超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー 第4パイ(完結編)

帝国城摂政 作
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 これは5月中旬の、とある過ごしやすい休日にニュー・紫峰市にて起こったとある5つの事件についての物語である。

完結編。
第4パイ「新たな戦士、ニュウ・ギガオレンジ?!」
【AM9:00〜PM8:30】
 ニュー・紫峰市の図書館にて、文化者エージェント・ナッノはと言うと側に置いた30冊以上の専門書を2時間で読み終わると、「ふーっ」と溜め息を吐く。

「やはり本は素晴らしい、な。なるほど、こう言う考え方もあるのか。十分に理解するのは楽しかった」

 ウィーン、と彼女の右眼が一度ぐるりと一回転したかと思うと、すぐさまナッノは首を大きく振る。振ると共に「やはり……ダメだな」と小さく呟いていた。

「……やはりボクも、この周回でもダメなようだね。しかしギガレンジャーの5人を作る事が出来たし、さらにこれもあるし、ね」

 そう言って彼女はスマホを取り出す。それはただのスマホではなく、上部に大きな差し込むための穴が開いており、さらに下の部分には3つのボタンが付けられていた。

「この新型変身携帯チェンジフォン、がね。どうにかして今回の周回で終わらせなければ」

「あっ、あの〜……」

「……!?」

 いきなり声をかけられてナッノは慌ててしまって、後ろに落ちてしまった。そう、すってんころりんと。

「……い、痛いねぇ」

 実際は何かモフッとした大きな低反発枕、いや母性の象徴が頭を包んでいたために全く痛い感じはなく、むしろ心地良いのだけれども。

「だ、大丈夫です? えっと、近未来さん?」

 ナッノは痛みで頭を押さえながら、自分を見ている少女、音無橙子を見ていた。

「音無君……? あぁ、そうか。図書館で音無君ならば可笑しくはないか。べ、べつに君の事を本の虫みたいに考えている訳ではないんだからね! ……にしても、今日はどうかしたのかい?」

「え、えっと……さっき、気付いたら声が聞こえたんで……あのそれって……ちょっと触って構いませんか?」

 と、そう言って橙子は先程までナッノが見ていたチェンジフォンを見ていた。

「あのこれって……もしかして……ギガレンジャーの?」

「……その話はここでないと出来ないのかな? 図書館は静かにすべき場所、だと思うが?」

 ナッノはそう言って辺りを見渡していた。すると図書館の利用者達はこちらをじーっと見つめており、いたたまれなくなった橙子はちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

「……クレープ、あげるから外に出ないかい?」

 ナッノがそう言うと、コクッと橙子は頷いていた。


 外に出て、クレープ屋さんを見つけたナッノはそこで注文しようとして、

「……そう言えば君は何が好みだったかな? 音無君?」

「え、えっと……バナナで」

「そうかい。ならばバナナクレープとチョコクレープをそれぞれ1つずつ頼みたい。ま、まぁ、美味しく作るためにはもう少し配合を変えてみると良いかもね。例えばそれの量とか」

 そして出て来た商品に対して、ナッノは対価であるお金を払うと、バナナクレープをベンチに座っていた橙子に渡すと、自分も座る。

「……これはチェンジフォン。まぁ、所謂ギガレンジャーに変身するための武器だ。君もこの前ネームネームに襲われた時に……まぁ、これ以上は野暮な話になるな」

「も、もう気にしてないから大丈夫です! それで……これを使えば彼女達みたいな"戦士"になれるんですか?」

「正確に言えばシステム自体は似て非なるものだが、まぁ、彼女達みたいにネームネームと戦う戦士になれるかと言えばそうだね」

 そう言いながらナッノは自分の服からシリアルが入ったケースを取り出すと、箱からシリアルを出して持っていたチョコクレープにかけて、一口パクリと食べていた。

「このチェンジフォンについては、彼らが持っているシフトフォンとはシステムを一新したものだが……君達は区別出来ないだろうな。対応するためのメモリはここにもあるしね」

 ナッノはそう言って赤く色取りされている『M』と書かれたメモリを取り出していた。それを見て橙子は「おぉっ!」と嬉しそうな声をあげていた。

「そのメモリは? 変身のための?」

「メーターメモリ、『計器』の能力のメモリだよ」

 しんみりとした面持ちで、ずーっと『M(メーター)』のメモリを見つめているナッノを、橙子はしっかりした眼で見ていた。

「そのメモリ……なにかあるんですか?」

「……いや、なにもないよ。優秀な能力を持っていて、ね。後はこのチェンジフォンを渡す相手を見つけ出さなければならないし」

 そしてナッノはチェンジフォンと『M(メーター)』メモリを中にしまおうとして、「あれっ……?」とずっとその2つを見つめている橙子が居る事に気付いていた。

「……音無君?」

「えっ!? ……いや、ほら! 私って胸が大きいじゃないですか!」

 そうやって否定しようとして身長の倍近くある胸が大きくバウンドしながら揺れる様を見て、「そうだな」と頷くナッノ博士。

「だから……その変身装置を貸して貰えれば……ってわ、わたしも……」

 と、彼女なりに精一杯の勇気を振り絞って言おうとしたその瞬間、

「――――――それは流石に許せませんわね! 何故なら、私が輝かないから!」

 そう言って現れたのは、頭には英国紳士が被るようなシルクハットと全身に宝石をちりばめた黒の紳士服を着た、付け髭を付けたNカップ美少女である。彼女は「私が輝けないと意味がないじゃない! ねっ、エージェント・ナッノ博士?」と言っていた。

「……君は財団の……須子井光(すごいひかる)……だったかい? キラキラとしたものが大好きな」

「あら〜♪ 覚えてくれて嬉しいですわぁ。でも、その輝かしいような嬉しさよりも、私としては小さく光るその携帯をどうにかしたいのですがね? よろしければ、それ……渡してくれませんか?」

 そうやって語る彼女は、言葉の丁寧さとは裏腹に、目は鈍く光っていた。まるでそれ以外の返答は絶対に許さないという感じで。

「……気を付けたまえ、橙子君。ここはギガレンジャーを呼んで、その間に君だけでも……」

「相変わらずお優しくて、あまりの美しさに嬉しいわぁ♪
 でも む だ よ。何せ、あなた達の仲間は、既に別々の5人のユシーモンスターが襲っているんだから」

 その言葉に「……なるほど」というナッノ博士。きょとんとする橙子。

「分からないのかい、橙子君? 今、ボク達を助ける者は来ないって言っているのさ」

「そう! ギガレンジャー抹殺のための試験! その真の目的は……エージェント・ナッノ。あなたをさらうためだけの、壮大な計画よ! そしてその役目を任命されし、私こそ! この財団S、美しい女である須子井光なのよ! 
 さて、そろそろ作戦を開始しましょうかね。ねっ、エージェント・ナッノ様?」

 そう言って彼女は懐から1本のメモリを取り出す。それは銀色に光り輝くメモリであり、『J』という文字も輝いていた。

『ジュエル』

 そして光はその『J(ジュエル)』のメモリを手の甲に刺していた。

「さぁ、これからが私の、光り輝く晴れ舞台よ!」

 光がメモリを刺すと共に彼女の身体は青白い光に包まれ、そしてどんどんと姿が変わって行く。
 黒い紳士服に綺麗な宝石がいくつも散りばめれており、四肢には大きなダイヤモンドが付けられている。そして全身が金色の光のオーラに包まれていた。そして頭に嵌められた大きな指輪がクルクルと回転していた。そして彼女のNカップという大きな胸が宝石を散りばめられた状態で大きく揺れていた。

「誕生! ジュエルファントム!」

 そして彼女は背中から七色の光を出して、そのままナッノ博士と橙子へと襲い掛かろうとしていた。

「えぇい! くそぅ! ……君を助けようとは思ってないんだからね! 自分のために!」

 ナッノ博士は誰かに言い訳するように、メモリを取り出してチェンジフォンに挿入して、ピッ、ポッ、パッとボタンを押していた。

【スチーム・アプリスタート】

 そしてナッノ博士はチェンジフォンをジュエルファントムへと向けると、白い水蒸気のような煙が辺りを包んでいた。

「……あぁ!? わ、わたしの美しさが煙で霞んでしまぅう……!」

「逃げますよ!」
「え、ええっ!? は、はいぃ!」

 そしてジュエルファントムが戸惑っている内に、ナッノ博士は橙子の手を取って2人で逃げ出していた。


 その後、2人はまるで隠れるようにジュエルファントムから気付かれないように逃げていた。その間、ナッノ博士が橙子を返そうかとしていたけれども、断固として橙子は逃げようとしなかった。

「……はぁはぁ。全く、逃げるつもりがないとか、強情すぎて呆れるよ。全く」

「ご、ごめんなさいです。しかしあのジュエルの怪人って、なんなのでしょう? 確か……ファントムって」

 その言葉にナッノ博士は一度考え込むような顔を見せると共に、言葉を紡いでいた。

「……ユシーモンスターには2種類居るんですよ。シェイドとファントムの2種類がね。
 シェイドはなんらかの形にて他人からメモリを入れられる事で生まれたモンスターであり、彼女達は勿論自らなった訳ではないから能力を完全に使いこなせる訳ではない。
 対してファントムは自ら変身する事で、メモリの能力を完全に使いこなせる。だからこそ、厄介なんだよ。しかも他の5人はユシーモンスターにかかりっきりで……あぁ、もう! 完全に積んでるじゃないか!」

 ナッノ博士は「はぁ〜……」と溜め息を吐いていたが、橙子はしばらく黙っていたけれども何かを決心したような眼でナッノを見ていた。

「あ、あの……その変身携帯さえあれば、ギガレンジャーの力が引き出せるんですよね」

「……理論上はね。後はこの携帯が上手く作用するかの確認段階テストを28回やっておかないとならなくて――――――」

「だ、だったら!」

 と、橙子は大きな声で言う。彼女が大きな声で言うと、彼女の胸元が大きく揺れていて、彼女の胸の大きさを強調していた。

「わ、私が! 私ならばそのメモリを使いこなせると思います! おっ、おっぱいだってあの5人に負けない位だと……お、思いまちゅ」

 恥ずかしいのか言葉の最後の辺りが少しずつ声が小さくなっていって、それでも彼女は自分の想いをナッノに伝えていた。ギガレンジャーとなって戦いたいという、彼女の想いを。しかしその言葉に対して、ナッノは気難しい顔で答えていた。

「……君が? ギガレンジャーに? 言っておくが、ボクはあの5人にも戦士として戦うのには反対だったんだ。それに……多分だが――――――いや、試せば分かるか」

 そう言ってナッノはチェンジフォンと『M(メーター)』のメモリを渡して、「とりあえず変身してみてごらん。変身の仕方はこうだから」と、きちんと説明してから橙子は貰ったものをじっと見ていた。

「よ、よしぃ! や、やりますよぉ!」

 橙子は気合を入れると、メモリのボタンを押す。

『メーター』

 そしてメモリを携帯の上部から入れると、そのまま変身ボタンを押す。

【メーター変身システム、オン! ……エラー】
「えっ……!?」

 それから橙子は試すが、それでも【エラー】の音声は消えなかった。

「……ニャハハー! どうやら新たな戦士は誕生しなかったかアル!」

 と、彼女の目の前に中国服を着た猫娘、伝導猫娘コヤンイ・チョジンカスムが現れていた。彼女の隣には白い蝋で固められた女の像があった。その固められた蝋の女、それは橙子もナッノも良く知る相手であった。

「……そ、それは? も、もしかして……京香ちゃん!?」

「そうニャー! これはニュウ・ギガグリーンなのでアル! キャンドルシェイドの手によって固めさせて貰ったのでアル!」

「……! 京香ちゃんをそんな目にぃ!」

 そうやってむかむかしている橙子を苛立たせるように、橙子はコヤンイを睨み付けていた。

「ニャハハー! 鬼さん、こちらでアル!」

 コヤンイは蝋で固めた京香を持ってそのまま逃げようとする。そんな彼女を橙子は必死に追っていて、ナッノも彼女を止めるために追っていた。

「ニャハハー! 鬼さん、こちらでアル!」


 そうやって逃げるコヤンイを追っている中、橙子は必死に追い掛けながら先程の、ギガレンジャーに変身出来なかった事について考えていた。

(エラー……つまり、私はへっ、変身出来ないって事?)

 橙子は以前、リモコンシェイドと名乗る怪人に襲われた。
 その時に助けてくれたギガレンジャーの5人、彼女達の強さに心打たれて、さらにそれが自分の知る友人達だと知った。だから橙子は憧れていたのだ、もしかしたら自分も、そんな強い存在になれるんじゃないかって……。でも待っていたのは、エラーと言う、変身出来ないという事実。

 私だって出来れば、彼女達のようになりたかったのに……。

「……音無君」

「へっ?」

「どうやらボク達は、見事コヤンイの挑発に乗って、嵌められてしまったようだね」

 その言葉に改めてみると、そこには

「どうやら想定通り、こっちまで来てくれたようですね〜。あぁ、これぞ美しい作戦の成功! そしてこれも、美しい!」

 ジュエルファントムの姿があった。ジュエルファントムはクルクルと回転する指輪をナッノ博士へと向けて放つと、ナッノ博士の上で指輪は回転を止めるとそのまま彼女の身体へと落ちて行って、そのまま彼女の身体を嵌めて逃がさないようにしていた。

「美しいでしょう? 宝石の枷ですよー? さて、それではこのままナッノ博士を連行致しましょうかねー? なにせ、これからこの私が、美しい私のためにあなたは必要なのですよ! そう、我々、財団Sには……貴方と言う存在さえ居れば十分なのだから」

 ジュエルファントムはナッノ博士に手を差し伸べていて、コヤンイは橙子の方を向いて「ニャハハー!」と笑っていた。

「ニャハハー! これでナッノ博士もゲット出来たのニャー! そこに居る、変身アイテムを持っているのに変身出来ていないバカが居て良かったアル!」

 完全に橙子をディスっているコヤンイは笑いまくりながら、胸が大きく跳ねるように揺れていてそんな中で、橙子は必死に自分の事を考えていた。

「(私は……変身出来なかった。どうして、変身出来なかったんだろう?)」

 いや、橙子にはその理由が実は理解出来ていた。

「(私は……ただ憧れていただけなんだ。ただ凄いなって思っていたから、メモリが、私のそんな気配を感じ取っていたから、上手く作用出来なかったんだ。でも今は……純粋にあの人を倒したいって思ってる!)」

 橙子の眼は先程までのオドオドした雰囲気ではない、しっかりとした瞳になっていた。

「(……私は憧れていたのかもしれません。あんな風に出来たら良いなとか、あんな風になれたら良いなとか、そんな風に思っていたのかも知れない。でも今は……ナッノ博士を助けたい。ただそれだけの想いで戦いたいって思ってる)」

 一人の少女が今、皮を向けて、その大きな胸をさらけ出し、新たな一歩を決意した。

【メーター変身システム、オン! オレンジ、ニュウ・ジョウ!】

 彼女の決意に呼応するかのようにチェンジフォンから音が聞こえて、橙子はそれを見て頷く。頷くと共に、彼女は決意の意思を確かに持ってボタンを押す。

「アプリ変身、ギガオレンジ!」

 そして彼女がボタンを押すと共に、彼女の身体が白い光に包まれる。
 すると彼女の手足からオレンジ色の液体がうねうねと上がって行き、それはオレンジ色の装備に変わっていた。そして服も、彼女の大きな超乳がオレンジ色の胸元が大きく開いたタートルネックへと変わっていたのであった。そして胸元には左からL、M、Rと大きな青い文字が書かれていたのだった。

「橙の新しい乳戦力! ニュウ・ギガオレンジ、華麗に乳場!」

 ニュウ・ギガオレンジは今、ここに誕生した。

「ムキーッ! 私よりも目立ってー!」

 それが許せないのは、美しさを求めるジュエルファントムである。ジュエルファントムの手が光り輝いたかと思うと、彼女の両腕がダイヤモンドの腕に変わる。

「ダイヤモンド・フィストー!」

 そうやってジュエルファントムがダイヤモンドの腕を振るっていたが、ギガオレンジはそれを普通に胸で受け止めようとしたが、

「あぅ……!」

 普通に攻撃に耐え切れずに、跳ね返されて飛ばされていた。

「あ、あれ? ち、力がよ、弱い?」

「当たり前だ……こ、このバカ野郎め! その『メーター』のメモリには戦闘に秀でるメモリじゃないんだ! チェンジフォンでランチャーのアプリを起動してみれば良い!」

「こ、こうかな?」

 ニュウ・ギガオレンジは慣れない様子でボタンを押すと、音声が流れ出していた。

【ランチャー、アプリスタート! シュシュット、ランチャー!】

 するとニュウ・ギガオレンジの身体に白い風が巻き付いていて、ジュエルファントムが再びダイヤモンドの手で殴ろうとすると、ジュエルファントムが風に吹き飛ばされていた。

「すっ、凄い! この形態は物を跳ね返すのね!」

「う、うわぁ! 光り輝くこの私が! 尻餅を付くなんて! 許せないわぁ!」

 そう言ってジュエルファントムは今度は全身に赤いルビーのような2本の剣を持っており、それで斬りつけようとしてくる。

「次はマッスルで畳み掛けろ! 『ジュエル』のメモリは硬さが特徴だ!」

「分かりました!」

 ニュウ・ギガオレンジは携帯を操作して今度は『マッスル』アプリを起動する。

【マッスル、アプリスタート! マッスル、パンチアップ!】

 オレンジがアプリを起動すると共に、彼女の身体になにか感触が伝わって来る。

「い、いやぁ! か、身体に感触がぁ!」

 そして両腕と両足が青い光に包まれ、そして彼女の超乳がさらに大きく膨れ上がっている。

「光り輝くルビーブレイド! アタック!」

「マッスルパンチ!」

 オレンジがジュエルファントムの赤いルビーの2本の剣を避けるようにして、ジュエルファントムの光り輝く身体に青い光のパンチを叩きこむ。ジュエルファントムは青いパンチをぶつけられると、オレンジによって吹き飛ばされていた。

「あ、あぁ……! わ、わたしの身体が……この美しく、傷一つない身体に傷がぁぁ!
 ゆ、許しません! こうなったら私の最強の技! アレキサンドラライト・エクストリームエメラルドハリケーンスペシャルで、美しき華麗な勝利を決めます!」

 そしてジュエルファントムが攻めて来るのを見て、コヤンイはビクついていた。

「ニャニャ!? ジュエルファントムは硬い事で有名なのに、それでも負けるってどうなのニャ!? こ、ここは一旦退散するニャー!」

 そしてコヤンイは不利だと思ったために蝋で固めたニュウ・ギガグリーンを持って、そのまま逃げだしていた。

「あぁ!? 逃げるなんて美しくありませんよー! コヤンイちゃーん!」

 そんな敵の反応の中、ニュウ・ギガオレンジは最後のアプリを見ていた。

「物を跳ね返す遠距離タイプのランチャー。圧倒的な攻撃力を誇るパワータイプのマッスル。じゃあ、このリダクションは?」

「それは必殺技を放つ時のアプリだ! ただ、仕様は難しいから使う際は気を付ける方が良い! ……とまぁ、思わなくもなくないような?」

 ニュウ・ギガオレンジはナッノ博士の言葉をうんと頷いていて、そのままジュエルファントムへと走って近寄っていた。

「ムキー! この美しき私の必殺技を披露しましょう! アレキサンドラライト・エクストリームエメラルド……」

「今です! 必殺……!」
【リダクション、アプリスタート! フンサイ、デストロイヤー!】

 オレンジが技を発動すると、彼女の青い光がどんどん薄くなって消えたかと思うと、彼女の胸は大きなまま、それどころかさらに大きさを増して大きくなっていく。2倍、3倍とどんどんそもそもの元の大きさである3m弱の大きさを越えようかと言う時、彼女は個の必殺技をどうすれば活躍出来るか瞬時に理解した。何故ならば、既にこれと似たような技を使おうとしていた人間が居たからである。

「と、とぅ!」

 オレンジは転ばないように気を付けながら、そのまま彼女は地面を蹴ってジュエルファントムに襲い掛かる。

「お、奥義! ギガトランスファー!」

 それは彼女が見た事のある、ギガレッドの必殺技に良く似た……大きな胸で押しつぶすという必殺技であった。

「う、美しきこ、この私がこ、こんな小娘にぃぃぃ!」

 モミュモミュ、とギガオレンジは自分の背丈の倍近くあるような胸で押しつぶす。ガタガタ、と彼女の宝石の硬い身体にひびが入って行き、彼女のNカップという爆乳を支えていた宝石のブラが壊れて行く。

「ば、バカな……この私が! こんな磨かれても居ないような、原石にぃ!」

 そしてジュエルファントムは爆発し、ナッノは『レスキュー』のメモリで光を助けていた。

「……まさか、素質はあると思ってはいたが、ここまでとはね」

 ナッノは元の数倍に膨らんだ橙子の胸を触って揉みしだきながら、彼女の素養を確認するナッノであった。

「と、と言うか、も、元に戻してくださいよ〜。ナッノ博士〜!」

「……普通に変身を解除した方が良いとお勧めするよ」

 まさかこの後、橙子はバケネコロイド・ジュエルとの巨大戦があるとは思っても見なかったのである。

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ユシーモンスターNo.28
〇ユシー・ジュエルファントム
所属区分;財団Sからの刺客
使用者;財団S役員、須子井光(すごいひかる)
外見(使用前);頭には英国紳士が被るようなシルクハットと全身に宝石をちりばめた黒の紳士服を着た、付け髭を付けたNカップ美少女
外見(使用後);黒い紳士服に綺麗な宝石がいくつも散りばめれており、四肢には大きなダイヤモンドが付けられている。そして全身が金色の光のオーラに包まれる。そして頭に嵌められた大きな指輪がクルクルと回転しており、彼女のNカップという大きな胸が宝石を散りばめられる。
所見;ユシーモンスターの中でも防御に特化したメモリであり、また光線や物質創世など様々な能力を有している。これは宝石の構成組成を変える事によって手に入れた力である。使用者の須子井光は美しさを求めており、このメモリとは非常に相性が良かったとされている。By;文化者エージェント・ナッノ
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次回予告!
遂に私達の出番が来たようね! 溶解使徒ホムラ様よ! 私達の行動が、タイラなんかという女の胸を大きくするためだけだとか信じられないわ! もっと有効に使うべきなのよ!
副官のラスラー、それからレンズ、フード、エックスの3人と共に反乱開始よ!
次回、超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー、第5パイ!
「反乱の幹部ホムラ! 全ては私のためだけに!」

「ところでラスラー? そのモンスター、役に立たない時はあなたがどうなるか分かってるのよね?」By;溶解使徒ホムラ