《ししゅんき》に負けたくない幼馴染の妹と、プロレスをするような話

帝国城摂政 作
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 最近、葵とまた仲良く遊べるようになった。
 葵というのは、神部葵というボクの幼馴染の事である。

 葵は、なんか《ししゅんき》ってやつのせいで、大人の身体になってしまう体質なのだそうだ。
 一時は座っている状態でも頭が雲の上に来るくらい大きくて、さらには胸も街を飲み込むくらい大きくなってしまった葵。

 《ししゅんき》って、凄いなーと思った。
 まさか、ポケ〇ンのダイ〇ックスみたいなのを現実でやるなんて、これじゃあ一緒にゲームで遊べないんじゃないかって心配したよ。
 大きくなった葵に使えるゲーム機ってあるのかなぁーって。

 ボクがそう言うと、葵はクスクス笑ってたけど、なんでなんだろう?
 あと、なんか葵の目がハートマークって言うか、背筋がゾクゾクッとしたんだけど、これも何だろう?

 まぁ、びっくりしたのは、次の日には葵が元の大きさに戻ってたことと、葵が壊してた街とかが元に戻ってたことかな?
 なんでも、葵レベルに大きくなる人は少ないんだそうだが、ゼロではないらしく、その対策が取られてるんだという事だそうだ。
 子供のボクには、めちゃくちゃどーでも良い関係ない話だけど。

 そうそう、葵なんだけど、元に戻ってから以前のような関係に戻ったんだ。
 朝から一緒に学校に行こうって、あと学校でも普通に話せたし。
 女の子とファッションの話をしている葵の姿もあったけど、やっぱり一緒に遊べるようになったのは大きいと思うんだ。うん。



 でもって、本日は土曜日、そう、休日だ!!
 今日は葵の家で一緒に遊ぼうと思って来たんだ、最新作のスマ〇ラも2人分コントローラーがあるし、今日はスマ〇ラ祭りだよ! わっしょい、わっしょぉぉぉぉい!!

 ピンポーンっ!!
 ボクが葵の家のチャイムを鳴らすと、中から葵が----って、あれ?

「はーい……ってなんだ、はじめ兄ぃじゃん」

 玄関を開けて現れたのは、葵の妹、緑ちゃんだった。
 緑ちゃんはボク達よりも2つ年下の小学校5年生で、葵の家に遊びに行った時によく遊んだ可愛い奴である。
 葵がボクの事を避けていたから、1年くらい会っていなかったんだが----変わらないなぁ。

 お人形さんを思わせるような、サラサラとした長い髪。
 愛らしさを感じる、垂れた瞳。
 葵よりもちょっとだけ背が大きい、あの頃の緑ちゃんのままである。

 まぁ、人間、1年くらいでそうそう変わったりしないか。
 たった1日で、街を潰しちゃうような女の子もいるけど。

「どうしたの、はじめ兄ぃ? 葵姉ぇなら、さっき買い物に出かけたよ?」
 ----えぇ?! 一緒にスマ〇ラをしに来たのに!!
「もしかして、約束もなしに来たの? ダメだよ、はじめ兄ぃ。中学入ってから葵姉ぇは休日はけっこう出かける日が多いんだから」

 マジかぁ……小学校の時は、休日は大抵家にいたから大丈夫だと思ったのにぃ!!
 恐るべし、中学校!!

「……ふふ。なんなら、うちとスマ〇ラする? うち、結構強いよ?」
 ----そうか、緑ちゃんもゲーム得意だったよな!!

 緑ちゃんもボク達と良くゲームで遊んでいて、スマ〇ラも出来る!
 葵が居なかったのは残念だが、今日は緑ちゃんとスマ〇ラ祭りだぁ!!



 と、そう思って緑に促されるまま、葵の家に入ったのだが----あれ? テレビがない?
 どうやらリビングではなく、緑ちゃんの部屋に通されたようである。
 緑の部屋は女の子らしい、いかにも彼女らしい部屋なのだが、テレビがないのだ。
 
 最新作のスマ〇ラは、テレビなしでも遊べるっちゃあ遊べるんだけど、やっぱりテレビがあった方が迫力とか、色々と違って来る。
 緑ちゃんが間違ったのだと思って、くるっと振り返ると----

「どぉぉぉん」

 緑ちゃんがぴょいっと跳び込んできて、ボクは床に押し倒された。

 ----緑ちゃん?! いきなり、なにすんの?!
「なにって、スマ〇ラをするんだよ……今から、ここでね♪」

 ググッと、ボクの目の前で、縁ちゃんが大きくなっていく。
 子供のようだった彼女の身体が、ぐぐっと足がすらりと伸びていき、腕も大人を思わせるくらい長くなっていた。

 変化したのは縁ちゃんだけじゃない、部屋の中の物全てが大きくなっていく。
 ボクよりもちょっと小さいくらいだったクマのぬいぐるみが、ボクと同じくらいの大きさにまで大きくなっていたのである。

「ふふんっ! どーだ、はじめ兄ぃ? 今のうちの大きさは170cmくらいで、はじめ兄ぃは120cmくらいかな?」
 ----うわぁ、大きくなったんだね、縁ちゃん。
「そう、"大きく"なったんだよ、はじめ兄ぃ」

 「まだ状況が飲み込めてないみたいだから、もーっとやっちゃうね」と縁ちゃんはそう言って、さらにぐぐぐっと大きくなっていく。
 今度は腕や足だけではなく、あの時巨大化した葵を思わせるくらい、胸も立派な大きさの物へとなっていた。

 それと同時に、ボクの周囲はどんどん大きくなっていく。
 もはや、クマのぬいぐるみなんて、本物の熊の数倍はあろうかってぐらいである。

「すごいでしょ、はじめ兄ぃ? これが《ししゅんき》になったことで、うちが使えるようになった力なんだよ!
 他の人を小さくすることで、うちはどんどん大人----つまり、"大"きな"人"になるっていうね」

 「今のうちの身長は350cmで、はじめ兄ぃは1cmって所かな?」と、まるで他人事のように語る縁ちゃん。
 どうやら今のボクは縁ちゃんの大きなおっぱいの上に居るみたいなのだが、あまりにも大きすぎて運動場の上にいるみたいである。
 でも、どくんどくんっと、呼吸に合わせて大きく揺れてるのが、これが人体の上であることをボクの頭に刻み付けるのであった。

「えへへぇ〜、はじめ兄ぃ、分かるぅ? 今、はじめ兄ぃはうちのおっぱいの上にいるんだよ? はじめ兄ぃのおかげで成長したから、ちゃーんと味あわせてあげるね?
 今のうちのおっぱいは200cm。つまり、はじめ兄ぃにとっては、おおよそ200mって所かな?」

 その上で、指を自分のおっぱいの上、つまりはボクの目の前に置く縁ちゃん。

「----さぁ、はじめ兄ぃ? 一緒に楽しもぉう?」

 そうして、ボクはその日一日、縁ちゃんといーっぱい、スマ〇ラ……いや、プロレス(?)をするのであった。