コミュ乳ケーション

帝国城摂政 作
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「タダシ!」

どた、どた、どた!

家に帰ると、けたましい足音と共に、彼女が目の前に現れた。
そして、僕に抱きついた。あまりにも柔らかい感触が、僕に伝わってくる。

「ちょ……待っ……!」

そして、僕は彼女の勢いに負けて倒れてしまった。
僕は彼女の顔を覗き見る。

クー・マクマーニ。それが彼女の名前。
父親が連れて帰った、ありえないくらい大きな胸をした美少女。

ドイツ語で話すため、最初の方は意思疎通に苦労した。最近になって、やっと片言だが、日本語の会話に成功している状況だ。
最近の他の変化と言うと、彼女の抱きつき癖(?)が酷くなっているのと、彼女の胸が大きくなっていると言う事である。

「タダシ、タダシ!胸、140、超えた!ブラ、きつい!」

「いや、男の僕にどうしろと?」

そう聞くと、クーは顔を赤らめて、

「……Naturlich werden Sie ausgewahlt, damit Sie es reiben und es wollen, und es gibt es?Direkt, uberprufen Sie die Beruhrung meiner Brust?(勿論、揉んで欲しいに決まってるでしょ?直接、私の胸の感触を確かめて?)」

そう言って、何故かその140超えの胸を向けて来るクー。
いや、ドイツ語で言われても分からないんだけど。
あくまでもまだまだドイツ語の方が、使いやすいようで時々ドイツ語でしゃべるから、ドイツ語なんかが分からない僕は、さっぱりである。

「あー、はいはい。じゃあ入るね」

そして、僕も扱いに慣れた。こう言う場合は、何も言わずに放っておくのが一番だ。

「むー……。タダシ、ノリ、悪い!」

ノリって言われてもね。何、行って良いか分からないし。

「私、タダシ、好き」

そう言って、彼女は自分を指差したあと、僕を指差してそう言う。

「タダシ、私、好き」

今度は逆で、僕を指差して、その後自分を指差してそう言う。

「まぁ、あくまでも家族として愛情は持ち合わせてるつもりだよ」

急に出来た家族であるクーへの感情は、かなり友好的なつもりである。
彼女はどこか憎めない感じがあり、どうにも嫌いになれないのである。

そうかと思うと、クーはいきなり僕の手を両手で掴み、

「Heiraten wir dann!Es, den dieses Lieblings bevolkert, Liebe ist Vorsehung der Natur!(なら、結婚しよう!好きな者同士が愛し合う、それが自然の摂理なのです!)」

いや、だから分からないって。
つーか、そこまで強く手を握られると、触ろうと思って無くても胸に手が……

もにゅ。

「……ゃん」

とても女の子らしい悲鳴が、クーの口からこぼれる。

「……タダシ、エッチ」

いつも元気なクーの口から出たとは思えない、愛らしい声。

「す、すまん」

いや、これもいつものノリで受け流してくれると思ったのだが。

「Tadashi.Sagen Sie fruher, ob ich es machen will, damit.In meinem Korper, der jederzeit gut ist……(タダシ。そんなにしたいなら、先に言ってよ。私の身体は、いつでも大丈夫なのに……)」

そう言って、ちょいちょいと袖を引っ張られる僕。
さすがのクーでも、さっきのは恥ずかしかったのだろう。いつも以上に顔が赤いし。

はぁ……。仕方ない。
うちの姫の尋問に付き合うとしますかね?