恋愛悪魔の双六 4ターン目

帝国城摂政 作
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ポン!


ーうわ!


いきなり俺の前が、白い煙が出てきた。白い煙によって、部屋が煙に包まれる。


彩「けほっ!けほっ!」


エリス「換気」


エリスがそう言った瞬間、古臭い換気扇が音を出して回る。白い煙は換気扇によって外に出され、だんだん視界が元に戻っていく。


ーお、おい!二人とも、大丈夫か?


一応、俺は大丈夫だが、悪魔の双六の効果(多分、十中八九)で出た煙だ。普通の煙とは違うのかも知れない。
例えば、女性には効果があるとか。
だから、一応確認のためにそう聞いておく。


エリス「……問題ない」


エリスのそんなクールな声が聞こえる。


彩「けほっ、けほっ!目がかゆい……」


続いて、彩部長の声。


「問題ありません」


そして、別の女性の声……
ーって!


ー誰だ!


白い煙が無くなったと同時に、声のした方向を見る。
そこには美少女が座っていました。


赤いロングの髪。相手が座っているのにも関わらず、僕とほぼ目線が同じ事からかなり身長が高い事が分かる。胸は成長した彩部長やエリス達にひけを取らない大きさであり、全身から色気が漂っている。
そんな彼女の身を包むのは、黒を基調としたロングのメイド服。さらに人間でない事が分かるように、頭には白い兎耳がぴょんと立っている。
そんな彼女は、ゆっくり僕達の前に立ち上がった。


「こんにちは、マスター・隼人。臣キャラの悪魔、ハート・フォーカスと申します」


ー……ハート・フォーカス?


ハート「はい。臣キャラです」


ああ、さっきの『臣キャラ、登場!』と書かれていた奴ですか。


ハート「お会いしとうございました、マスター・隼人」


そう言って、ハートさんは飛んで、僕に思いっきり抱き付いてきた。


ーちょ……!おい……!


さっきも言ったとおり、彼女の身長はかなりの高身長である。故に僕に抱きついた場合、その超豊満な胸が僕の顔に当たるわけで……!


ーわ……!ちょ……!やめ……!


結果。
僕は胸の弾力と柔らかさに気持ち良くなりながら、息が出来ずに死にそうだった。
『死と快楽は隣り合わせ』、何故かそんな言葉が頭に浮かんだ。


彩「隼人から離れて!」


俺がそんな事を感じていると、彩部長がそんなことを言って俺とハートさんを引き離した。


エリス「隼人、死にそうだったよ」


エリスのクールな声で、ハートさんも状況を気付いたようであった。
ハートさんはだんだんと顔を青くして、三つ指付けて土下座をする。


ハート「申し訳ございませんでしたーーーーー!」


俺達三人は現代社会から消えつつある土下座を全力で披露しているハートさんの説得を始めた。その後、感謝を身体で表現しようとするハートさんに再び生命の危機を感じたりするのだが、長ったらしい不毛な話になりそうなので省かせてもらおう。


2時間後。


ー……ガード、レ、ス?


ハート「はい!マスター・隼人の守護悪魔(ガードレス)、それが私、ハート・フォーカスです!」


あの後。
とりあえず、俺達はハートさんから事情を聞いていた。
その自己紹介の時に出たワード、それがさっきの守護悪魔なのであった。


彩「守護悪魔……。確か、古代シカム文明の文献にありましたね……。守護霊のように1人に1匹付いている悪魔で、呪術的効果によってこの世に召喚されるって。
この世の生を受けている人間なら、ニートだろうがヒモだろうが存在していて、1人ずつ悪魔の容姿や能力が違うって……」


ー詳しいですね……。


彩「これでも、黒魔術研究会部長だよ!これくらい知っていて、当然!」


えへん、と彩部長は胸を張る。胸を張ると、大きくなった彩部長の胸がぶるん、と揺れた。


エリス「ムカシ……逆さに読むと、シカムwwwwwww」


エリスはなんか自らの笑いのツボに入ったのか、笑い続けている。


ハート「マスター・隼人のために誠心誠意、従事活動を行おうと思っています。これから、よろしくお願いします」


ーあ……。それはどうも……。


ハートさんが頭を下げたので、俺も釣られて頭を下げる。



エリス「そろそろ時間」


ー時間?……あっ、下校時間!


エリスに言われて、気付くと時計はもう6時を超えていた。
うちの高校の下校時間は7時なので、そろそろ帰る準備をしておいた方が良いでしょう。


エリス「お先に失礼」


エリスはクールな声で、けれどもこそこそと帰って行った。
冷静を装っていても、やっぱり恥ずかしかったんだな。


彩「ああ!エリスちゃん!……うーん。エリスさんが居ないと、恋愛悪魔の双六は出来なさそうですね……。
仕方ないです。今日も私は帰ります。隼人さんはそのハートさんを、どうにかしてくださいね」


ーあ!ちょっと!


彩部長もそう言って、帰ってしまいました。


ーはあー……。


ハート「マスター・隼人。私たちも一刻も早く、下校する事にしましょう。そして、ご両親様に私たちの関係をいち早く説明しましょう。奴隷と主人の関係だと言う事を!」


ハートもそう言って、急ぎ足で部室から出て行った。


ーあ!ちょっと!そんな事を両親に説明すると、恋人だと説明する事よりも厄介な事情に……!


俺も急ぎ足で鞄を持って、ハートさんの方へ向けて走って行った。


==
その夜の黒魔術研究会の部室。
誰も居ないはずの部室にて、青白い光がぼうっ、と光が上がった。
青白い光の近くに、1人の人外が姿を現した。
桃色のワンピースに、ハートの形をした眼。頭の上に生える兎耳。背中には元は黒だったものを無理矢理ペンキで白くした翼がある。


兎耳「久方ぶりに呼ばれたと思い、来て見れば少し遅かったようですね。
まあ、始めてからそんなに日にちも経っていないようですからまだゴールへは辿り着けていないようですね」


そう言って、兎耳の少女は双六の上に手をかざす。



兎耳「なるほど、今回は1人じゃなくて2人なんですか。なんでそんな玄人プレイをするのでしょうか?まさか勘違いしているのでしょうか?
……多分、そうでしょうね。いくら私でもそんな事は薦めませんし。


まあ、良いです。この恋愛の結末、恋愛悪魔ことデート・ラブリーが見届けさせていただきましょう」


そう言って、デートはニヤリと笑って、姿を消した。