(さて、行ったか……)
どうやら順番にではなく二人で入るらしく、一緒に風呂場へと向かって行った。
(はー……普段からあんな可愛い子達と話す機会なんてそうそうねぇから無駄に緊張したぞ……しかも姉の方は目のやり場に困る大きさだし、なるべく見ない様にするのにかなり苦労したわ。顔見て話そうとすると確実に視界に入ってくるから思わず見ちまうしよ……)
等と息を吐いて同時に心の中で色々吐き出しながら布団のある部屋へと向かった。
(と言うか、仮にこれから一緒に住む事になるとしたら毎日あれを見ない様に頑張る必要があんのか……気疲れと理性的な何かがヤバそうだな)
そしてほとんど物置にしている部屋でなるべく汚れていない布団を見繕いながら、これからの事を考えてげんなりした。
(さて、ここはこれで良いとして……後は一応、一時的にでもハルカさんとヒサギがこの部屋使うんなら二人の荷物も持ってきとくか)
自分の部屋を軽く片付けつつ、運んできた布団を敷いてそんな事を考える。
(でも、勝手に触らない方が良いような気もすんな……やっぱ風呂から上がってから本人達に運んだ方が良いのか聞くかね)
自分が使う用の薄い掛け布団を小脇に抱えながら戻ってきてそのままソファーへと置いておく。
(まだまだ上がんねぇだろうから食器でも洗って……うん?)
キッチンへ行こうとした所で視界の端にハルカの荷物が見えた。
(おいおい、何でまた開いたままになってんだよ……って、何だこれ!?)
勿論漁るつもりはなかったのだが余程慌てていたのかキャリーケースが開いたままになっており、それを閉めてようと近づいて中の異様に大きい物が目についてしまった。
(これ……多分、ブラジャーだよな?大きいのはわかってたんだが、あれを包むだけあって有り得ないほどでけぇな……)
バレると事なので触るつもりはないものの、普段は見る機会もない上に他に類を見ない程の大きさなそれを思わずまじまじと見てしまう。
(これは勝手に閉めない方が良いよな……と言うか気づかなかったふりした方が良さそうだ)
そう考えた俺は荷物には触れず、食器を洗う為にキッチンへと向かったのだった。