milk story

ttn 作
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「ミルクバー」を知っているだろうか?
普通の酒場なら酒を出すがここは文字通りミルクを提供するバーだ。
そしてここは普通のミルクバーじゃ無い。
提供するのは牛から絞った乳では無い。
もっと良質でおいしく、たくさん手に入るミルクがあるからだ。

広い宇宙の彼方にシュレースという星がある。
そこに住むシュレース星人は独りでに妊娠し女性しか生まない。
そしてとても体が大きくどんなに小さくとも10メートル、大きければその何百倍だ。
そして彼女達は乳房からいつも母乳を絞っている。
乳房の中で常時作られ続ける乳が絞られずに溜まり続ければ死に至る。
それゆえ、面倒だが自分でいつも自分の乳房を絞っている。

私はその星の噂を知り実際に行き、彼女達と話し合い契約をする。
シュレース星の全員が喜んだ。
今まで面倒で仕方なかった自分の乳絞りを、代わりにやってくれる人がいるなんて。それなのに私たちが給料をもらえるなんて。
意見は合致した。来たいと言った一部の人々を私の船に乗せ地球へ連れてきて今に至る。

ここはmilk bar。
提供するのはシュレース星人から搾り取った至高のミルクなのだ。



「いらっしゃーい・・・あ、久々ですね」
「いつものを頼む」
「はい、特濃一つですね・・・」

ここは俺の行きつけのバー。
仕事が終わるとよくここへ来るのだ。
普通の店では味わえない安らぎと落ち着きと満足感・・・それがここの常連である理由だ。
店内は狭い。地球のお客でも10人入れないだろう。
だが狭いのは店内の話。バーカウンターの反対側には数メートルはある巨大なビールサーバーならぬミルクサーバーがある。

正確に言うならばシュレース星人の大きな二つの胸がそこにあった。
壁には巨大な穴が二つ開いている。担当のシュレース星人がそこに二つの乳房をスッポリと差し込む。つまり壁の反対側の彼女達は働いているのである。
最高級のミルクを提供するという仕事を。

店主がミルクサーバーという名の乳房の前に立つ。胸しか見えてないのにも拘らず自販機数台分の大きさがそこにある。まずは全体を均等にさする。その後徐々にさすりから揉みへと移り行く。特大のゴムボールをこねているようである。

次第に乳房全体が小刻みに震えだした。そろそろだ。

「マスタぁ・・・そろそろ・・・・」

壁の反対側から聞こえた声に合図し彼は乳首の周りの部分をグッと押し込む。すると乳首の先がぷくうっと膨れミルクがどっと流れ出した。それをこぼれないよう器用にグラスに注ぐ。

グラスがいっぱいになりそうになると乳首をトントンとつつく。それが合図なのかミルクはまだ出そう・・・と感じさせつつも徐々に収まりだした。それでもすこし多めに出た分はマスターが別のジョッキへ入れサービスとしてお客達に振舞ったのだ。

一気に飲む。体に染み渡る美味さだ。活力が沸く。絞りたてが一番というがまさしくその通りだ。

その後勘定を済ませまた来る、と言い残し俺は店を出た。
明日もまた来るのだろう。