物語はこれからも続く。それはまるで撮られたとしても続くアルバムのような物である。
匠は学校に着くと驚いた。今まで見向きもしなかった生徒や、知りもしなかった生徒達が胸をはだけた服で歩いていたからだ。それやメイド服やらバニー姿で登校している生徒もいる。それから気付いた事だが、どうやらグループのような物が出来ているみたいだ。男1人に対して数名の女生徒、しかもどうやらその周りにいる女性達は一定の方向性があるみたいだ。ある者の周りには全体的に露出度が高いお姉さんタイプの女性達が並び、ある者の周りにはコスプレをした女性達が立っていた。
皆、昨日までとは違う格好をしていた。
「な、なんだよ。これ……」
『恋愛悪魔のカメラ』が何か関係しているのかも知れない。けれども僕は何もしていない。だと言うのにこれはいったいなんだと言うのだろう。
「どうしたの、匠〜。何か悩みがあるのならば、この姫野お姉さんに相談してご覧〜?」
「姫野か? これはいったい……」
そう言って後ろを見て匠は驚いた。そこに居たのは姫野であって姫野でなかった。
昨日よりも明らかに背が高く、さらに高校生とは思えない妖艶さに磨きがかかっている。腕や足は白くそれでいて女の子のように細長く、この前Kカップと思っていた胸がその数カップ上の、表すならばOカップはありそうな母性をとびっきり象徴しきったような柔らかそうな胸が重力に負けずに上を向いていた。そんな柔らかそうな女神のような胸を彼女は僕の腕に押し付ける。押し付けると共にその柔らかそうな胸は、僕の腕を、いや身体ごと包み込めそうなほど包んでいた。
「どうしたの? あっ、もしかして私の胸が重いとか思ってる〜? 大丈夫、私はこの胸に秘めた想いはこの重さだと十分に承知してるんだから」
「そ、そうじゃなくて……」
「むっ……。ずるい」
そう言って今度は頭の上と腕を揃って包み込みそうなほどの感触が直接伝わってくる。その胸は若干わずかにだけれども感触や柔らかさが劣るとはいえ極上の物であり、それでもその大きさは明らかに姫野を凌駕していて彼女の胸はあまりにも現実味を外れて良かった。
「私も……」
「り、凛香さん!?」
そこに居たのは金山凛香。2mを超えていた身長は少し伸びただけであまり違いが分からないが、それと違って胸はあまりにも巨大になっていた。そりゃあもう、簡単に頭を胸に押し付けたまま、腕に押し付けられるくらいに。さらさらの銀色の髪も長く、手触りや感触も良い物へと変わっている。
そんな凛香さんは無表情ながらも明らかに嬉しそうな感じで姫野とは逆の腕にその身体を押し付けていた。
「その理屈で言えば、一番想いが強いのは私。あなたよりも大きい。だから離れて」
「何を言うのよ! 私! 幼馴染のあたしが一番なの!」
どうやら言い争いを始めてしまったらしい。何で僕の事でこんな……。
しかも彼女達は胸を大きく押し付けながらしているため、柔らかい感触や温かさがむにゅむにゅと僕の頬に、身体に、当たっていく。
あ、争うのは良いんだけど何だかとっても恥ずかしい……。しかも他の部分も柔らかくて、胸じゃなくても他の部分が僕を誘惑している。
「ど、どうなってる……」
僕はもう『恋愛悪魔のカメラ』を使ってないのに、どうしてこうなっているんだろう。
「あっ、先輩はここに居たんですか」
そう言いながらスキップして歩いてくる京都より。身長は前より小さくなっていて、それに反比例するかのように胸は大きくなっている。胸は3人の中で一番小さく思えるけれども、相対的な大きさでは一番大きいだろう。そんなよりは僕へとダイブしてきた。
「先輩! おはようございますー!」
「げふっ!」
さすがに走ってきた質感たっぷりの女性1人のタックルには耐えきれず、僕は倒れる。けどそれは横の2人が倒れるのを防いでいた。
「せ、先輩……。おはようございます」
「「あっ、ちょっと何してるのよ!」」
がーがー言いながら、言い争う彼女達。そんな光景にあきあきしていると、
「あっ、匠様。こんなところにいらっしゃったのですね」
メイド服を着た肉質たっぷりのオルジェラ・L・ラバーは赤い髪と胸を揺らしながら僕の近くに来てゆっくり囁く。
「匠様。どうですか、これは。周りは私が持ってきた、その周りの社会を恋愛関係に満ちた環境を作り出す『恋愛悪魔の人形』で。そして匠様の『恋愛悪魔のカメラ』で恋仲になっていた3名は『恋愛悪魔のスペアカメラ』によってさらに匠様好みへと変えておきました」
「なっ、恋仲……? いったい何を……」
そしてオルジェラは手を取って、
「さぁ、この物語は、アルバムに示す物語はまだまだ続きますよ?」
Photo End.