恋愛悪魔のアパート 第10話「巨人落とし〜ジャイアントキリング〜」

帝国城摂政 作
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 アパート、『愛詩荘(アイシソウ)』。1階4部屋の2階建て、月給4万円で3LDKの間取りのちょっとした古ぼけた賃貸アパートなのだけれども、このアパートにはちょっとしたジンクス的な物がある。それは恋愛が生まれやすいと言う事である。しかもその恋愛がちょっと普通の人間的な物とは違っていて……。
 そして今この場でも、愛詩荘の一部屋でも恋が生まれようとしていた。

第10話「巨人落とし〜ジャイアントキリング〜」
 私、大川波蔵は目の前の光景を見ながら、ゴキゴキと拳を鳴らしていた。目の前にはただまるで巨大にそびえるビルのような、いやまるで山脈のようなそのただ大きすぎる胸を見ながら、私はこれがただの女の乳房である事を想いながら拳を天にかかげていた。

 マッサージで一番大切なのはなにか、波蔵は威力とかよりも技術や知識が大切だと思っている。創作物では良く巨大な人や怪獣などが人類を蹂躙するシーンがあるが、波蔵から言わせれもらえれば俺だったら倒せると確信している。
 マッサージは確かに威力もあるけれどもそれ以上に相手がどこを攻めれば出来るかと言う事も重要になってくるのであり、マッサージの本質は相手の身体にある小さなツボにどう力を加えるかと言う事が大切なのだ。

『フフッ、私のこの大きな胸に抱かれる事を幸せに思いなさい?』

 そう言って迫って来る大きな胸を見て、私は「こいつ、バカだろ」とか思っていた。

 胸は心臓に近いし、多くのツボがある。そんな弱点であるツボをわざわざ巨大化させて、わざわざゆっくりと迫って来るのは愚策にも程がある。私ならば、すぐさま手で押しつぶすとかの戦法に入るのだが……。まっ、どうせ今までただ巨大さだけで一気にいく戦法しかしてこなかったと見える。

「全くよぉ……ダメダメだぜ」

 私はそう言って地面を蹴って、一気に彼女の胸の高さ(迫って来ていたので5mくらいか)まで跳びあがると、そのまま相手のツボ、快感を司るツボめがけて拳を振り抜く。
 胸へと突き出した拳はまるで柔らかいプリンでも殴ったかのように優しく包み込み、しかし強力な弾力を持って私の拳を弾き飛ばす。

「波動術、快楽!」

『あぁん♥』

 そう言って後ろにドシン、と女らしくない音を立てながら倒れる彼女。
 まぁ、普通ならばこんなの力負けして私が負けるだろうと思うだろうが、そこはそれだ。私のマッサージの基本は相手に優しく伝えるための波動と呼ばれる技術。その技術を応用すれば、相手の柔い体内を的確に振動させて揺らす事が出来る。

『も、もっとぉ……』

「はぁ、やっぱりか」

 私は胸を地面に付けて、こっちに迫って来る彼女を見て私は溜め息を吐く。
 どうも、私のマッサージは他の人には気持ち良すぎるらしい。普通、人間の人体を的確に揺らし、なおかつ痛みすらなく心地好さと安らぎを与えられる経験というものはないものだ。マッサージ椅子だとしてもそれには確かに疲労もあるから、そこまでではないのだが、どうも私のは師曰く"人が踏み入るには早すぎる領域"とからしい。いつもは中毒になりすぎないように0.1%以下の威力で行っているのだが、それでも10億倍サイズだからと油断していたのだが、

「まさか20%でここまでのものとは……」

 10億倍サイズだから少しは持つかと思ったんだが……

『はぁはぁ……熱い。身体が……燃えるように……』

 どうやらそうでもなかったみたいだ。

「分かった。マッサージをするのは私の仕事だからやる分には構わない」

『じゃ、じゃあ、今すぐ! 今すぐお願いします!』

「いや、いきなりこんな場所に連れ去られたのにすぐさまやれっていうのはどうなんだ。それにこっちは佐菜と佑奈の2人のマッサージで疲れてるんだ。また今度にしてくれ」

『そんなぁ……』

 いや、多分泣いているんだろうが、こっからだとただデカい雨粒が落ちて来るだけなんだが。それに、さっきまでの威勢の良さはどこにやったんだか……。

『な、なら……1つ提案が!』


 それからしばらくして、『愛詩荘』に新たに1人の住人が加わった。

 美しく映る長い金髪のロングヘアー、そして瞳も顔立ちも美しく、人目で誰もが好きになってしまいそうな美貌の持ち主。Kカップというとっても大きい胸を惜しみなく出しているのにも関わらず、誰にも劣らないスタイルの持ち主である彼女は、メイド服を着て嬉しそうに笑っていた。

「え、えっと私の名前は……そ、そう! 明坂中那(あけさかちゅうな)……です! 波蔵さんの……そう、ご主人様……い、いえ、メ、メメ、メイドとして一緒に暮らしています。
 べ、別にこんな生活、苦なんて思ってないんだからね! 本当なんだからね!」

 ちょっと嬉しそうにしながら、顔を赤らめる彼女は年相応の少女のように見えたという。

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202号室;
明坂中那(あけさかちゅうな)/チューナ=スカイ、宇宙から来た王女。14歳。
美しく映る長い金髪のロングヘアー、そして瞳も顔立ちも美しく、人目で誰もが好きになってしまいそうな美貌の持ち主。Kカップというとっても大きい胸を惜しみなく出しているのにも関わらず、誰にも劣らないスタイルの持ち主である。
スカイ星という星から来た王女であり、王位継承のために波蔵を襲って返り討ちにあう。それ以降、以前の王女気質よりも、他人に奉仕する従者精神が顔を出す。
全ての物を電子化出来るスカイ星人特有の能力と、10億倍サイズに身体を巨大化させる能力を持つ。