T-Xの誤算

tefnen 作
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現代世界に降り立ったT-X。通りすがりの女性の体を借り、盗んだ車で逃走を始めたのはいいが、
スピード違反で警察に追跡されていた。降り立ってすぐに、目を引くのを避けるために、T-Xは懐柔
作戦に出た。ちょうど良い所に、魅力的な女性が描かれたビルボードがあった。

『スキャン開始。データベースニ記録中』

だが、そのビルボードの絵は明らかに胸が大きすぎる。というかアニメ調の絵だ。だが、人間の体型
のデータベースを持っていなかったT-Xは気が付かなかった。

『外見変化開始』

T-Xの乳房を模した部分が赤い皮の服を持ち上げ始める。服が伸びなくなると、中がどんどん脂肪で
詰まっていく。

『胸部ニ異常ナ圧力ヲ感知。中止?』

だが、T-Xは押し通した。結果的に、皮の服から乳房は大きくはみ出た。そして、エンジンの振動で
プルプルと揺れている。そこに、追跡していた警官がやってきた。

「お嬢さん、スピードだし…」
「どうなさいましたか」

T-Xの「表情」は異常な圧力に対応して、悩ましいものになっていた。それに、そのすぐ下には信じ
られないほど大きな乳房が揺れている。夜中の任務で疲れきっていた警官は、思わず皮の服のボタン
を外し、乳房を揉むようにしてしまう。

「なんて柔らかさだ…」

だが、

チャキッ

T-Xの腕が変形して、銃のようになった。それにも気づかない警官は、夢中になって胸を触っている。

『脅威ヲ確認。攻撃開始』

凄まじい轟音が響くとともに、警官は吹っ飛んだ。かに思えたが、すんでの所で警官は顔を前に倒し、
胸に押し当て、スリスリとさすっている。T-Xは攻撃したにも関わらず排除されない脅威に混乱した。

「やめてください」
「…も、もうちょっとだけ…はっ!私としたことが!申し訳ありませんでした。スピード違反は見逃します
から、この事は内緒に」
「分かりました」

そして、ようやっと開放されたT-Xは、目的の抹殺を遂行するため、車を走らせた。

『懐柔ニ成功。コノ体型ヲ保持』

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スカイネットを起動させ、ジョン・コナーを追うT-X。途中、加速器に捕まってしまう。その時になっても
爆乳はキープされたままだった。

『磁気異常ヲ感知』

T-Xは背中から加速器に吸い寄せられ、囚われてしまった。その胸はブルンっと揺れるが、その形は
磁気によって段々と歪み、T-Xの上半身を覆い始めた。それでも、その乳房をキープしようとする
プログラムのせいで、どんどん膨らみは大きくなっていき、T-Xの上半身は完全に覆われてしまった。
彼女の目であるカメラも、襲い来る乳房に押しつぶされてしまった。

『カメラ破損。任務遂行不可』

T-Xはそのまま機能を停止し、加速器には肌色をした大きな半球が2つ、くっついたまま動かなく
なった。