超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー 第5パイ

帝国城摂政 作
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第5パイ「反乱の幹部ホムラ! 全ては私のためだけに!」

 数日前、ニュウ・ギガレッドこと私、沖杉留子の家に一通の手紙が届いた。そこには数日後にフードシェイド、レンズシェイドやエックスシェイドの3人の怪人がニュー・紫峰市にて行う作戦について書かれていた。最初は全員が可笑しいと思っていたのだが、ネームネームの現状を良く知る眠田佐美とナッノ博士によって3人の作戦が可笑しくない事を理解して、とりあえずその3体の怪人に効果的な布陣で臨んだ。
 ニュウ・ギガイエローとニュウ・ギガグリーンによってフードシェイド、ニュウ・ギガピンクとニュウ・ギガブラックによってレンズシェイドを倒した。そして残っているエックスシェイドを私とニュウ・ギガオレンジの2人で追っており、エックスシェイドの逃げ出した先には溶解使徒ホムラと親衛隊長スパイダー・ラスラーの2人が待っていたのだが……ザクリ、とエックスシェイドの腹にスパイダー・ラスラーの剣が刺さっていた。

「えっ……」

「なぜなら、俺嫁のホムラちゃんが考えたシナリオ通りだからだ」

 そしてラスラーの手には『D』という文字が刻まれたメモリが現れる。しかしそのメモリは真っ黒に染まっており、邪悪なオーラがにじみ出ていた。

「これは『ドキュメント』……"資料"を意味するこのメモリは、本来はデータを収集して蓄えるだけの能力しか持っていなかった。しかし強奪摂政ヤリソコネーターの手によって情報を奪い取り、その情報を統合して蓄えると言う全く別の能力になった。そしてこのメモリと最も相性が良いメモリ――――それこそがお前の『X』メモリなのだ!」

 ラスラーがポチッと、メモリを押すとどす黒いオーラが流れるようにして現れ、エックスシェイドの身体を覆って行く。黒いオーラが消えるとそこにエックスシェイドの姿はなく、代わりに『D』と刻まれていたメモリは、『U』と書かれた虹色のメモリが現れていた。

「あ、あのメモリはまずそうです! い、いきます!」

 ニュウ・ギガオレンジはそう言って、マッスルモードにチェンジする。ただでさえ大きい彼女の超乳がさらに膨れ上がり、四肢が青い光に包まれる。両足で地面を蹴り上げて、そのまま溶解使徒ホムラをその強い力で殴りつける。

「リキッドモード!」

 オレンジが殴りつけようとした時、ホムラの身体が透明に輝く。そしてオレンジに殴りつけられようとしたその時、水のような形にてそのまま流れるように落ちて行った。

「なっ……! 殴ったら水に!?」

「ガスモード!」

 落ちた水は一瞬にして真っ白な気体へと変わっており、その気体は意思を持ってるかのようにオレンジの首を絞めていた。オレンジは白い煙で首を絞めようとしてもがいて取ろうとするも、気体である彼女の煙に触れる事も出来なかった。
 白い煙が意思を持って離れるとケホッケホッと、オレンジはむせていた。

「ソリッドモード。まぁ、以上がこの私、溶解使徒ホムラ様の『ウォーター』のメモリの能力の全てよ。
 固体(solid)、液体(liqid)、気体(gas)の三態の状態を行き来するだけの面白くもない、ただ生き残るだけの能力。自らの身体が水になると言う、だからこその"溶解"という事なのですが、見ての通り攻撃力もない、ただ多様性しかない『ウォーター』のメモリなのです。
 まぁ、このメモリは誘拐された私にただ入れられただけのメモリ。ユシーモンスターであれば、ウォターシェイドとでも言うべきでしょう」

 高々と語るホムラの瞳には残念そうな、遺憾ない気持ちが感じ取られていた。しかし彼女はラスラーの手から『U』のメモリを受け取ると、その瞳は一気に高揚感に満ちた元気溢れる瞳に変わっていた。

「だからこそ、私は――――"女王"として、ネームネームを新たに率いる主としてここに宣言する! 私は、今この場でギガレンジャーを倒し、現頭領たるエージェント・パンクをも倒し、真の女王となる事を!」

 そしてホムラは『U』のメモリを自分の身体に差す。すると彼女の身体が赤色に、いや気品さも感じる赤色のオーラをその身に宿していた。

『アップグレード! ウォーター! カーラーノ、オウスイ!』

 彼女の乳房がIカップから大きくなって、垂れもせずに膨れている乳腺質型のKカップに変わっていた。欧米人に良く見られる、むちむちとしたダイナマイトな乳房になっていた。そしてかじりつきたくなるようなボディラインへと変わって、それを高貴な赤い礼服が包み込む。その上から濃い藍色のスーツジャケットがその上に羽織りっていた。そして左手には黒いリボルバーを持っていた。

「超乳戦士アルティメット・カーディナル、参上と言ったところかしら?
 さて、他の4人も集まったようね。ギガレンジャー」

 既に、私達の方はピンク、ブラック、グリーン、イエロー、そして平静を取り戻したオレンジの6人が集結していた。

「俺嫁のホムラ様を相手に6人がかりとは……数の暴力で向かって来るとは、正義の味方も呆れたものだ。ならばこちらも精鋭で迎え撃つぞ! 出て来い、アームズシェイド!」

 ラスラーがそう言うと、その場に1人の女性が現れる。その女性は両腕が黒い刀になっている、黒いブラウスを着込んでいた。しかしその姿は、むちむちとした巨大なおっぱいと綺麗な顔も、そのどちらも見た事のある……

「……って、私!?」

 そう、アームズシェイドと呼ばれて生まれたその人物は私、沖杉留子その者であったのだ。

「私の名前はアームズシェイド。反逆心こそが私の本懐、ホムラ様のために戦わせていただきます」

「アームズシェイド、俺嫁のために一緒に戦いましょうか。さぁ、一緒にやりましょうか」

 そしてアームズシェイドはピンクとブラックに向かって行く。イエローとグリーン、それからオレンジの3人の元にラスラーが戦いのためにこちらに歩いていた。

「さぁ、私達も戦いましょうか? レッドさん?」

「……では、行きましょう。カーディナルよ」

 私はそう言ってヒートハンドを構え、アルティメット・カーディナルとなったホムラは銃の引き金を引いていた。


 アームズシェイドはブラックとピンクと向き合うと、両腕を銃口へと変えて、そこから大量の銃弾を放つ。

「反逆の銃撃」

「マリンウォール!」

 ギガブラックが持っていた銃に『M(マリン)』のメモリを挿し込み、水の壁を作り出す。銃弾が水で弾かれてもしつこく、アームズシェイドは銃弾を撃ち続けて行く。

「ブラック〜、あれのアームズシェイドはどう考えても……」

「えぇ、留子ちゃんだったわね」

 乳房帝国ネームネーム界外支部。今まではただの敵の符号でしかなかったそれは途端に一つの、別世界からのという意味で真剣みを帯びていた。そう、恐らくはあのアームズシェイドは別世界の、沖杉留子であると断定出来るほどには、彼女達はこの戦いの事を理解していた。

「銃弾は効果がないと判明。以降、実弾攻撃を続けつつ、武器による打撃作戦を実行する」

 右腕の銃弾攻撃を続けながら、彼女は左腕の銃弾攻撃を止めていた。そして左腕がうねうねと形が変わっていき、棒状の武器になっていた。

「反逆の銃撃を続けつつ、棒の戦線!」

 銃を撃ちつつ、アームズシェイドは淡々と歩きながら向かって行く。そして棒を振り回しながら、ゆっくりと2人に近付いていた。

「ウルフ、マリンショット!」

 ピンクは『W(ウルフ)』のメモリを入れ、狼の形の銃弾が向かって行く。そして海の壁を通って水色の狼がアームズシェイドへと向かって行く。しかしアームズシェイドは冷静に見て、棒に変えた左腕を今度は大きなバズーカに変えていた。

「反逆の銃撃を続けて、反乱の大砲」

 バズーカを放って、水色の狼の弾を打ち破るアームズシェイド。そして「はぁー……」と溜め息を吐いていた。

「あなた達の行動は分かりません。我々は確かに反逆心や反乱心にて動いております。
 しかしギガレンジャー。あなた達の戦いは無謀で、無鉄砲な、愚行としか思えないようなその行動は、本当に面白くないですね。壁なんか用意せずに向かって来ればいいのにね」

 そう言いながら両腕を変形させて、黒い剣に変えるアームズシェイド。そしてどんどんと近付いて来るのを見て、ピンクとブラックの2人はそれぞれ自分の銃を構えて銃撃を放っていた。

「エアシューター!」
「バブルシューター!」

 ピンクは空気の塊を、そしてブラックはシャボン玉を。それぞれ複数発放って、それをアームズシェイドは両腕の剣でさばいていた。さばきながら、言葉を話していた。

「沖杉留子、あの同じ顔の少女はバカバカしいですね。自分で動かずに、メイドやあなた達友達の力や、ナッノの力を借りてしか動けない、他力本願と呼ぶべき少女。――――あんなのが自分と同じ顔だと思うと、不毛でしょうがないですね」

 アームズシェイドのその言葉に、留子ちゃんと同じ顔と声で、私達の留子ちゃんを陥れるその言葉が、私達には本当に嫌でしょうがなかった。
 そしてアームズシェイドは後ろに飛んで、そのまま距離を取っていた。そして両腕を合わせて、大きな大砲を作り出していた。

「では、あんなくだらない相手をしているニュウ・ギガブラックとニュウ・ギガピンクを始末させていただきましょう! 必殺、反逆者の末路!」

 巨大な大砲からは大量のビーム攻撃が放たれていた。そして2人が煙に包まれるのを見て、アームズシェイドは「ふっ……」と小さく溜め息を吐いていた。

「やはりつまらなかったな。さて、次はラスラー様と戦っているニュウ・ギガグリーンにでも加勢に……」

「「待て! 私達の知らない、沖杉留子!」」

 煙の中から現れたのは、服のあちこちが破れて胸元が大きく見えたピンクとブラックの、あられもない姿であった。そして彼女達はそれぞれ自分のシフトフォンにメモリを入れていた。

『バレット』『バブル』

「私達はあなたを、沖杉留子ではないアームズシェイドを倒させていただきますわよぅ!」
「えぇ、行くわよ! 倒させていただきます!」

 そしてピンクとブラックはそれぞれの銃にさらにメモリを突き刺していた。

『ウルフ』『マリン』

 銃にメモリを突き刺して、そのままアームズシェイドへと向かっていたのであった。

「ちゃんと倒します! 私達の手によって!」
「アームズシェイド! 止めです!」

 ピンクとブラックが引き金を引くと、銃から大きな攻撃が放たれていた。
 ピンクの銃からは鋭く螺旋を描くような狼が放たれる。ブラックの銃からは大量の、波が入ったシャボン玉が放たれていた。そして螺旋を描く狼と波のシャボンが混ざり合い、巨大な波の狼が衝撃波として放たれていた。
 その衝撃波の狼が描く軌跡は、どこか桃色と黒色が混ざり合ったような軌跡が描かれているように見えていた。

「ぐ、ぐはぁ! ば、バカな! こんな反逆心だとは……予想……外……」

 そのまま倒れ、沖杉留子の身体から『A(アームズ)』のメモリが排出されていた。

「よし、倒したよ。ブラック……さぁ、助けに行こう」
「えぇ、そうね。やりましょう」

 ピンクとブラックは見つめ合うと、クスリと笑い合う。

「「私達の、沖杉留子のために!」」


「さぁ、戦い合おうか! ギガレンジャーよ!」

 そう言って、スパイダー・ラスラーは高らかに宣言する。それに対して連れて来られた側であるギガグリーン、ギガイエロー、ギガオレンジの3人はキョトンとしていた。なにせ、明らかにこちら側の数が多いからである。それなのにスパイダー・ラスラーが優位な立場としているのが可笑しいと思っているのだ。

「さっ、早速倒しますね! ランチャーモード、シュート!」

 オレンジがそう言って空気をラスラーに発射していた。しかも一発ではなく、複数の塊を放っていた。
 ラスラーはキラリと目を輝かせて、空気の塊を両手に持ち合わせた剣で斬っていた。グリーンとイエローの2人もまた武器を構えており、ラスラーは「おやおや?」と言っていた。

「やはり3人を1人で相手するのは、6本の腕があるとはいえつらい物がありますね。ならば、"3人でやるか"」

 ラスラーはそう言って2本のメモリを取り出していた。オレンジ色の『S』のメモリと、紫色の『C』と書かれた2本のメモリであり、そのメモリはどちらも禍々しさを持っていた。

「これは蠍、スコーピオンメモリ。そして毒蛇のコブラメモリ。私に86%という高い適合率を誇っていたために与えられた2本のメモリだが、俺は使う気はなかったぜ。何故なら、俺はこんなのがなくても俺嫁のホムラ様を守れるほど強いからだ。しかし今回はそのホムラ様のために――――」

"――――敢えて禁を破ろう"

 そして彼女は2本のメモリを躊躇いもなく、なんと自身の頭に突き刺した。

『スコーピオン! スペシャルステージ!』
『コブラ! スペシャルステージ!』

 そして彼女の頭から二色の煙が出て、そこから2人のラスラーに良く似た人物が現れていた。
 一人はゆったりとした大きめなローブを着た、他よりも胸が大きいラスラー。そのラスラーは髪が燃えるように赤く、なおかつ蠍を思わせるように長いロングヘアーが特徴的だった。
 そしてもう一人は蜘蛛の巣が描かれた黒いドレスを着た、少し控えめながらも妖艶さを表す胸が特徴のラスラー。その髪は黒い蛇であり、蛇は意思を持って威嚇していた。

「近衛隊長スコーピオン・ラスラー! 悪の誇りと、嫉妬を元に華麗に参上!」
「親衛軍指揮官コブラ・ラスラー。悪のプライドと、自信を元に優雅に参戦」

 3人のラスラー。
 6本の腕を生やした蜘蛛(スパイダー)。胸が大きくなった赤い蠍(スコーピオン)。そして黒いドレスの妖艶な毒蛇(コブラ)。
 3人のラスラーは、3人のギガレンジャーと相見える。

「「「さぁ、俺嫁のために死んでくれ!」」」

「倒す!」
「ナッノ様と、傷付いた仲間のために!」
「が、頑張ります!」

 3対3の対戦が、今幕をあげた。


 まず最初に飛び出したのは、赤い髪のスコーピオン。彼女の背後には紫色の、明らかに毒々しい竜巻が渦巻いていた。

「この毒の竜巻を食らえ! スコーピオン・トルネード!」

 それに対してギガグリーンが前に出る。そして持っていた糸を自在に操り、それで台風のように巻き寄せる。

「援護しましょう。メデューサ・ラスラー」

 グリーンが何かしている事に気付いたコブラが自分の蛇のような髪を伸ばして、グリーンへと向けていた。

「やらせはしませんよ! ギガレンジャーとして、そして生徒会長として!」

 グリーンに伸びた蛇の髪をイエローが木刀で斬って、そしてグリーンの準備を待っていた。
 グリーンは糸を振り回しながら、シフトフォンに『E(エクスプロージョン)』のメモリを入れていた。すると糸が金色に光って、そのまま金色の奔流が舞っていた。

「爆破之糸乱舞(ばくはのいとらんぶ)!」

 そして糸の竜巻が舞い、金色の爆風となってグリーンから放たれていた。そしてその爆風の竜巻の前にスパイダー・ラスラーが現れる。

「やらせはせんよ! 六刀流、阿修羅一武銀(あしゅらいちぶぎん)!」
「オレンジ、ランチャーアタック!」

 スパイダー・ラスラーが竜巻を止めるために6本の刀を振るい、オレンジが青色の腕で殴りつけていた。そして竜巻に巻き散らせるようにして、スコーピオンの竜巻も巻き込んでいた。スコーピオンとコブラの2人も竜巻に巻きこまれて飛んで、その横をグリーンが駆け抜けて行った。

「ロック・ブレイド!」

 そして地面から巨大な刀が出て、スコーピオンとコブラの2人を貫いていた。そして「パリン!」と2つのメモリが排出されてそのまま地面に落ちて割れる。

「やはり即席では上手くいきませんか? ――――グリーンにも逃げられてしまうとは……。
 ならば、1人で行くのみ! 俺嫁のために、倒すのみ!」

 イエロー、オレンジの2人はそれぞれの武器を構える。

「今だ! 喰らえ!」

 イエローは地面から木刀を抜いてシフトフォンにメモリを入れ、そのままラスラーへと向かって行く。

「俺嫁のために死ね! 六刀流奥儀、六黄金!」

「ディバイン・パニッシャー!」

 そしてイエローは木刀で一閃。しかしラスラーもまた一閃を与える。

「くっ……!」

 イエローが倒れ、彼女の服が胸元と大事な所以外切れると言う大参事に。ラスラーは「ひゅー」と言いながら、「危なかったぜ」と言っていた。

「今の『D(ディバイン)』の狙い澄ましたような一撃……こちらが避けなければ当たって倒れていたのはこちらだったぜ。でもまぁ、最後の一人、ニュウ・ギガオレンジにあんなに狙い澄ましたような一撃は……」

 そう言ってオレンジを見るラスラー。しかし、既にオレンジはラスラーの元に迫っており――――そのまま彼女はラスラーの上にぶつかってまたがる。

【リダクション、アプリスタート! フンサイ、デストロイヤー!】

「い、いきますよー! 奥義、ギガトランスファー!」

 彼女の胸は大きなまま、それどころかさらに大きさを増してラスラーを押し潰して行きながら大きくなっていく。2倍、3倍とどんどんそもそもの元の大きさである3m弱の大きさを越えようかと言う中、さらに大きさは増してむくむくと、女性の象徴たるその物体はラスラーの身体を覆い隠す。

「あ、あぁ! 服上死、サイコー! け、けど俺嫁のホムラちゃん、浮気ごめんなさーい!」

 そしてそのまま爆発して倒れるスパイダー・ラスラー。倒れたのを確認したギガオレンジは、ギガグリーンの肩を抱いてそのままレッドの元へと向かうのであった。


「喰らえ、レッドシャワー!」

 アルティメット・カーディナルが放つリボルバーの弾丸をクルッと転がるようにして避ける私。銃弾が当たった場所はコンクリートだったはずなのに、無残にも溶けていた。

「厄介ね……その銃……」

 私は溶けきった右袖と左袖、そして胸元の部分も大きく溶けて露出している今の状況を考える。

 溶解使徒ホムラが進化した姿、超乳戦士アルティメット・カーディナル。その力は"王水"。
 金属だけではなく人体をも溶かす、あまりにも危険すぎる王の水。あれはそれだけでなく、普通だったら溶けないはずの銀すらも溶かしている。

(そんなのが銃弾に塗られてたら近付けない……けど、行く!)

 そう言って私は地面を蹴り、そのままカーディナルに殴りにかかる。銃を乱射しつつも、溶けないヒートハンドを使って最低限の場所だけ防ぐ。しかし――――!

「それじゃあ、届かないわよ?」

 彼女の前にいきなり半透明な、緑色のシールドが展開される。私は『S(ショックウエーブ)』のメモリを入れて、その場で放つ!

「奥儀、ギガショック!」

 衝撃波は確かな質量を持って、シールドへと叩きつけられる。しかし、衝撃波はシールドに当たると共に、掻き消えてしまう。

「遅いわよ」

「しまっ――!?」

 そして落ちる最中、カーディナルの持つリボルバーをさらに2発受けて地面へと転がる。受けた場所は両肩、まだスーツがあったため立てるが、そろそろ限界……。

「さぁ、次ので止めとするわ。さよなら、ギガレッド」

 バンッ、とリボルバーから王水を纏った銃が発射される。私は防ぐために『F(ファイター)』のメモリを取り出して――――その時だった。

「レッド! これを使ってください!」

 現れたギガグリーンは糸を巧みに動かし、メモリを1本こちらに投げる。私はそれを受け取るも、

「今更一本メモリを増やしたところで、私の優位は変わらない!
 必殺、数奇な鎮魂歌(カーディナルレクイエム)!」

 そしてさらに放たれた銃弾三発は、途中でお互いの弾に接触。そして王水のシャワーが私に襲い掛かる。

「生存率ゼロパーセント。"数奇な鎮魂歌"を浴びて、死なない相手は居ない。例え、あの化け物――――エージェント・パンクでもね。
 良い予行演習になってありがとう、ニュウ・ギガレッド。最も、もう聞こえないのでしょうけれどね?」

 白い煙が晴れて、カーディナルはレッドの死体が現れるのを待っていた。しかし、いきなり白い煙の中から突風と共に金色の少女が現れる。

『アップグレード! ファイター! カーラーノ、ヒーロー!』

 金色のオーラを纏った私は、そのまま左足を前に構えて、腰をしっかりと落とす。そして目標であるカーディナルに狙いを澄ましていた。

「必殺、ヒーローショット!」

 レッドは右腕に力を構え、そしてそのまま大きく穿つように放つ正拳突き。
 放たれた正拳は金色のオーラとなってカーディナルへと放たれる。

「王水シールド!」

 そして穿つようにして放たれたその攻撃は、シールドをも貫かん勢いでカーディナルへと向かっていた。

「だ、ダメだ! ふ、防ぎきれな……!」

 防ぎきれずに、カーディナルへと正拳の衝撃が放たれる。そして衝撃波によって右目に傷を負うカーディナル。

「お、おのれ! わ、私の右目を! ゆ、許さない!」

「私もあなたを倒す!」

 アップグレードされた『F』のメモリを使う私は、そのまま相手へと視線を移動させる。

「えっ?」

 しかし、そこには変身を解除して元の姿に戻った溶解使徒ホムラの姿があった。そしてその後ろには、見慣れない一人の女性。
 両腕と両脚が赤く染まっている2m近い長身女性。Pカップと言う胸を堂々と張り、その左目には歯車のような物が付けられてカキカキと音を出して動いている。

「溶解使徒ホムラ……いや、人形坂炎(にんぎょうざかほむら)。
 裏切りも一つの文明と思って見ていたが、これ以上は許さないなの。なにせ、もう既にお前の役目は終わったなの」

「や、やめろ、エージェント・パンク! 私は世界の女王に!」

「……やれなの、ゲートシェイド」

 そして喚いているホムラは、横に現れたゲートシェイドが作り出した門の中へと落ちて行く。

「し、信じられない! わ、私が! わたしがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 悲痛な叫びと共にホムラは消えていく。そして2m近い長身女性、エージェント・パンクは私と、その後ろのグリーンを見て笑みを浮かべると、懐から『W』と書かれたメモリを取り出す。

「さて、文明の始まりなの」

 その『W』のメモリを見た瞬間、グリーンが「いけない!」と叫んでこちらに駆けつける。

『ワールド』

 するとエージェント・パンクの姿は掻き消えて……えっ?

「なに、これ?」

 目の前には、

 心臓を穿たれてしまっている、眠田佐美の死体が転がっていた。

「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」

「目の前の友の死に嘆き悲しむ、それもまた文明なの」

 その後、またしても『W』のメモリを取り出したエージェント・パンク。私はそれを攻撃しようとして……

『いけない!』

 急に辺りを白い煙が包み込む。
 そして私は、白い煙の中メイド達に回収されていった。

 ――――眠田佐美の死体と共に。

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ユシーモンスターNo.57
○ユシー・アームズシェイド
所属区分;財団S配下
使用体;『リッチ』次元出身者、沖杉留子(おきすぎるこ)
外見;両腕が黒い刀になっている、黒いブラウスを着込んでいる。むちむちとした巨大なおっぱいと綺麗な顔も、ニュウ・ギガレッドである沖杉留子にそっくりである。
所見;両腕を様々な武器に変える事が出来るユシーモンスター。別の次元の沖杉留子が元になっており、こちらの世界の彼女と違って一人で生活する事が出来るため、運動能力が高い。反逆者に著しいまでの興味を持っており、強い者に刃向う者に容赦はしない。By;文化者エージェント・ナッノ

ユシーモンスターNo.58
○近衛隊長スコーピオン・ラスラー
所属区分;溶解使徒ホムラの部下
使用メモリ;『Sスコーピオン』
使用素材;スパイダー・ラスラーの『嫉妬』
特徴;ゆったりとした大きめなローブを着た、他よりも胸が大きいラスラー。髪が燃えるように赤く、なおかつ蠍を思わせるように長いロングヘアーが特徴的。
所見;ラスラーの、誰かを羨ましく想ったり独占したくなる『嫉妬』の感情と、『Sスコーピオン』メモリが合成する事によって生まれたモンスター。環境支配者メントアセスのように天候を操る力を持ち、蠍の毒を用いた攻撃を得意とする。By;文化者エージェント・ナッノ

ユシーモンスターNo.59
○親衛軍指揮官コブラ・ラスラー
所属区分;溶解使徒ホムラの部下
使用メモリ;『Cコブラ』
使用素材;スパイダー・ラスラーの『自信』
特徴;蜘蛛の巣が描かれた黒いドレスを着た、少し控えめながらも妖艶さを表す胸が特徴のラスラー。その髪は黒い蛇であり、蛇は意思を持っている。
所見;ラスラーの、自分こそが相手を思っているという『自信』の感情と、『Cコブラ』メモリが合成する事によって生まれたモンスター。環境征服者ロクジョウのように剣の腕と天候を操れないが、自分の髪を蛇のようにして自在に操れる。By;文化者エージェント・ナッノ

ユシーモンスターNo.60
○親衛隊長スパイダー・ラスラー
所属区分;溶解使徒ホムラの副官
特徴;頭は人間に蜘蛛の眼、腕が六本あるという阿修羅のような姿をしている。背中には6本の剣を持った軍人の恰好。
所見;手に持っている剣、人間の頭はテレパシーや人間の身体を雑巾のようにねじ曲げる程強力なサイコキネシスやタイムトラベルなどの超能力を操り、蜘蛛の力で蜘蛛を操ったり蜘蛛の糸と毒の息を吐く。弱点はコーヒーで酔っぱらってしまう事。By;文化者エージェント・ナッノ
所見2;正体は、『ifの世界』というパラレルワールドでの環境征服者ロクジョウの一人娘。母親亡き後はある悪の傭兵育成学校に引き取られるが、そこでの鬼教官からのしごきや彼が失敗した連帯責任で懲罰を受けた事を逆恨みした仲間からのリンチを耐えかねて銃乱射事件を起こし、教官や仲間を皆殺しにして逃げていたのを溶解使徒ホムラに拾われて彼女の親衛隊隊長となる。表向きは文明者エージェントパンクに絶対服従しているようだが、彼の真の目的はエージェントパンクに下剋上を起こしてエージェントパンクを亡き者にし、ホムラを正妻とし、地球上の女性達を超乳性奴隷に、男性を殺し合いという観賞用の家畜にして地球を蜘蛛の惑星にしようと企てている。By;溶解使徒ホムラ

ユシーモンスターNo.61
○溶解使徒ホムラ/超乳戦士アルティメット・カーディナル
所属区分;溶解の使徒
外見(溶解使徒ホムラ);真っ赤な炎のようなツインテール、赤い女王様風のローブを着た130cmと凄く小柄な子ではあるが、上から目線な眼つきと手に持った錫杖を持っている。
外見(アルティメット・カーディナル);垂れもせずに膨れている、欧米人に良く見られるむちむちとした乳腺質型のKカップ。かじりつきたくなるようなボディライン、それを高貴な赤い礼服が包む。その上から濃い藍色のスーツジャケットを羽織っている。左手には6発式の黒の回転式拳銃(リボルバー)を持っている。
使用者;国防省大臣の孫、人形坂炎(にんぎょうざかほむら)
使用メモリ;『W(ウォーター)』、『O(オウスイ)』
所見;『液体』、『気体』、『固体』の3つのタイプに成れる事が出来る水のメモリを使いこなす幹部。溶解の幹部として様々な作戦を行いつつ、ネームネームの女王としてなる準備をしていた。アップグレードメモリの力を借りて、超乳戦士アルティメット・カーディナルとなる。アルティメット・カーディナルに変わるとあらゆる物を溶かす王水の力を使いこなす。銃による王水の銃弾攻撃と、王水を纏った守護領域の自動バリアを持っている。By;文化者エージェント・ナッノ
所見2;国防省大臣の孫の人形坂炎は国を守るためにと、親から感情をコントロールするように教育され、結果として自分の感情を他人に分からなくする処世術を身につけるも、自身の感情が分からなくなってしまう。その後、誘拐されてネームネームの洗脳により、自身の感情を女王様気質に変えられて、本当にしたかった本心は誰にも分からなくなってしまうほど溶解されたのだった。By;文化者エージェント・ナッノ
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次回予告!
どうもナッノ博士だ。遂に最終局面なんだね。
殺されたニュウ・ギガグリーン。迫りくるエージェント・パンク。
全ての憂いと揺れをぶつけ、勝つのはどっちだ?
次回、超乳戦隊ニュウ・ギガレンジャー、第6パイ!
「世界をかけた究極決戦! 胸躍る最終局面!」

「そして、さよならだ。ギガレンジャー」By;ナッノ博士