体型調整弁

tefnen 作
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「やっと届いたー!」

風香は、自分の勉強机に、家に届けられた手荷物の箱を置いて、目をキラキラさせて見つめていた。
「体型調整弁」と呼ばれるものだった。風香は高校生にしては小さい体がコンプレックスで、これまで
牛乳をたくさん飲んだり、豊胸術やサプリメント等いろいろなものを試してきた。今回も、ネット上で見つけた
グッズを、衝動的に買い、届くまでの数日間を心待ちにしていたようだ。写真も何もついていないし、
評価もコメントもされていなかったのに、商品概要やホームページの『空気だけで簡単に理想の体型を
手に入れよう!』という主旨の宣伝文句に興味本位で買ってしまった。

「早速試してみようっと!」

そう言って風香はダンボールの箱を無理矢理こじ開けた。すると、中に入っていたのは、説明書、直径
5cm、長さ1m位のゴムチューブと、プラスチック製の、真ん中がカパッと開きそうな円盤があった。ゴム
チューブをはめられそうな溝も付いているが、どうみてもただのプラスチックだ。

「あれ、偽物つかまされた?」

不安になる風香だったが、とりあえず説明書を読み始める。

「えーと、『まず、本体(円盤)を背中に取り付けてください』こんなひらったくてノリもついてないの
にくっつくわけないじゃん!」

と言いながらも、服をまくり上げ、円盤を取り出して手を後ろに伸ばし、背中にピトッと当ててみる風香。
だが、どうにも体が硬い風香には、それ以上円盤に力を入れられないようだ。

「あいったたた、こんなんじゃ付けられないよ」

だが、円盤は押し付けられているわけでもないのに風香の背中に合わせて歪み、吸盤のように密着
した。

「え、なに?きゃっ!」

その密着された部分に、弁がどんどん食い込んでくるような感触が、風香に伝わってきた。

「い、痛い!…食い込んでっ…はぅっ!…体の中に入ってくるぅ!」

だが、その痛みはすぐに止んだ。

「どういうことなの…」

風香は家の中にある大きな鏡の前に行き、手鏡を使って合わせ鏡で自分の背中を見た。すると、プラ
スチックの蓋が風香の肌に同化して、円形の溝だけが付いていた。

「本物、なの?」

部屋に戻って説明書の続きを読む風香。

「次はー、『ゴムチューブを溝に取り付けて…』って、また背中に手を伸ばさないといけないの…?でも、
やるしか…」

ここまで来てしまったのだ。蓋は取れそうもない。だが、ゴムチューブを溝の近くに持って行くと、チューブ
は自分から吸い付いていった。

「思ったより簡単でよかった。うーんと、『ゴムチューブから空気を入れると体が大きくなり、抜くと小さく
なります。くれぐれも過度の使用はなさらないようお願いします。』…え?本当に大きくなるの?」

いきなり現実離れした文章を見て、戸惑う風香。だが、これまでのことを考えて、やってみることにした。
しかし、

「空気をどうやって入れたらいいの?」

空気入れはどこにもない。プールの空気入れでは、ゴムチューブの方が大きすぎて、空気が入って
いかないだろう。困惑する風香だが、何かを閃いた。

「ドライヤーだったら、入ってくれるかも?」

排気口を詰めてしまうと、発熱を起こして危険なのだが、風香はそれを知らずに背中からゴムチューブを
垂らしながら洗面所に向かった。そして、ドライヤーを取り出し、送風モードにして、ゴムチューブを靴下を
履くときのように伸ばして取り付けた。すると、ゴムチューブはドライヤーにしっかりとはまった。

「よし、これで空気を送り込めば…」

風香の胸が高鳴った。そして、スイッチをいれると、ドライヤーは勢い良く唸りだした。

---

途端に、ゴムチューブが張り始め、空気が送り込まれていく。そして、ドキドキしていた風香は、何か
を感じた。

「はぅっ!わ、たしのなかに、何か、入ってくるぅ!」

風香の体がビクッと痙攣した。すると、風香の体が空気を入れられる風船のような音を立てながら、
膨らんで、というより、成長していく。手足に何かが詰められるような感触がすると、手足がぐぐっと
伸び、着ていた服からにょきっと飛び出してくる。

「私の中で、空気…動いてる…っ!私を伸ばしてるぅっ!」

風船は縦に伸びるなら、横にも同時に伸びる。だが、風香は丸い風船のようではなく、すらっとした
人型をしながら膨らんでいく。それは、胸と尻においては例外のようだった。

「あぁん!おっぱいが、押し広げられてるよっ!」

風香の服の胸の部分がブルブルしながら盛り上がり、シャツがどんどんずり上がる。身長の変化で出て
いたへそが、さらにあらわになった。
風香は鏡に映る自分の体がブルブル震えながら膨らんでいくのを見た。自分の低かった身長が20cmは
伸び、体の振動で揺れている2つの果実は、服を引きちぎらんばかりに膨れ上がり、相対的にウエス
トは細くくびれていた。

「ああっ…!そろそろ、止めない…と!くっ!」

だが、体に加わる衝撃のせいで手間取り、止めるまでにさらに身長が10cmくらい伸び、服の下からは
プルンとした肌色の塊がはみ出ていた。スカートもお尻を隠しきれていない。

「大きく、なりすぎちゃったかな…」

風香は普段より高い視線や、下の視界を遮る大きな乳房に戸惑いながらも、満更でもない表情を浮かべて
いた。顔はそのままだったが、もともと顔立ちだけはよかったので、違和感は無かった。
風香は、鏡に写る今までテレビでしか見たことのないような出るところが非常によく出た体型に見とれつつ、
言った。

「ふふっ、明日からクラスの人気者だっ!彼氏もいっぱい作っちゃおっ!」

だが、現実はそんなに甘くなかった。

---

翌日、風香はその大きな胸を魅せつけるように、体を少しだけ反らして教室に入った。制服の上からでも
確実に分かるというより、分からないほうがおかしいような2つの丘が、ブルンブルンと揺れていた。
そして、

「おはよう!」

と元気よく挨拶する。あまりに乳房が大きい女子生徒の、いきなりの入室に沈黙がクラス中を支配した。
そして、主に男子が狂ったように叫びだした。

「お前、その胸どうしたんだよ!」
「そうだ、昨日までペタンコだったのに!」
「そんなことより、背も伸びてるだろ!」
「そんなことより、おっぱい揉ませて!」

「おっぱい」とか「乳」という言葉がどんどん風香に飛ばされてくる。風香は満足気に笑んで、勝ち
誇ったように立っている。

(誰も見向きもしてくれなかったのに、やっぱり、体のスタイルって大切ね。明日はもっと大きくしちゃ
おっかな)

だが、もともと話し相手のような友達だった以外の女子生徒は、嫉妬や軽蔑で渦巻いていた。一人の
それなりにスタイルの良い女子生徒が言った。

「あいつ、まさか、いやまさかねぇ…」

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そしてその日は、悶々とした空気に包まれつつ授業が進行していった。ノートを書くたびフルフルと揺れ、
消しゴムを使うとブルンブルンと揺れる風香の胸に、時折視線が注がれていた。そして、昼休み。

それが起こった時、風香は好奇心による、昼食を共にしていた友達からの質問攻めにあっていた。

「いや、実はね、空気で体型が変わるグッズを手に入れちゃって!」

だが、それに対する感想は友達からではなく、風香の後ろから聞こえた。

「やっぱりね」

カポッ

「え?」

風香は、背中に何かがはめられるような感触を得ていた。

「あなた、どういうつもり?いくらあれを使ってるっていったって、そこまで大きくする?私達に喧嘩売ってる
のかしら」

後ろからの声が続けた。風香は振り返ろうとするが、背中に付いている何かが椅子につっかえて振り
向くことが出来ない。

「何で、これのこと…」
「私も使ってるの。毎日毎日、口で息を吹き込んでちょっとずつ大きくしてるだけだけどね。それに比べて
あんたは」

風香の胸がガシッと掴まれる。乳房がその握力でムニュッと潰れる。

「ひゃぁっ!やめてぇっ!」
「うるさい!これも天罰よ!」

声がそういった瞬間、手が離れ、何かのスイッチがカチッというおとがして、次に掃除機の音がした。

「な、な…に…きゃぁぁああああっ!私がどんどん吸われてくぅっ!」

間違いなく、掃除機が風香の「蓋」に繋がれていた。そして、どんどん風香から空気を吸い出している。

「どうせ機械に頼って大きくしたんでしょ?だから、機械で小さくしてやる!」
「いやぁぁあっ!私の胸が、おっぱいが吸われてくぅ!」

風香の胸が勢い良く縮み、メロンほどのサイズが合ったのが1秒足らずで服の中に戻っていった。

「あははっ!いい気味だわ!」
「やめてっ!やめてぇっ!」

手足はギュッと縮んで、服の中に戻る。風香の視界も段々下がっていく。あっという間に、風香は元の
体型に戻っていった。

「元に…戻っちゃ…あれっ?まだ、止まらないよぅっ!」
「お、思ったより面白いことになってきたね!」

風香の手足が、縮むのでは無く、ペラペラになっていた。胴体もシューッと厚さを失い、顔も平面に絵が
書かれたようになっていく。そして、風香はただの皮になってしまった。

「あはははっ!ペラッペラねーっ!」
「…」

風香は声を発することが出来なかった。しようと思っても、何も口から出てこなかったのだ。風香の平面
と化した目から涙が流れる。

「ほら、こうして巻物みたいにもできるし…」

風香は声の主が、最近スタイルの成長が著しかった女子生徒であることに気づいた。彼女は、風香の
足を布のように巻いていった。他の男子生徒はというと、その女子生徒の殺気に満ちた視線のせいで、
近づくことが出来なかった。女子生徒の方はせせら笑ったり、腰が抜けたりして風香を助けるものは
誰一人いなかった。風香の中に、絶望感と不安感が入り乱れ始めた。

「あ、そうだ、いいこと思いついた」

その生徒は、風香の手足を蛇腹のように折り始めた。風香は痛みを感じなかったが、自分が人でない
ものになってしまったような悲壮感に襲われ、もっと涙を流した。それを見て、その生徒が言った。

「あら、大丈夫よ。すぐに膨らませてあげるから」

その生徒は、風香の手足を8つ折りくらいにすると、掃除機の吸気口から排気口にチューブを付け
かえた。そして、風香の椅子の足の下に接着剤を塗り、その足の間にコンパクトに折られた風香の体
を、仰向けにして置いた。

「自分の胸で苦しみなさい」

そう言うと、生徒は掃除機のスイッチを入れた。途端に、掃除機は風香の中に空気を送り込み始めた。
そして、細かく折られた手足が根本からパコパコと紙風船のように膨らんでいった。

「私の腕、直ってく…あれ…?」

先の方まで空気が行かないで、根本はちゃんとした手足なのに手のひらと足底はペラペラのままだった。

「直って、膨らんでっ!」

椅子のせいで一方の手が他の手に届かない風香は、床に腕を叩きつけて折り目を克服させたが、その
ときに手のひらはキュッと大きく膨らんだ。

「きゃぁ痛いぃっ!はぁっ…破裂するかと思ったぁ…」

そして、風香は元のサイズに戻ったが、それでも空気は暴力的に送り込まれる。空気の体への浸透
が、吸収に追いつかない。

「あっはは、あなた、ちょっと太っちゃったんじゃない?お腹がだらしないわよ」
「えっ、私のお腹、どうなってるのぉ!?」

生徒からの容赦無い罵声に戸惑う風香。足のほうを見ると、わずかだが下腹部に膨らみがあった。
だが、程なくして乳房も膨らみ始め、視界が遮られていった。

「あらら?男子にとってはメインディナーってところかしら?それじゃ、あとは任せたわ」

立ち去っていく生徒。だが、掃除機はつけっぱなしである。胸の双丘は自重で横に潰れながらどんどん
高くなる。制服のボタンが引っ張られ、生地と生地の間に、溢れだしそうな肌色の風船と、深い谷間が
見えていた。

「いやっ、これ以上、大きくならないでっ!服が、服がぁっ!」

制服のシャツのボタンが一つプツンと取れると、連鎖的に全部のボタンが取れ、風香の乳房はブルブル
と揺れながら、風香の足の方に溢れだした。制服の破壊で一瞬顕になったへそが、すぐに乳房で
隠された。風香の方は、腹部にぬくもりと重みを感じていた。

「やだっ、こんなに、大きいのはいやだぁ!」

風香の懇願虚しく、乳房はどんどん拡大を続けている。風香が横のほうを見ると、手足もブクブクと
大きさを増し、髪もいつの間にか伸びて、頭の周りにバサッと広がっていた。だが、乳房が椅子の足
に触れ、風香はあえいだ。

「いやんっ!冷たっ!」

そして触れた足は段々乳房に食い込み、包み込まれていく。

「はぅっ!おっぱいの先っぽが何かに…!きゃぅっ!」

乳房の高さが座る部分に達し、乳首がこすられていた。

「恥ずかしいよぉっ!」

男子生徒は鼻血を出して倒れるか、鼻血を出して目をカッと開いて風香の方を見ていた。風香の友達
は折り紙にされている風香を見て失神してしまい、他の女子生徒は好奇心と嘲りの眼差しで風香を見る
か、無関心を装っていた。
その間にもどんどん乳房を含めた風香の体は膨れていく。背丈的には、この学校一の身長の男子生徒
すらかなわないだろう。だが、2mを超えてはおらず、乳房が重点的に膨らまされているような様子で
あった。

「いや…おっぱい…つっかえて…苦しい」

風香が悩ましげな吐息を上げ始める。すでに乳房は椅子の左から、右から、前から、後ろからはみ
出し、椅子の足に形を歪まされて花のような形になっている。胸が圧迫され、息ができないようだ。

「死ん…じゃう…」

だが、接着剤に限界が来て、カッという音とともに、椅子は地面から離れた。

「はぁっ…はぁっ…助かった…」

だが、椅子は足が乳房に食い込んでいるせいで、それと同じ動きをし、仰向けの風香が息をするごと
に、プルプル震えながら上下運動をしていた。
風香が体を起こそうとして腹ばいになろうとしても、椅子は取れない。

「この椅子…じゃま…」

風香は仰向けに戻り、椅子を引き抜こうとする。だが、椅子は今も膨らむ乳房にどんどん食い込んで
いき、取れない。

「うーんっ!はぁっ…はぁっ…とれ…ないっ…」

春香は足を上げて、背もたれに引っ掛ける。ふっくらとして、しかもまだ膨らみ続ける尻と太股が顕に
なる。

「えーいっ!きゃぁっ!」

スポッ!ドーンッ!

椅子はズルっと動き始めたかと思うと一気に抜け、胸から受けていた圧力と足の力のせいで、ものすごい
勢いで飛び上がり、天井に強くあたった。一気に開放された乳房はバインッバインッと揺れ、どたぷーん
と地面に落ちた。

ガシャーンっ!

そのまま椅子は掃除機に当たった。だが、掃除機は壊れるどころかその出力を上げ、風香に吹き
込まれる空気の量が上がった。椅子から開放された身体全体の成長速度が急激に増し、周りに置いて
あった机や椅子をガタガタと押しのけて膨れていく。風香の体は成長というより、巨大化にその変化の
方向性を変えつつあった。
だが、そろそろ逃げないとやばいんじゃないか、と理性だけではそう思っている男子生徒は、目の前に
映る2つのぷるんっとした自分の背丈くらいある巨大な球体に目を奪われてしまい、ゾンビのように両手
を前に出しながら「おっぱいーおっぱいー」と言いつつゆらゆらと前進するものすら現れた。
風香の体はその間も巨大化を止めず、ついに乳首が天井に付き、風香の体に電撃のようなものが
走った。

「ひゃっ!」

その衝撃に風香の手が地面にたたきつけられ、掃除機を巻き込んで破壊した。それで、風香の成長が
止まった。身長は教室の長さの2分の1倍くらいで、足の先が教室の壁にあたり、膝を横にして足を
曲げていたが、その尻や太股も床から天井までをミッチリと詰め、ふるふる震えていた。そしてその
乳房は、風香の呼吸のたびに天井に付いたり、微かに揺れている。だが、下腹部が乳房と同じくらい
膨れ、ヒクヒクしているのを見て、風香に悪寒が走った。

「やだ…お願い…だから」

だが、次の瞬間、下腹部はグーッと収縮を開始した。空気の消化不良分が浸透を始めたのだった。

「いやぁっ!もう、膨らみたくないよぉっ!」

風香の願いとは裏腹に、先の方だけが天井に付いていた乳房はさらにボワンと膨らみ、天井に膨らみが押し付けられた。大腿の方もさらに脂肪が付くとともに骨格が大きくなり、グイグイと天井に体が食い
込んでいく。身長もさらに大きくなって、足底が壁を強く押し歪ませたあとにぶち破り、頭はさらに
ズサーッと位置がずれて、椅子やら机やら乳房の虜になって立ち尽くしていた男子生徒やらを倒して
いった。だが、今度こそ最後だった。

「はうぅ…終わったのぉ?…良かったぁ…でも、私、ここからどうやってでればいいのぉっ!!おっぱいも、
足も、つっかえて動かないよ!!」

風香が大声を出すと、ライブスタジオのスピーカーより音量が大きくなり、それは、学校中に響き渡った。

飛び込んできた先生達が、次々と教室の中にいる巨大な爆乳グラマラス美女(の尻)を見て失神し、
入り口に「死体」の山が出来たのはまた別の話である。風香は結局、他の生徒が持ってきた業務用
掃除機で吸気されるまで、動くことができなかった。

「もう、こりごり…」

だが、この後数日間、本能の誘惑に負けた男子生徒達の陰謀で、何回も膨張を繰り返すことになって
しまったのだった。

そして、あの最初に風香を膨らませた生徒も一緒になって膨らまされ、結果的に2人の肉感的な肢体で
教室は何回も埋め尽くされることになった。