異世界転生したんだけれども 人間編

帝国城摂政 作
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 俺は死んだ。
 会社で20連勤した後、帰ろうとしてトラックの事故----で出来た、道路の凹みに足を引っかけて、頭から道路に倒れて死んだ。
 こう言っちゃあなんだが、死ぬならトラックで轢かれて死にたかった。
 なんだよ、トラック事故で出来た道路の凹みって。

 俺があまりの雑な死に方にガックリしていると、神様って奴が来た。
 どうやら俺のあまりの雑な死に方は、神様の予想外の出来事だったらしい。
 予想外の出来事で死んだ俺に、神様がチャンスをくれた。

 剣と魔法の、ファンタジー世界。
 異世界。
 そう、良くネット小説とかで流行っている、あの異世界転生をしてくれるらしい。

 俺は喜んだ。
 ネット小説は会社の帰りや休み時間の暇つぶしとして何度も何度も読んでいて、いつか自分も異世界に行ってみたいなと思っていたからだ。

 ただ、ちょっとだけ残念だったのは、貰えるチート能力を選べないって事くらいだろうか。
 俺が選んだ種族に対応したチート能力、ってことで貰えないって訳ではないみたいだけど。

 ……ともあれ、俺は異世界に転生することになったのであった。


 俺が選んだのは、人間族。
 他にも色々と種族はあったが、やはり慣れ親しんだ種族が良いというか、異種族になるのに抵抗がまだあるというか。
 だから、俺は異世界転生のきっかけを貰っても、俺はやっぱり人間を選んでいた。

 俺は、人間族の王家、その第一王子に生まれ変わった。

 権力、才能、そして恵まれた愛。
 実に、嬉しい話である。

 俺が、神様から貰ったチート能力は、実に素晴らしい物であった。
 人間の王族に転生した俺のチート能力、それは【魅了】。
 単純な能力と思うかもしれないが、これは実に凄いチート能力である。

 簡単に言えば、俺はあらゆる種族に愛され、そして俺に対して乱暴ごとが出来ない。
 それも、意図的でないにしろ、俺の身体に危害を加える事が絶対に出来ないという、代物なのだ。
 俺は生まれながらにして、愛され、嫌な事をされないという、本当に反則級のチート能力である。


 そして今、そんなチートな俺は、異種族の者との架け橋として結婚する事となった。

 エルフ、獣人、そして魔族。
 どうやら俺はそれら3種族の王と呼ばれた者達と、魂レベルで似てるらしい。

 【植物生成】のエルフ。
 【無敵戦士】の獣人。
 【魔力王】の魔族。

 そして、そんな彼らの恩恵を存分に受けた、最高級の3種族の女達が、俺の妻になりたいと言っているらしい。

 実に、嬉しい話である。
 ……だが、その想いは僅か数年で崩れ去ったのであった。
 
(ここから先の日記は破り捨てられている)