混沌の拡大と終わり

tefnen 作
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その次の日、テレビを破壊してしまっていた絵美は携帯電話でニュースを見ようとした。しかし、更新が
昨日の午後9時位で止まっていた。

「まさかまさか…」

絵美は街に繰り出した。そこには、人一人いない、店も開いていない、電車もバスも車まで走って
いない、ゴーストタウンのような、しかし確実に自分が生きてきた場所である、そんな街が広がって
いた。
日本のほとんどの男性がユリシアの分身による魔法に巻き込まれ、女性も何らかの洗脳を受けて、
家から出られなくなっていた。絵美はというと、ユリシアの分身からの誘惑を完全に断ち切り、何とか
巻き込まれないで済んでいた。
ふと、携帯電話にメールが来ているのに、絵美は気づいた。

『あなたは、私の弱みを握っている。決闘、〇〇公園にて午後2時』

これを見て、絵美は、拓也に電話をかけた。幸い、電話は通じた。

『酷いことになってるよ、絵美ちゃん。お母さんまで…』
「それより、ユリシアから果たし状が来たんだよ!」
『えっ!』

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そして、午後2時。絵美と拓也、そしてユリシアは待ち合わせ場所にいた。

「なんで、アタシに時間指定してまで果たし状なんて」
「マスターを呼び出せるのがその時間だけしかなくて、仕方なかったんだよ」
「それって、どういう…」
「私にここで負けたら、マスターに契約してもらう」
「アタシにも人を襲えってこと!?」
「落ち着いて落ち着いて、また膨らんでるよー。それに、違うよ、あなたにはマスターを直接楽しませて
もらうっていうだけ。結構、いいカラダしてるしね、あなた」
「くっ、そんなの…負けられない」

絵美は空手技を繰り出した。ユリシアは余裕綽々である。

「だから、当たんない…ぶほっ!」

ドサッと倒れるユリシア。
ユリシアの考えていたことは、絵美はまた頭を狙ってくるということだった。それならば、絵美は敵意に
よって成長し、それによって技がそれる。しかし、今回は絵美のほうが一枚上手で、その成長を計算し、
少し下を狙ったのだ。そのために、絵美の拳はユリシアの頭部に直撃した。

「やったっ!」

しかし、

「…やってくれるね…それが、あなたの最後の一撃、だよ」
「え…ぐふぅっ!」

ユリシアは転移魔法を応用して高速移動し、甲冑のまま絵美の腹部にキックを浴びせた。その衝撃で
骨が折れ、ボキボキッという音があちこちで発せられ、それに耐えられずに、気が遠のく絵美。
さらに、ユリシアは絵美を木に磔にした。拓也も、何も抵抗できずに、同じように木にはりつけにさせ
られていた。

「さっきはマスターに契約してもらうって言ったけど、あれは嘘だよ。弱みを握ってる人間を、生かして
おけるわけがないんだよ」

ユリシアは仁王立ちになり、両手を上に伸ばし、手のひらを広げた。

「全力で消してあげる」

ユリシアがそう言うと、その両手の先に赤い光の球が現れ始めた。それはだんだん大きくなっていく。

「や、やば…」
「あ、あとね。いま私にあなた達の名前を聞かせても、魔力の出方が速くなるだけだからね」

ユリシアがそう制した瞬間、地面がドンッと揺れた。

「あら、あなたも来たの」
「うるさい。由里の体、好き勝手にさせない」

佳奈が、絵美に呼ばれてきたのだ。映子も後ろにいる。二人の体は、身長は10m位の大きさで、今
他に男性がいれば、その巨大さのせいで、ほぼ全員卒倒しそうなほど迫力のあるグラマラスな体型に
なっていた。その胸には、直径2mくらいはありそうな乳房がブルンブルンと揺れている。佳奈はその
体躯を使って、ユリシアに攻撃しようとした。だが、

「体の大きさだけじゃ、私は倒せないよ」

ユリシアがそう言うと、佳奈の体はふっ飛ばされ、着地点にあった公園のあずまやを体重で押しつぶし、
その後ろにあったジャングルジムも全体がグニャッと曲がってしまった。映子が駆け寄っていく。

「佳奈ちゃんっ!大丈夫っ!?」
「せん…ぱい…だい、じょうぶだから」

と言いつつも、いたるところに傷ができ、血が出ていた。

「あはは、強がるね。あなた達も、絵美の後に処理してあげるから、安心して」

赤い光球は、ユリシアの頭上で、どんどん大きくなり、公園全体が赤い光に包まれ始めた。

「ふん、勝手に、言ってて。絵美っ!もっとしっかりしてよ!」

佳奈は巨大な体のまま叫び、その声はジェット機のエンジン音ですら負けそうな大きさであったが、
絵美の方は、ほとんど意識が飛んでいて、微かに佳奈の声が聞こえてくるだけだった。

「絵美は、ユリシアを倒したいの!?違うでしょ、由里を助けたいんでしょ!だったら、一緒に由里に
呼びかけて!」
「佳奈、この甲冑がある限り、私の全身は精神的な攻撃からも守られてるんだよ。私の中にいる由里
には…」
「…あなたの一部は、そこにさらけ出されてるじゃない」

佳奈はスッと赤い光球を指さした。

「なっ…?」
「由里っ!聞こえるなら応えて!私達友達だよね!そんな奴の中から出てきて、また一緒に遊ぼう!
何処にでも行こう!」

佳奈は一生懸命に叫ぶが、何も変化は起きない。

「あはっ。だから無駄だって!そろそろエネルギーも出きったし、発射するよ!」

佳奈はユリシアに一蹴されてしまった。

「佳奈ちゃん…ダメだ、もうおしまいだ!」

拓也はそれを見て絶望してしまう。だが、

「あんた…それでも…男なの…?もしそうなら、一緒に…呼んで…」
「絵美ちゃん!?」

絵美の意識が戻ったようだ。そして、その複雑骨折している状態からは信じられないような大声で叫んだ。

「由里ぃっ!あんた、言ってたよね、これまでずっと引っ越してばっかりだったから、親友ができなかった
って!親友が作りたくて一人暮らし始めたって!アタシだって、由里みたいな親友は初めてだったんだよ!
由里以上にアタシを思ってくれる友達は、いなかった。アタシも、由里が必要なんだよ!だから戻って
きて!」

拓也もそれに触発されるようにほぼやけくそで叫んだ。

「由里ちゃん!これまで本当に何も出来なくって、ごめんね!だけど、もう僕は由里ちゃんなしじゃ生きて
いけないんだ!僕にまたあの笑顔を見せてよ!僕、由里ちゃんのこともっと大切にするから!」

「「「「由里(ちゃん)!」」」」

全員が一緒になって叫ぶ。ユリシアはかったるそうな顔を見せた。

「ああもう、うるさいな。じゃあいっくよ…ってあれっ!?」

ユリシアは、自分の真上にある赤い光球が、段々白みを帯びて明るくなっていくのに気づいた。

「まさか、バランスが崩れて…このままじゃ、まず…!」

ゴォーンッ!

轟音とともに、光球は絵美と拓也にではなくユリシアに降りかかった。

「きゃああああっ!」

悲鳴を上げるユリシア。

「や…やったっ…」

それを見て、絵美はがくっと首をうなだれてしまった。

ユリシアは、地面にうつ伏せになって倒れている。だが、

「ま…だ…まだっ!」

ユリシアはすっくと立ち上がった。

「えっ!」

拓也は驚きのあまり声をあげてしまった。

「あはっ、空中に貯めてた魔力は私に戻ってきただけみたい」

ユリシアはケロッとしている。

「だったら、こんどは手っ取り早…くっ!?」

ユリシアの顔が真っ青になり、体ががくがく揺れ始めた。

「な、なんなの…うぐっ!」

ユリシアが呻くと、胸部の甲冑がいきなり破壊され、中からバランスボールほどに巨大化した左乳房が
飛び出してきた。

「なんで…ま、まさかっ!」

右乳房も続いて巨大化してくる。

「魔力が…私の中で…暴…走…してっ!」

さらにドンッと乳房が大きくなる。

「そうは…させ…ない…っ!」

ユリシアが届かない乳房の先端に向かって手を伸ばし、目を閉じ、歯を食いしばって念じると、乳房は
ぐぐっと小さくなり始める。ユリシアの顔に余裕が戻り始める。

「あははっ…やっぱり、私って…つよっ…きゃあっ!」

脚部の甲冑が吹っ飛び、またも巨大化した尻が飛び出す。何かが中で暴れるようにブルブルと揺れて
いる。

「い…いや…とめ…られ…ないっ!」

最後に残った腹部の甲冑も崩壊し、中から膨張したユリシアの下腹部が現れた。こちらも、ブクブクと
大きくなりながらボンボンッと揺れている。小さくなりかけていた乳房もリバウンドのようにボンッと大きく
なった。

「抑え…きれないっ!ば…爆発…するっ!」

最後に手足がブクッと太くなると、パァンッという音がして、ユリシアは消え去った。そして、

「由里ちゃん!」

跡には、ユリシアの魔力の残りカスなのか、赤い霧に包まれた由里がいた。意識はないようだが、
小さい体の由里には、傷ひとつついていなかった。ユリシアが消えるとともに、絵美と拓也の拘束は
解けた。絵美はドサッと地面に倒れてしまったが、拓也は由里のもとに駆け寄った。佳奈も近寄ってき
ながら小さくなり、元に戻れない映子は少し遠くから眺めていた。

「由里ちゃん、しっかりして!」
「由里っ!」

二人が呼びかけると、由里は目を開けた。

「んっ…」
「由里ちゃん?」

だが、目は虚ろだ。由里は小さくつぶやいた。

「私、またみんなに迷惑を…みんなを傷つけちゃった…しかも、今度はこんなにいっぱいの人に…」

由里はユラッと周りを見回し、甲冑の破片から鋭い角が出たものを取り上げた。

「なにしてるの、由里!」
『無駄だ。今のその者には、絶望しか無いのだ』
「…っ!」

佳奈と拓也が空を見ると、雨雲よりも真っ黒な雲が浮かんでいる。そこから低い男の声が聞こえてきて
いた。

『ユリシアが破壊されたとき、その者は我にとって障害でしか無い。その時に自ら命を断つよう、洗脳を
したのだ…』

拓也が由里に向き直ると、由里は座り込み、拾った破片を首の辺りに近づけていた。

「私は、死ぬしか無いの。こんなに膨大な力を、抑えきれないんだから」

パァンッ!

大きな音がした。それは、拓也が由里を叩く音だった。微かに、由里の瞳に光が戻った。拓也は由里の
両肩を掴み、顔を向き合わせて、由里の瞳を見ながら厳しい口調で言った。

「た、拓也く…」
「だめだ、由里ちゃん。由里ちゃんは何もしてない。むしろ、今由里ちゃんがいなくなったら、どれだけの
人を悲しませるか、分かるかい?」
「そ、それは…」
「絵美ちゃんも、佳奈ちゃんも、由里ちゃんの事を思って、これまで頑張ってきたんだ。それを無駄に
するのは、僕が許さない」
「ご、ごめ…」
「それに…」

ギュッ

拓也は由里を抱きしめ、そして優しい口調になった。

「僕は、由里ちゃんのことが好きだ。好きで好きでたまらないんだ。由里ちゃんが死んだら、悔やんでも
悔やみきれない。多分、生きて、いけない。僕は、由里ちゃんのためだったら、どんな痛みだって、
災厄だって呪いだって、受けられる。君が、生きて、笑っていてくれれば、僕はそれだけで幸せなんだ」
「…拓也…くん…分かった。ありがとう」由里の瞳に完全に光が戻るとともに、それは潤んだ。

そして、拓也と由里はそのまま顔を動かし、短い、しかし熱い口づけをした。その後、寂しそうな微笑みを
浮かべ、由里が言った。

「だけど、私、やらなきゃいけないことがあるの…」
「え…」
「大丈夫。拓也くんがいてくれるなら、きっと、うまくいく」
「うん…」
「だから、見守っていてね…」
「分かったよ…」

由里は立ち直り、顔を上に向け、黒い雲に向かって言った。

「さあ、お待たせ、悪魔さん」
『人の愛など、簡単なもので洗脳が解けるとは、恐れいった。しかし、お前の魔力は我が受け取らせて
もらうぞ』

由里の周りにあった赤い霧が黒い雲に向かって上昇を始めた。

「それは、無理だよ」

由里の瞳にブラックホールのような闇が生まれた。

『な、貴様…』
「これは、私の魔力なの。あなたには、渡せないよ」

由里が言った途端に、赤い霧は上昇をやめ、ギューッと由里の瞳に吸い込まれていった。

『な、なんだと…くっここは退散…』

黒い雲が上昇を始めるが、由里は凛とした表情で言った。

「逃がさない、よ?」
『貴様、どういうことだ』

由里の言葉に反応して、黒い雲の動きが止まる。由里は続けた。

「私が、あなたを吸収して、悪さが出来ないようにするの」
『自分が何を言っているのか分かっているのか?我のような膨大な力を持つものを、己の体に取り込む
ことが、何を意味しているのか』
「分かってるよ。でも、私には友達がいる、支えてくれる人達がいる。だから…」

由里の瞳の闇はいっそう強くなった。すると、黒い雲が段々近づいてきた。

「大人しく、吸収されて、ね?」
『ぐおおっ!このような強大な力、人間ごときがなぜ…!』
「そんなの、関係ないよ」
『ふ、ふふっ…だが、我は貴様を中から蝕んでやる。きっと数分も生きてはいけまい』
「…やってないと、分からない」

そして、黒い雲が由里の体に吸い込まれ始めた。途端に、由里の手足や体がググッと伸び始める。

「やっぱり、大きくならないといけないのか」

と、それをさも当然であるかのようにつぶやく由里。その間にも、平だった胸板から膨らみができ始め、
水を入れるときの風船のようにブクーッと膨れ上がる。髪も長く美しく伸び、緑なす黒髪となって、存在感を
増していく。下半身も膨らみ、肉感的になり始める。

「そろそろ、終わり、だよ」
『ぬおおっ!貴様、何者だっ!体がどんどん浄化されていく!このままでは、消滅してしまう!』
「それは、残念だったね」
『無念だーっ!』

そして、黒い雲は由里の瞳に完全に吸収された。その頃には、由里の身長は2mほどに伸び、流れる
ような髪は腰まで伸び、瑞々しい乳房はヘソまでを隠すくらいに大きくなり、腰には力を入れれば折れ
そうなクビレができ、張りのいい尻がつき、ムッチリと肉付きのいい太ももが形成され、それでいて手足は
スッと細長く伸びていた。

「ふぅ…」

ため息をついた由里に、拓也が話しかける。

「由里…ちゃん?」
「ありがと…」
「え?」
「私、あの悪魔を取り込んだらどうなっちゃうか分からなかったの。最悪、私が本当に消えちゃうかも
しれなかった。でも、拓也くんが言ってくれたことが、私に決断させてくれたの」
「そう…」
「だから…」
「何?」
「だから…大好きだよっ!拓也くんっ!」
「おうふっ!」

由里はいきなり拓也を抱きしめようとしたが、今や拓也の頭の高さは由里の爆乳と同じくらいだ。結果、
拓也の顔に由里の柔らかい乳房がグニュッと当たり、口と鼻が完全に塞がれた。由里はそのことに
気づかないようで、拓也に腕をトントンと叩かれ、ようやっと拓也を開放した。

「あっごめんね…」
「いや、いいんだ…けど、そういえば、絵美ちゃんは!?」
「あっ!」

絵美は、磔になっていた木の根元で倒れたままだった。だが結局、由里の治癒の祈りで、絵美は
事なきを得たのだった。

その後、ドイツからの救援が到着したが、すでに何もかも終わった後だった。魔術師たちに由里が悪魔を
吸収したことを伝えると、何人かは信じられないような眼差しを由里に向け、何人かは由里をスカウト
しようとした。だが結局、由里は断り、魔術師達は呪いのせいで見る影もなく変身していたカッツェも
見つけられず、とぼとぼと帰っていった。

その後も、成人女性が道を歩いていたら、向かって歩いてきた小さな少女が自分と同じくらいの背に
なったとか、映画広告の女性の絵の前に、それと同じ大きさの女性が立っていたなど、都市伝説が
多く生まれた。無論これらは、カッツェが、意にそぐわない変身をした時に、記憶を消し忘れたせいで
都市伝説のような信憑性のない噂となっていて、実際には1年位後には、カッツェの住んでいる街の
住民全員が、本当はカッツェの変身を見ているが、記憶を消されて覚えていない、という状態になって
いた。

また別の都市伝説もあり、こちらは不可抗力で少女に触ったらいきなり変な音がし始めて、気づいたら
同じ背になっていた、とか、目の前で少女がいきなり大きくなって、同行していたもう一人の少女が
触れた途端痛がりながら大きくなった、という噂がひっきりなしに流れていた。これも映子と佳奈のもの
だ。由里の力を持ってすれば、解呪はたやすいことだったが、二人はそれを望まなかったのだ。佳奈
曰く、「先輩はいつでもここにいてくれる。呪いを解除してしまうと、逆に「映子」はこの世から存在を
否定されてしまう。由里がいつでも呪いを解いてくれるなら、いまはその時じゃない」ということだ。

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話は戻って、二週間くらいで騒動は沈静化した。そして、二学期。

「おはよう!」

小さな体をした由里が教室のドアを開けて入ってくる。

「おはよー!今日もノーブラ…ブフッ!?」

由里の胸には大きな膨らみが付いていた。

「えへっ、今日はおめかししてきちゃった」
「もう、由里ったら…」
「でも、大変なんだよ。元の体が大きくなっちゃったから、いつも魔法で小さく…」
「魔法なんてここで言わないで」
「ごめん!あ、今日の一時間目は…」

ガラッ

「おはよう」
「た、拓也くんっ!」

教室に入ってきた拓也を見て、由里の胸はブルンッと揺れ少し膨らみ制服がキツくなり、髪がバサッと
伸びた。

「おいおい…」
「ゆ、由里ちゃん大丈夫?」
「だ、大丈夫、だよ。男の人は大きい方が、好きかなって…て、私、何言ってるの!?」

由里のシャツのボタンが飛び中から乳房が飛び出してきた。拓也はそれに目が行ってしまいつつ、
言った。

「ぼ、僕も大きい、方が!…て、うわっ!何言ってるんだ、僕は!ごめんなさいーっ!」

拓也は教室から飛び出していった。

「たく、あの童貞が…あんたも、もっと気をつけないとダメだよ!シャツだって…って直ってるし」

由里の乳房は元に戻った上、シャツのボタンも元の位置に戻っていた。

「…こうしないと、衣服代がものすごいことになっちゃうから…」
「とりあえず、もうちょっと慣れなよ。でも、ふふっ、こういうのも由里達らしいね」
「そ、そうかな…」
「そうだよ。あんた達は、ゆっくり付き合って、ゆっくり分かり合って、長く幸せに暮らしていく、そんな
タイプだと、アタシは思うよ」
「…」
「だから、これからもそんなに気負いしないで、アイツと付き合っていけばいい。分かった?」

由里は少し考えた後、満面の笑顔を見せて、答えた。

「うんっ!」