恋愛悪魔のアパート 第9話「巨人殺し〜ジャイアントキリング〜」

帝国城摂政 作
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 アパート、『愛詩荘(アイシソウ)』。1階4部屋の2階建て、月給4万円で3LDKの間取りのちょっとした古ぼけた賃貸アパートなのだけれども、このアパートにはちょっとしたジンクス的な物がある。それは恋愛が生まれやすいと言う事である。しかもその恋愛がちょっと普通の人間的な物とは違っていて……。
 そして今この場でも、愛詩荘の一部屋でも恋が生まれようとしていた。

第9話「巨人殺し〜ジャイアントキリング〜」
『クフフ……神に選ばれし力を持ちし咎人よ。我が名を所望するならば、その身に刻み付けろ! 我が名はチューナ=スカイ。地面と決別し、世界から舞い降りた国を背負いし火の巫女なりけり。
(訳;ふふ……凄い力を持った人さん。お名前を言いますので、是非覚えてくださいね。私の名前はチューナ=スカイ。宇宙人で、第3王女です!)』』

 美しく映る長い金髪のロングヘアー、そして瞳も顔立ちも美しく、人目で誰もが好きになってしまいそうな美貌をしており、その額には第3の眼が存在している。
 テレビに映る彼女は、そう言ってクフフと笑っている。

「何を言っているのか分からない奴には、もうこれ以上用はない」

 私、大川波蔵はそう言ってテレビのリモコンの電源ボタンを押すと、プツンという音と共にテレビのモニターが真っ黒になって消える。

「さて、疲れたし、銭湯でも入りに行くか」

『ちょっと待てーい!』

 ポンッ、とテレビの電源が付いて、先程の3つ目の美少女が現れる。

『このタイミングでテレビを消すってあり得る!? サ〇子もびっくりだよ! 井戸から出られたけれども、テレビから出られずにびっくりしてるよ! と言うか、ちゃんと話をしてよ!』

「分かったからちゃんと話せ。そうしたら、ちゃんと話を聞いてやろうじゃないか」

『そ、そう? は、話せば分かるのね。私の名前はチューナ=スカイ。スカイ星人の第三王女……』

「意味分からない」

 波蔵はそう言って、テレビを消す。そして今日一日の疲れを取るために銭湯へと向かうのであった。

『お、己ー! わ、私をこけにするとは! スカイ星人の第三王女であるこの私、チューナ=スカイを無視するとは……! ゆ、許さん! 例えこの世界最強の男だとしても、そんな奴はこの私には必要ない。
 きっと、奴の"リリーサー"は大した事がないに決まっている』


「ちゅ、チューナー=スカイ! だと!?」
「それはまた厄介なものに目を付けられましたね、と私は苦言を呈します」

 銭湯からの帰り道、たまたま佐菜と佑奈の2人に出会った私はもしかして知っているのかと思ってチューナ=スカイについて聞いてみた。するとガクガクブルブルと震えながら、そう答えていた。

「チューナって、なんだ? 知り合いか? 確か、お前らは……宇宙人だったよな?」

 私は最初のマッサージで佐菜と佑奈の2人を絶頂させてしまった。まぁ、若気の至りという奴だ。そしてその過程で彼女達が宇宙人である事を知ってしまった。身体が自然にヌルリとしたり、身体に岩を付けたりするのは普通の人間としてどうかと思うけど。
 とりあえず、佐菜がシー星人、佑奈がランド星人だという事を知っているから、『スカイ』とか聞いて関係者かと思ったのだが、どうやら本当に知っているようである。

「スカイ星は、オレ達の2つの星の主星に当たる。地球人に分かりやすく言うと、スカイ星人の星が地球で、俺達の2つの星が月、みたいなものだ。地球の小説だと月の方が技術が進んでたりするけど、あっちの方が進んでるしな」
「さらにチューナ=スカイは第三王女だったはず、と私は自分の知識を思い返します」

 そう言って佑奈が教えてくれる。
 スカイ星とは地球よりかは木星に近く、ガスに近い。文明が発達し過ぎたあまり、電脳空間と行き来する事で暮らしているらしい。そしてその王族には5人の、特殊な能力を持つ王女が居るらしい。
 第一王女ネット=スカイ。第二王女サーバ=スカイ。第三王女チューナ=スカイ。第四王女ワクチン=スカイ。第五王女ルータ=スカイ。以上の5人だがこいつらは佑奈と佐菜が戦いにもならないような、そんなはるか上の次元に居る相手であり、こいつらはリリーサーを探して地球に来ているらしい。

「リリーサー?」

「所謂、人間の本能にあるとされる1つの野生、みたいなものらしいな。そして地球人の中にあるとされる物らしく、とりあえずそのチューナはお前のところに来たみたいなのか」

「どうでも良いからテレビから早く出て行って欲しいぜ。おちおち、ニュースやバラエティーも見られはしないぜ」

 とまぁ、私は2人からチューナという奴がどんな奴なのかを知ったけど、別に焦りはしなかった。だって、テレビの中に居て、何が出来るというんだという感じでな。

 だから、帰ってみて驚いた。

 まさか、私がそいつの大きな手につままれるとは。


 可笑しい、可笑しい。

 私は強い。そう、この私、スカイ星第三王女のチューナ=スカイは最強の女、いや最強の人間である。

 スカイ星では、"リリーサー"と呼ばれる1つの力がある。リリーサーとはこの宇宙に住む全ての人間が持つ、人によってその力が変わる不思議な力。
 地球人でも見たものを忘れない絶対記憶能力とか、未来を予知する予知とかあるけれども、だいたいはそれに近い。
 私達スカイ星人は元々ものを電子化させる力を持つが、それとは別の力。

 私が持つリリーサーは、巨人の力。それも10億倍と言う巨大な、膨大な大きさだ。かつてスカイ星に居た頃でも、この力で無敵の力を誇っていた私は、全ての人間を支配するという征服欲の虜だった。
 だって私以上に大きな存在は居ないし、私以上に強い奴も居ない。だから、私が征服するのが一番でしょ?

 けど、お父様はそう思ってなかったみたい。お父様は私達に地球に居る人の中に居るとされる、王のリリーサーを持つ者を探し当てたものを後継者にすると言っていた。私が強いのは既に決まっている事なのに、どうして今さらそんな者を呼び寄せるのか分からない。

 この男、大川波蔵は検索した結果、それなりに強い男だと思って手始めに奴隷にして手助けさせようかと思ったんですが、いきなりテレビの電源を消されて……。

 怒った私は、こちらの世界で始末しようとして……

 通常サイズでもKカップという破格の大きさの巨大な胸を持つこの私の、胸で押しつぶそうとしたんですけれども、

「なんで……」

 私は確かに押しつぶしたはずだ。

 10億倍サイズのこの私が、胸とは言え自分の身体を押し付けた時点で、勝敗は決しているはずだ。
 なのに、何故……

「はぁはぁ……も、もっと……して、欲しい……」

 身体の疼きが止まらないのだろう?