あれから1年がたった。わたしの胸はもう大変なことになっている。あの頃の大きさがかわいく思えちゃうぐらい。軽く倍は大きくなっているんじゃないかな。でも、不思議なんだよね。体が重くなった感覚は全然ないんだ。それどころか少し体が軽くなっているんじゃないかって思うぐらい。
大変なことになっているのは、わたしの胸の中に詰まっているミルクも同じだ。いや、こっちの方がメインかな。こっちの増え方はそれこそ尋常じゃないというか、常識では考えられないというか、そんな言葉で表せないぐらいの増え方なんだ。
もちろん倍なんかではきかない。何十倍か何百倍、もしかしたらそれ以上かもしれない。
信じられないのは分かるよ。わたしだって信じられないんだから。でも、本当に出ちゃうんだよ。人体の神秘っていうのかな、本当にそんな言葉を使うしかないくらいなの。
だから、今日1日のわたしの生活を一年前と同じように見せようと思うんだけど、びっくりするぐらい変化してるよ。びっくりしないでね。……こんなことばかり言っていてもしょうがないよね。恥ずかしいけど、早速見せてあげるよ。ちょうど起き抜けだし、お風呂場でミルクを搾ろうと思っていたところだしね。
わたしの1日は午前4時半から始まる。分かってるよ、早すぎるよね。早すぎるけどこれだけ早起きしないといけない事情があるんだ。もう前みたいに普通の時間に起きることはできなくなっているからね。
わたしは、急いで水着に着替えてお風呂場に向かった。水着を着たのは濡れても平気なようにするため。あともう一つ理由があって、できるだけわたしの胸から出るミルクの勢いを殺してコントロールするためだよ。胸を出したままミルクを出すと、勢いが凄すぎてうまく出したいところに合わせることができないんだ。
早速、お風呂場に入る。もちろんバスタブはからっぽ。栓も抜いている。わたしは、両胸のつけ根をそっと撫でた。
その瞬間、体を稲妻が走り抜けたかのような快感があった。きっと、寝ている間にたまりまくったミルクが今、乳首という出口に殺到しているところだ。わたしは、胸を触ってから、ミルクが出るまでのこのわずかな時間が大好きなんだ。恥ずかしいけど、何よりも気持ちいいからね。
そんなことを言っている間にミルクが、1年前と比べて何倍にも膨れ上がった乳首からものすごい勢いで出ていく。みるみるうちに、ミルクがバスタブにたまっていき、一分もしないうちに、バスタブからあふれ出してしまう。さっきも言ったけど、バスタブの栓は抜いてるよ。わたしのミルクの勢いが排水能力をはるかに上回っているっていうだけ。
それにしても、今日は特にミルクの勢いがすごい。精一杯抑えているつもりなんだけどな。そんなこと言っているうちに、わたしが座っている体の洗い場にもミルクがたまりはじめた。こっちにももちろん排水溝がついているけど、やっぱり、その排水能力も上回っちゃうんだよね。
外に流れだしたら困るから、お風呂場を改築して水が漏れないようにしてるんだけど、そうするとこんな風にミルクがどんどんお風呂場全体を埋めつくしてしまう。それでも、ミルクを止めることはできない。コントロールが利かなくなっているんだよね。一回搾りだしてしまうと、ある程度出しきってしまわないと止められなくなっちゃってるんだ。
そうこうしているうちに、ミルクの水位はどんどんせりあがってきて、立った状態のわたしの腰辺りまで達してしまった。ちょっとやばいかな、って思いはじめたその時にやっと、ミルクの勢いがなくなっていった。そして、少しずつミルクの水位が下がりはじめた。それから、ミルクが完全に排水溝に流れてしまうまでわたしは待機。毎日、こんな風だから前みたいにミルク風呂を楽しむなんてことはできないの。今のわたしには、バスタブはあまりにも小さすぎてミルクがあふれかえってしまうからね。
それでも、朝にこれをするのとしないのとでは大違い。朝のうちにこれだけ出しておけば、その後はミルクを少しだけコントロールできるんだ。出さないで学校に行ったら、それこそコントロールが全く利かなくなっちゃって、いろんな人に迷惑をかけちゃうからね。
今ので1時間たって、4時半になる。それから朝ごはんを食べて、5時には家を出るんだ。何でかっていうとね、始発前にわたし専用の電車が出ているからなんだ。
わたし専用の電車、っていうとおかしいけれど、わたしはもう前みたいに満員電車のなか通勤することはできないんだ。ちょっとした振動ですぐにミルクがあふれ出してしまうからね。
他のお客さんに迷惑かけちゃうなんてもんじゃない。確実に電車全体をミルク漬けにしてしまうんだから。だから、わたしは教科書とかは学校に置いてきて、特別に許可をもらって、下に水着を着こんで、濡れてもいいTシャツとホットパンツで登校しているんだ。
今日も電車が来た。わたし専用だから、この駅からわたしの通う学校までの距離しか走らない。ただ、そのわずかな距離でも、鉄道会社の人たちは戦々恐々なんだって。どんな被害が出るか分からないからって。
電車の中に入ると、甘くてきついミルクの匂いがする。わたしのミルクの匂いだ。わたしは毎日嗅いでいるから平気だけど、慣れてない人は、わたしのミルクの匂いを嗅いだだけで、そのあまりに濃厚な甘い匂いに気絶しちゃうこともあるんだって。
あ、電車が動き始めた。慎重に、すごくゆっくり走ってくれているみたいなんだけど、やっぱり、少しでも振動があると、それに反応しちゃう。それに、今日は胸全体がとっても敏感だ。これまで以上に危ないかも……
そんなことを考えていたからかな。早くもおっぱいが勢いよく出ていることに気づかなかった。白い水たまりは立っているわたしを中心にどんどん広がっていく。さらに、噴射しているミルクは窓ガラスに当たって、跳ねかえってわたしの顔にかかる。ミルクシャワーだ。気持ちいい。そんなことを考えているうちに、わたしのボルテージはどんどん上がっていった。
その時、ガタン、と電車が大きく揺れた。わたしは思わずバランスを崩してしまい、そのまま胸を正面から扉にぶつけてしまった。そして、わたしの乳首はすりガラスに思いきりぶつかって、ぐにぐにと形を変えた。
わたしは、あまりの気持ちよさに我を忘れて「はああああああああああん!!!」と叫んだ。そして、普段以上に一気に肥大化した乳首からミルクが思いきり飛び出してくるのを待った。Tシャツ越しだが、そんなの全く関係なかった。
どっちに向いたら被害を最小限にとどめられるだろう、とわたしは意識の吹っ飛びそうな頭で考えた。横を向いたら、扉か、窓ガラスを間違いなく吹き飛ばしてしまう。線路沿いに住んでいる人の家に直撃しちゃうかもしれない。電車が走っている方向は、運転手さんがいる。運転手さんを吹き飛ばしたら学校に行けない。結局わたしは、電車の走っている方向の反対側に体を向けた。
次の瞬間、ミルクが怒涛のように飛び出してきた。その勢いはすさまじく、車両全体を余すところなく埋めつくしたミルクのかたまりが車両の連結部分の扉を簡単に破壊し、そのまま次の車両を走り抜け、また次の扉を破壊して、勢いを失わずに流れ続けた。
パリン、パリン、とかベコンとかいう音が遠くから聞こえる。わたしのミルクは水圧でガラスや天井も破壊しているらしい。この分だと、車掌室も破壊して、ミルクは外に流れ出ているだろう。ただ、そんなことはどうでもよかった。気持ちよすぎてそれどころじゃなかったんだ。
ようやくミルクを止められたのは、学校の最寄駅につく直前だった。わたしがミルクを出した方向の車両はとんでもないことになっちゃった。吹き飛んで無くなっちゃった連結部分の扉。出入り口の扉もほとんど吹き飛んでいる。窓ガラスが割れて、つり革は全て流されてしまい、天井が外れたりへこんだりしている。そして、座席のクッションはわたしのミルクをたっぷり吸って、甘い匂いを発し、床は外に流れきっていないミルクが水たまりを作りまくっていた。
「……気持ちよかった」
わたしは思わず、その場にへたりこんだ。
電車を一台まるまる壊しちゃったわたしのミルクは、車掌室を流れ出た後、線路をものすごいスピードで流れ続けて、カーブのところで線路をはみ出して、その先の林に思いきり流れこんだみたい。その水圧に負けて、林の中の大きな木が何本もなぎ倒されて、ドミノ倒しみたいになって、それでも流れ続けるわたしのミルクは、広い林に一本の大きな道を作ってやっと止まったみたい。
吹き飛んだガラスやドアや天井が線路上のそこら中に散らばっているから、電車は始発から動かなくなって、このルートで学校や会社に行く人たちは代替のバスを使わないといけなくなっちゃったんだって。いろんな人に迷惑をかけたみたい。本当にごめんなさい。
そう言って謝ったんだけど、やっぱり許してくれるわけもなくて、わたしは駅員室に呼ばれて、学校の先生と一緒に小一時間は怒られることになっちゃった。最終的には、今回だけは許してくれることになったんだけど。理由はね、恥ずかしいんだけど、またミルクが出ちゃったの。ただでさえあれだけ気持ちいい思いをして、胸が敏感になっているのに、駅員の人ったら、喋りながらもわたしの胸をじろじろ見て、あげくの果てには、大げさに身振り手振りを交えたかと思ったら、その勢いで突然わたしの乳首に触るんだもん。あれ、たぶんわざとだよ。そう思ったわたしは、何とかこらえられるぐらいの刺激だったけど、あえて我慢しなかったんだ。そしたらね、またミルクが出始めて、それからは駅員さんは大慌て。まだ、ミルクがたまっているなんて思っていなかったんだろうね。実際のわたしは、まだまだ全然出し足りないのに。
それでね、何とわたしのミルクを止めようとして、その人、わたしの乳首を手で押さえこもうとしたの。これはさすがにびっくりしちゃったよ。さすがにまた怒られるのは嫌だったから今度は思いっきり我慢してミルクが出ないようにしたんだけど、それでもその駅員さんを5メートルははじき飛ばして、駅員室のドアと窓を破壊して、駅とその周辺一帯をミルクまみれにしちゃったんだけどね。その後だよ。「今回だけは許すから、早く行きなさい」って言われたのは。たぶん、あれ以上被害を拡大されたくなかったんだろうね。駅員さんが、わたしのことを見る目が本当に恐ろしいものを見る目だったし。こっちは普通の女子高生なのに、って言いたかったけど、怒られるよりはましだったからよかったよ。
そうだ、学校に行かないと。ぐしょぐしょのTシャツとホットパンツ、その下から水着が丸見え。こんな恰好は恥ずかしいけどしょうがないよね。こうなることはだいたい分かっていたし。周りの目は気になるけどね。でも、今は周りに人がほとんどいない。みんな、わたしのミルクから避難したみたい。わたしを迎えに来てくれた先生も含めてね。そうだよね、仕方ないよね。駅はわたしのミルクを内側から浴びまくって真っ白、駅前のバス停やタクシー乗り場のバスやタクシーも真っ白。周辺の建物も一部分はミルクを浴びて甘い匂いを発している。さらに、地面はすね辺りの高さまで、わたしのミルクで浸水していた。
歩くのが大変そうだけど、自分が出しちゃったものだからしょうがない。わたしは、自分のミルクを足元でじゃぶじゃぶ言わせながら学校まで歩いて行った。
さすがに学校までは、わたしのミルクは届いていなかった。ちょっと安心したよ。でも、どちらにしても学校でも出しちゃうからそんなに変わらないけどね。
さすがにミルクまみれで気持ち悪くなってきた服を更衣室で脱いで、また新しいTシャツとホットパンツを着て、下に水着をつけて教室に入った。誰もいない。わたしはいつも一番乗り。始発より前の電車に乗ってるからね。
でも、今日は始業時間が近づいてもクラスメイトは半分ぐらいしか来ていない。たぶん、わたしが電車を不通にして、最寄駅をミルクまみれにしちゃったからだ。あれだと電車もバスも走れないのかもしれない。スマートフォンでネットニュースを見る。やっぱりそうだった。「○○線が全線不通。○○駅周辺が突然、白濁した液体で浸水。交通網が全滅」って書いてある。白濁した液体だって。思わずわたしは笑っちゃいそうになる。現場にいればすぐ分かるのだからミルクでいいのに。マスコミの人もそのまま書くのは恥ずかしいのかな。そんなことを考えちゃう。
そんなことを考えている間に、始業ベルが鳴って、先生が教室に入ってきた。さっき、駅にわたしを迎えに来てくれた先生だ。でも、わたしの顔を見て明らかに顔を引きつらせる。そんな怖そうな顔しなくてもいいのに。わたしが微笑みかけると、先生は顔を青くしてあからさまに目を逸らしちゃった。逆効果だったかな。
学校では極力建物に被害が出ないように対策が立てられている。それは、プールをからっぽにしておくこと。わたしの胸からミルクが出そうになったら、急いでそこまで走っていって、からっぽのプールの中に一気にミルクを出すことになっている。わたしのためだけに、クラスの教室はプールに一番近いところが割り当てられ、プールの授業は全面廃止になった。ちょうど今みたいな夏休み直前の暑い時期にプールに入れないのは残念だけど、これだけ配慮してもらえたのはすごくありがたかった。でも、最近はちょっと不満かな。表立っては言えないけど、プールの大きさが少し心もとないんだもの。
授業が始まる。正直に言うと、わたしはろくに授業を聞いていない。いかにしてこの建物に被害を及ぼさないようにミルクを出すかを常に考えているんだ。乳首が膨らみはじめるともう遅い。一分もしないうちに、ミルクが出始めるし、歩くとその刺激だけであふれ出してしまう。かといって、常にプールの前にスタンバイしておくわけにもいかない。授業はちゃんと受けないとダメだし、一応我慢できる時間帯はあるからね。
そして、最近はコツのようなものが少しずつ分かってきた。自分から動くのではなく、自然に胸が震えた時が合図だ。自然に胸が震える瞬間というのは、少しだけ気持ちよくなるから何とか分かる。どうやらこの時が、わたしの胸がミルクを生産する体制からミルクを出す体制に切り替わる瞬間らしい。最初はこれを見極めるのに苦労して、しょっちゅう教室をミルクまみれにしてたんだ。さすがに今ではそんな失敗はしないけどね。
あっ! ちょうど胸が勝手に震えた。一瞬だけど、体を気持ちよさが走った。早く教室を出ないと。「すみません」わたしは立ち上がって教室を出ていく。先生は何も言わない。わたしのことを本当に怖がっているみたいだ。トラウマを植えつけちゃったのかな。ちょっと申し訳なくなる。
プールの前に立つと、自然に胸がぷるぷる震えだす。わたしは急いでTシャツとホットパンツを脱いで水着になった。そして、朝と同じようにそっと胸のつけ根を撫でた。
一瞬、あまりの気持ちよさで気が遠くなった。気持ちよすぎて声も出なかった。そして我に返ると、いつの間にかわたしのミルクはプールの容量の半分ぐらいまでに達していた。そして、全く勢いが衰えないわたしのミルクとともに、その水かさをぐんぐん押し上げていき、あっという間にプールはわたしのミルクだけで満たされた。
実は、このプールも栓は開けてある。やはり排水能力が追いつかないのだ。わたしは、もっと排水能力が高ければいいのに、と思う。そうしたら、一度にもっと思う存分ミルクが出せるのに、と思ってしまうのだ。
しかし、今回はそんなことを気にしているどころではなかった。プールがわたしのミルクで満たされても、わたしの胸はミルクを出すのを止めなかった。わたしが立っている地面の上をどんどんミルクが侵食していく。さっきから、我慢して必死に止めようとしているのに、そうすればするほど、むしろどんどん勢いが増しているような気さえしていた。
どうしてそんなことをしたのだろう。よく分からなかったけれど、わたしは自分の教室のある建物をミルクまみれにしたくない一心で、なぜか乳首を空に向けた。
ミルクは、放物線を描いてある方向へ飛んでいった。遠く離れた山の方向だ。
あの山はこの学校から何十キロか離れているはずなのだが、わたしのミルクはそんなのお構いなしと言わんばかりに、その山の頂上付近に到達し、そこに集中豪雨をもたらしているようだった。わたしは、気持ちよすぎてその場から動くことができず、ミルクが山に降り注ぐ様子を見ているしかなかった。
どれくらいたっただろうか、突然、山が動いたように見えた。見間違えかな、と思ったんだけど、やっぱり動いている。わたしは、気持ちよさと戦いながらも、ミルクの先の山をじっと見てみた。
すると突然、山の左半分が頂上から崩れ始めた。崩れた頂上は、茶色い土をむき出しにしてそのまま山の下腹部まで襲いかかり、全てを洗い流していった。そして、今までミルクの降り注いでいた山は、右半分だけを残して、バランスの取れていないおかしな形に変わってしまった。ありえないほどの量のミルクの集中豪雨が、これまたありえないほどの大規模な山崩れを引き起こしてしまったらしい。それが起こった直後、やっとミルクの勢いがなくなってきて、十分後には完全に止めることができた。
「山……崩しちゃった……」
これにはさすがのわたしも呆然とするしかなかった。
山を崩した1回を含める、プールと教室の6往復を経て、やっと学校が終わった。幸いにも、崩れた山の近くに住民は住んでおらず、大きな道路も走っていなかったらしい。とにかく一安心。ということでわたしは、アルバイト先に向かうことにした。
1年前から続けているアルバイト。酪農家のおじさんに向けてミルクを搾る作業のことなんだけど、もう今では、あの頃の量じゃきかなくなってる。1年前から大好評だったわたしのミルクは口コミを経て、地域を飛び回り、ついには全国にまで広がってしまったんだ。しかも、運よくそれに合わせてわたしのミルクの量も増え続けた結果、十分供給可能な量を出せるようになったの。つまり、わたしのミルクは完全に全国区になっちゃったってわけ。
それに合わせて、アルバイトの環境も大きく変わった。まず、全国で飲まれるミルクを溜めるための、巨大な屋内プールのような入れ物がわたしのために建設された。ちなみにこれは、縦が150メートルもある入れ物。面積はちょうど50メートルプールの3倍になるんだって。
それで毎日、身体検査を受けるんだ。体調に問題はないか、良質なミルクが胸の中にあるかどうか、などを見ているみたいなんだけど、特に問題になったことは一度もないんだ。それどころか、日を追うごとに、ミルクの成分がどんどん良くなっているみたいで、いろんなお医者さんから、どんな生活をしているんだ、って聞かれるんだけど、よく分からない。だってわたしは、何も考えずに普通の生活をしているだけなんだもん。
身体検査で、OKが出たらいよいよ搾ることになるんだけど、ここで登場するのが1年前からミルクを搾ってもらっているおじさんだよ。いろんな人に試してもらったんだけど、この人に搾ってもらった時が一番気持ちいいんだ。あと、ミルクの成分も、おじさんに搾ってもらった時が一番いいんだって。
ただ、搾るって言っても、乳首を触れるか触れないかのところでそっと撫でるだけ。まず一度、おじさんにそれをしてもらって、わたしが全精力をこめて我慢するの。そうしたら、すっごく濃いミルクが出てくるんだ。我慢っていっても十秒ほどしか耐えられないんだけどね。
今日も、同じように身体検査から入る。今日のわたしはミルクをあちこちで出しまくっているから今が一番絶好調。お医者さんも驚いてたよ。「今日のミルクはこれまでとは比べ物にならないほど良質だ」って。たぶん、いっぱい出したから、奥の方にずっとたまっていた濃くっておいしい成分が胸の中に広がっていったんだと思うな。
身体検査もOK。そして、いよいよおっぱいを搾る。1年前は恥ずかしがってたおじさんも今では手慣れたもの。わたしは、あの時の恥ずかしそうなおじさんを見た時の、胸がきゅんとする感覚が大好きだったんだけどね。わたしは、Tシャツと水着を脱ぐ。その瞬間、おじさんの目が大きく見開かれた。わたしの胸は、おじさんにとって、何度見ても見慣れないものらしい。今もどんどん大きくなっているからね。
スタンバイOK。わたしは、指定席に座って、目の前に広がる巨大なプールに胸を向ける。そして、いよいよおじさんがわたしの乳首を触るんだ。この時は結構緊張する。我慢できるかな、いいミルクが搾れるかな、って。全国の人がわたしのミルクを飲んでいるんだもん。そりゃあ、責任重大だよ。
そして、おじさんがわたしの左右の乳首に同時にそっと触れる。わたしは、すぐにでもミルクを噴射したくなったが、必死に我慢する。おじさんは、慌ててわたしから離れた。前に一度、ミルクでおじさんごと吹き飛ばして、大けがを負わせてしまったことがあって、それ以来、ものすごく気をつけているんだ。
十秒経過。もう我慢できない!
「ああああああああああああっっっっっっっっ!!!!来るっ!!!!」
次の瞬間、今日の中でも比べ物にならないほどの勢いで乳首からミルクが飛び出してきた。
そして、わたしは気を失った。
目覚めると、そこは搾乳室だった。搾乳室というのは、巨大プールの他に、50トンのミルクがためられる特注のミルクタンクが何百個も置かれている巨大な部屋だ。その部屋がミルクまみれになっており、匂いも今までにないほど強烈だった。
これもいつも通りの風景になりつつある。ミルクを放出した瞬間に気を失って、巨大プールを満杯にした後もミルクが止まらないので、そのまま、搾乳室に運び、ひたすらミルクタンクにミルクを詰め込んで、余った分は捨てるというやり方だ。今日は、余った分を捨てるだけで3時間もかかったらしい。
かなり出しきったとあって、満たされた気分で少し眠い。この心地よさがたまらないから、このアルバイトはやめられない。それにここは、わたしのミルクの余った分もしっかり処理してくれる。わたしみたいに、ミルクで浸水騒ぎを起こしたり山崩れを起こしたりはせず処理してくれるんだ。どうやっているのかは分からないけど、すごく助かっているんだよね。
ちなみに、ここでわたしが出している1日のミルクの量は、普通の牛さんの50万頭分はあるらしい。余って捨てている分を抜いてそれだから、全てのミルクを回収できるようになったら、それこそ恐ろしい量になる、ってお医者さんも言ってた。今は急ピッチで今の巨大プールの2倍の大きさのプールと、特注のミルクタンクを作っているところらしい。聞いた話なんだけど、わたしのミルクは今、日本中で大流行しているみたい。今や日本人が消費しているミルクの半分以上は、わたしの胸から出ているものっていう話もあるくらい。だから、もっとわたしのミルクを大量にためられる建物や道具を使って、日本だけでなく海外にも進出したい、っていうのがここにいるみんなの目標みたい。
大げさかもしれないけど、ここのアルバイト先のみんなだけでなく、日本中の人がわたしのミルクに期待してるんだよね。がんばらなくちゃ。
ふう、ただいま。まだ電車が止まったままだし、駅周辺のミルクもまだ残っていたから、帰ってくるのにとっても時間がかかっちゃった。まあ、全部自分のせいなんだけどね。
それにしても、今日はいつにも増してミルクが出てくる日だったなあ。いろんなところに迷惑かけちゃったし。明日からはもう少し慎重にミルクを出さなきゃ。
でもなあ……、実はまだ胸の中に残ってるんだよね、ミルクが。言いにくいんだけど、今日あれだけ出したけど感覚的にはまだ半分ぐらいしか出してないんだよね……。みんなが何を言いたいかは分かるよ。あれだけ出して、なんでまだ余るの? 胸の中はどうなってるの? って聞きたいんでしょ。実際、お医者さんにも聞かれたよ。「君のミルクは一体どうなってるんだ。なんでここまで人知を超えた量が出てくるんだ」ってね。
でもね、わたしもよく分からないんだ。なんで自分の胸からこんなにミルクが出るのかっていうのがね。お母さんは胸が大きいわけでもないし、ミルクが大量に出るわけでもない。もちろんわたしは妊娠もしていないし、男の人と何かしたこともない。でも出ちゃうんだよね。まあ、気持ちいいからいいんだけどね。
でも、この大量に余ったミルク、どうしよう……。このままにしておくと胸が張って眠れないし、前まで使っていた公園は、わたしがミルクをあげ過ぎたせいで、草木がのびのび育ってジャングルみたいになっちゃったし。かといって今、お風呂場で搾ったら量が出過ぎて、自分のミルクで溺れちゃいそうだしなあ……。
そうだ、河原に行こう。この近くに大きな川があって、そのすぐ横にかなり大きい原っぱがあったはず。そこで少しだけミルクを出して帰ることにしよう。そう思って、わたしは家を出た。
ただ、わたしは忘れていた。今の格好がTシャツとホットパンツ、その下に水着しか着ていないことを。今日はいつも以上にミルクが出るから、意識がそっちの方に集中していて服のことなんか全然考えてなかったからなんだけどね。
そのせいか分からないけど、少しにぎやかな通りに出たところで怖そうな二人のお兄さんに声をかけられた。どこに行くのか、と聞かれたので近くの河原に行こうと思っています、と正直に答えたら、じゃあ送っていくよと言われたんだ。わたしは断りきれずに半ば無理やり車に乗せられちゃった。わたしは、特に抵抗しなかったんだ。あの時は、いざとなったらミルクで全部吹き飛ばしてしまえばいいや、って楽観的に考えていたの。
お兄さんたちは河原までわたしを送り届けてくれたんだけど、その後だよ。急にわたしの大きな胸を触りはじめたんだ。「送ってやったんだからこれぐらいいいだろ」とか言って。まあでも、これも予想の範囲内だったから、ミルクで車ごと壊しちゃおう、って思ってミルクを出そうとしたの。実は、同じようなことをこれまでも何回かやったことはあったしね。
でも、出なかったの。ミルクが。何回踏ん張っても出ない。お兄さんたちに胸をもまれまくっているのに出ない。自分でもんでも出ない。わたしは、初めて焦ったんだ。もしかしたら、ミルクがあまりにも大量にたまりまくっていて胸の中で詰まって出てこないんじゃないかって。また、わたしの胸は、短い時間でありえないほどの量のミルクを生産してしまったみたい。
そうとは知らず、お兄さんたちはわたしの胸をもみまくっている。もう胸しか見えていないようだ。自慢じゃないけど、わたしの胸は一回さわると、ほぼ100%の人がとりこになっちゃうんだ。それほど最高の大きさとやわらかさと弾力を持っている、っていうことだよ。
いや、今はそれどころじゃないや。ミルクが出てこないことの方が大変だ。わたしは、乳首を車の窓ガラスにこすりつけた。とっても気持ちいいのにミルクは出てこない。何度やってもダメだった。そして、こうしている間にも乳首はどんどん大きくなっていく。もはや、Tシャツを突き破らんばかりの大きさになって、ひくひく震えていた。
もう限界だ、と思ったわたしは服を脱ぐことにした。狭い車の中だと服が脱ぎにくい。それでも構わなかった。そして、上半身を一糸まとわぬ姿になった。わたしはお兄さんたちの方を微笑みを浮かべながら見た。二人は無言でわたしの体を見つめていた。驚きのあまり、動けないようだった。
もう、こうするしかなかった。これしか方法はない、と思った。
「お願い……乳首を……」わたしは硬直しているお兄さんたちに声をかけた。
「思いきり……締めつけて……」できるだけ悩ましげな声を出そうと頑張ってみた。
沈黙が流れる。
そして突然、お兄さんたちが無言で思いっきりわたしの両乳首にしがみつき、締めつけてきた。わたしの胸を触ったことで、完全に理性を失っているようだった。本能のみに従った行動ということもあって、乳首を締めつける力もびっくりするぐらい強かったんだ。
その時、胸が一気にぼわんと膨らんだような気がした。そして、胸の奥から何かが怒涛のようにせりあがってくるのを感じた。こんな感覚は初めてだった。
「あっ、あああっっっ。あああああああああああああああっっっっっ!!!」
もうダメ。そう思った直後だった。
ブシャアアアアアアアアアアアアアッッッ!という耳をつんざく音がしたかと思うと、次の瞬間にはお兄さんたちと車が、同時に吹っ飛んでいった。わたしの胸は、わずかな時間にたまりまくっていたミルクを大放出していた。そのミルクは川に注がれて、川はみるみるうちに増水していき、しまいにはわたし自身も飲みこんでしまった。もちろん抵抗することなどできず、わたしはそのままその濁流に流されることとなってしまったんだ。
自分のミルクで流されちゃうなんて……。上流に向けてミルクを出したせいだ。そんなことをちらりと思った直後、わたしは再び意識を失った。
眩しい。目は閉じているはずなのに。もう夜は明けたのだろうか。そう思って目を開けた。
わたしはなぜか、海の砂浜に打ち上げられていた。大方、川から海まで流されていって、そして海の上を浮かんでそのままここに打ち上げられたのだろう。よかったな、と思うことにして立ち上がった。
あれ? と思った。胸に違和感があった。ものすごく軽い。ミルクがない。からっぽだ。こんなの久しぶりだ。どうしたんだろう。そう思って、何気なく後ろを振り返って、絶句した。
海が、真っ白だったんだ。見渡す限り、どこまでも、どこまでも。そして、その海はすさまじく甘い匂いを発していた。
たぶん、気を失って川や海をぷかぷか浮いている時に、絶えずものすごい量のミルクが出続けていたんだろう。わたしのミルクはものすごく濃厚だ。わたしのミルクの濃厚な白は、海の青の色に勝ってしまい、海全体を白く染めてしまったんだ。
どうやらわたしは、1日の終わりに、それまでしたことなど全く及ばないほどの、とんでもないことをしちゃったみたい。思わず苦笑してしまい、言葉が漏れた。
「ちょっと……出しすぎちゃったかな……?」