《前回なんて……誰も覚えてない》
メガイジン第1弾のペガサスKと戦う事となり、雨堂優。苦戦しつつも、『エレナ』という新しいメモリの力で変身した新しいギガエンプレスの力によって、見事撃退に成功する。
一方、ギガロードとギガレジェンドの2人はメガイジン第2,3弾――――ヴァンパイアJとヴァンパイアMの2人によってその場で倒されていた。
「黒いゴシックドレスは殺人鬼の道! ヴァンパイアJ!」
「白いゴシックドレスはスパイの道! ヴァンパイアM!」
「「メガイジンの仲良しコンビ、皆をぶち殺す! そう――――"2人はドラキュラ"ぁ!」」
バシッと、カッコいいポーズを決める2人。ど〜んという音と共に爆発が起こったヴァンパイアの2人は「「イッェ〜イ!」」と、嬉しそうに手を叩いていた。
「お母さん、今のは決まったよね! そうだよね!」
「そうね、Jちゃん。まぁ、私達のこの決めポーズが決まらないのは当然よね。うふふっ……」
2人が意気揚々と言っているが、その下で転がっている2人は別だった。
ギガロードとギガレジェンド――――黒山渚と白雪このは。2人は学園でいつものように勉強をしていたのだが、その際にゾッとする気配を感じた。蛇のような髪を持つその女はメンドゥーサGと名乗り、2人を呼びつけていた。そしてメンドゥーサGは普通に"倒した"のだが、彼女が残した2人のメガイジン――――ヴァンパイアJとヴァンパイアMに苦戦を強いられていた。
2人は痛みをおして、立ち上がると攻撃を仕掛ける。
「ロード・ジャベリン!」
ぶるん、とおっぱいを大きく揺らしながらギガロードはその手に持つ黒い剣を振るう。剣を振るうと同時に、剣の軌跡と共に魔力が形となって追従する。ただでさえ強力な剣の攻撃は、魔力によってさらに強力となっている。当たれば一撃必殺のその攻撃だが、剣はヴァンパイアJの身体は"するりと通過する"。
「……ッ! またですか!」
「ふふぅ、来ないならこちらから行くよ? ふぅー……」
と、ヴァンパイアJの背中の煙突から黒い煙がモクモクと上がる。煙はヴァンパイアJの身体を包み込むと、彼女の身体がうっすらと見えるように、煙の中に消えていく。そしてその煙は意思を持つかのごとく、ギガロードの周りを包み込む。
「またっ!」
ギガロードが剣で煙を斬るも、それは煙。剣で斬れるはずもなく、ただギガロードの周りを覆っている。
『ジャックジャックジャック……我が名はヴァンパイアJ。基となったのは霧の中の殺人鬼ことジャック・ザ・リッパー。私は霧と同化出来る霧人間。斬りにあなたの技は通用しない。
――――そして、ヴァンパイアでもある私はこんな事も出来るよ? ジャック・ザ・ブラッティ!』
黒い煙の中に赤い閃光が輝くと同時に、ギガロードは身体全体を魔力で覆う。直後、煙から赤いナイフが現れてギガロードを斬る。その攻撃はどこから来るか分からない、なにせ相手は霧の中から斬って来るのだから。魔力で防いではいても、全体を覆うように張られた魔力の膜では相手を鋭く穿つ殺人鬼ジャック・ザ・リッパーを彷彿とさせるナイフ捌きには敵わない。すぐにもっとも薄い場所がナイフで破かれ、ギガロードの身体はナイフによって刻まれる。刻まれて血が出ると同時に、その血はナイフに吸収されてさらに大きなものへと変えていた。
「一旦距離を離さないと……!」
そう思ったギガロードは魔力を自由自在に操り、魔力を逆噴射して煙を吹き飛ばす。吹き飛ばされた煙は徐々に元の、ゴシックドレスながらJカップとたゆんと揺れる自己主張の激しい胸を持つ幼い少女の姿へと変わる。その手には血で出来た赤いナイフが握られており、彼女の腕に付いた血をナイフで拭うとむきゅっとナイフが大きくなる。
「――――じわじわと、お母さんのために殺してあげるよ。魔王のお姉ちゃん」
一方、ギガレジェンドの方も苦戦していた。
「くっ……!」
「さぁ、どんどん攻撃してくださいなぁ。――――もっ・と・も、その正義感で私の軍隊を攻撃出来ればの話ですがね?」
クフフゥと、ヴァンパイアMは不敵な笑みを浮かべる。彼女の指示の下、虚ろな目をした人達が一直線にギガレジェンドの方へと向かって来る。彼らはヴァンパイアMによって操られた一般人、その中にはギガレジェンドが通う学校の生徒も居た。
「くふふぅ、まぁ正義の味方気取りならこの作戦が一番利くと思いましたがザッツ・ライト……まさにその堕りでしたなぁ。このヴァンパイアMの能力……それは相手の血を吸い取って自身の配下とする能力。蚊ほどの血さえ吸えば、私はその人間を操る事が出来る!
私の軍隊に手を出せない正義の味方。くふふぅ、溜まらないなぁ」
顔を嬉しそうに赤らめるヴァンパイアM。その命令に従い、攻撃する一般人達。ギガレジェンドがなんとかそれでも突破口を開こうと剣を構えたその瞬間、ヴァンパイアMは胸元から短刀を取り出して、それをひょいっと投げてギガレジェンドの手から剣を離させる。
「ふふっ、ダ・メ・よ。正義の味方は正義も味方でいなきゃ? それとも自殺願望でもあるのかしら?
彼らの身体は私の血液操作能力によって血が通常よりも多く溜まり今、彼らは血の爆弾のようなもの。ちょっとしたキズでも、あなたにかかるほどの血しぶきは出せるし、そうなったら血を操れる私の勝ちよ。
――――さぁ、前進しなさい! 家畜どもぉ!」
吸血鬼の女王たる再度の指示。それによってギガレジェンドは困惑しつつも、手が出せなかった。狼狽えながら逃げているが、ヴァンパイアMはその時折にナイフや拳銃などで隙を見つけては傷を与えていた。
そのようにして徐々に追い詰められていくギガロードとギガレジェンドの2人。対して追い詰めていヴァンパイアJとMの2人はさらに調子に乗っていた。
「お母さん、あいつら弱いねぇ。もうやっちゃおうか!」
「そうねぇ、そろそろ止めをさしちゃおうか! Jちゃん!」
パチンと、指を鳴らすと共にヴァンパイアMの支配下にあった一般人達がどいて、ギガロードとギガレジェンドの2人の前に道が出来る。そしてヴァンパイアJの背中の煙突から煙が出て、2人の姿を覆っていた。姿を覆うと共に、煙の中から大きな砲身が現れる。
「この砲台から出るジャック砲! これで倒します!」
「そうよ、マタね砲! この砲台でぶっ倒しましょうか!」
どやぁと、煙の中から聞こえてくる声。「いやぁ、ジャック砲だよ! お母さん!」「マタね砲に決まってるよね、スパイの常識スパイの常識!」と言い争う声が聞こえてくる。さっきまで仲良く言ってたのに、彼女達は言い争っている。
「えぇい、とりあえずジャック砲、マタね砲の順番に放って行きましょう! ねっ、お母さん!」
「そうね、じゃあ――――ジャック砲、発射ぁぁぁぁ!」
ヤバい、という言葉と共にギガロードとギガレジェンドの2人は砲身の直線状から離れる。離れると、砲身から光線が出て、ギガロードとギガレジェンドの横を通過する。そして当たった場所からは血がどばぁっと出て、当たった場所を死の地域へと変えていた。
「外れたみたいだよ、お母さん」
「そうみたいね、それなら次のマタね砲でフィニッシュよ!」
そう言って彼彼女達は再びさっきのを放つために最充填を初め、煙はいくつも分かれる。そして2人を逃がさないように覆っていた。
「くっ……!」
「ここまで、ですか……」
2人が諦めかけていたその時だった。
急に、2人めがけて何かが2つ、光を纏って空から降って来た。そしてその2つの光は、煙の、その中のヴァンパイアJとMに的確にぶつかる。ヴァンパイアJは転がりながら煙から出て来て、ヴァンパイアMは手で防ぎながらではあるが煙の外へと出される。
「きゃあ!」
「……くっ、何者!」
光はヴァンパイアJとMの2人を退けると、ギガロードとギガレジェンドの前にて止まる。2人がゆっくりと手を伸ばすと、それは2本のメモリへと変わる。
「これはバイクの絵が描かれてるメモリ?」
ギガロードの手には銀色のメモリで、バイクの模様が描かれていた。そして頭文字を象徴するように、『A』の文字が刻まれていた。
「こっちは馬、でしょうか?」
ギガレジェンドの手にあるのは白色のメモリで、馬の模様が描かれていた。頭文字として『S』の文字が刻まれていた。
2人はそのメモリを手に取る。すると、自然とそのメモリの使い方が理解できた。
「なにかよく分かりませんが……」
「使って見なくちゃね!」
そう言って2人はメモリのボタンを押して、自分の使っているメモリへと追加で挿し込む。
『アクセル!』『セキトバ!』
「闇駆ける銀車! 超絶プラス大変身!」
「光差す名馬! 超越プラス大変身!」
すると、彼女達2人の身体からそれぞれ別の物が出てくる。
ギガロードの身体からは銀色のバイク、悪魔の装飾が施されたそのバイクは空中で分解される。そしてタイヤはそれぞれの靴、エンジンと排気口は背中に。そして胸元はライダースーツを思わせる黒いぴちぴちのスーツへと変わり、揺れる事は少なくなった代わりにエロ差が増していた。
ギガレジェンドから現れたのは光を纏った大きな馬。その馬はゆっくりと頭を垂れると、幽霊のようにギガレジェンドの身体の中へと入ると、彼女の足がさっきの赤い馬へと変わり、彼女の身体がケンタロウスに変わっていた。そして彼女の胸がどんどん大きくなって、白いワンピースの胸元のボタンを弾き飛ばして胸の谷間が見えていた。
「姿が変わったくらいじゃ、私は倒せませんよ! もう一度、煙の中から倒します!」
ヴァンパイアJはそう言って煙突から煙を出して身に纏い、姿が変わったギガロードへと再び特攻する。しかし、ギガロードは背中の排気口を向けるとそこから大量の蒸気が煙を吹き飛ばす。
「……っ! 私の身体がぁ!」
「身体さえ見れればこっちの物です!」
ギガロードはそう言って、靴のタイヤを高速で回転させてそのままぶつかる。ぶつかると共に、彼女の身体全体が真っ赤に燃え上がっていた。
「奥儀、第六天魔王おっぱいプレス!」
「む、むぐぅ……!」
そしておっぱいに押し潰されたヴァンパイアJはそのまま炎の中で燃えて爆発する。
「Jちゃん! くっ……配下達、皆でつっ・こ・むのよ!」
ヴァンパイアMは配下に命令するが、操られた一般人達は動かない。自身の洗脳が熔けていないのに関わらず、動かない配下達に再度命令するがまたしても動かない。
「ど、どうして!」
「無駄よ、ヴァンパイアM」
と、ギガレジェンドは馬の足を優雅に動かしながらヴァンパイアMの前に現れる。
「私の新たに得た力は赤兎馬。勇猛果敢に戦う、とある将軍の馬をモチーフにしたこの馬と融合した今の私は、一般人を威圧して動きを止めさせることも出来る。これであなたの厄介さの、一般人を盾にする戦術は意味を持たないわ! 今度はこっちから行くわ!」
ギガレジェンドは両手に持った色違いの長刀を構えたまま、馬の俊足でヴァンパイアMへと向かって行く。ヴァンパイアMは舌打ちしつつ、「スパイを舐めないで欲しいわ」と赤黒い、血で作った色合いの様々な武器を構えて迎え撃っていた。
「――――ヴァンパイアスパイ100道具!」
「人馬の長刀斬り!」
ヴァンパイアMは全身の血で作った武器を放ち、ギガレジェンドは俊足で駆けて長刀で斬る。
一瞬の静寂の後、ギガレジェンドの服がバンッと弾け飛ぶ。弾け飛ぶと同時に、服によってぎりぎり支えられていた胸がたゆんと揺れる。それと同時に露わになった胸から白い母乳がちょろちょろと出ていた。その後、その後ろに居たヴァンパイアMの身体が切り傷と共に赤い血が出てそのまま倒れる。
こうして、ヴァンパイアズを倒したギガロードとギガレジェンドの2人。2人はそのまま『アクセル』と『セキトバ』のメモリを取り出す2人。
メモリがどうしてここに来たのかは分からなかったが、それでもこのメモリが誰の手で作られたのかは分かっていた。だからこそ、彼女に感謝の言葉を自然と出していた。
「「ありがとう、ナッノ博士」」
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メガイジンシリーズ第2弾;ヴァンパイアJ
神話モチーフ;中国神話系統吸血鬼種
偉人モチーフ;ジャック・ザ・リッパー
位;シリアスキラー/殺す者
身長;142cm
バストサイズ;90cm
バストカップ;Jカップ
外見;黒い長袖のゴシックドレスを着た小柄な少女。背中からは黒い煙突が出ており、両手に血で出来たナイフを持つ。
説明;メンドゥーサGが《吸血鬼》と《ジャック・ザ・リッパー》の2つをモチーフにした作ったメガイジンシリーズの1体。ヴァンパイアMを母と慕うか弱い童子に見えるが、母親以外を全員殺すという冷酷な一面をも併せ持つ殺人鬼。背中の煙突から出す煙と、吸血鬼の《霧状へと変質する能力》を合わせて、自身の身体を煙のようにして戦う暗殺者。
メガイジンシリーズ第3弾;ヴァンパイアM
神話モチーフ;ヘブライ神話系統吸血鬼種
偉人モチーフ;マタ・ハリ
位;スパイ/調べる者
身長;182cm
バストサイズ;114cm
バストカップ;Lカップ
外見;白い半袖のゴシックドレスを着た長身女性。半袖というか、上半身と下半身の大事な所しか隠していない服装であり、たゆゆんっと揺れる豊かな胸と母性を感じさせる雰囲気。太陽を思わせるタトゥーを全身に描かれており、そして背中にはリュックを背負う。
説明;メンドゥーサGが《吸血鬼》と《マタ・ハリ》の2つをモチーフにして作ったメガイジンシリーズの1体。ヴァンパイアJを娘として愛する一方、ギガレジェンドを徹底的に追い詰めた。血を吸った相手の身体を洗脳、また自分の血を武器へと錬成できるが、一番厄介なのはスパイとして的確に相手の隙を狙っているという点である。
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