「ウチや、ウチがクラスタはんの一番の親友なんやっ!」
「ちっ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁうっっっっっっ! クラスタちゃんのすっごぉぉぉぉぉぉぉぉい、親友は私だよぉぉぉぉぉぉっ!」
「私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」
物凄い勢いで論争という言い争いを続ける、香椎イスカと柚須ミズホ。
そんな様子をスバルとタマエ、電子妖精のナノピコとカナエは訳が分からないという感じで見ていた。
「……なんだってこうなってるんだ、生徒会長以前に人として意味が分からない」
「大丈夫ですよ、私も意味が分かりませんから」
イスカとミズホの2人の言い合いを、スバルとタマエの2人は怪訝な顔で見ていた。
「ふっ、ふたりとも! 落ち着くなのっ! 言い争いは止めて欲しいなのっ!」
ナノピコはイスカとミズホの言い争いを止めようと2人の間を行ったり来たりしており、けれども2人の言い争いは続いていた。
言い争いの原因は、どちらのプリキュアの方が優れているか、どちらの方がクラスタの役に立てているのかという争いであった。
キュアフレンズことイスカの主張は、沢山の動物(フレンズ)で相手をかく乱する自分の方が凄いという意見。一方、キュアスパークルことミズホの主張は、泡で色々な手段にて攻撃する方が強いという意見。
そういう意見を言い争うのになったのも、前回のアトリの事件があったからだ。
今まではクラスタに任せれば良い、クラスタがなんとかしてくれる――――そんなクラスタに頼りきりだった面が多かったが、前回、アトリによってクラスタが奪われてから、クラスタ抜きでなんとかしようという気持ちが2人に芽生えていたのである。
――――それ故に、クラスタに頼って貰えるプリキュア=クラスタの一番の親友、という意味合いで、その称号を手に入れるために、イスカとミズホの2人は言い争いを続けているのである。
「私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」私っ!」ウチっ私っ「ウチっ!」わたしウチ「わたしっ!」「ウチっ!」ウチっ「私っ!」
2人の言い争いは終わる気配は見えなかった。
その一方で、イリスとミズホにそんな風に強く思われているクラスタはと言うと――――1枚のカードを取り出していた。そのカードは真っ白で、だがそれでも神聖な気を発していた。
「……どうやらこのカードも、使う時が来ます、です。
その時、私はきっと――――」
第15話《一番の親友は? イスカとミズホの友達論争》
「――――《ヌルリス》の第2作戦、それはビビッとくる"意味のある"データの収集です」
《ヌルリス》がひっそりと隠れているアジト、そこで幹部の1人であるアトリはそう言葉を話し始めていた。チュンドラは分かったと頷いているが、ウメタリアはぽかんと頭を捻っていた。
「意味のある、データ? とりあえず今までと違うのは分かるであ〜るが、それは今までの策とどう違うんだであ〜る?」
「ビビッとくる、いい質問ですね」と、アトリは嬉しそうな顔をしながらそう言う。
「今まで私達はただ出て行って、マチガウイルスにデータをただ乱雑に収集してただけ。しかし、それではいつまで経っても、目標とする新世界創造は果たせません、です。
なので、今度からは特定の種類の情報を収集する、今までとは全く違うタイプのマチガウイルスが必要となって来るのですよ」
「……ふむ、分かった。つまりどういう事だ、であ〜る?」
……どうやら、ウメタリアはまだよく分かっていないようである。仕方なしに、チュンドラがウメタリアにコショコショと、耳打ちをする。
「なるほど、なるほど、であ〜る! つまり、1回の戦闘で1つの種類の情報を手に入れて、それを繰り返す事で我々の帝国を作り上げるのだな、よく、理解したっ、であ〜る!」
「……本当に分かっているかどうか、微妙そうな感じもするんですが……だし〜」
一応はウメタリアとチュンドラの2人に話が通じた事で、アトリはニヤリと笑みをこぼす。
「2人が納得してくれて、アトリはビビッと嬉しいですよ。
――――もうすぐ私が用意した、特定の種類の情報を収集するのに適した2人の幹部が来ます。
攻撃こそ最大の防御と語る"斜め"の幹部、【ナナメッテノール】。防御こそ最大の攻撃と語る"前"の幹部、【マエストローク】。あの2人が居れば、特に最強の戦士たるナナメッテノールが居れば――――我々の勝利は確定です」
「おおっ! ナナメッテノールは吾輩も知っているであ〜る!
確かにあの《ヌルリス》最強の幹部なら、可能だと思うであ〜る! よしっ、それならその2人の新幹部のための、お祝いのマチガウイルスマシンを用意しておくべきであ〜るな! よしっ、早速準備するのであ〜るよ!」
そう言って、ウメタリアはるんるんとスキップをしながら機会作りに精を出し始める。
残されたチュンドラとアトリ。アトリの顔を見たチュンドラは、溜め息と共にゆっくりと歩き始める。
「……良いでしょうだしー。この前教えて貰った通り、やらせていただきますだし〜」
そう言いながらマチガウイルスの準備をするチュンドラに対して、アトリは笑いながらその後について行くのであった。
☆
「はい、納豆梅バニラクレープやで!」
「(……何がどうしてこうなった、です? そして普通に不味そう)」
学校からの帰り道、クラスタは今日はミズホと一緒に下校していた。いや、させられていた。
そしてなぜか、物凄い味のクレープを渡されていた。
「……意味が分からん、です」
「――? 美味しいで、あそこのクレープ。味はすっごい個性的やけどな。このシュークリームキャンディーバニラクレープも絶品やし」
「聞いてるだけで甘さがやばそう、です」
うえっ、と人より大きめの胸を押さえながら、クラスタはクレープを無表情で食べて行く。
「だいたい、1番の親友と言う肩書に意味があるん、です? 親友は何人居ようが親友で、そこに1番とか、2番とかは意味がない気がする、です」
「……クラスタはんが、真面目なこと言っとる!?」
大袈裟に胸を揺らして驚きながら、ミズホは「違うんや」と口にする。
「確かに親友に上も、下もあらへん。そこはイスカはんもわかっとるんや。
けどな、それでも"上か、下かは、争わな"。そう、いかんのや」
意味が分からない。
クラスタは普通の人間ではなく、電脳世界出身であるが、それでも人並みの感性を持っている。
しかし、それでもミズホの言っている意味が分からなかった。
「(これも、こっちの世界で生まれてないから、です? こっちの世界で生まれて、普通に過ごしてたら、2人のいう事も分かったのか、でしょうか……)」
しんみりとした雰囲気の中、さらにムードが溢れるばかりに雨まで降りだした。
「あちゃ〜、雨かいな。今日、降水確率ゼロ言うっとったから、傘ないのになぁ。
しゃあない、ここは2人で走って帰ろうかいな。なっ、クラスタはん?」
くるり。
時間にしてはほぼ一瞬、その間に隣にいたはずのクラスタの姿が、ミズホのそばから消えていた。
「〜〜〜〜!! クラスタはんが居ない、っつーことはまた《ヌルリス》が出たんか! なら、うちも呼びいなって! うちも変身するで!」
そう言いながら、ミズホは変身の構えを取り始める。
「キュアライゼーション! スプラッシュっ!
美しさを、今ここに! レッツ・プリキュアチェンジ!」
「――――カツラよっ、マチガウイルスの力によって新たな姿へと仕立て直せ」
☆
雨が降り、それがいつもの雨でない事に気付いたクラスタは、気配の中心であるショッピングモールへと辿り着いた。
「……この雨、電子で出来ています、です。にしても、ショッピングモールに《ヌルリス》はなんの用でしょうか、です?」
一応、キュアワクチンの状態に変身した中で、注射器を構えながら雨の中を歩いていた。そしてその中心に目当てのマチガウイルスの怪物を見つけた。
そいつは宙に浮かぶ、仮面を付けた巨大てるてる坊主であった。背中からは大きな白い翼を生やしており、頭には大きな角を生やしていた。
「……仮面をつけたてるてる坊主、ですか。仮面を付けているという事はチュンドラの、ですか。
しかし、幻獣系の要素はどこにあるんだろうか、です?」
「失敬なっ、だし〜。このマチガウイルスの素晴らしさが分からないとは、がっかりだし〜」
幻獣系の要素がなにかをクラスタが迷っていると、メイド服を着たチュンドラが傘を差した状態で現れる。
「テルテルペガサス、第2形態を発動するんだし〜」
『テッ、ルテルゥ〜! 分かったんだでテルゥ〜』
巨大なてるてる坊主の仮面が裏返ると共に、その姿が変わって行く。白い布の下から4本の馬の脚が現れ、角が1本の長い剣に変わっていた。そして尻尾が傘を模した形になっていた。
「てるてる坊主と、ペガサス――――2つ合わせて、テルテルペガサスでし〜。テルテルペガサス、計画通りに特定のデータだけを集めるんだし〜」
『りょうかいテル〜』
テルテルペガサスはチュンドラの命令通り、キュアワクチンを無視してそのまま周囲の情報を取り込んでいく。キュアワクチンはおっぱいを揺らしながら、注射器をテルテルペガサスへ向ける。
「……私を無視するとはいい度胸、ですね」
「無視するのも当然だし〜。なにせ、あのテルテルペガサスは戦闘力はほとんどないからだし〜。
けど今回、あなたが相手するのは私のテルテルペガサスではないでし〜。だよね、アトリ?」
と、そんなキュアワクチンに、そいつらが攻撃を仕掛けてくる。
殺気に気付いて、慌てて避けると――――
「……っ!! キュアフレンズ、それにキュアスパークル?!」
――――そこに居たのは、キュアフレンズとキュアスパークルの2人。2人の瞳は虚ろに揺らめいており、その後ろではニヤリと笑うキュアメモリの姿があった。
キュアメモリの姿は前回の《砂時計》とは変わっていた。髪は黒く、地面を這うように長く、とても長く伸びていた。それぞれの足には顔のない人形が絡みついており、手から伸びる黒い糸が、髪がキュアフレンズとキュアスパークルの2人を操るように、まとわりついていた。
「そうですよ、ワクチンのプリキュア。いいや、クラスタの姉よ。
ビビッと来るこのモード《カツラ》の能力は、髪の毛を使って相手の身体を操る力! さぁ、あなたにこの2人のプリキュアを倒すだけの力が、ビビッとあるんですか?」
☆
キュアワクチンは注射器を押し込むと、中から液体が出て2人の操られたプリキュアの足元に広がる。そして懐からライターを出して、液体へと放り投げると、2人を囲むようにして炎の壁が取り囲む。
――――炎の壁。2人を逃がさない牢獄のように作られるが、そこから2人のプリキュアが無事な状態で現れる。
「……滅菌除菌、ではさすがに倒せませんか、です。
それに炎では、そのかつらの髪は燃やせないんですね、です」
「ビビビビッ! モード《かつら》の髪の呪縛、それが"その程度"で終わると思わないで欲しい」
"その程度"――――キュアメモリは自分の能力を誇示するように言っていたが、キュアワクチンには別の意味に聞こえていた。
お前程度の力ではダメだ、という意味に。
「これが限界、この辺りが"潮時"というところでしょうか、です。
けれども、私はその2人だけは、あなたの呪縛から解き放って見せましょう、です」
「ビビビッ! 言うだけならば誰でも出来ますよ。
この《かつら》の能力は人を操る力、ただこの能力の本質は相手の能力の限界を引き上げる事。いつもの彼女達以上の戦力で止めでしょう! 奥儀、かつら人形!」
アトリが手の髪を操ると共に、操られている2人は今までより遥かに強そうな体勢になっていた。
キュアフレンズは右手は虎のような手になっており、足は跳躍力のある兎の足。左手はサメの歯で作られたドリルとなっていた。そしてキュアスパークルは四肢全てに細かすぎる泡が纏わりついており、泡が重なり合う事によって身体強化を果たしていた。
「……確かに強そう、です。こうなったらキュアワクチンとしての"最後のお勤め"――――キュアワクチンの、最高の奥の手を見せて差し上げましょう、です!」
そう言って、キュアワクチンは懐から今まで見た事のない、金色の液体が詰まった注射器を構える。
「――――最強のワクチン、強化ゴールデンワクチンっ!」
キュアワクチンが注射器を押し込むと共に、金色の液体が周囲へ放たれ、液体はキュアフレンズとキュアスパークルにかかる。
――――その時、2人の身体が光り輝くっ!
☆
キュアフレンズが黄金の液体にかかることによって、四肢の動物らしさが消える。その代わりに新たに現れたのは、ドラゴンのパーツだった。足と背中にはドラゴンの屈強な脚と屈強な翼、そして腕にはドラゴンの鱗で出来ている剣に。そして頭には強そうなドラゴンの被り物をしていた。
キュアスパークルが黄金の液体にかかると、泡が一瞬で掻き消え、代わりに全身を黄金の鎧が包んでいた。そしてその鎧からはいくつもの黄金の線が現れて、その線の先にはいくつもの武器が形作られていた。
キュアフレンズの胸を強調するように龍がとぐろを巻きながら谷間を強調し、
キュアスパークルは原子モデルのようなものが彼女の胸に入り込むと、いつもより3サイズは大きく見せつける。
動物ではない幻獣の龍の因子を扱う、キュアフレンズ・ドラゴニックフォーム。
泡をナノレベルまで分解して機械化した、キュアスパークル・ナノティックフォーム。
黄金の色を纏った2人のプリキュアの強化形態。変身すると共に、キュアメモリのモード《かつら》、その髪の毛の操り糸は切れてしまっていた。
「――――っ!! ビビビッ?!
わっ、わたしのかつら操り糸の髪がっ?!」
アトリがびっくりする中、2人のプリキュアの顔は怒りに満ち溢れていた。
「よっっっっっっくも、だ・い、しん、ゆう、のクラスタちゃんを攻撃させてくれましたねっっっっっ!
許せないっっっっ、ドラゴニックテイル!」
ばんっ、と怒りと共にキュアフレンズが一回転。すると共に、頑丈そうな竜の尻尾がアトリを吹っ飛ばす。一回転すると共に、キュアフレンズの胸が大きく揺れ落ち、同時に吹っ飛ばされるアトリも上へと、胸が大きく動く。
吹っ飛ばされながらも、アトリは攻撃する為に手に絡みつけた髪の毛を、空に浮かんでいたテルテルペガサスに絡みつかせていた。
「こうなったらっ! テルテルペガサスの真の力でっ!」
しかし、攻撃する前に、テルテルペガサスはバラバラに分解されていた。
「……ウチ、腹立ってん。クラスタはんに、ちゃんと教えられなかったからや。
親友の一番の意味を決める、その意味をな」
「はっ?! 親友の一番? そんな、称号に価値も減ったくれもないですよっ!
後、バラバラにしようが、このモード《かつら》には、ビビッとくる意味はないですっ!」
アトリは馬鹿にしたように笑い、髪の毛をバラバラになったテルテルペガサスの破片に引っ付ける。引っつけた破片は髪の毛によって宙を舞い、さらに高速で回転する。
「モード《かつら》の裏ワザ、破片回転落としっ!」
しかし、相手に投げる前にモード《かつら》の髪は全てカットされる。他ならぬ、怒ったキュアスパークルの力によって。
「親友の一番、それの競う意味。
それは競うほど、そうなりたいと望む素晴らしい人間だと知って貰う事。そして、ウチも知らない彼女の魅力を教えて貰い、彼女の知らない魅力を伝える事。
要するに、親友の一番っうのを競うのは、それだけ仲良くなりたい相手やから。今の状態やのうて、さらに上を目指したいんやっ!」
一番、それは頂上。
そこを目指すということは、今の状態以上を望む事。今よりも仲良くなる事を望む事。
2人はどちらかが、クラスタの親友一位になりたくて競っていた訳じゃない。
どちらが、今は頂上に近いかを競っていただけなのだ。
「ウチも「わたしも
「「江ノ島クラスタと今以上にっ!」」
そうして2人の黄金の輝きがさらにまばゆく光り輝き、後ろに巨大な5mほどのRカップ美女神が化身となりて現れる。
「「合体秘奥儀、仲良くなりたいっ!!!」」
そして美女神が宙を舞い、テルテルペガサス――――そしてキュアメモリが捨てたかつらのジャケットを、その谷間の中に入れる。
そして神々しさと母性と共に、天に消えて行った。
「くっ! ビビッとくる技、今度は対抗しますよっ!」
「……けっきょく、アタシのマチガウイルス、戦いに使ってるんだし〜」
《ヌルリス》の姿が消え、黄金の変身が解けて、2人は喜びを分かち合うべく、クラスタを探す。
だが、彼女の姿が見つかる事はなかった。
☆
ところかわって、《ヌルリス》のアジト。
そこには新しい人物の姿があった。
「初めましてだマエ、《ヌルリス》の諸幹部様。
前々からきちんと挨拶しておきたいと思っておりました、てまぇの名前はマエストロークと申しますマエ。ちなみにストロークとは、覗きの意味だマエ」
そいつは、金庫だった。顔はダイヤル式の緑色の扉、両肩はナンバー入力式の赤い扉。両脚には金色のスーツケース型……と、様々な金庫が身体に埋め込まれていた。いや、顔は金庫そのものだった。
身長は1m40cmとやや小柄ながら、胸は圧巻のOカップという超爆乳がたゆんたゆんと大きく揺れ動く。ちなみに胸の乳首に当たる所にもダイヤル式の金庫が埋め込まれていた。
そして――――
「もう1人ご紹介しましょうマエ。
ここに来る途中で"倒された"、ナナメッテノールですマエ」
そう言いながら、マエストロークは元気そうな女性の姿が撮られた遺影をこちらに見せる。
《ヌルリス》最強の戦士、ナナメッテノール。
彼女は既に倒されてしまっていたのである。
【次回予告でマエ!】
「どうも、てまぇの名前はマエストロークだマエ!」
「てまぇのデザインは作者さんのせいで、身体の至る所が金庫というかなり奇抜なデザインになってるマエ」
「でも、実力は折り紙つき! いや、てめぇの"前(ぜん)"力を見せてやるマエ!」
次回、電乳戦士サイバープリキュア!
「新幹部がストローク! 江ノ島クラスタ、禁断の変身」
「って、新幹部の登場で盛り上がるはずの回で、なんでそっちが盛り上がるマエ?!」
「次回はてまぇの活躍回だマエよね?! そうだと言ってくれマエ〜!」