皆さんは献血をご存じだろうか? 事故などで血が足りない人に血を分け与えるために、あらかじめ沢山の人から血を貰ってその血を予備として用意する物なのだが、そんな献血にもいくつかの制限があり、誰でも血が採血出来る訳ではない。
年齢制限や血液型などが主な物として有名だが、献血にも色々と条件が存在し、
「中でも一番大事なのが、血の比重。つまりは規定値に達しているかが一番大切なんだよ」
と、たゆんたゆんと揺れる胸を両腕で下から押さえながら、ゲームさんはそう言った。ただでさえ大きなその胸が押さえつける事によって、逃げ場所を探すかのように上や下へと逃げようとしてさらに存在感が増している。
「と言うか、血の比重ですか?」
「まぁ、本職ではないのだから良くは知らないんだけれども、血が一定の値に達していない場合はどれだけボランティア精神に目覚めている人でも門前払いをするわけだ。気持ちは大切だけど、比重不足ならばどうにもならないってね。
で、そこに居る……一宮海月さん、だっけ?」
ゲームさんがそう言うと同時に僕は彼女の方を見る。
「ぷく……」
彼女は頬を膨らませていた。怒っているみたいだが、全く怒っている感じがない。むしろ可愛いくらいだ。
「興奮不足、単純なる成分不足、年齢に達していない。様々な要因があるとは思うけれども、結論を言ってしまうと彼女の乳は私が思っていた比重に達していなかったのよ。勿論、十条さんは大丈夫よ。だいぶ、興奮して出たミルクっぽいから比重的にもばっちりでしょう。けれども彼女は足りてないのよ」
「つまりは……」
「もう1度何とかして彼女の乳を綾ちゃん状態で取って来てもらおうかなーって思ってたら、赤城家に来た彼女とばっちり会っちゃってね。
どうしているんですか、と質問されちゃったから、全部答えちゃったって訳よ」
「そんな安易な……」
これじゃあ、彼女が警戒して乳が採取できなくなると言うのに、何を考えているんだろう。彼女は。
「―――――――凌お兄ちゃん? 話は終わったんですから、そろそろその女から離れてもらえませんか?」
と、いきなり地獄から響くかのごとく嫌な声が聞こえて来る。
これはあれだ。貞子とか呪怨とかの幽霊が出す、悪意や嫉妬に満ちた声である。その声の発生主である一宮はこちらを向く。
笑顔で目が笑っていないと言う表現があるが、今の彼女の状態を言い表すとしたら、
身体全体が怒り狂っているオーラを出しているのに、姿だけは深窓の令嬢と言った感じだろうか?
「お兄ちゃん、確かに妹さんの事は私達6人が悪いです。何度謝ればお兄ちゃんが納得出来るかは分かりませんが、お兄ちゃんが私達6人に復讐したいと言う気持ちは理解出来ます。故にこの場でもう1度謝らせていただきます。
日和ちゃんを轢いてしまい、申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げる一宮。そうだ、この娘はそう言う娘だった。僕がおやつを持って行った時に毎回頭を深々と下げて礼を申し上げる、一々、言わなくていい事まで気を使う本物のお嬢様。礼を忘れない素晴らしい女の子だ。まぁ、だからと言って妹への復讐心が消えた訳じゃないが、彼女の心持は素直に感心する。
実際、彼女に対しての復讐は完了している。ゲームさんは乳を貰うよう頼んだが、僕はそんな事はしなくても良いと思っているくらいにはもう――――――。
「でも、だからと言ってその女の人を家に住まわせたり、十条さんをイカせて乳を搾ったりしたりした事に私は怒っているんです! それに私も女の状態でやられた事にひどく不満爆発ですよ!」
般若や鬼神、死神としか思えないオーラで彼女は言っていた。
「まぁ、私としてはどうだって良いんだけどね。ゲーム・H・ラブリーはそんなんじゃなくて、ただ純粋に乳さえ貰えれば満足。なんだよねー」
と、そう言ってラブリーは白衣をたなびかせながら、僕の方へと歩いて来た。そして僕の腕を取って、ムニュっとおもむろにその腕を僕の胸に押し付けていた。まさにこの世の物とは思えないほどの柔らかさ、一宮や十条の胸の柔らかさもかなり柔らかかったけれども彼女の胸はまた一段と柔らかい。しかもその柔らかさはまさに天の物としか思えない、天にも昇る気持ちである。あぁ、柔らかすぎる。
「むむむー!」
「あー、はいはい。邪魔者は上に退散しているんで、後は頑張ってください。じゃあ、ね」
そう言って、ゲームさんは上に向かって行った。残されたのは僕と一宮の2人である。
「「……」」
何とも言えない緊張感が僕達の間を漂う。
「……先ほども言ったように、私は日和ちゃんにひどい事をしてしまった。6人だから責任を六分割出来るとは思ってはいませんし、それに日和ちゃんの兄であるお兄ちゃんにも謝らないとは思います。
けれどもだからと言って、お兄ちゃん。女の恰好で襲うのは卑怯だと思います」
「だ、だって……変装なんかじゃあバレちゃうし」
あの姿には他に無理やり意識を変えると言う事もありますし。あぁじゃないと胸を揉みしだいて母乳を出すなんて事出来ませんし。
「うっ……、確かにそうです。けれども私は出来る事ならば、む、胸から母乳を出すならばそっちの方が良いんですけれども!」
「ええっ……!?」
「私はあなたが好きなんです! 大好きなんです! 愛してます!」
……なんだ、これは。なんで僕はいきなり告白されているんでしょうか?
「お兄ちゃんは私を恨んでいるかもしれません。けれどもそれでも良いです」
そう言って彼女は僕の手をゆっくりとその豊満な胸へと手を伸ばす。
「わ、わたしの胸……。お兄ちゃんの手で揉みしだいてくれませんか?」
「私は心までお兄ちゃんに愛してもらえなくても構いません。心から愛してくれとは言いません。ただただ、私の身体を愛してください」
彼女はそう言って、ゆっくりと僕の方へとさらに近づいてくる。彼女は興奮しているのか、彼女の着ている服のちょうど胸の部分は濡れてしまっている。恐らく母乳が出て、それが濡らしている要因だろう。
「私は……私は……」
彼女は服を脱ぐ。服を脱ぐと中学生には思えない大きなおっぱいが僕の眼前に現れた。しかも僕の手を押し付ける時間は出来るだけ短く、離れている時間がほとんどないと言っても過言ではないくらい、彼女は淡々と服を脱ぎ棄てる。
「……お兄ちゃん、……揉んで?」
そう言って彼女は顔を向ける。彼女の顔は子供みたいな顔だが、大人びた雰囲気が特徴的である。僕はその場の雰囲気に圧されて彼女の胸を揉んでいた。
「あぁん……。やっぱりお兄ちゃんの手は最高……女の時よりも良い……」
そう言いながら、顔を赤らめる彼女。そしてまだまだ物足りなさそうな顔でこちらを見つめる。
僕はそんな彼女の気持ちに答えるために僕はさらに強く胸を揉みしだく。激しく胸を揉む。
いちいち揉むたびに彼女の顔は嬉しそうにして、その身体は一々揉むたびに彼女の身体は激しく揺れる。
そして彼女は顔をあぁん、と激しく愉悦に染まる。
「良い……。お兄ちゃん、大好き……。大好き……です」
彼女が動くたびに胸が激しく揺れて、僕の手を弾こうとするが彼女の手がそれを押し付けている。
「お兄ちゃん、大好き! 大好き! 愛してる! 愛してる! お兄ちゃん、愛して! 私の身体だけ愛して!」
彼女の母乳が出て、床を汚していく。
彼女は狂ったように声を言い放つ。その声には本当に熱がこもっている。床に母乳がこぼれ、彼女の身体に母乳がこぼれる。その母乳を彼女は舌でいやらしく、それを飲み、彼女は「飲む……?」と言ってきたが、丁重に断っておいた。
そして30分後。彼女の胸からは前以上の母乳が出て、僕はそれを採取していた。
「しっかし、一宮が……ね」
心はいらないから身体だけ貰ってくれ、か。中学生には思えない発言だ。あと、忘れてはいないが彼女は僕に告白してくれた。妹の友達として接していたから、今でも信じられない。
復讐として彼女の事を憎んだ。一度憎むとそうとしか思えない。と言う事はないが、少なからず彼女を恨んでいたと言うのは心に残っている。故にいきなり僕は愛していると言われてもどうすれば良いか分からない。
とりあえずこのアンプに入れた母乳をゲームさんに渡そうと、彼女のいる上へと向かう。
「あぁ、凌くん。お疲れ。ちゃんと避妊はしないといけないよ♪」
「何の訓戒ですか、全く……」
そう言いながらアンプを渡す僕。ゲームさんはそれを見てうんうん、と頷く。
「これならば良いね、ご苦労様。あっ、そうだ。今、TVで見てたんだけど、君に朗報だよ」
朗報……? いったい、なんなんだ?
「『100milion』の2人が今度、総計市のスタジアムに来るみたいですよ?」