乳タント 青色

帝国城摂政 作
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 この物語はフィクションです。


 ミュータント。遺伝情報に変化が起きて本来の状態とは異なった細胞や生物の事を指す単語で、突然変異とも訳される。そして乳タント、これは別である。乳タントとは、1900年代後半に流行ったウイルス、女性の胸の異常発達及び胸の異常現象を起こす【乳タントウイルス】に感染した女性、そしてこの感染者の子孫の事を指す。一時期は化け物扱いされていた乳タントであったが、それも半ば沈静化してきた21024年の5月。


 俺、木崎優斗(きざきゆうと)は頭を抱えていた。俺の父親はアイドル事務所、『576プロダクション』を設立してアイドルを作り出してきたのだが、その父親が俺に『マネージャーとして働け』と言いだした。言わせて貰えば、俺は親の立場に胡坐(あぐら)をかいて『働きなんかしないぞ、アホー』とか言う奴ではない。むしろアイドルプロダクションの社長の息子と言う事で、散々からかわれたので一生懸命努力して成果を上げてきた。この前だって大手の会社に就職が決まった矢先にこう言われたのだから、どうしようもない。何が『お前はマネージャー向きだ』だ、訳が分からないっての。


「マネージャー、仕事」


 おおっと、ご紹介しよう。今、俺に話しかけて来たこいつこそ、今俺がマネージャーとして売り出し中のアイドル、乳タントの凍空吹雪(いてぞらふぶき)である。身長は170p台と女性としてはまぁまぁ、身体は細く尻も小振りでなかなか痩せ細った感じだが、おっぱいが……物凄くデカい。乳タントと言う事もあるのだが、Jカップと言うのはなかなか近くで見ると圧巻視する。しかもこの娘、まだ高校生なのだ。つまりは学生アイドル。この不景気、学生でも働く人は居ると聞くがこう言った顔出してのお仕事に文句がないのだろうか? 今は無くても後々、問題になると思うのだが。
 顔は端正な顔立ち、と言うか中性的と言うよりかはどことなく男性寄りの顔立ちだ。切れ長の瞳と透き通るような肌、そして顔立ちも良くて女性ファンから『お姉さま』や『王子様』と呼ばれたりしている。性格は今のようにかなり冷静……なはずだ。しかしそれが自信がない。その理由は後程話すとしよう。


 クール系アイドルとして、僕は彼女をプロデュースしている。今日はそんな彼女の一日をご覧いただこうではないか。


「おぅ、来たか。吹雪。今日も仕事、頑張れよ」


 と笑顔でニコリと笑いながら声をかけると、


「はい、よろしく」


 と言う素っ気ないような声が返り、


『いや〜ん♪ 今日もマネージャー、素敵♪』


 と言う言葉が彼女のその大きな胸に浮かび上がる。これが彼女の乳タントとしての異常現象、【胸文字】だ。彼女が言葉を放つと何故か胸に文字が浮かび上がる。本人自体は素っ気ない声を返すのだが、胸に現れる文字は必ず今のようにピッチピチのそこら辺に居るギャルのように文字が現れるのだ。そのギャップが溜まらないとファンが居るんだが、実際この文字がどう言った物なのかは本人からは詳しく聞いていない。


 本人の本当の気持ちが書かれるのか、それとも二重人格か何かなのか。はたまたただの異常現象で片付けられるような物なのか? 真相は闇の中だ。
 今は売りでもあるので放っているが、そのうち聞こうとは思ってる。まぁ、今は彼女が嫌がるので止めておくが。


「今日はまず歌と踊りのレッスン。昼に撮影、午後からインタビューが2件ほど。夜からの仕事は……今日はないみたいだから、上りは6時には帰れそうだぞ」


「そう」


『えぇ〜!? もっと一緒に居たいよ〜! どうせならベットの中でも……』


 胸に変な文字が浮かび上がり、吹雪がクールな顔立ちのままおっぱいを揉む。彼女は文字に相当本人の気持ちを害する物が出て来た場合、今のように揉んで気持ちを紛らわす。と言うか、俺としては男の俺が居る前でたゆんたゆんとおっぱいを揺らさないで欲しいな。アイドルに手を出して引退と言う事実は避けたいし。


「車に乗ろう。仕事に送れる」


「えぇ……」


『は〜い!』


 ……こいつは何だか疲れる。いつもクールな娘と明るい娘をセットで相手している気分になるから。本当に嫌だ、嫌だ。でもプロデューサーとして頑張ろう。



 まず最初の仕事は歌と踊りのレッスン。凍空吹雪は既にアイドルとして歌もダンスもかなり良い線行っているのだが、本人がまだ完成系じゃないと向上心を持って常に歌と踊りのレッスンを行っているのだ。しかも、舞台稽古の合間にとかにでも普通にやってるし。向上心は買うのだが、なんというか……その見ている方としては恥ずかしいの一言である。彼女は露出度が高い服装を好み、さらに無駄に彼女は運動神経が良いのだ。運動神経と言うよりかは、身体が柔らかいと言うべきだろうか。


「ふぅ……」


【ふふふ……! どうでしょ、この身体の柔らかさは凄いでしょ!】


 彼女はJカップにも関わらずにその胸に邪魔されることになく、ストレッチの際に立ったまま足のつま先に手がつくのだ。僕はそんな邪魔な物がないのに、出来ないのだけれども。だから彼女は凄いと思う。けれども胸を急激に押しつぶしているさまがとってもエロいと思う。
 そのまま僕は彼女と共に次の仕事に向かった。


 次の仕事は、インタビュー。雑誌撮影のイベントだ。


「では、雑誌の撮影を始めませていただきます。答えられる質問だけで良いので、答えてください」


「はい」


【私の秘密が暴かれちゃうの!? きゃー、怖―い!】


 と言う訳で、雑誌の撮影が始まった。相手は向こうの雑誌記者の女性で、今度女性に人気のアイドルと言う事で、インタビューを受けさせてもらっている。と言うか、記者さんはどうして吹雪の胸に注目しているんだ? もしかして胸文字を見てそれもインタビュー内容として雑誌に載せる気なのか?
 一応、胸文字の話はファンの間に有名で、僕達はそれを言明していない。本音なのかも知れないし、二重人格なのかも知れないし、的外れなのかも知れない。あくまでもそう言う物として受け止めてもらっている。ファンの中ではあれは彼女の本気と言う説が有名である。


「じゃあ、まず……ファンの皆が気になる休日の過ごし方について!」


「学生だから勉強」


【そりゃあ、やっぱりみんなにもっと見られるように自分磨きかな〜】


「じゃあ、続いて今まで歌ってきた中で一番印象深いのは?」


「全部、私にとっては印象深い」


【歌を一生懸命覚えたデビュー曲の『My Cool World』、それとダンスが難しかった『乳☆スクール』が特に印象深いかな〜? まぁ、どの曲も印象深いっちゃ印象深いよ〜】


 その後もインタビューは続く。ここまで反応が違うと、困ると思うけれども意外にもインタビューは順調に進んだ。最も、1つたりとも言葉とたゆんたゆんと大きく揺れる大きな乳に浮かぶ胸文字が同じだった事はなかった。けれども、1つだけ同じ答えの質問があった。それは記者の、最後の質問だった。


「さて、これで最後の質問です。あなたがアイドルになれた喜びを一番誰に感謝したいですか?」


 その質問は、結構ふざけたような質問が多かったら、最後にと用意されていた質問である。ここで父親や母親と言う言葉が聞ければ感動的だし、他の人だとしてもかなり味のある答えになるだろう。と言う、最後にそう言った事を見るための質問だった。そしてその答えは、






「私をここまで育ててくれたマネージャー」


【マネージャー、かな? マネージャーが居なかったら、私はアイドルとして成長していなかったから】


 その言葉に周りに居たスタッフ、記者、そして言われた当人である俺もどう反応して良いか困ったのであった。






「……はぁ。そう言う事を言わないでくださいよ。俺はこれでも健全なマネージャーとしてアイドルと接してるんだ。アイドルが止める理由で多いんだぞ、マネージャーとの恋愛ごとは」


 帰りに車で吹雪を送っている途中、俺はそう愚痴る。普段だったら担当アイドルにこんな事は言わないんだけど、今日の場合は別だ。なにせ、今日の件で俺はスタッフに冗談だと言って回らないといけなかった。しかも2件目のインタビューでも同じことをしたから倍疲れた。今日は早く帰って寝たい。


「すまない。決してそう言う他意はない」


【えぇー? こう言うのは初めから断言している方が、後々楽だよ?】


 はぁ……。いったい、彼女の言葉はどれが正解なのか? クールなのか、それともデレデレなのか。真相は分からない。


「マネージャー、食べに行きたいです。焼肉とか」


【焼肉行こうよー! 私のこの脂肪(おっぱい)、マネージャーだったら食べてい・い・よ?】


「はいはい。焼肉、ね」


 俺はそう言って、彼女を車に乗せて焼肉店に向かうのであった。


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乳タントアイドルNo.1
名前;凍空吹雪
年齢;17歳(高校2年生)
身長;174cm
3サイズ;B110(J)、W70、H94
乳タントの特徴;乳に文字が出て来る乳文字。それが本音か別人格かは不明
イメージカラー;青
売り;クールとエロさを兼ね備えた歌も踊りも行う本格派
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