765プロダクションの『天の川ミルキーウェイ』は、12星座をモチーフにした12人のアイドルグループである。と同時に、12人全員が乳タント、もしくは乳メイタントと言うアイドルグループであった。そして全員が全員、大きな胸のせいで既製品を着られない『天の川ミルキーウェイ』の服を自身で作り出している者こそが、『天の川ミルキーウェイ』のファッションリーダーである、乙女座担当の早乙女日向である。
「白銀彩雲との合同ファッション展覧会、ですか?」
と、乙女座担当のアイドル、早乙女日向はそう俺、木崎優斗の言葉に聞き返すようにそう言った。
「そうなんだよ。同じ乳メイタントで、服飾系担当のアイドルと言う事でどうかなーと企画が立ち上がって……」
「お断りいたします」
と、さらさらの腰よりも長く伸びる黒髪を手で弄りながらそう言う日向。
「確かに私も彼女もSTAP細胞によって生み出された乳メイタントであり、765プロダクションに所属するアイドルの服を作っている服飾系アイドルと言う事も同じです。ですが、私と彼女は同一個体ではないですし、服だって全然違います」
と、ドンと突き出るようにして大きく膨らんだ胸を、俺の手が触れるか触れないかと言うくらいにまで近付く日向。
「彼女の乳メイタントとしての能力、【裁縫乳】は彼女が縫った服は乳タント、乳メイタントが着ようとも絶対に破れなくなると言う事ですが、私の【夢乳】と名付けられた能力は……」
「し、知ってるさ、勿論」
彼女、早乙女日向の持つ能力は、ある意味、いや文字通り夢のような能力である。彼女が考えた物が実体化すると言うその力は、未知の金属や実現不可能の技術を可能にする上で欠かせない能力だった。そしてその能力で、乳タントや乳メイタントが着ても大丈夫な糸を実体化させて、服飾系アイドルとして活動しているのも良く知っていた。なにせ、使い方次第ではこの世の未来を担っているアイドルなのだから。
「わ、分かってれば良いんですよ。分かってさえいれば……」
と、少し顔を赤くしながらソファーの上に座る日向。
「まぁ、他の『天の川ミルキーウェイ』の皆様には多少のご迷惑をかけるかもしれませんが、今現在において今すぐ作れと言う服の依頼はありませんからね。作るのもやぶさかではないと言うか……そうでないと言うか……」
「そ、そうか。良かった」
ふー、と一息吐く俺。彼女にへそを曲げられると非常に困るからだ。
彼女は未知の技術を夢から実体化させる日本の科学の将来を担っていると共に、この世の全てを一瞬にして灰に出来るほどの力を実現化出来る悪の化身と成り得るかも知れないからだ。最も後者のようになるとは思えないし、その時はマネージャーとして精一杯止める所存だが。
「で、ですのでちょっと今から実体化するので、マネージャーさんは部屋から出て行って貰えますか?」
「あぁ、勿論分かっているさ」
と、俺はそう言ってソファーから立ち上がる。
どうも【夢乳】で実現させるには彼女が裸の状態で寝ないといけないらしい。そうでないと、胸の谷間から実体化出来ないのだとか。詳しい理論は分からんがそうらしい。
「で、では3日後くらいには完成しているつもりなので、よろしく……」
「あぁ、待っているぞ、日向」
俺はそう言って、御年14歳の彼女の頭を撫でる。身長145cmと言う彼女は、どうも子供っぽい身体で(勿論、胸は違うが)、頭も丁度良い位置にあるので撫でやすいのである。可愛い子供と接する親のような気持ちで撫でていると、顔を赤くした彼女が手を振り払う。
「……子供扱いしないでください。では、これで」
そう言って、部屋の扉を閉めて鍵をかけられてしまった。仕方ないなと思いつつ、俺は次のアイドルへの所へと向かった。
その後、部屋に1人残った早乙女日向はとっても嬉しそうな顔で、
「やーん! 撫でられちゃった! ひなちゃん、大勝利―!」
と言っているとは思いも知れずに。
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乳タントアイドルNo.23(乳メイタント)
名前;早乙女日向(さおとめひなた)
年齢;14歳
所属グループ;『天の川ミルキーウェイ』
身長;145cm
3サイズ;B100(K)、W58、H85
乳タントの特徴;夢乳
イメージ;乙女座
売り;ファッションを一手に担う、『天の川ミルキーウェイ』のファッションリーダー
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