電乳戦士サイバープリキュア 第8話「カナエを救いタマエ! 必殺のフレンズ・ブレーカー!」

帝国城摂政 作
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 前回までのあらすじ!
 新しい《カナエ》の力を用いてキュアスマートVer2.0へと変身してジシャクボクサーロボ02を倒したプリキュア一行。アイテムのまま元の姿へと戻れなかったカナエ、それを戻す手がかりとしてイスカはジシャクボクサーロボの残骸から仮面を見つけたのだった。


「この仮面を見てっ! 見て見て!」

 と、ジシャクボクサーロボの残骸の中から仮面を見つけ出したイスカ。それをナノピコがしっかりと見ていた。

「これは、チュンドラの使う仮面に似ていますなの。
 もしかしてカナエさんが元に戻らないのは、チュンドラのマチガウイルスのデータの中にあるかもなの……」

「……っ! つまりはその仮面に、カナエが元に戻るためのデータが?!」

 タマエはそう言って仮面を壊そうとするも、仮面は一切壊れる気配はない。

「あれ?! なんで壊れんのや?!」

「生徒会長として、説明を要求します!」

 仮面が壊れない事に対して、ミズホとスバルの2人がキョトンとしていた。イスカも「壊れたらカナエちゃん戻ると思ったのに〜」と言葉を発していたが、ナノピコは「おそらく……」と自分の考えを口にする。

「多分、この仮面は情報収集専用の仮面だと思われるなの。ウメタリアのジシャクボクサーロボではなく、この仮面と対となっているチュンドラのマチガウイルスを倒せば元に戻るかと思うなの」

 ナノピコは仮面を調べて行き、それが正しいと判断する。
 どうやらアイテム化してしまったカナエを元に戻すためには、チュンドラのマチガウイルスを倒さないとならないみたいである。

「よっ、よしっ! 次はチュンドラを探して、カナエちゃんを元に戻しましょうっ!
 ――――ところで、クラスタちゃんはどこに?」

 いつの間にかクラスタが消えていたのを見て、彼女達はキョトンと頭を悩ませていた。

 
第8話《カナエを救いタマエ! 必殺のフレンズ・ブレーカー!》


「まさか、そちらから来るとは思っては見なかったでし〜。江ノ島クラスタ」

「私も会いたくはなかった、です。チュンドラ」

 奥の人工島にて、江ノ島クラスタとチュンドラの2人は向かい合っていた。クラスタは既にキュアワクチンへと変身しており、チュンドラの周辺にはマチガウイルスの影響なのか電脳化が進んでいた。

「ウメタリアのジシャクボクサーロボにあった、黒い仮面。
 あれはウメタリアにこっそり協力するつもりで、用意してた、です?」

「そうだし〜、その過程でこうしてカナエのデータを得て、戦う感じが出来て嬉しいでし〜。本来であれば、ナノピコでもデータとして収集して人質にしようと思っていたでしが、結果オーライでし〜。
 ――――今日が、キュアワクチン。お前の命日となるでし〜」

 チュンドラがそう言うと共に、懐から取り出したのは墓石だった。墓石には【プリキュア之墓】という文字が刻まれていた。


「墓石よっ! マチガウイルスの力によって、新たな姿へと書き変われっ!」


 チュンドラが叫ぶと共に、墓石が真っ白い煙に包まれる。白い煙の中からのっそりと現れたのは、墓石の身体を持つティラノサウルス。黒い仮面をつけたティラノサウルスは、全体が墓石で出来ているためか重厚そうな印象が見える。

「完成、ハカイシティラノでし〜。このモンスターを倒さない限り、カナエとやらは元に戻らないでし〜よ?」

『墓石の下にシズメ〜ルティラ!』

 ハカイシティラノはグォォという大きな声をあげて、キュアワクチンの方に迫って来る。キュアワクチンは溜め息を吐きながらも、背中から大きな注射器を取って構えていた。

「――――仕方ありません、です。カナエさんはどうでも良いですが、ヌルリスを倒すことが私の使命、ですので」



『右パンチだティラー!』

 ハカイシティラノはがっちりとした墓石の手を振りかぶると、キュアワクチンは後ろへと飛び下がる。その際に彼女は大きめの胸元から、薬品のビーカーのようなモノを取り出す。
 ポイッと投げてハカイシティラノにぶつけると、彼の石の身体の一部が爆発して破損する。しかし、墓石から出た怨念のようなモノがハカイシティラノの身体を元に戻していた。

「ふふっ、ハカイシティラノは怨念がある限りいくらでも蘇るでし〜。
 キュアワクチンの破壊力程度では、ハカイシティラノを倒す事は出来ないでし〜よ?」

「その通りみたい、ですね」

 キュアワクチンは胸元に薬品の入れた瓶を入れると、大きな胸を揺らしながら薬品瓶を揺らしていた。そのことに対してキュアワクチンは、少々顔を赤らめていた。

「……////// 何故、このような方法でしか混ざらないんだか……理解不能、です//////」

「アタシとしては眼福でし〜がね」
『その通りティラーノ!』

「うっ、うるさい、です!」

 闘いはさらに激化して行くが、キュアワクチンの攻撃によってハカイシティラノは完全には破壊できずにいた。
 段々と激しさは増して行くが、徐々にハカイシティラノの方が押して行く。それはハカイシティラノを破壊できないのに対して、キュアワクチンはダメージを回復出来ないからである。

「くっ……!」

『止めだったりティラ〜!』

 ハカイシティラノが無防備なキュアワクチンに対して、その石造の手を腕を振るう。
 硬そうな腕が彼女の柔肌にぶつかろうとしたその瞬間、


「アイギス・シールドっ!」


 キュアワクチンにぶつかる前に、大きな盾が現れる。大きな盾はハカイシティラノの拳を弾き飛ばし、

「スパークル・ウェーブっ!」

 キュアスパークルが泡を使って波を生み出し、それによって地面を滑るようにしてキュアワクチンを回収していた。


「私と、カナエの2人の力を今、見せる! 2人の夢よっ、相手を倒す夢を叶えたまえ!
 ――――プリキュア! ドリーミング・エンド!」


 離れた瞬間、キュアスマートVer2がバズーカを構えて、大きな光がハカイシティラノに向かって放たれていた。バズーカから放たれた大きな光はハカイシティラノの身体を半壊させていたが、すぐさま怨念によって復活していった。
 けれども、それよりもキュアワクチンは他のプリキュア達がここに居るのを驚いていた。

「……っ!? な、なぜ、あなた達がここに居る、です?!」

「なんで、じゃないよぉ〜!」

 と、来たことに対してどうしてなのかと聞こうとするキュアワクチンに対し、キュアフレンズがむぅ〜と少し怒り交じりで頬を膨らませながら言っていた。

「……?! びっ、びっくりしました、です」

「いっつもクールに、素っ気ない感じで居るのにこういう時ばっかり自分1人で解決しようとしてっ!
 もうっ、クラスタちゃんはもっと人に頼ってよっ! 私達、仲間でしょ!」

 キュアフレンズが頬を赤らめながら怒っており、他の皆も頷いていた。
 キュアワクチンはと言うと、明らかに自分が不利っぽい状況になっているのは理解したので、顔を下に向けながら「……ごめんなさい、です」と小さな声でそう言っていた。


「謝れば、それでよしっ! では、あのハカイシティラノを倒す方法を考えますですよぉ!」

「ウチが思うに、今よりも強力な一撃を与えれば良いと思うんやけど……。キュアワクチンの破壊力でもダメやとなると……」

「生徒会長として、どうするべきかを思案すべきだと思いますが……有効打が思いつきませんね……」

「カナエを助けるため、あのデカブツをどう倒すべきか……」

 皆が頭を悩ませる。その際、考え込むために腕を組んだために胸が大きく強調されていた。
 そんな中、ナノピコとキュアワクチンはお互いににらみを利かせていた。ナノピコが目をキラキラさせていて、キュアワクチンは余計な事を言わせないように警告しているようだった。
 そんな2人の様子に気付いたのは、キュアフレンズだった。

「ナノピコちゃんっ! もしかしてだけど、良い考えがあるの?」

「ナノピコっ! 絶対言っては「姫様っ! 姫様の力を"プリキュアの皆"に使えばこの状況を打破出来るなのっ!」

 言っちゃった……とばかりに、がっくりとキュアワクチンは頭を下げる。


「姫様の力で、皆さんの力を一つにするなのっ!」




「むむっ、居なくなったでし〜よね」

 と、プリキュア達を見失ったチュンドラは姿が見えなくなったことに対してそんな物かと納得すると、ハカイシティラノに向き合っていた。

「ハカイシティラノ、第2形態を発動するでし〜」

『了解ティラぁ〜!』

 チュンドラの叫びと共に、ハカイシティラノの仮面が裏返る。裏返ると共にハカイシティラノの姿が変わっていく。巨大な墓石へと変貌を遂げると、その周囲に怨念の恐竜が渦巻いていた。

「怨念の恐竜達よ、この空間を電子化するでし〜。
 アタシのハカイシティラノ第2形態なら、プリキュアがどんな攻撃だろうと喰らいませんでし〜し」


「「「「そこまでですよ、チュンドラ!」」」」「……そこまで、ですよ……と、がっかりしています、です」


 怨念渦巻く巨大墓石となったハカイシティラノの前に勢揃いする5人のプリキュア。それを見てチュンドラは「5人揃おうが関係ないでし〜」と答えていた。

「ハカイシティラノ〜。あの5人をやっつけるでし〜」

『了解ティラ〜!』

 巨大墓石から大量の怨念恐竜が飛び出て、5人のプリキュアに向かって行く。キュアワクチンは「あまり使用したくはない、ですが……」と言うと、背中からドギツイ桃色の液体が入った注射器を取り出していた。


「これだけは使いたくなかったのにぃ、です!
 "合体ワクチンウイルス注射器"、発動ですぅ!」

 キュアワクチンが注射器の中身を押し出すと共に、ドギツイ桃色の液体が5人のプリキュア全員を包み込む。包み込むと共に、5人の身体が桃色の液体にドロッと溶けて行く。
 桃色の液体に5人の身体が溶けると共に、それは溶け合って1つの巨大な人間に再構成して行く。

 桃色の液体が融合して生まれた人間は、10mはあろうかという巨大な女の姿をしていた。
 胸は5mはあろうかというばかりの、身体の大きさからしてもとても大きく、服なんてないにもかかわらず桃色の身体の彼女の身体はイヤらしいと言うよりも、神々しさを感じる美しさがあった。
 そして身体の各箇所には5人の特徴があった。右手には注射器が取り付けられており、胸の大きな谷間の中からは可愛らしい犬がこちらを見ており、髪は泡のようにシュワシュワと弾けていた。左手には盾、そして背中からは大量の銃が前を向いていた。

『完成っ! プリキュア・サイバー!』

 女神のような美しさを誇る彼女、それが5人のプリキュアの合体した【プリキュア・サイバー】という姿であった。


『いっくよぉ〜! フレンズ・ブレーカー!』

 プリキュア・サイバーの大きく揺れ動く谷間、それから出た大きな白い液体。
 胸から出ただけあって、それはまさしく母乳のようであった。その母乳には乳濁色の、沢山の動物達が混ざっており、混ざった動物達はハカイシティラノの巨大墓石と怨念恐竜を包み込み、そして大きな球体となって、弾ける。
 弾けると共に、ハカイシティラノがそのまま消えていく。


「複数のファイルを1つのファイルに圧縮、その上で画像ファイルを巨大化したみたいな感じでし〜?
 ……クラスタちゃん、そこまで強い力を手に入れちゃったでしか」

 溜め息を吐きながら、チュンドラは消えていく。


『私達の、だいしょうりぃ生徒会長敵にも大勝利ですねちょっ……どこ触ってウチの中に皆が居るって不思議な感覚やわぁでもこれでカナエも』

 少々混ざった感じの喋りではあったが、ハカイシティラノを倒したプリキュアの5人。
 果たして、カナエは元に戻るのか?



「みなさん、ありがとありがと」

 そう言って、チュンドラの黒い仮面を破壊した結果として仮面が取り込んだデータが飛び出した。それによって、諫早カナエのアイテム化は完全に解除されて、諫早カナエは元に戻っていた。

「えっと……カナエ?」

「何? お姉ちゃんお姉ちゃん?」


「カナエよ……どうして、"妖精化"してるんだ?」


 そう、カナエは元に戻った。ただし、"電子妖精として"。

「良いの良いの。これでお姉ちゃんの力になれるし、それにクラスタちゃんとも仲良く仲良く」

 電子妖精となったカナエは、そのままクラスタの周りを自由自在に回り始める。

「……ナノピコ、電子妖精の先輩として指導お願い」

「せっ、先輩!? りょ、了解なのっ! さっ、こちらに来るなのよぉ〜、カナエちゃん!」

 そう言ってナノピコはカナエという新生の電子妖精を連れて、奥へと向かって行く。


「……一緒になるのって、やっぱり嫌な感覚だった、です。もう二度とあの技は使わないように――――」

 そろーりと、そんな事を言いながら帰ろうとするクラスタ。
 それに対してイスカとミズホの2人は

「ねっ、もう一度! あの、すごーい感覚をもーーーーっと共有したいよぉ!」
「う、ウチも! あれ、身体があったかくて、良い感覚やったし!」

 と、お互いの胸でクラスタの腕を挟み込んで抱きついて来るのに対して、クラスタは暑苦しいと顔をしからめるのであった。


【次回予告っ!】
「クラスタはん! 今度ウチ、テレビのオーディションに出るんや!」
「……へぇー、それは凄い、ですねー」
「だからねっ! 私も一緒に付き添うのっ! すっごーいでしょっ?!」
「……イスカさんも頑張れー、です〜(棒」

 次回、サイバープリキュア!
【皆でオーディション! ドラマクイーンは誰だ?!】

「「と言う訳で、プリキュアの皆が出るよぉ〜!」」
「意味が分かりません、です……」