閃乱カグラ二次創作 秘刀編(一)

帝国城摂政 作
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 この世に太陽が昇り、月が落ちるように。
 物を売る売り手が居れば、物を買う買い手が居るように。
 善人が居れば、悪人が居るように。
 闇夜に生き、人知れず消えていく忍者にも2種類の善の行いを行う善忍と、悪の所業を使う悪忍の2種類が存在する。

 世にはびこる「悪忍」に対抗するため、政府により設立された「善忍」育成機関、国立半蔵学園。
 「悪は善より寛容である」という意思の元で法に従わない「悪忍」育成機関、秘立蛇女子学園。
 伝説の忍「半蔵」のライバルであった「黒影」が設立した「善忍」育成機関、死塾月閃女学館。
 蛇女から抜け出た「悪忍」達のならず者集団、焔紅蓮隊。

 善と悪は互いに争い、時には互いに競い合い。そうして「善」と「悪」の2つの忍者集団は存在し続けていたのであった。

 秘立火岸女学院。常に白い煙を出しており、怪しい研究や奇怪な忍術の持ち主が居るとされている女学園であり、秘境の山の中にあるとされているこの学園。これはそんな火岸女学院の一人の、刀に魅入られてしまった女子高生の物語である。

閃乱カグラ二次創作・秘刀編(一)「切り捨ての蛇喰(ジャック)」

 時は平成。闇夜が暗闇でなくなるほど灯りが増えすぎたこの時代においても、闇夜に隠れて自身の悪行を隠せると思いあがっている犯罪者は多いものである。

雪泉「えぇ、そんな事は絶対に許してはなりません! 正義は……絶対に負けてはいけません」

 薄い水色と言う闇夜には似つかわしくない和服を着込んだ忍者、雪泉は自慢の92cmという爆乳を揺らしながら高々と、若干怒りながら自分の意見を告げていた。

飛鳥「どうしたの、雪泉ちゃん? いきなり怒ったりして……。と言うよりも、少し寒いですね」

 大小2本の脇差を付けた黄色い学生服を着た忍者、飛鳥は明るい笑顔を向けながら90cmの爆乳を持つ身体を手で押さえながら寒さを我慢していた。

雪泉「まぁ、飛鳥さん。この程度の夜の寒さにビビっているようでは、立派な忍びになれませんよ?」

飛鳥「……雪泉ちゃん、怒って自分の身体から氷の忍術を発動させているよ? だから、すっごーく寒いんだけど」

雪泉「あらあら。いつの間に。反省いたします」

飛鳥「うん! で、今回私を呼んだ理由って、斑鳩先輩が言っていた例の……切り捨て蛇喰の話ですか?」

 雪泉は、飛鳥の言葉に「えぇ」と了承の意味を込めて、深く頷いていた。

 切り捨ての蛇喰。それはこの頃、世間を騒がせている犯罪者の名前である。
 とても長い日本刀を容易く使いこなし、その日本刀で多くの人間に傷を負わせている犯罪者。その正体は一切不明で、分かっている事と言えば犯人が女性で、腕に浮かび上がった蛇の紋様。

飛鳥「それだけ情報があるのになかなか捕まらないから、斑鳩さんは忍者だと……」

雪泉「そうです。私達、月閃女学館の調査では、その女性はどうやら忍者、それも悪忍のようなんです。だからこそ……善忍である私達がその悪忍を捕まえないと!」

 そう言って雪泉が力強く宣言すると共に、周囲から大きな声が聞こえてくる。

社会人A「きゃあああ……!」
社会人B「た、助けてぇぇぇぇ!」

飛鳥「……!? ゆ、雪泉ちゃん!?」
雪泉「えぇ! 行きましょう、飛鳥さん!」

 そして飛鳥と雪泉の2人は女性達の悲鳴が聞こえる場所まで走って行く。

??「アハハ! そうだ、もっとじゃ! 飢えを満たすために、悲鳴を上げるのである! それこそが我が力の糧となり、我が身を満たすですのう!」

 倒れている女性達の真ん中で、金色の小さなポニーテールの美しい顔立ちの美しい顔立ちの美少女が高々と声をあげている。指には色鮮やかなネイルメイクが施されており、腕には蛇の紋様が濃く色付いていた。

雪泉「腕に蛇の紋様……あなたがこの事件の犯人ですか?」

 雪泉が扇子を振るいながら、氷を宙に浮かせて敵に狙いを付けていた。

飛鳥「いっぱい人を傷つけるだなんて、私、許せないよ!」

 大小2本の脇差を構えながら、今か今かと飛鳥は待っていた。

??「ほほう。氷の忍法に、大小2本の脇差か。確かにこの身体よりかは、マシともいえるかもしれないのう」
??「う、うぅ……。そんな事を言わないで欲しいしぃ……」
??「あっ! こら、しゃべるなと言っておろうに!」

飛鳥「ゆ、雪泉ちゃん? 今、全く別の言葉が聞こえてきたような……」
雪泉「えぇ。声の質は同一でしたが、口調が変わったような……」

 2人がぽかんとしていると、ゴホンと腕に蛇の紋様を付けた女性は咳払いをする。そして背中に付けていた日本刀を、彼女よりも長い七尺――――2.1mもある長刀を振るっていた。

??「とは言え、秘立火岸女学院の3年、凛根(りんね)に合う器とは思えんな。ならば別の身体を探しに行くのが良いだろうしね」

 そう言うと凛根と名乗ったその少女はすーっと息を大きく吸い込むと、長刀を構えていた。

飛鳥「……く、来るよ! 雪泉ちゃん!」
雪泉「えぇ。心してかかりましょう」

凛根が長刀を振るうと共に生まれた軌道を、飛鳥が大小2本の脇差によって防がれていた。そして雪泉は爆乳を揺らしながら扇子を大きく振るっていた。

雪泉「忍法、雪化粧!」

 放たれた雪の吹雪のような風を、雪泉は扇子から氷の吹雪を放つ。すると氷の息吹によって凛根の右腕が凍り付いており、凛根は温かい息を吐いて氷を溶かしていた。

雪泉「な、なんですって!? わ、わたしの氷がそんなあっさりと!?」

飛鳥「雪泉ちゃん!?」

凛根「……今じゃのう」

 飛鳥が雪泉の方を見て油断した最中に凛根は大きく長刀を振るって、飛鳥の胸元を大きく切り裂いていた。そしてその勢いのまま、雪泉に迫って飛鳥と同じく斬りつけていた。

飛鳥「……はわっ!?」
雪泉「……きゃっ!」

 斬りつけられ、胸元の布地が破れ、そして斬りつけられてしまった勢いでただでさえ大きなその胸がたゆんたゆんと揺れていた。大きく激しく揺れると共に2人の顔が羞恥の色に染まる。
 そして日本刀に大きく息を吐くと共に、温かい息で刀が包まれていた。刀が大きな息を吐くと共に、炎が纏われていってそのまま炎の刀となった長刀を振るっていた。

凛根「忍法、湯煙斬り!」

 凛根の炎の刀の斬撃により、飛鳥と雪泉の2人が炎に包まれて吹き飛ぶ。吹き飛ぶと共に2人の服が火炎に包まれて燃え去り、そして下着姿となった2人の顔は先ほど以上の周知の色に染まっていた。

凛根「ほほう。これはこれは。"この身体"と同じくらい、良い物を持ってるですのう。やはり男よりも女じゃのう。男の身体はどうにも筋肉質すぎるしの」

 凛根はふーっと息を吐き、刀の炎を消し去っていた。そして鞘に戻すと、ゆっくりと2人に近付く。

凛根「確かこやつは脇差を操る女子高生じゃったか。我が愛刀『毒蛇』の刀に力を入れて壊しに来ておるなぁ、とは言っても全然応えておらんがの。
 ――――国立半蔵学院の飛鳥、ね。ほほう、こやつは半蔵の孫かぁ。実力的にはまだまだと言った所じゃが、血筋的にはこれからの面が強そうじゃのぅ」

凛根「こっちは雪泉とか言っておったのう。雪の忍術も使うし、汎用性も高そうだの。とは言っても、我が強すぎるし、なんだか寒そうじゃのう」

 凛根は2人の顔を見比べた後、ふむふむと頷いていた。そしてそのまま2人の身体に手を伸ばす。そしてその指先は動けない2人の胸元に向かっていた。

凛根「こちらの飛鳥は吸い付くほど奇麗な胸じゃのぅ。それに食べている物も上等な寿司か何かを食べておったのか、大きさの割に張りもしっかりしておるの。その上で、まだまだ大きくなる力を秘めておる。今のままではのうて、2,3年すれば使い物になるの。
 対してこちらの雪泉はまさに優秀と言えるがの、形も大きさも整っておるし、なにより和服を押しのけんばかりのこの胸! 少々寒いが、これは良泉(らせん)に任せれば……っと」

 そうやって2人の胸を触っていた凛根であったが、急にフラッと頭を揺らす。

飛鳥・雪泉「「今!」」

 そして2人はその隙を狙い、煙の術を行う。そして2人は煙の中に消えて行って、凛根は「チッ……」と舌打ちしていた。

凛根「あぁ、やはり正義感に燃えている、我が無意味に強いタイプは"無意味に見えるの"。さて――――別のを探しに行こうかのう」

 ――――彼女の名前は凛根。秘立火岸女学院の3年にして、通称『紅蛇の凛根』。
 七尺(210cm)を越える日本刀『毒蛇』を携えし、腕の蛇の紋様と妖しげな赤い瞳が特徴の爆乳の忍。

 凛根とは一体何者なのか。それを知るには、半月前まで遡る。