俺は死んだ。
会社で20連勤した後、帰ろうとしてトラックの事故----で出来た、道路の凹みに足を引っかけて、頭から道路に倒れて死んだ。
こう言っちゃあなんだが、死ぬならトラックで轢かれて死にたかった。
なんだよ、トラック事故で出来た道路の凹みって。
俺があまりの雑な死に方にガックリしていると、神様って奴が来た。
どうやら俺のあまりの雑な死に方は、神様の予想外の出来事だったらしい。
予想外の出来事で死んだ俺に、神様がチャンスをくれた。
剣と魔法の、ファンタジー世界。
異世界。
そう、良くネット小説とかで流行っている、あの異世界転生をしてくれるらしい。
俺は喜んだ。
ネット小説は会社の帰りや休み時間の暇つぶしとして何度も何度も読んでいて、いつか自分も異世界に行ってみたいなと思っていたからだ。
ただ、ちょっとだけ残念だったのは、貰えるチート能力を選べないって事くらいだろうか。
俺が選んだ種族に対応したチート能力、ってことで貰えないって訳ではないみたいだけど。
……ともあれ、俺は異世界に転生することになったのであった。
俺が選んだ種族は、森の民エルフ。
細長いエルフ耳だとか、寿命が長く、それでいてずっと若い頃のままだとか、そういう異世界モノの定番のような種族だ。
ずっと仕事仕事で命を削り続けていたから、異世界で俺はゆっくり、森の中での生活ってのに憧れていたから、このエルフを選んだ。
俺は、そのエルフの民の、村長と呼ばれる一番偉いところの息子に生まれ変わるらしい。
実に、嬉しい話である。
……だが、その想いは僅か数年で崩れ去ったのであった。
俺が違和感をまず覚えたのは、転生して間もなく。
うち、つまりは俺の両親を見ての事である。
エルフってのはずっと若い頃の姿のままだから、まぁ年齢なんて当てにならないし、100歳越えでも1000歳越えでもおかしくないだろうなーくらいに考えていた。
父5歳、母4歳。
……いや、ヤバくない?
がっしりとした20代前半くらいに見える美男子の父(5)と、Fカップの巨大な胸をたゆんたゆんと揺らしながらあやす美女の母(4)。
そこは、まさしく異世界であった。
そう、「ずっと若い頃の姿のまま」というのは、そういう意味でもあったらしい。
俺が人間でいう成人クラスの姿に成長するのに、かかった時間は2年くらい。
----俺が童貞を卒業したのは、1歳4か月くらい。しかも相手は1歳の実の妹。
こんなん俺が求めたエルフじゃないわい、ただのエロフじゃないかい!
娯楽の少ない森の中で、2歳にして成人クラスを持つエルフにとって、セックスは一番の娯楽である。
毎日毎日、どこかの誰かがセックスをして、その子供が生まれている。
そんなんを100年くらい続けて、「セックスも飽きたし、外に行ってみようかな?」と思うエルフが、この異世界の世間一般で知られているエルフらしい。
10歳にして、既に妻3人子供20人孫12人を抱える大家族(エルフ換算で言うと俺なんかは少なすぎるくらいだとの事らしい)を抱える俺。
食料は森からの恵みでなんとかなるし、貨幣とかもないから仕事もしなくて良い。
ただ日がな1日、セックスばかりというのもどうだろう。
俺は、神様から貰ったチート能力を使って見る事にした。
エルフに転生した俺のチート能力、それは【植物生成】。
簡単に言えば、俺が考える植物を、自由自在に生み出せる能力。
俺はこの能力を使い、世話要らずで1日で実を為す果物だとか、自分達の世話をしてくれる人型植物。
その他にも、このチート能力を使い、様々な植物を作った。
----結論から言おう。
俺はこのチート能力を、使うべきではなかった。
俺の目の前には、180cm美男子エルフである俺----の50倍サイズくらいの、90mサイズの美女が居る。
そう、俺の妻である。そして、俺の孫娘でもある。
身長は概算90m越えで、なおかつJカップで全く垂れを知らない魅惑的なボディライン。
そんな、目測5mは優に越しているJカップの胸の中で、俺はセックスにまみれて意識を失いかけていた。
俺のチート植物たちのおかげで、エルフの生活は豊かになった。いや、なりすぎた。
そもそも生物の身長と言うのは、環境によって変化する。
飢えやすい土地ではエネルギー消費があまりない小さな身体で、逆に豊かすぎる土地ではエネルギーを沢山取っても良い大きな身体へと。
そう、俺の能力で豊かな生活を送れるようになったエルフ達は、どんどん成長していったのだ。
……しかも、女性達ばかり。
俺の事を、救世主だと呼ぶ人物も居る。
だが俺自身は、こんな巨大なエルフもどきを作った地獄の使者だと思っている。
自分の孫娘が「おじいちゃん、凄い! おじいちゃんと結婚する!」と言って、その90m近い身長で迫られた時には、流石に肝を冷やした。
俺は認めたくないが、他の孫娘も、その娘達も、あるいは他の子供達だとか女達も、そういう意見が広まっているらしい。
つまり俺は、これから先、自分の50倍サイズの女たちに迫られ続けるという訳だ。
とんだ、ハーレムだ。
しかも、怖い事はまだこれが、終わっていない----成長はどんどん続いているという事だ。
これから先、女性達はどんどんデカくなる。
俺のチート能力は既に抑制の段階を越えて、俺が意識しなくてもどんどんチートな植物が生まれ、豊かになり続けていくからだ。
そして100歳を超え、森から出て行ったエルフ達はどうなる?
あるいは、この森へ迷い込んだ他の種族達は?
想像したくもない……。
柔らかい、5mサイズのおっぱいに揺られながら、俺は「次はエルフ以外を頼もう」と心に決めていた。
そして、柔らかく、たゆんたゆんと揺れる俺の妻----もとい、実の孫娘のおっぱいに溺れながら、俺は意識を手放すのであった----。