従姉妹との日々

時雨鴇音 作
Copyright 2017 by Tokine Shigure All rights reserved.

三人でやや遅めの夕飯を食べた後、ソファーに座り一息を入れつつ話の続きを始めた。

「まず聞くけど、君らはこれからここに住むって話になってん……だよな?」

「は、はい……」

「じゃあこの近辺ならハルカさんが通う高校はここからそんなに遠くない女子高か?わりと有名校だったはずだし……あーでも、あそこって確か寮なかったっけ?」

「うっ……わ、私が行くのは銀明高校の方です」

とハルカは若干言いづらそうにそう応えた。

「銀明って、この春から俺も通う所じゃねぇか。そりゃあ確かにこっから近いけども……」

銀明高校ってのは家から10分くらい歩いた場所にある高校で、例の女子高とは違い寮なんてあるはずもない普通の高校だ。
それがこの家に来た理由と言うなら一応わからなくはないのだが……。

(ただ基本的に近辺住まいの学生が他に行く高校がなけりゃ選ぶような所であって、ハルカさんみたく別の地域の人がわざわざ受験してまで選ぶような高校でもなかったと思うんだがなぁ……)

そんな事を考えながら申し訳なさそうな顔で縮こまるハルカを見ていると。

「……お姉ちゃん、本当はその女子高の方を受験する予定だったんだけどあたしのせいで受けられなかったんだよ」

「ひ、ひぃちゃん!?」

「受けられなかった?」

「……うん、高熱だしちゃったあたしを看病してたから行けなかったんだ。お父さんはもちろん仕事だったし、お母さんも運悪く親戚の法事の手伝いで数日居なかったからお姉ちゃん以外に看病できる人が居なくて……あたしはいいって言ったのに」

「だ、だって、高熱でつらそうなひぃちゃんを放ってなんて行けないよ!熱のせいで動くのもつらそうだったし!」

「……」

そんな事を言うハルカに対してヒサギは申し訳なさそうに俯くだけだった。

(そりゃあ言いづらそうにするわな……)

「あー、と、この話の流れだとちょっとばかし聞きにくいんだが……ハルカさん達の地元には他に行ける高校はなかったのか?」

沈黙に耐えきれなくなった俺は、とりあえず話題を多少変える意味でもと今の話で疑問に思った事を聞いてみる事にしたのだった。