スカーレット・セブンデイズ 1

帝国城摂政 作
Copyright 2015 by Teikokujosessyo All rights reserved.

《この作品はβ-1909、個体次元名リッチにて行われた『トランジスタ作戦』の、現地に居たとされる超乳戦士の記憶から算出された記録である。この作戦の詳細については現時点ではほとんど分かっていないためにここに記す》

【1st Day】
 私の名前は沖杉留子(おきすぎるこ)。身長こそ女性としては平凡ながらも、メートルサイズと言う超々乳を持つ、ニュー・紫峰市に住むちょっと変わった女子高生である。いつものようにメイドにお世話をされながら、家業である沖杉財閥の事案について整理していた私だったのだが、ある日突然窓の外にまっ白い雪が降り出していた。今はまだ4月の半ばなので、どうした物かと思っていたらいきなり驚くべき光景が目に入って来た。

 なんと、肌色のおっぱいと思わしき物体が複数、それもキロメートルサイズでむくむくと巨大化していくのだから。どういう状況なのかと会社に連絡すると、雪に触った女性達がいきなり胸がどんどんと膨らんでいくという謎の現象にあったらしい。訳が分かりませんと報告していた男性社員も、電話越しでも聞こえるくらいむくむくっという膨乳の音と共に押し潰されて電話が切れる。
 急いで避難すべきだろうと、私はメイド達に支えられてこの街の脱出を決意した。こういう事にも備えて、屋敷の地下には脱出するための地下道を掘っており、この道を使えば潜水艦がある地下港へと行って脱出出来る。

 しかし、そうやって逃げる私達の前にぺったんこな胸の兵士を連れた1人の超乳女性が現れていた。
 172cmの身長と120cmのOカップ。全身が白い毛糸のカーディガンで、胸元のみが真っ黒に染まっている。また両腕はトンネル型の巨大腕装備付けている。彼女は自分の事を財団Sの諜報部員、アンダーグラウンドファントムと名乗った。
 『地下』をコードネームに持つ彼女は、地下から逃げようとしている女性達を捕まえて、外の雪に当てて膨乳させようと言う、恐ろしい計画を立てていた。

 私達は悪の根源の名前を知ると共に確保されようとしていたために、必死になって抵抗した。幸い、私を支えるために身体を鍛えていたメイド達の戦闘能力は敵方の兵士達を圧倒していた。しかし、それでは終わらなかった。なんとアンダーグラウンドファントムは地中を進んで追って来ると言う、奇術に近いものを使って追って来るのだ。これには数々の戦いを越えて来た我がメイド部隊も太刀打ちできず、比較的戦闘能力が低い2人のメイドが相手に捕らえられてしまった。

 アンダーグラウンドファントムの魔の手が私に伸びようとしたその時、いきなり地下が眩い光に包まれる。そして煙幕が辺りに撒かれると共に私達は気を失い、その場で倒れたのであった。

【2nd Day】
 目を覚ました私達の目の前に居たのは、見た事もない金色の髪をした女性。
 ストレートヘアーで、可愛らしい顔立ちのLカップ美少女。赤染めの白衣で、左目に万能片眼鏡を着用しているその少女は淡々とした声で自らを、ネームネーム征服世界β次元元設備主任の観測使徒ウオッチと名前を名乗った。どうやら親衛隊長スパイダー・ラスラーという人物に殺されかかり、この世界に逃げたのだと言う。とても信じられない話であったが、彼女がアンダーグラウンドファントムについて語り出してから、その話の信憑性が増した。

 財団Sとはネームネームという組織の支援組織でありながら、裏ではエージェント・ナッノなる人物が作り出したメモリと呼ばれる変身装置を独自に開発して量産体制に入っており、今回はその技術を使った3名の人物による世界征服と言う事らしい。

 首謀者の名前は須子井禍奈(すごいかな)。トランジスターと呼ばれるメモリを所有しており、今回の事件の要の役割を担うキーマン。
 そして彼女に付き従う2人の諜報部員。私達を襲ったアンダーグラウンドファントムことシホ・イチガヤとステルスファントムことセーラ・オオツカ。
 自身の使うメモリが『T』、『U』、『S』である事から、自身達の事を『S.T.U.』と名乗っているらしい。今回の私達の世界へのこの作戦も彼らからしてみれば、ちょっとした足がかりに過ぎないとの事。

 ふざけるな! と思いつつ、外の様子を特殊な機械で見せて貰って驚いた。街は既におっぱい、おっぱい、おっぱいという肌色一色であり、かろうじて人間だと見えるサイズの女性達の胸もどの女性も爆乳サイズにまで膨らんでいて、ムググッグという音と共に大きさを増して行っている。

 どうやら事実であると確信した私は決心する。『S.T.U.』を倒し、この世界に平和を取り戻す事を。今の現状だと既存の軍隊や警察組織は当てにならない以上、この私がなんとかするしかないと決心したのだ。付いて来てくれたメイド達も賛成し、ウオッチさんは「ナッノさんがやりそうだから」という理由で協力してくれた。

 ウオッチさんは私に『R』と書かれたメモリと携帯を渡して、メイド達に『V』と書かれた複数のメモリと同じく携帯を渡した。携帯はメモリの力に毒されないための制御装置で変身携帯シフトフォンという名前で、渡されたメモリは相手方が使っているように、超人的な力を発揮するためのメモリであるとの事。
 メイド達に配られた『V』はviture、活力を意味するメモリであり、使うと超人的な回復力と身体能力強化を宿すメモリ。私に与えられた『R』はresistance、反抗を使うメモリであり、使うとエネルギーの力を逆流に転じる事が出来ると言うメモリ。このメモリの価値を知れば、あの超人的な部隊とも戦う事が出来る。私達はそう確信した。その後、決行を明日に控えた私達はメモリの使い心地を確かめ、明日も早いのですぐさま眠りについた。

【3rd Day】
 早朝。あの敵が落とす雪は消えているが、街の中は既に世紀末の雰囲気を漂わせていた。ビルや建物の多くは倒れて、その代わりにキロメートルサイズの特大おっぱいという巨塔が街中に立ち並ぶ。街中に男性の姿はほとんどなく、私と同じようなメートルサイズの超々乳を持った女性達が胸元をゆっくりと膨らませながら、街中をゾンビのように歩いていた。まさしく異様な光景と言う言葉が相応しいだろう。
 そしてそんな中、あの時居たちっぱいの兵士達が我が物顔で歩いているのだ。もはや彼らがこの街を取り仕切っていると言っても過言ではないだろう。

 ウオッチさんの話によるとトランジスタファントムは高い位置から皆を監視していると思われ、高い建物に潜伏していると思われる。故に高い場所に本拠地があると考えるのが自然だろうと。最近、ニュー・紫峰市では街のシンボルとなるデカスギタワーが作られるという話だったため、敵はその建設現場に居るとメイド達の証言で分かっていた。

 そうと分かれば後は行動開始するのみである。メイド達は早速携帯に、『V』のメモリをシフトフォンにセットする。そして白銀のメイド服を着込んだ戦士の格好をしたメイド達はと言うと、自身をニュウ・ギガバレットと名乗って行動を開始する。
 まずデカスギタワー建設現場の方向を確認して、そのまま道に居るとされる戦士達を排除していく。この辺は変身する前から軽く倒せていたので、問題はなかった。

 ニュウ・ギガバレットは身体能力が非常に高くなっているみたいで、100mも4秒という超スピードであり、なおかつ彼女達の話によるとフォークやトレイなどの武器(?)の力も上がっているのだとか……。メモリを携帯に差しただけでその能力とは破格の特殊能力とも言える。これで敵にも使っているのだから、強くなるのも納得である。

 デカスギタワー建設現場にはヒトナーミと言う、巨大な大剣を持った守護兵が居た。彼らが大剣を一振りする毎に大気が揺らいでいた。

「ヒトナーミ! ヒトナミ、ヒトナミ!」

「留子様、お急ぎを!」

 メイド達がフォークとトレイという専用武器を使ってヒトナーミを押さえつけてくれている間に、自分1人でも少しでも前に進んでいた。ウオッチさんに作って貰った補助機械によって単独行動が可能となった今ならば1人でいけるのだから。私は皆のために、この街を取り戻す。

 デカスギタワーを上ると大きく広がっている場所があった。そこには1人の人物が立っていて――――胸元のみが真っ黒に染まっている、白い毛糸のカーディガンのアンダーグラウンドファントムの姿があった。

「ようこそ、この世で最も高き場所へ。そんな事を言われても地下を意味するこの私、アンダーグラウンドファントムに言われても違和感ばかりと思うけれどもね」

 トンネル型の巨大な腕装備を振るわせており、腕を振るうと青白い爆炎が飛び出ていた。

「アンダーグラウンドファントム……あなたは何をしようとしているんですか……?」

「私達の行動の理由が知りたいと? 我が愛して尊敬するトランジスタ様の考えは分かりませんが、それでも私のみの考えを言うのであれば――――白に黒を垂らす事。それが我が望みですよ。
 真っ白に染まりきった白い空間にたった一滴、黒いインクを垂らす。それこそが我が望みなのですよ。あぁ、もっと肌色にまみれた状況になれば、さらにたぎるでしょうね。その時が待ち遠しくてしようがないですよ」

 ――――歪んでいる。狂っている。間違っている。
 私が彼女に抱いた感情はそう言う気持ちなのであった。

「まぁ、あなたと言う健全な肉体から一か所の傷を付けるのもまたそそる光景ですねぇ」

「――――戦いはやはり避けられませんか」

 私は『R』のメモリをシフトフォンに挿入していた。すると高らかな音声が鳴り響いていた。

【レジスタンス変身システム、セット。スカーレット、オン・ザ・フィールド】

 挿入すると共に私の身体を紅色のオーラが覆っていて、両の拳には指に黒いゴムの特殊加工が施されている赤いグローブを付けていた。

「ギガスカーレット、あなたを倒します!」

「ギガスカーレット? あぁ、そんな赤い場所を私の力で塗りたくって差し上げましょうよ!」

 アンダーグラウンドファントムはトンネル型の腕装備をこちらに向けていて、引き金を引くと爆炎が私を包んでいた。

「ハハッ、さっさと燃え上がって行くのかね〜。いきなりで呆気なかったけれども、戦闘とは常にこう言うものだね。
 創作とは違って鍔迫り合いもなく、物語とは違ってドラマもなく、小説とは違って言い争いも無く、漫画とは違って見せ場もない。それこそが真の勝負と言う――――」

 そうやって高らかに言うアンダーグラウンドファントムの次の言葉は出なかった。
 ――――私に、首元を押さえつけられていたからだ。

「えぇ、そうね。真の強者の戦いと創作と違って接戦もなく、物語と違って脚本もなく、小説と違って言い合いもなく、漫画と違って山場もない。沖杉家という、超一流の会社を担う私にとってはこの程度、軽く出来るわ。勿論ですが、今までは巨大な胸元が邪魔だから発揮出来なかったけれどもね」

「か、はぁ……。あぁ、私が蹂躙される……それもまた一興……」

 結局、アンダーグラウンドファントムを倒せたが、その割に他の2人も見つけなければ。

「――――海上基地シホウベース、ね。ここにステルスファントムが居るのですか。とりあえずここに行きましょうか」

 私はそう言って、アンダーグラウンドのメモリを手に入れてデカスギタワーを後にした。

=========
ユシーモンスターNo.45
〇ユシー・アンダーグラウンドファントム
所属区分;財団S配下
使用体;財団S諜報部員、シホ・イチガヤ
外見;172cmの身長と120cmのOカップ。全身が白い毛糸のカーディガンで、胸元のみが真っ黒に染まっている。また両腕はトンネル型の巨大腕装備を付けている。
所見;ギガスカーレットに早速倒されてしまった配下。噴火や水力などの戦力を使いこなし、対象の脳内の深くまで抑えつけた記憶を呼び起こしたり、対象の想いを脳内の深くまで埋没させる事も可能。自身を底辺の存在だと思っており、上司であるトランジスタファントムの事を神様のように崇めている。白い一面に真っ黒い液体を一滴垂らす事を指摘している。By;観測使徒ウオッチ

ユシーモンスターNo.46
〇ヒトナーミ
立場;乳房帝国ネームネーム中級兵
概要;ナイチチに特殊溶媒に浸けて、並みの乳を持った守護兵士。巨大な大剣や破壊力のあるマシンガンなど、様々な武器で敵と戦っている。
=========