電乳戦士サイバープリキュア 第14話「砂時計をぶち壊せ」

帝国城摂政 作
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《前回までの、ビビッと来るあらすじ!》
 サイバープリキュアの5人は度重なる《ヌルリス》への撃退によって、自信を持っていた。
 そんな自信満々のプリキュア達の前に現れたのは、《ヌルリス》新幹部にして江ノ島クラスタの妹、その名も江ノ島アトリ!
 「世界の、完璧なる支配者」のキュアメモリへとビビッと変身したアトリは、プリキュア達を圧倒。そして『砂時計』の力によって江ノ島クラスタを自分の身体に取り込んだ。
 ――――そして、そんな新幹部のアトリは、《ヌルリス》の隠れ家にやって来ていた。



 《ヌルリス》の幹部であるチュンドラとウメタリアは、正直どう扱って良いか迷っていた。
 アトリの力は確かに強い、プリキュア達の手助けになる。しかしそれでもアトリの顔が、プリキュアの1人である江ノ島クラスタの顔にそっくりなのである。
 江ノ島クラスタに散々自分の作ったマチガウイルスの怪物を倒されてきた2人にとって、これを受け入れるのはなかなかキツいものがあった。
 その上、アトリから"あんな事"を提案された2人にとっては、受け入れがたいことだった。

「……さてさて、この提案はビビッと来るでしょ?」

 アトリが笑顔でそう言うと、ウメタリアは「う〜むっ」と考え込んでいた。

「確かに、そなたのいう事は吾輩、理解したのであ〜る。
 しかし、吾輩としてはそなたの顔が、あのにっくきキュアワクチンを思い返す事はどうにもこうにも……」

「……別に、良いんじゃないかでし〜? ウメタリア」

 一方のチュンドラはと言うと、気だるそうにその提案を受け入れていた。

「アタシは賛成だし〜、サエスディの抜けた穴も彼女クラスの実力があれば容易に埋まるし〜。
 それに今、アタシが作っているマチガウイルスのは、彼女の作戦もきっちりと実行できるし、後はウメタリアだけの問題だし〜」

「……う、うむっ。仕方ない、というより乗るべきだろう。
 覚悟を決めた! よしっ、吾輩も参加しようではないか! おぬしの案に!」

 2人の了承を得られたことに、アトリは満面の笑みで頷く。

「ありがとうございます、お二人とも。これで《ヌルリス》は、ビビッとくる第二ステージに進む事が出来るでしょう。
 その前に、私はプリキュアを倒しましょうじゃないですか。ビビッとくる、最高のステージをご用意いたしましょうじゃないですか」

 ――――今、ここに《ヌルリス》のさらなる惨劇の舞台が、幕を上げた。


第14話《砂時計をぶち壊せ》

 そこは陸続きの、人工の小島。そう、サイバープリキュア達が住む小島である。
 その中でも超巨大なビル群たちの中心に、その超巨大物体はあった。

 一言で、その物体を現すとすれば――――黒い、グランドピアノ。
 50m級の超高層ビル群が並ぶその場所でも、一歩も退かないくらい巨大なグランドピアノ。そのピアノから何十本もの、黒く変色したタコの脚が出ていた。
 タコの脚たちからは大量の砂がぶっしゃああああああと放出し、ビル達を崩壊させる。砂の力によって崩壊したビル達はデータに変換されて、グランドピアノダコの元へ集まって来ていた。

 そんなグランドピアノの怪物の下で、キュアメモリ・モード『砂時計』へと変身している江ノ島アトリは、上機嫌で笑みを浮かべていた。

「良いよ、良いよっ! ビビッと来るねぇ〜! やっぱりウメタリアさんから借りた、グランドピアノから変異したマチガウイルスの怪物――――ピアノダコメカのおかげで、策略がどんどん上手くいくねぇ!
 もっとだよ、もっとだよ、ピアノダコメカ! お前の力で、ビル群を丸ごとデータの波へと変えるのですよ!」

 嬉しそうに笑うキュアメモリ、彼女が手を振るうと共にピアノダコメカの破壊はさらにエスカレートしていく。アトリは、砂時計の肩の砂――――その砂の中に入っているであろう、江ノ島クラスタのデータを愛おしげに撫でていた。

「――――どうだい、クラスタのお姉ちゃん? 今この瞬間こそが、クラスタのお姉ちゃんに見せたかった光景だったりするんですよ。あなたなんかよりも強い、その証明として」

 キュアメモリがさらなる追加の指示を出すと、ピアノダコメカの脚が次のビルへとその照準を合わせていた。そしてその脚から次の砂を出そうとしたその瞬間、銃弾がタコの脚を吹き飛ばしていた。

「……来たね、残りのプリキュア達」



 自分達の仲間であるキュアワクチンこと江ノ島クラスタを、砂のデータとして取り込まれた。それに対してプリキュアの4人は憤慨していた。
 そして、奪って行ったキュアメモリを見つけ出した時、4人はいちもくさんでキュアメモリを倒しに来ていた。

 柚子ミズホは涙で晴れた目を拭い、長者原スバルは責任からか痛む腹を押さえつつ、諫早タマエはただ冷静に銃を向けていた。
 ここまではアトリの予想通りの展開、問題はもう1人。


「……で、あなたは何しているんですか? フレンズ?」


「怒ってる事を、身体で表現してるのっ!」


 そう、何故か"シースルーの、胸がとっても目立つ格好"で、香椎イスカはその場に現れたのである。
 シースルー……ただでさえ薄い布のその服は、香椎イスカのダイナマイトボディのラインを存分に見せつけ、さらにここまで走って来たのか汗でブラの色まで見える始末。
 とてもじゃないが、こんな戦闘の場には相応しくないし、怒っている事を身体で表現できていない。別のモノなら表現できているが。


「わたしっ、すっごく、怒ってるの!」

 ぶるるんっ!

「アトリちゃんっ! あなたはね、クラスタちゃんのことをお姉ちゃんと呼んでいたけどっ!」

 ぶるるんっ、ぶるっ! ぶっるるるんっ!

「妹なら、家族ならっ! 一緒に困難を乗り越えるべきなのっ!」

 ぶるるるるるるるるるるるるるっんっつっつつつっつ!


「……姉ではないが、分かりませんね。さっぱり状況が掴めません」

 アトリは、イリスの行動がさっぱり理解出来ない。揺れ動くおっぱいに目が奪われているのもあるが、そもそも"家族なら"とはどういう事だか分からない。
 クラスタは、"アレ"は元々姉なんかじゃなく――――って、伝えてもしょうがないと、アトリは考えをすぐさま彼方へと吹き飛ばす。

「あなた達は、《ヌルリス》の目的のため、ここで死んでもらいましょう。
 そう、我が姉と同じように、砂時計の砂に変えてね」

「「「「クラスタは必ず取り戻すっ!」」」」

 4人は強い意志の元、変身を開始する。


「うんっ! すっごーいの、やっちゃうよ!」

 力強く、クラスタが宣言して、スマホの電源をいれる。スマホにはカードスキャンの画面が映し出されており、クラスタはそこに持っていたカードをスキャンする。

「キュアライゼーション! オオカミっ!
 愛を、今ここに! レッツ・プリキュアチェンジ!」

 イスカが叫ぶと共に、彼女の姿が真っ白な光に包まれる。

 まず、彼女の髪が動きやすいように整えられると、大きなIカップの谷間から1匹の白い獣が出てくる。それはネコだった。可愛らしいワンちゃんがイスカの周りを駆けまわり、それと同時に彼女の姿が変わって行く。
 赤を基調としたエプロン風の洋装に姿を変え、靴も動きやすそうな黒いシューズへと履き変わる。そしてワンちゃんはクルリとイスカの前で一回転すると、彼女の中へと消えていく。

 髪の上には犬耳、そして長い白の犬の尻尾。
 世に言う、アニマルコスプレはまさにこれだろう。

「人の愛の、救世主! キュアフレンズ!
 すごーい、力を、見せちゃうよっ!」


「ウチも、やったるで!」

 勢い込むミズホは、スマホにカードをタッチする。

「キュアライゼーション! スプラッシュっ!
 美しさを、今ここに! レッツ・プリキュアチェンジ!」

 ミズホが叫ぶと共に、彼女の姿が真っ白な光に包まれる。

 彼女の前に大きくてオシャレな洋服箪笥が出て来て、ミズホが開けるとそこからリブ生地で作られた胸を強調する白いセーター、足のラインを強調する赤いスカートを手に取る。
 ミズホはセーターとスカートを手に取り、着替えを始める。セーターを着る際にKカップの、特大の大きさを誇るおっぱいが大きく揺れ動いていた。そしてそのおっぱいから高貴な魔法の杖が出て来て、それとは別に幻想的なランプが出てきていた。おっぱいから出る際に、少しだけ頬が赤くなって恥ずかしそうだった。

 頭に被る、魔女が被るような円錐型の帽子。
 帽子と髪にリボンがついた、オシャレな魔女の姿となっていた。

「輝く星の、救世主! キュアスパークル!
 私の美しさは、弾けるわよ!」


「プリキュアとして戦う、それが私の決定事項!」

 絶対に達成する、そんな勢いの元、スバルはスマホにカードをかざす。

「キュアライゼーション! アイギスっ!
 安らぎを、今ここに! レッツ・プリキュアチェンジ!」

 まず、彼女の髪がきららかな艶のある緑色になり、鮮やかな色に変わると共に、足元まで長々と伸びるとそれはゆったりと膨れ上がっていた。緑色の薄い布の上に、胸当てだけの甲冑。腕と脚に緑色の手袋と靴。青い、スカートをはくと、そこに騎士団のマークが刻まれる。
 両手に一瞬盾と扇が生まれると、それは緑色の光となって消えていく。

 騎士団の甲冑と服装。一瞬だけ見えた盾。
 それはまるで、あらゆるものを防ぐ騎士の言葉が相応しい姿である。

「安らぐ樹木の、救世主! キュアアイギス!
 安心して、私が着いてるわ」


「キュアライゼーション! カナエ!
 愛を、今ここに! レッツ・プリキュアチェンジ!」

 スマホから現れた、大量の液体。それは彼女の前と後ろから大きな棺のようにして立ち上がり、ガチャッと両側からタマエを挟んでいた。
 そして棺から水蒸気が立ち昇り、棺が開くとそこには青く、そして大きな銃を持ったプリキュアの姿があった。

 藍色の髪はツインテールになっており、右の髪には星が、そして左の髪にはボールの髪飾りを着けていた。青いワンピースの背中には巨大なブースターパックが取り付けられており、腕には大きな銃が取り付けられており、もう片方の手には大きなベルを手に持っていた。

「2人で知性高き最高峰の、救世主! キュアスマートVer.2!
 ――――今度こそ、正しい選択を為して見せる」




「カモンッ! 私の、ビビッと来る砂の兵士達!」

 プリキュア達4人が変身したのを見て、キュアメモリは両腕を前に突き出す。突き出すと共に、腕から大量の砂が空中に出て行く。
 空中に出ていった砂がそのまま塊になっていき、大量の兵士達の姿となっていた。槍を持っていたり、剣を持っていたりと、完全武装した大量の兵士達はそのままプリキュアの4人を倒すために、大勢で向かって行く。

 プリキュアの4人はそのまま向かって来ていた兵士達と相対して戦っており、その兵士達との戦いの中からキュアスプラッシュが兵士達の持っていた槍を持って出てくる。

「おやおや、まずはあなたからですか? スパークルのプリキュアよ」

「ウチはな、妹だとか、姉だとかはどうでも良いと思ってるんや……けどな、クラスタはんは返してもらうで! このメモリ女っ!
 ――――ウチの新技、見せたるわっ!」

 キュアスパークルは槍を持っていない方の手で泡を生み出して、その泡を持っている槍に纏わせていく。槍の尖った矛先が、泡によってコーティングされて、大剣となっていく。

「やったるで、これがウチの新たな必殺技! スパークル・ウエポライズや!」

 泡で槍を覆って武装する。ただそれだけのように見えるが、泡の中では小さな泡沫が動きながらエネルギーを生み出していく。
 槍を振るう度に泡が飛んで行って、キュアメモリの後ろに居た兵士達を吹っ飛ばす。

「その泡、当たると厄介そうですね。ビビッと来る強さ、だけれども私の強さには勝てないわよ。
 キュアメモリ特製の、メモリアルブレードでぶつけて倒しちゃうっ!」

 キュアメモリは前に出したメモリアルブレードを構え、キュアスパークルの泡を纏った槍を受け止める。槍を剣で受け止めると共に、泡が飛び散って、周囲の兵士達が爆発によって飛んで行く。

「――――その砂時計を壊せば、クラスタちゃんを取り戻せるはずや!
 この泡で、あんたごと爆発したるで!」

 キュアスパークルが槍を振るう度に、泡が飛び出ていくが、キュアメモリはニヤリと笑う。

「泡に当たらなければ、良いんでしょ? 砂時計にはクラスタの姉以外にも、ビビッとくるようなビルとかの壁用も色々と入れてるんですよっ!」

 キュアスパークルが泡を飛び散らすのに対して、キュアメモリは砂のデータから再びビルを作り戻して、防いでいた。そしてそのまま、ビルでキュアスパークルを吹き飛ばしていた。

「あなたもですよ、フレンズのプリキュア」

 そのまま、さらに作り出したビルで後ろから迫って来るキュアフレンズにもビルを当てる。

「うっ、うわあああああああああああっ!」

「イスカちゃんっ!」

 吹き飛ばされたキュアフレンズを、キュアアイギスが盾を柔らかくして受け止めていた。そうして受け止めたキュアフレンズとキュアアイギスの2人に、大量の砂の兵士達が迫って覆っていた。
 砂の兵士達がプリキュアの5人を順調に襲い掛かっているのを見て、キュアメモリことアトリはニコリと笑う。

「はははっ! これこそ、最高のビビッとくる瞬間ですねっ!
 そのまま砂の中に飲まれて、消えてしまえなのですっ! ビビッとくるし、サイコーだねっ!」

 そのまま高らかに笑うキュアメモリ。
 ――――そんな中、キュアメモリの肩の砂時計がいきなり爆発する。

 サラサラと、肩を伝って砂が落ちて行くのを見て、キュアメモリは爆発の原因――――銃弾を発射するキュアスマートを見つめていた。

「……油断大敵、って奴ですよっ」

「キュアスマートっ!! あなたにはビルすら生ぬるいっ!!
 この砂時計に入っている、全てのデータで武器を作り出して、それで倒して……」


「「スパークル、アンド、フレンズ! ダブル・アターックゥ!」」


 砂を生み出して、決戦兵器を作り出したキュアメモリの砂時計。
 そんな砂時計に対し、キュアフレンズとキュアスパークルの2人が2人揃って精一杯走って、そのまま飛び膝蹴りを食らわせていた。

「…………っ!!!!!!」

 パリッンと蹴ると共に、砂時計のガラスが割れていた。



 砂時計が割れると共に、どばぁんっと、大量の砂が溢れだす。
 溢れだした大量の砂はそのままデータの量子へと変わっていき、そのままビルなどの建物へと戻って行く。そして――――最後に人物が出ると共に、キュアメモリの姿がバグって、不完全な姿に"戻って"いた。

「「「「――――江ノ島クラスタさんっ!」」」」」

 そうして砂の中から戻ったクラスタを見て、嬉しがるプリキュアの4人。駆け寄る江ノ島クラスタに対して、それを見るアトリの眼は憎しみに満ちていた。

「……ク ラ ス タ、め。あなたがいなくなったせいで、不完全な姿に戻ってしまったじゃないですかっ!
 あなたなんかが、"アレ"なあなたが受け入れられて、ビビッと許せんっ! 砂兵士達、レッツゴーですよっ!」

 キュアメモリの指示によって、砂の兵士達がプリキュアの5人に向かってくる。それらの対処する中、キュアメモリは今まで沈黙を保っていたピアノダコメカに指示を出す。

「ピアノダコメカっ! あなたの旋律の、タコ噴射で止めですっ!」

《マッチ、ガウガウー!》

 8本の脚、いや砲台が5人のプリキュアに狙いを定める中、クラスタが強い視線で相手を見ると、そのまま立ち上がる。


「……迷惑かけたみたい、です。けれども、それを"ビビッと"返すのが、私の役割、です。
 ――――キュアライゼーション! ワクチンっ!
 救済を、今ここに! レッツ・プリキュアチェンジ!」

 クラスタが叫ぶと共に、彼女の姿が真っ白な光に包まれる。

 まず、彼女の銀色の髪が桃色の、鮮やかな色に変わると共に、背中の方まで長くさらーっと伸びる。服は真っ白なドレス、かと思いきやその上にピンク色のワンピースが着けられる。ワンピースに押し潰さられ、ただでさえ大きな彼女の胸がさらに大きく見える。
 靴もカジュアルなピンクの動きやすそうなシューズに、両手には殺菌のためかピンク色の手袋がはめられる。

 右手に持つ大きな注射器、そして背中の白い翼。
 それはまるで、白衣の天使の言葉が相応しい姿である。

「世界の浄化の、救世主! キュアワクチン!
 スーパープレイ、見せちゃうよっ!」



 キュアワクチンが変身すると共に、いつもはしぶしぶ出している合体ワクチンを取り出す。

「今日は最初から、スキル大振りで参ります、です。
 "合体ワクチンウイルス注射器"、発動ですぅ!」

 キュアワクチンが注射器の中身を押し出すと共に、ドギツイ桃色の液体が5人のプリキュア全員を包み込む。包み込むと共に、5人の身体が桃色の液体にドロッと溶けて行く。
 桃色の液体に5人の身体が溶けると共に、それは溶け合って1つの巨大な人間に再構成して行く。

 桃色の液体が融合して生まれた人間は、10mはあろうかという巨大な女の姿をしていた。
 胸は5mはあろうかというばかりの、身体の大きさからしてもとても大きく、服なんてないにもかかわらず桃色の身体の彼女の身体はイヤらしいと言うよりも、神々しさを感じる美しさがあった。
 そして身体の各箇所には5人の特徴があった。右手には注射器が取り付けられており、胸の大きな谷間の中からは可愛らしい犬がこちらを見ており、髪は泡のようにシュワシュワと弾けていた。左手には盾、そして背中からは大量の銃が前を向いていた。

『完成っ! プリキュア・サイバー!』

 女神のような美しさを誇る彼女、それが5人のプリキュアの合体したプリキュア・サイバーという姿であった。



『ピアノダコメカ、でしたっけ?
 ――――これで止めでしょう。ワクチン・ハイヤー!』

 プリキュア・セイバーの右手の注射器に炭酸のような泡が浮かび始め、その泡は液体の中に次々と生まれて増えて行く。そして、泡と液体の比が4:6くらいになった瞬間、液体は注射器から放たれて、ピアノダコメカにぶっしゃあああああと、かけられる。
 液体をかけられたピアノダコメカ、特にタコの部分が液体にかけられた部分から徐々に溶けてゆく。まるで砂糖の上に大量の水をかけられて、そのまま消えていくようである。

『……いやんっ♥ は、はねちゃった♥』

 あまりの強い勢いのためか、その液体がぽちょんっ、とセイバーの胸元部分にはねて、その部分も一緒に溶けてゆく。


「オーバーロード……大量の過負荷、ですか。
 ビビッと強すぎるデータにより、マチガウイルスのプログラムが処理落ちして消滅……。

 やはり、あなたが一番厄介、ですね。江ノ島クラスタ」


 ちっ、と小さく舌打ちして、かかった液体によって消えてゆく砂時計の服をその場に残して、アトリはその場を後にしたのであった。





「……皆さん、助けて下さりありがとうございました、です」
「姫様と共に、礼を言うなのっ!」

 土下座である。
 そう、戦いが終わった後、全ての状況をナノピコから把握したクラスタが、頑張った4人に対して最大限の謝辞を見せたのである。
 そういう反応が来るとは思ってなかったので、4人とも困惑していたが、約1名(開いた口が塞がらないタマエ)を除いて、全員が受け入れた。

「生徒会長としては、当然の責務ですよ」

「そうやでっ! プリキュアとしてやない、仲間としては当然って奴やっ!」

「そうそうっ! すっごーーーーく、当然の事なんだよっ!」

 皆が頷き、事が無事終わろうとする中で、


「……まっ、クラスタはんを助け出したのは"一番の親友"であるウチのキックやけどな」
「そうそう! クラスタちゃんと一番仲良しで、"一番の親友"の私のキックでねっ!」



 ――――ビリビリと、親友論争が起ころうとしていた。
 この時はまだ、彼女の体調の変化を知る者は、当人であるクラスタしかいなかった。



【次回予告っ!】
「次回予告は、すっごおおおおい私がするのっ!」
「ちゃうちゃう! ウチや、ウチがするんやっ!」
「ううんっ! これだけはミズホちゃんにも譲れないよっ! 一番の親友は私!」
「ウチやっ! ウチが一番の親友やっ!」

次回、電乳戦士サイバープリキュア!
「一番の親友は? イスカとミズホの友達論争」

「……どっちでも良い、です」
「「良くないっ!」」