ゲレンデの騒動

tefnen 作
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目的地の空港で話し合う3人。
「はぁ、びっくりしたよ、佳奈」
「ごめん、絵美。でも先輩が怖がるから」
「すまない。飛行機乗るの初めてなもんで、俺…」

他の2人は、手荷物回収場で待っていた。
飛行機の中で起こったことは、次の通りだ。

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「あっはは!やっぱり離陸の衝撃は、やみつきになるね!」
「そうなの?私、耐えられないよ、毎回こんなの…」
「こ、こんなに高く飛ぶのか、飛行機って!もっと低く飛べないのかよ!」
「当然。低空は空気が乱れてる。そこをずっと飛んでたら、揺れすぎて危険」
「そ、そうなのか!?早く降りたい…」
「先輩、怖い?」

この佳奈の一言に、絵美はギクッとして佳奈の方を見た。英一を慰めたりしようとするのに、佳奈はいつも成長
するのだ。

「ちょっ佳奈、大きくなるのはだめだよ!周りに見られるって!」
「大丈夫、この座席の高さなら、見えない…っ!あぁん!シート…ベルト…が!はぁ…」

次の瞬間、華奢な少女が座っていた場所に、長身巨乳の美女が座っていた。おかっぱはロングヘアに、頻繁に成
長する佳奈がいつも着ている伸縮性の良いセーターはパンパンに張り詰めている。

「さあ、先輩」
「うん、佳奈、ありがとう」

と言って英一はおもむろに佳奈の大きくなった胸を揉み始める。

「あぁん…先輩…」
「佳奈…気持ちいい…」
「(ちょ、おまっ…見えてなくても、喘ぎ声聞こえてるよ!)」

次の20分間は、トイレが空くことはなかった。利用者は主に佳奈の周りの男性客だった。

「もうっ、この頃の佳奈は場所を選ばないんだから!」
「仕方ない。先輩のため」
「仕方無くないよ!先輩も男なんだから、佳奈を止めることぐらいできるでしょう!?」
「面目ない…」

「あ、絵美、佳奈もいた!ほら、拓也くんこっち来て」
「うん、由里ちゃん」
「お、由里、やっときたね!さっさと行こ!こいつらだけと一緒だとものすごく疲れる!」
「うん!」
「さあスキー場行きのバスはこっちだよ!」

と絵美が先導して、バスに乗り込んでいった。そして、目的地のスキー場。由里は初めてのスキー場にはしゃぐ。

「絵美、スキーとスノボーどっちがいい?私はスキーがいいな。安全そうだし」
「え、スノボーのほうが面白いよ!私は断然スノボー派!」
「そ、そう、絵美が言うならそうする」
「2人がそういうなら、僕もそうするよ」と拓也も乗ってくる。
「私は、スキーにしておく」と佳奈。
「じゃ、じゃあ俺も」と英一が続く。
「それじゃ、さっさと道具借りて、滑ろう!こういうのはやったもん勝ちだよ!」

絵美以外は、スノースポーツは初体験のようだったが、皆1時間のインストラクションですぐに慣れ、その後は
各自の思うように滑ることにした。

こちらはスノボー組。

「ひゅーっ!爽快爽快!」
「待ってー絵美ー!」
「遅いぞ、由里ー!…あの童貞、まだあんなところに…」

ゲレンデの上の方に、ほとんど点のように見える拓也。

「待ってるのも億劫だし、もう一回上まで周回遅れにしてやるか!」
「うん、仕方ないね…拓也くん大丈夫かな…」

リフト乗り場まで下りきり、二人乗りのリフトに乗る由里と絵美。

「由里、ゴーグルちゃんとしておきなよ、スキー場は地面が真っ白だから、日光が反射して目にかなり負担がか
かるんだよ」
「え、そうなの、うん、もうちょっと気をつけるよ」
「それにしても、拓也、まだあんなところに…連れてこなきゃ良かったかな」
「そんなこと言っちゃだめだよぉ」
「そう言ったってねぇ…」

そうこうしているうちに、リフト降り場に到着した。

「さ、拓也のところまで行こっか!」
「うん!」
「それ!」
「あ、絵美ちゃん速すぎ!」

絵美は調子に乗ったのか直滑降で、スピードを緩めることなく降りていく。

「絵美ちゃん、そんなに速いと転んじゃうよぉ!」
「大丈夫!」

あっという間に拓也に追いつく絵美。ブレーキして拓也の側で止まろうとする。

「ほら童貞!もう周回遅れ…ってきゃっ!」

勢い余って、絵美は斜面の下側に転んでしまった。

「絵美ちゃん…今助け…てうわっ!」

拓也はなにもないのに転ぶ。多分、転んでは立ち、転んでは立ちを繰り返して来たのだろう。腕に力が入らずす
ぐには立てないようだ。

「絵美ちゃん、大丈夫?」

後からきた由里が、ちゃんと止まって絵美に問いかける。

「大丈夫、だけど雪が柔らかくて立ち上がれない!」

絵美はもがくが、余計に体が沈んでいく。そこはリフトの支柱の近くで、ちゃんと雪が固められていなかったよ
うだ。

「絵美ちゃん、私どうすれば…」
「とりあえず、すぐ下に止まって、手を引っ張って」
「う、うん」

由里は絵美が倒れているところの隣まで移動する。絵美が手を伸ばすと、かろうじて雪の表面より上に突き出せた。

「え、絵美ちゃん、今、起こして…うわっ」
「あぁ…やっちゃったか…」

由里も倒れてしまった。しかも、絵美のいる方向に。

「はぁ…こうなったら…ねえ、由里、私のシューズ、外して」
「え、うん」パカッ、と、なんとかシューズを外す由里。絵美のスノーボードが、絵美の重さから開放されパタ
ンと斜面に倒れる。
「じゃあ、手を繋いで」
「え?」
「いいから、アタシも恥ずかしいんだから」
「じゃあ」

由里は絵美の手をギュッと握る。

「ゆ、由里の体から…魔力が…これなら…うっ」
「絵美ちゃん!?」
「気にしないで!続けて!」
「う、うん」

スキーウェアのお陰で外からは見えないが、絵美は自分の体が大きくなり、次第に締め付けられていくのを感じた。それと同時に更に沈んでいく絵美の体。

「ん、きつっ」と言って、スキーウェアを外そうとするが、すでにジッパーは動かない。
「う、うそ…きつい…きついよぉ」しかし絵美の体は成長…というより、巨大化していく。沈み続けていた絵美
は、背中が地面に当たるのに気づいたが、締め付けられる痛みでどうにもできない。身長は4mに達し、大きめだ
ったスキーウェアは今や肩と胸の部分だけを覆っている。

ビリッ!

ついに、ほつれていた部分が破けた。彼女の乳房は反動でブルンっとゆれ、顕になる絵美の体。絵美は、由里を
大きくなった手で持ち上げて、斜面の上に立たせる。由里の手が絵美から離れ、絵美は再び小さくなり始めるが
、絵美は自分の腕を使い、立ち上がることができた。そして、数秒後には元の姿に戻った。

破れた服を体に巻きつけるが、寒さは抑えきれない。

「クシュンッ!」
「絵美!早く宿泊所に行こう」
「うん…」

絵美は軽度の凍傷ですんだが、一方拓也は日が暮れて由里が気づくまでゲレンデから戻ることができなかった。