乳タント 油色

帝国城摂政 作
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 他人や他社の情報をこっそりと持ち出し、他よりも出し抜く。相手や敵のようすをひそかに探ること。それを人はスパイと言うのである。しかしそれは国や地域と言う小さなくくりではなく、時には他の星に対してスパイ活動をする者も、この宇宙には存在する。
 私、希望ヶ丘まどかは、宇宙人であり、『576プロダクション』に乳タントのアイドルとして潜入している、スパイである。
 私は『全宇宙全方面娯楽提供協会』と言う宇宙人によって結成されている組織に所属する、フレチューヌ星人である。
『全宇宙全方面娯楽提供協会』、通称『お楽しみ協会』とは全宇宙にあるありとあらゆる娯楽を回収し、それを加盟国ならぬ加盟星の皆に見て楽しんで貰う事を目的とした、非営利目的で動く組織である。フレチューヌ星人とは地球人とほぼ同じ姿形をしているが、地球人の10分の1の大きさで、なおかつ地球よりも遥かに進んだ文明を持った種族である。

 そう、例えば地球人サイズの、自分と全く同一の形の中に入って1人で動かせる人間型ロボットを作れるくらいの文明力を持った種族である。

「はぁ……。今日も仕事デース……」

 と、私は溜め息を吐く。いや、正確には地球人サイズのロボットスーツが溜息を吐いた。
 私は自分で言うのもなんだが、優秀なスパイである。潜入した星の娯楽を人知れず調査、回収して加盟星のネットに流す行為をする他の団員よりも遥かに優秀な成績を収めていた。娯楽とはある一定水準以上の、高度な文明を持った種族がどうしてもぶち当たってしまう壁の打開法だった。宇宙中から娯楽を集めて見る事、それが高度な文明を持った種族の楽しみだった。

「そんな収集活動のエリートである私が、あんなミステイクを犯すなんて……。今でも信じられないデース」

 エリートである私は、数か月前にあるミスを犯してしまった。宇宙船の整備不良による地球への不時着、そして丁度良く宇宙人スーツを持っていなかった事態。その時は、自分の数十倍の大きさを持つ原住民だらけのこの星で、いつ死ぬかを覚悟した。

「//////」

 そしてその後の事を思い出し、私は恥ずかしくなった。
 10倍サイズの地球人が暮らすこの星で、自分は食糧的な問題か、それとも原住生命体の行動によって死ぬと思っていた私を、助け出してくれたのがこの事務所のマネージャー、木崎優斗と名乗る地球人だった。彼は自分の10分の1サイズの、人形みたいなサイズの私にこう言った。

『君、可愛いね。アイドルとかに興味、ない?』

「全く……////// 普通、人形サイズの人間を見て、口説くだなんて可笑しいデスネ//////」

 けれども、そんな彼が助けてくれたからこそ今、私はこうやってこの事務所に居る事が出来るのだ。彼が宇宙船を直してくれたおかげで、星に還れたのだ。そのお礼に、彼の事務所で地球人スーツでアイドルをしているのである。

「しかし、なのデース。あの唐変木め……人の顔くらい覚えて置きやがれデース」

 敢えて地球人スーツを自分の体型と全く同じにしたのにも関わらず、あの唐変木は私だと気付かない。あまつさえ、「初めまして」だなんて……。

「あの野郎め……! 人がどれだけの力を尽くして、このスーツを開発したと思っているのデースか……!」

「何の話をしてるんだ、まどか?」

 と、いきなり後ろから話しかけられて私は飛び上がる。

「お、おや!? ま、マネージャーじゃないデースか! ど、どうしたんデースか、急に!? 確か別のアイドルの撮影だったのではないデースか!?」

「いや、途中で撮影が急きょ中止になって戻って来た。……にしても、まどかはまたしても能力が発動しているのか?」

 「えっ……?」と慌てて上を見ると、そこには白い煙が出ていた。
 ……し、しまったぁ! 私がこの事務所に出している乳タントとしての能力は、【煙乳】。胸から白い煙を出してしまうと言う能力になっているが、本当はただの感情が過熱して起きたオーバーヒートなのですが。

「え、えっとデースね。ちょ、ちょっと待っていてくださいデス」

 私はそう言って、地球人スーツのメンテナンスを急ピッチで終わらせてマネージャーを見る。

「お、終わりましたデース」

「だ、大丈夫か? まどか? 何か手伝えないだろうか?」

「ご、ご心配なく……あっ! そ、そうでした」

 私はそう言って、彼の腕を組み、Hカップある私の胸に彼の腕を組む。むにゅんと彼の腕に、私サイズのシリコンに彼の腕がめりこむ。

「ちょ、ちょっと……まどか//////」

「良いじゃないですか、マネージャー! これもまたアイドル業の一環ですよ」

 私はそう言って、マネージャーの身体を引きずる。
 今、この時だけは、ドキドキする心音が聞こえない小さな体である事に感謝していた。

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乳タントアイドルNo.14
名前;希望ヶ丘まどか(きぼうがおかまどか)
年齢;21歳
身長;164cm
3サイズ;B96(H)、W60、H91
乳タントの特徴;煙乳。胸から煙が発生する。
イメージカラー;油色
売り;機械に関して全ておまかせのメタリックガール!
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#なお、数値をcmからmmにする事で、希望ヶ丘まどか本人の身体の大きさが分かります。