史:「具体的に頼む。」
俺が問い詰めるとイチゴは『う・・・』と言葉を詰まらせて言いにくそうに言った。
イチゴ:「・・・2時間・・・くらいかなぁ。」
哲史:「はぁ〜」
俺は砂浜に崩れ落ちた。
イチゴ:「だっ大丈夫ですよ。2時間なんてすぐだから・・・」
イチゴが動揺してなだめようとしている。
哲史:(まぁ、俺よりこいつの方が2倍歩いてるんだし、俺がふてくされるわけにはいかないよな。)
そう思って体を起こす。
哲史:「まぁ、俺の喉の渇きがもつまで頑張ってみるよ。」
イチゴ:「喉渇いてるの?」
イチゴが俺の顔を覗き込んでくる。
その表情は無垢そのものだ。
哲史:「まっ、まぁな・・・」
少しどぎまぎしてしまった。
いったい俺は何してんだ。
みんなが大変な目にあっているかもしれないという時に・・・
イチゴ:「じゃあ・・・・・・飲む?」
哲史:「ん?」
哲史:(・・・なんだ今の間は?)
イチゴ:「もし我慢できないなら・・・」
哲史:(・・・なんでそこで恥ずかしそうな顔をする!?)
イチゴ:「・・・飲んでも・・・いいけど・・・」
哲史:(・・・なんでそこで胸を押さえる!?)
哲史:「・・・飲むって・・・何を?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
俺の今までの経験則が嫌な答えを連想させる。
イチゴ:「だから・・・その・・・私の・・・」
哲史:(・・・まっ、まさか)
イチゴ:「・・・おっぱい。」
☆予想的中!☆
なんで当たってほしくない予想ほど当たってしまうんだろうか。
俺の了承も得ずにイチゴが服に手をかける。
ダメだ!早く何とかしないと!
哲史:「いっ・・・いやっ、大丈夫だし、あっ、ほら、俺牛乳苦手だからさ。」
イチゴ:「大丈夫です。私のおっぱいは牛乳より断然美味しいです。保証します。」
いや、保証されても困るんだが・・・・・・
っていうか会ってから半日も経ってないのに何なんだこの展開?
哲史:「いっ・・・いやっ、ほっ、ほら、そもそも子供もいないのに出るわけないだろ。」
イチゴ:「へ?昨日も2リットルは出たよ。」
にっ、2リットル!?
汗だってそんなに出る奴いねぇぞ!?
どういう身体してんだコイツは!?
イチゴ:「実を言うと・・・今日はまだ搾ってなかったから・・・その・・・おっぱいが張っちゃって・・・・・・」
哲史:「・・・・・・で、俺に搾り出してほしいと?」
イチゴ:「ううん、・・・って」
哲史:「何?」
イチゴ:「吸って欲しいの。」
哲史:「・・・・・・」
何の試練だこれは・・・
神様はとことん俺の貞操を崩したいらしい。
イチゴ:「だっ、だめ?」
イチゴが純粋な眼差しで見つめてくる。
言ってる事は不純極まりないのだが・・・
やはりここは男らしくきっぱりと断っておこう。
哲史:「いや、さすがにそれは問題あるだろう。」
イチゴ:「何で?哲史君って『すごくエッチ』なんじゃなかったの?」
哲史:「ぶっ!?・・・それは今すぐ忘れろ。記憶から消せ。欠片1つ残さずに。」
イチゴ:「・・・けどあずさちゃんや美琴ちゃんにはエッチしたよね。」
哲史:「*□◇%÷@!?」
俺は激しくずっこけた
この時もし近くに穴があったら俺は全身を地中深くに葬っただろう。
俺の頭の中で混乱が轟音をたてるくらい激しく渦巻いていた。
哲史:(・・・パク・・・パク・・・)
言葉にできない。
そんな俺の挙動を見てイチゴの顔がにやつく。
哲史:「おまっ、何で知ってんだ!?」
イチゴ:「だって見てたんだも〜ん。」
哲史:「見てた!?いつ!?どこで!?」
イチゴ:「そんなことより・・・」
イチゴが四つん這いでじりじりと迫って来る。
ゾクッ
俺は背中に寒いものを感じた。
哲史:(にっ、逃げなければ・・・早くここから・・・)
そう思って俺は立ち上がろうとしたが
ガクッ
哲史:「!?」
しまった!
さっきずっこけた時に足首を捻ってしまった!
逃げられない!
イチゴ:「・・・哲史君。」
ギュッ
哲史:「うわあああ!?」
俺はイチゴに抱きつかれ、そのまま押し倒されてしまった。
むぎゅっ
俺の身体にイチゴの豊満な胸が押し当てられる。
哲史:(うっ、うわぁ胸が・・・)
ギュッ、ギュッ
イチゴは俺に抱きついたまま、身体を上下に動かす。
俺はイチゴに抱かれたまま体を動かすことができない。
イチゴ:「・・・はぁう・・・あふぅ・・・」
耳元からイチゴのエロい声が聞こえてくる。
哲史:(・・・・・・こ、こいつ何やって・・・)
ギュッ、ギュッ
哲史:「ん?」
俺の胸板に柔らかい胸と一緒に少し堅いものが擦れ・・・・・・ってこいつまさか!?
《俺の身体で乳首をいじってる!?》
哲史:(やばい・・・やばいって・・・)
身体にごしごしと擦れるイチゴの胸の先端がだんだん堅くなってきているのを神経が感じ取る。
イチゴ:「ふぅん・・・はぁぁ・・・ああっ・・・」
イチゴの声もだんだん激しくなってきている。
哲史:(やばい、これはやばいって・・・)
初めて『攻められる』立場になった俺の理性は今や決壊寸前のダムのようだった。
乳首を俺の身体に擦り付けながら時々ビクンと身体を震わせるのがまたエロい。
俺は自分らを押さえることにいっぱいいっぱいで、ただ呆然とそれを受けているしかなかった。
イチゴ:「・・・はぁ・・・はぁ・・・哲史君・・・。」
イチゴが乳首を擦り付けるのを止めて身体を起こした。
Tシャツの乳首のあたりがチョロッと濡れている。
哲史:「・・・どっ、どっ、どどどうした!?」
俺の心臓が緊張と興奮でこれまでにないってくらいバクバクと轟音をたてる。
イチゴ:「胸がうずうずして・・・もう自分で弄ってるだけじゃ満足できないの。」
バッ
哲史:「!!?」
そう言うとイチゴは自分のTシャツに手をかけ、強引に捲り上げた。
Tシャツの下から汗を纏って光り輝く純白の肌と堅く勃起した桃色の乳首を付けた大きな胸がぶるんと揺れて露わになる。
哲史:「おっ・・・おいっ・・・」
イチゴ:「お願い・・・哲史君の手で・・・メチャクチャにして・・・」
イチゴはそう言うと自分の胸を掴んで、ぐいっと前に差し出した。
哲史:「・・・・・・」
その瞬間俺の中で何かがガラガラと音をたてて砕け散った。
そして・・・
ダッ
むぎゅっ
イチゴ:「あっ!?」
俺は無意識のうちにイチゴの胸を鷲掴みしていた。
もにゅっ、
もにゅっ、
もにゅっ、
もにゅっ、
イチゴ:「あっ・・・んんっ・・・はぁぁ・・・」
俺はイチゴのマシュマロのように柔らかい胸の全体を素早く撫で回した。
全体をギュッ、ギュッと揉めば揉むほど、イチゴの胸は次第にあったかくなっていき、時々ビクンと反応した。
イチゴ:「ひゃっ・・・哲史君・・・そんな激しく・・・うぅん!」
俺はイチゴの胸を両側からむぎゅっと内側に寄せてみたり、ぐいっと押しつぶしたりと激しく弄くりまわす。
そうすればするほど、イチゴははぁはぁと息を荒立てながらどこか気持ちよさそうな顔をした。
むぎゅっ、
むぎゅっ、
むぎゅっ、
むぎゅっ、
イチゴ:「やぁぁ・・・おっぱいが・・・おっぱいが中でうごめいてるぅ・・・」
イチゴの言うとおり胸のビクンとする反応のペースがだんだん早くなってきている。
与えた刺激によっておっぱいが分泌され、胸の中のタンクが限界に近くなっているらしい。
イチゴの胸は揉み始めた頃よりも確実に張りと大きさを増していた。
イチゴ:「はぅ・・・いやぁ・・・胸が張っちゃって・・・苦しい・・・」
イチゴは快感と苦痛の連鎖で、もう完全に脱力し、俺に身体を委ねている。
イチゴの乳首は先程よりも大きく膨らみ、先端をビクビク震わせている。
哲史:「・・・・・・」
キュッ
イチゴ:「ふわあああああ!?」
俺がその大きく膨らんだ乳首をつまむと同時にイチゴが大きな悲鳴をあげる。
キュッ
キュッ
ゴシ
ゴシ
ゴシ
ゴシ
イチゴ:「ふわあああああ!いやあああああ!!」
乳首を指でゴシゴシとしごく度にイチゴは激しくビクンビクンと身体を震わせた。
イチゴの頬はまるで苺そのもののように真っ赤に染まって、吐く息はもう息遣いだけで男を落とせそうなほど魅力的になっている。
ペロッ
イチゴ:「ひっ!?わあああああ!?」
俺は手でイチゴの胸を弄くりまわしながら舌で堅く勃った乳首を舐め回す。
イチゴ:「んっ・・・わぁ・・・乳首凄いぃ・・・感じちゃうぅ・・・ふわぁ・・・」
舌でレロレロと弄くるほど、イチゴの胸はまるで乳首から電流が流れるようにビクンと反応した。
かぷっ
イチゴ:「んっ!?」
今度は口でイチゴの乳首をくわえて、唇と舌を動かして乳首を刺激する。
乳首のビクンビクンと震える振動が唇からダイレクトに伝わってくる。
イチゴ:「いっいやあああ!!だめぇぇぇ!!」
バタン
イチゴは襲って来る快感に耐えきれなくなり、のけぞった姿勢を支えていた両手を崩した。
イチゴの身体が地面に倒れ、俺の顔がイチゴの胸に押し付けられる。
カリッ
イチゴ:「ひゃあああああああ!!?」
俺はイチゴが倒れた時の衝撃でつい力が入り、乳首を甘噛みしてしまった。
それが凄い刺激に変換されたらしく、イチゴの胸は今までで一番大きくビクンと震えた。
イチゴの胸は仰向けの状態にもかかわらず、そのビンビンとした張りで重力などものともしないように膨れ上がっている。
俺はイチゴの胸に顔を埋めながら口で乳首を弄くりまわした。
イチゴ:「はっ・・・んんっ・・・もうだめぇ・・・でちゃうぅぅぅぅぅぅ!!!」
ムクムクムクムク
イチゴの胸がぐんぐんと張りを増してくる。
キュッ
俺は左手に力を込めた。
イチゴ:「あああああああああ!!!」
プシャァァァァァァァァァァァァァァ
ついにイチゴの乳首から母乳が噴き出した。
俺の口内が牛乳より少しドロッとした甘い液体で満たされてゆく。
俺はイチゴの母乳をひたすら身体の中に流し込んだ。
俺はストローでジュースを飲むようにイチゴの乳首から母乳を吸い出す。
イチゴ:「ふわあああああ!おっぱい吸われるのが気持ちいいぃぃぃぃぃ!」
俺がクッ、クッ、と母乳を吸い上げる度にイチゴは甘い息をもらした。
しばらく母乳を飲み込んだ後、俺は口を乳首から離した。
タンクの中身はまだ空になっていないらしく、乳首から残った母乳がドクドクと溢れて胸を滴り落ちている。
イチゴ:「はぁ・・・はぁ・・・哲史君・・・もっと・・・もっと吸ってぇ・・・胸がまだ張ってて苦しいの・・・」
哲史:「だろうな。」
俺は視線をイチゴの左の乳房に移す。
イチゴもそれにつられて自分の左の乳房を見た。
イチゴ:「えっ!?」
イチゴが驚いたのも無理はないだろう。
イチゴの左の乳首は俺の左手によってキッチリと抑えられ、ぐんぐんと張っていながら母乳が一滴も出せないでいたのだから。
イチゴ:「ああっ・・・あのっ・・・哲史君・・・これって・・・」
俺はにやっとサディスティクな笑みを浮かべた。
イチゴの顔がカァァァっと真っ赤になる。
イチゴ:「いっ・・・いやっ・・・まさか・・・」
俺はイチゴの乳首を押さえていた左手の封印を解放した。
ドクン
イチゴ:「っ!?」
その瞬間、男からは想像もできないような衝撃が彼女を襲ったのは間違いない。
イチゴは身体をビクビクと震わせ、胸を大きくぐぐぐっと膨らませたかと思うと
ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
イチゴ:「ひゃあああああああああ!!!」
まるで水を出すホースの口を押さえた時のように母乳がさっきよりも勢いよく四方八方に飛び散った。
イチゴ:「いやああああああ!!あっ!あっ!あああああああ!!」
イチゴは母乳を噴き出し暴れる胸を押さえて身体をビクビク震わせる。
俺の身体は一瞬で母乳まみれになってしまった。
しばらく噴水のように母乳を噴出した後、母乳の勢いは収まった。
まだ両方の乳首から余った分の母乳がダクダクと流れ出ている。
イチゴ:「はぁ・・・はぁ・・・哲史君のいじわるぅ・・・」
イチゴは荒々しく息をたてながらそう呟いた。
彼女の体は快感という快感の連鎖で完全に脱力してしまっていた。
イチゴ:「・・・ねぇ、哲史君。私のおっぱい・・・おいしかった?」
コクッ
俺は黙って頷いた。
するとイチゴは嬉しそうに笑って
イチゴ:「そう。良かった。哲史君の喉を潤す事ができて。・・・私は自分じゃ飲むことできないから。」
と言った。
その時
俺は何を思ったか何かに突き動かされるようにまたイチゴの乳首に吸い付いた。
かぷっ
イチゴ:「あうっ!・・・さっ、哲史君?まだ飲み足りないの?」
俺は黙って乳首から余った母乳を吸い出す。
イチゴ:「あぅ・・・んんっ・・・」
イチゴが目を瞑ってピクピクと身体を震わす。
ある程度母乳を吸い出すと俺は乳首から口を離した。
そのまま俺はイチゴの横に移動する。
イチゴ:「哲史・・・君」
パッ
イチゴ:「えっ?」
俺は不思議そうに見つめるイチゴの顔に手を当て・・・・・・そして
イチゴ:「・・・っ!?」
唇に唇を重ねた。
そして口から先程吸い出した母乳をイチゴの中に流し込む。
イチゴ:「ん!・・・んん!・・・んっ・・・」
俺は両手でイチゴの華奢な手を抑えながら唇を押しつけ少しずつ、少しずつ母乳を流し込んでいく。
イチゴ:(・・・・・・サト・・・シ・・・)
?
一瞬イチゴがそう言ったような気がした。
最後の一滴を流し込んでも俺たちの接吻はしばらく続いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゴンッ
哲史:「・・・・・・すいませんでしたー!!」
冷静になって理性を取り戻した俺は地面に頭が埋まりそうなくらい深々と土下座をした。
向こうから誘って来たとはいえ、いきなり唇を奪ってしまった事はとても許せることじゃない。
イチゴ:「・・・・・・」
イチゴは相変わらず黙ったままでいる。
気まずい雰囲気が辺りを支配する。
哲史:(・・・・・・チラッ)
俺は少しだけ顔を上げた。
哲史:「!?」
俺の目に飛び込んできたのは唇に指を当てて頬を赤らめているイチゴの姿だった。
その顔はまさしく『乙女』の顔である。
俺はこれまでにないってくらい激しく動揺する。
哲史:(いやいやいやいやおかしいだろ!?俺達まだ初めてあってから半日も経ってないぞ!?
どんなスピード!?色魔のフィルはともかくこれはまずいって!?)
心の中で自分の感じている物を必死に否定するが、心は全く落ち着かなかった。
哲史:(・・・・・・というか俺今日だけで5人とHしてるんだよな・・・)
今になって考えると色魔は俺の方に思えてきた。
哲史:(ぬあ〜〜〜〜〜俺のバカバカバカバカ!!)
ガン!
ガン!
ガン!
ガン!
ガン!
ガン!
ガン!
俺は近くの木に頭を何回も打ちつける。
イチゴ:「・・・・・・謝る必要なんてないよ。」
哲史:「えっ!?」
イチゴの言葉に俺は停止した。
イチゴ:「だってボク・・・・・・本当は・・・」
??A:「こんな所にいたの15号!」
哲史:「!!?」
イチゴの言葉が突然何者かの言葉で遮られた。
声の方角に素早く顔を向けると俺は目を疑った。
??B:「なにこんなとこで道草食ってんのよ15号。」
??A:「そうよ。サボリなんて許さないわよ。」
なんだこれは!?
目の前に現れた2人の女性。
それはイチゴだった。
いや、俺の目がおかしいんじゃない。
その顔つきや髪型、さらにはあの巨乳までもが全くと言っていいほど同じなのだ!
三つ子?そんな訳ない。
もしかしてイチゴの15号って・・・
???:「よぉ、哲史キュン。君も此処にやってくるとはねぇ。正直驚いたよ。」
哲史:「!?」
2人の女性の背後に見えたもう1つの人影に俺の背筋は凍りついた。
哲史:「・・・タ・・・ク?」
そこにいたのはあの時確かにフィルに呑み込まれた筈のタクだったのだ!
なんでだ?
なんでタクが此処にいる?
それにこの2人の女性はいったい・・・
(「コレだよコレ。俺の愛しの牛山みるくちゃんの写真集!やっと手に入ったんだぜ!」)
哲史:「!!」
思い出した!
イチゴとどこかで会った気がしたのは気のせいではなかった!
イチゴとタクの連れている2人の女性はあの写真集の『牛山みるく』にそっくりなのだ!
いったい、何がどうなってるんだ・・・
哲史:「おい、タク!教えてくれ!ここはどこなんだ?その3人はなんなんだ?いったい何が起こってるんだ?」
拓郎:「なんだい、君はなにも知らないんだね。よんろすぃー!教えて差し上げましょーーー!!」
タクのキャラが(元からひどかったが)完璧に狂っている。
イチゴ:「やめてくださいマスター!!」
哲史:(!?)
突如発せられたイチゴの言葉に俺は耳を疑った。
いま・・・
今なんて言った・・・
哲史:「タクが・・・・・・マスター?」