恋愛悪魔のシンデレラ 第2後夜

帝国城摂政 作
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 一宮海月が友達と別れて人気(ひとけ)もほとんどなくなった頃を見計らって、私は自然な動作で彼女に近付く。


「ちょっと、お嬢さん」


「……うん? わたしになにか用ですか?」


 甘いふわふわとした少女らしい可愛い声が、一宮から発せられる。と言うか、どうやらこの姿だと自然と女言葉になるようである。声も変わっているし、これで赤城凌とはばれないだろう。


「うわー、お姉さん。美人ですね、それに胸もおっきいですし」


「ふふふ……。あなたも十分、大きいと思うけど?」


 そう言って、彼女の胸を揉み揉みと揉む私。
 ……柔らかい。触れた時点で既にもう元の形に戻ろうとするくらいの弾力感がある。うわー、凄い。もっちもちです、まるでプリンのようだ。


「ひゃ、ひゃあ! な、なにするんですか!」


「ふふふ……。ちょっと来てくれる?」


 自然な感じを装い、彼女の手を引いて路地裏に連れて行く私。同じ女性の身体とは言っても、身長差は明らかにこっちの方が上だし、彼女は妹曰くピアノやお習字などの習い事しかしていないので、体力的にもそんなにないのだ。


「え、えっとお姉さん? ここで何を?」


「ここなら、見つかりませんわね」


 監視カメラには細心の注意を払わなければならない。この街の防犯カメラは防犯カメラを扱う万門家とその監視をしている億階堂家が見ているのだから。なるべく2つの名家にはまだこの事を見られるわけにはいかない。


「お、お姉さん? わたし、そろそろ家に帰らないと……」


 よし、そろそろ頃合いだ。私は声を低くして、まるで冥界に響くかんばかりの声をあげる。


「我が名は――――――――赤城日和の亡霊なり。今、貴様に復讐を行う」


「えっ、日和ちゃんの亡霊って……。な、なにを―――――――――むぐっ!」


 驚いている間に彼女の口に無理やり『恋愛悪魔のホルスタイン』を流し込む。
 『恋愛悪魔のホルスタイン』。ゲーム・H・ラブリーさん曰く、この液体を流し込まれた女性は媚薬を飲まされたのと同じ感覚と、快感を覚える事で母乳を出す特殊体質へと変貌させられるらしい。媚薬を飲まされたような感覚は1時間もしたら消えてしまうが、母乳を出す特殊体質は永遠に消えないらしい。これにより、産んでもないのに母乳が出てしまう恐怖に怯えさせるだけの復讐も可能だが、ゲームさんとの取引である母乳採取もしなくてはいけない。
 ギブ・アンド・テイク。ちゃんとこれは果たさないといけない。私は彼女の胸をがっしりと掴む。優しく揉んであげる気など今の私にはない。


「お、お姉さん。わたしになにを……」


「今、この時よりあなたは快感を覚えたら母乳が出ちゃう困った体質になってしまったの。そしてこれは永遠に治らない」


「ぼ、母乳!? そ、それに永遠にって……!?」


「そして今から私はあなたから母乳を出す事によって、あなたに屈辱的な目に合わせてあげる。全てはあなた達のせいで入院させられた赤城日和の恨みを晴らすために」


 そう言って、私は彼女の胸を激しく動かす。上、下、右、左。決まった動きなどなく、ただ感覚に示す通りにただただやり続ける。


「あ、あぅ……! や、やさしく! こ、こんな激しく揉まれた事なんてないのに……!」


 乳房だけでなく、乳首にまでちゃんと感覚を受けさせるために両手の中指は彼女の乳首を弄繰り回す。


「や、やぁ……! お、可笑しくなっちゃう! わ、わたし、変になりそう!」


 そしてそのまま2つの胸をぶつける。しかも激しい動きで何度も何度も。ただでさえ小柄な身体に似使わない大きな胸、それが媚薬のような快感によってさらに増幅される。


「む、胸がちぎれちゃう! わたしの身体から離れて千切れちゃうよー! あぅ……や、イッちゃう。誰とも知れない女の人にイカされちゃうなんてー! 嫌―――――――――!」


 白目を向いて、イッてしまう一宮。そしてそんな彼女の胸からぽたぽたと健全な学生には似合わない白い母乳が出て来る。それをアンプに入れる私。どうやらあまり出が悪いのか、それともこれがデフォルトなのかは分からないが、そんなに量は多くなかった。
 まぁ、軽く見積もってもアンプ4本くらいは出ていたから、1本入れるのには十分。


「――――――ふっ、知らない女にイカされると言う復讐も出来たし、今日はそろそろ帰るとしましょうか。じゃあね、一宮海月ちゃん」


 そう言って、私は彼女に背を向けて帰って行った。











「うぅー、知らない女の人にイカされちゃった。ひ、ひどい。しかも母乳まで出てるし……」


 彼女、赤城綾による蹂躙で気を失った海月は、彼女が帰った10分後に目を覚ます。道路や制服は母乳塗れ、しかも制服を脱いでいなかったから制服に母乳が付いている。お母さんたちにどうやって説明するべきか……。


「まぁ、手がない事もないんだけど……。母乳が出る体質になっちゃったし……。こんなの、どうすれば……あれ?」


 そう言いながら、彼女は道に落ちていた自分の物ではない物を見て顔をしかめる。恐らく場合的に考えれば自分を襲ったあのナイスバディな女性の物と考えるべき物。しかしその物の本来の持ち主を知る一宮は顔をしかめる。


「なんでここに、“凌お兄ちゃんの生徒手帳”が落ちているんだろう?」


 その生徒手帳にはしっかりと、『算盤高等学校1年3組 赤城凌』の名前がしっかりと刻まれていた。