ぼーにゅう部 フしぎな言葉

帝国城摂政 作
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 ぼーにゅう部所属の魔術師、蝙蝠坂瑠璃(こうもりざかるり)。
 彼女は強大な魔力を持って、様々な魔術を使う事が出来る才能の持ち主ではあり、その筋では有名な魔術師である。そして彼女に心酔する者も数人居る。
 これはそのうちの1人……梟木瀬良(ふくろうぎせら)のお話。
 そして小鳥遊結良(たかなしゆうら)と言う1人の少女の不運なお話である。

 小鳥遊結良はモデル張りのスタイルを誇る、私立〇□高校の1年生である。
 性格は子供じみた被虐趣味とプライドの高い、おおよそ人として尊敬できる性格ではなく、その身体は自身のわがままの自己主張の高さと比例するかのように身長は178cmとかなり高く、その上バストサイズもEカップとかなり大きい。
 そんな彼女の趣味……いや、悪趣味な弱い者いじめ、とりわけ自分よりも小さい者に対してである。

 幼稚園児の頃からアリやバッタなどの虫を水で溺れさせる事を趣味としており、自分よりも小さなものに対して攻撃的な態度を取り続けた彼女。まぁ、それが今回のような事件を起こしたのだが。


第捕話「フしぎな言葉」

 今日も今日とて、小鳥遊結良は悪趣味な趣味を行っていた。
 そのターゲットとなったのはぼーにゅう部の3人……蝙蝠坂瑠璃、黒猫沢明日夏、蜥蜴崎四里の3人である。身長は120cmと自分よりも50cm以上も低い彼女達をターゲットにバカにしていたのであった。
 具体的な名文こそ避けるものの、彼女達の自尊心を著しく削ぐものである事は確かである。

「あぁ、今日も楽しかったわぁ♪ あのチビ達をバカにするのは非常に清々しいわぁ♪」

 嬉しそうに微笑みながら、高らかに漫画で良く見られるようなお嬢様口調で笑いながら、学校の階段を降りていく結良。

「小鳥遊結良さん、ですよね?」

 そんな彼女に1人の少女が声をかける。結良が振り返るとそこには小柄な、銀髪の少女が居た。
 眼鏡をかけ、巫女服を着た彼女は腕に数珠を付けており、そして首に綺麗なチョーカーを付けていた。身長は138cmくらいと、そこまで高くもない小柄な少女。

「確かあんたは……梟木だった?」

「えぇ、吾輩は梟木瀬良と言います。あなたは小鳥遊結良さんでよろしいでしょうか?」

 淡々と、まるで僧侶のように静かに語る彼女に一瞬気圧される彼女であったが、相手は自分よりも小柄な女だと分かって強気な姿勢を取る。

「へぇ……確か、あんたの事は良く噂になってるから知ってるわよ。――――蝙蝠坂瑠璃の腰巾着、小鳥遊結良でしょ?」

「正確に言えば……従順なる、忠実たる、唯々諾々と従う召使と言うのが正しい表現です。吾輩は彼女のためならば喜んで、怒りながら、悲しみながら、楽しみながら死ぬ事を選びます。
 それが吾輩の行動理由であり、吾輩の理由なのである」

 そうやって嬉しそうに自身が敬愛する者への愛を語る梟木。

「……で、あんたはなんだ? 尊敬する蝙蝠坂瑠璃を虐めた私に復讐でもするのか? ふふっ、そんな小さな身体で――――」

「【あなたは私に着いて来て、化学室へと来る】」

「あぁ、はいはい……分かりましたよー、っと」



 そうして化学室。

「……って、私はなんでこんな女に付き合ってこんな部屋に……!?」

 気が付いた小鳥遊結良は、いつのまにか梟木と共に化学室へと辿り着いていた。……いや、"いつの間にかここまで歩いていた"と言うのが正しい表現であろう。

「どうして……こんな所に……いつの間に……」

「これこそが吾輩が従順と忠誠を誓う蝙蝠坂瑠璃様によって引き出され、吾輩の梟木の血の力――――【言の葉】の力です。吾輩の言葉にはそれだけの力がある」

 それを聞いて、結良は梟木がなんらかの催眠術を使ったのだと思った。
 謎の力を使ってここまで自分を連れて来たのだと。

「――――ふっ、たかが催眠術モドキでしょう? ならば、そこまで恐れる事もないわ! 私の方が大きいのだから」

「そうですね、【あなたは私より10cmも高いのですから】」

「そうそう……って、そこまで私は低くは――――って、あれ?」

 なんだか、さっきよりも瑠璃との差が近い。
 さっきまでは小学生高学年と大人のモデルくらいの差があると言っても過言では無かったのに、今だとそこまで気にならないくらいの……。
 ま、まさか、この梟木の力は――――。

「ひ、人の大きさを変えられるの!? そ、そんなバカなことが……」

「あぁ、そうでしたね。そんなにも大きくはなかったのかもしれませんね。吾輩の身長は確か138cmで、【あなたはは私よりも40cmも低かったのですから】」

 するとシュルシュルと私の身体が縮んでいき、化学室の机よりも低くなってしまった。

「ひ、ひぃ……こ、ここまで小さく!?」

「あらあら、随分と縮んでしまいましたね。私の脚は白人の平均値くらいの割合……46%で、63cmくらいなんだけれども。それよりも20cmは低いわね。人の脚よりも低い高校生なんて、こんなのまさしくコメディよね?」

 そう言いながらゆっくりと、いや彼女にしてはと言う表現を追加しましょう。梟木は結良の横に脚を伸ばして、長座体前屈をするかのように座っていた。

「で、デカッ!?」

「デカくはないわよ、吾輩の身長は138cmと、人間にしては小柄な方ですよ? クフフゥ……」

 梟木はそうやって、結良の方を見て笑っていた。

「も、元に戻しなさい!? 早く元に戻しなさい!」

「そうですね。チビで無価値なあなたは、吾輩の崇高なる御方に対してまだまだ反省が足りませんね。
 ……【私はあなたよりもバストサイズが2カップ大きい】」

 そう言うと梟木の胸元が大きく膨らみ始め、そのまま結良を手で掴むと彼女の胸に挟んでいた。

「……い、いやぁ!? む、むねが……胸が迫って来るぅ!?」

「当たり前でしょう? 胸のサイズって言うのはトップとアンダー、つまりは胸の上部と下部の大きさの差の話でしょう? 同じ胸のサイズでも、身長が違えば胸の大きさは激変する。人形サイズのあなたの胸より2カップ大きいくらい程度でも、あなたの小ささなら吾輩は挟めますよ?
 ほーれ、ド〇クエでいうぱふぱふ……って言う、ね」

 ぱふぱふっと、梟木は結良を挟む。

「い、いやぁー! やめ、やめてぇ〜!」

「そうね。これ以上やると吾輩、蝙蝠坂瑠璃様に怒られそうだから、元のサイズに戻してあげますかな。
 ――――蝙蝠坂瑠璃様にもう逆らわないように」

 結良は既に限界だった。具体的に言えば精神の、心の限界であった。
 元に戻すと言われれば、もうなにも文句はなかった。

「は、はい! 私はもう二度と黒猫坂なんかに手を出したりしません! それだけは確かです! そう、確かなのです!」

「黒猫坂……なんか……?」

 ぷつん、と梟木のなにかが切れる音がした。
 まずいと思った時には、もう遅かったと言う。




 確かに結良は元のサイズに戻れた。多少、胸のサイズをAカップくらいにされたのだが、そんなのは人形サイズから人間サイズに戻れたのだから、些細な問題であろう。

「うふふっ……」

 梟木は地球を、掌の上に乗せて笑みを浮かべていた。

「小鳥遊結良さん、どう? 【西遊記のように仏に弄ばれる悟空】の気分を体感した気分は?」

 そう言いながら、月を胸元にしまいながら梟木は笑っていた。惑星サイズの胸をたゆんたゆんと揺らしながら、梟木は楽しんでいた。

「ふふっ、梟は小鳥を食べるのですよ? 小鳥遊さん?」

 ――――その後、結良は小動物、小さいものを虐める事は無くなったと言う話である。