恋愛悪魔のシンデレラ 第5夜

帝国城摂政 作
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 『100milions』。それは2人組のアイドルのコンビ名だ。千街莉木(せんがいりき)と万門美金(よろずもんみかね)と言う2人組。そう、『聖六姫』の千街家と万門家の娘にして、僕の復讐相手だ。何故、『100milions』かと言うと、100milionsは日本語に直すと一千万。『千』街莉木と『万』門美金だから、『100milions』だそうだ。だったら、一宮も入れろよとは思うのだが、一宮にアイドルは向かないだろうしこれで良いか。


 この前の説明の際、千街家が何をして財をなした名家なのか言うのを忘れていたが、それは千街家が残りの五名家に対して名家と言うのを忘れてしまいそうになるくらいの存在だからだ。
 千街家はスキャンダル、そう芸能関係者が多い家柄である。父は大手新聞メーカー、母は元トップアイドル、叔父はTV局局長、叔母は芸能プロダクションの社長、甥はトップアイドルと芸能関係においてはかの千街家以上に通じている名家は存在しないだろう。


 僕は彼女達に恨みがある。これは後で知った事だが僕の妹が新聞やTVに報じられなかったのは、万門家の娘である万門美金が指図したのが主な原因の1つであるが、千街家の娘である千街莉木も親などに頼んでこの事件をなかった物として処理したのが原因の1つでもある。彼女達の芸風は生粋のおバカキャラで場を和ませるアイドルと言う事で一世を風味しているが、僕は彼女達のへらへらした笑い顔が気に食わない。


 妹の笑顔を奪い、自分たちは堂々とカメラの前で笑顔を向けている彼女達が気に食わない。本来であれば百城家の娘か億階堂の娘か迷っていたが、彼女達は芸能活動でこの街に居ない事が多々あり、今回のこの総計市でのライブへの出演機会を狙わなければ彼女達と会うのは多分難しいと思える。


「……よし」


 流石に3回目にもなると、慣れ始めた感じがあるがまだまだこれから。この2人を片付けても、まだ僕の復讐相手は後2人も残っているのだから。僕はそう思いながら、一宮から借りたスタッフの服装を着て中へと潜り込んだ。





「ねぇねぇ、ミカネちゃん。ミカネちゃん。この娘、超胸デカくね? 何、食べたらこうなるのって感じ〜」


「そうよね〜。こんなの、可笑しくて笑えて来ちゃうわ。まぁ、一般的に見たら私達も大きい胸をしてるのかも知れないけどね」


「いや、私達超金持ちじゃん? 金持ちは余裕あるから、おっぱいがボヨーンと大きくなるんだよ!」


「そうね。私たちはお金持ち。だから胸が大きい。
 莉木ちゃん、本当に素晴らしい論理展開よ」


 このバカ丸出しの会話をしている2人こそ、僕が今度のターゲットとして選んだ千街莉木と万門美金だ。
 18歳のアイドル、千街莉木は身長、体格と共に普通で黒髪黒目のぱっとしない容姿だが、その胸はJカップとかなり大きく、『地味だけど色気抜群アイドル』とネットで評価されている。一方、17歳のアイドル、万門美金は金髪碧眼と外国人みたいな容姿と、莉木にこそ負けるがHカップと言うかなり大きい胸を持ち合わせている。
 この2人の人気の理由は、バカさ、親の権力、そして持ち前の胸(ぶき)と言うだけで歌も踊りも全然ダメな本当に馬鹿なアイドルだ。僕は彼女達が前から嫌いでしたが、妹の件でさらに一層嫌いになった。


「すいません。お飲み物をお届けに参りました」


「あー、適当に扉の前に置いといて」


「そうだね。あたし達、アイドルでお前らスタッフとなんか仕事以外で顔も合わせたくないからそこら辺に置いといて」


「……かしこまりました」


 僕は言われた通り、扉の前にペットボトルを2本置き、廊下の片隅に隠れる。本当は帽子を深々と被って置いて早々に立ち去ろうと思っていたが、それ以上に良いやり方だ。だが、人として最低の行為だなと僕は思った。



 数十分後、彼女達は喉が渇いた事に気づき、扉を開けてペットボトルを持って扉の中へと入って行った。そりゃあ、そうだ。かれこれ数十分近く扉越しでもここに響くくらいのバカ騒ぎで喋り続けていれば、喉も渇く。どうやらこの壁、急ピッチかなにかで作られたらしく相当薄く音も丸聞こえだ。これならタイミングを見計らう事が出きて、ラッキーである。


「喋りすぎて喉が渇いちゃいました」
「だねー!」


 そして、彼女達はそのペットボトルを飲む。


「……よし」


 僕は好機と思い、『恋愛悪魔のシンデレラ』を飲んだ。








 私が用意したペットボトル。あの中には『恋愛悪魔のホルスタイン』を混ぜて入れています。今、彼女達は自分でも抑えきれないような欲望にのた打ち回っている事でしょう。
 私は中に入る。そこにはうつろな目をした2人の女性。


「――――――さぁ。赤城日和の亡霊としての復讐を開始しよう」


 まず私が向かったのは、千街莉木。千街ははぁはぁ……と喘ぎ声をあげている。どうやら彼女は生粋の興奮症、つまりは人よりも興奮が高い人らしい。まだ触っても居ないのに、飲んだだけで息を荒げているのがその証明だ。


 私は彼女の豊満な胸を揉む。


「や、やめて! お、おかしくなっちゃう! こ、こんなの放送事故だから!」


 残念ながらこれは放送事故なんかではなく、ドキュメンタリーと言う現実。彼女の胸は先の2人のような事こそなかった物の、やはりJカップと言う事でかなり大きく手に収まりきらずはみ出している。そして1回揉むごとに彼女は顔を赤らめ、少量ながらもミルクを出している。どれだけ興奮しているんだか……。


「もうあなたはこのままずっと、続いて行くんですよ」


「い、いやー! サザエさん方式は、やめて――――――!」


 私はさらに彼女の胸を激しく揉む。たったそれだけの動作で彼女の胸からは十条が出した倍の量のミルクが飛び出す。そのまま失神してしまった。彼女の分の母乳をアンプに入れた私は次のターゲットに目を移す。


「あ、あぁ……」


 彼女、万門美金は目の前に起きた事象が理解できず、ただ茫然と立ち尽くしている。私が近寄っても反応はない。私はそのまま彼女の胸に触ろうとして、


「……!」


 彼女が気付いて動いて、手の位置が変わってしまい、頬に指が付いてしまった。


「あぅん……」


 指で頬をちょっとだけ触った。たったそれだけの事なのに、彼女は胸を揉んだ時のように喘ぎ声を口にする。どうやら彼女は敏感肌、つまりそれだけ感度が良いと言う事なのだろう。


(じゃあ、もしこの指が胸を触ったらどうなっていたのだろう)


 私はその美金さんの肌に指をちょこんと付けた。


「あぅうぅん……!」


 おぉ……。なんだか背徳的な感じを感じる。


「あ、あんた……。どこの長身女よ……。私たちに何が目的なのよ」


「最初に言ったはず。私の目的は赤城日和の無念を、恨みを晴らす事。そのために君達には辱めを受けてもらうのさ」


 私は彼女の2つのHカップの胸を掴み、中を開ける。その間、先程よりも強い声が聞こえたが気にしない。私はその胸の谷間に、あの時のローターを差し込む。


「な、何を……」


「私よりもあなたにはこっちの方が辱めを受けるんじゃないかなってね」


 私はそう言って、ローターのスイッチを入れた。ブウウウン……と言う鈍い音と共に、彼女の敏感な肌がローターによって触られ続ける。


「い、いや! だ、ダメ! や、やめて! お、おかしくなっちゃう! おかしくなっちゃう! 私、どうにかなっちゃうから! や、やめて!
あぁぁ……! あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!」


 大きな声と共に彼女の胸からも母乳が流れ、私はそれをアンプに詰めて誰か来ないうちに退散する事にした。


 こんな薄い壁だからもう何かあったと思っているでしょう。そしてかけつけて見れば喘いでいる2人のアイドルと、そのアイドル達から流れ出たと思われる母乳。はたして彼女達の今後はどうなっているんでしょうか。
 私はどうでも良いですけどね。


 私はアンプを2本、持ってきたスタッフ服に入れてそのまま退散した。勿論、ローターのスイッチは入れたままで。