大宇宙温泉物語

ttn 作
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無限の生命が暮らす宇宙。
数センチの生き物から数キロにいたるまで
体の大きさだけでもここまで様々な種族が生きている。

俺は吉田優弥、現在16歳。
何もかもが平凡すぎる普通の高校生。
ずっと地球暮らしで他の星の奴なんて、ほとんど見たことはないんだが
なんと親父が突然の失踪!
そして親戚は、消えた親父の運営してた温泉を継げと言い出した!
しかもそこは、古今東西のあらゆる星の生き物が入れるという大宇宙温泉だとか!

まあ部活もしてないし放課後や休日だけなら……
などと軽く考えたのが大間違い。

はたして俺はうまく温泉をやっていけるのか?
学校生活との両立なんてできるのか?
というか親父はどこいった!?

今、てんやわんやの大宇宙温泉物語が始まる……



「じゃあ帰りに温泉寄ってくるから」
「はいはーい。気をつけなさいよー?」

母さんは落ち着いていた。親父が失踪したというのにある意味変わっている。
まあ自由人だった親父の結婚相手だし
いつか帰ってくるでしょ?くらいの考えかもしれない。



「すげーよお前!宇宙人街でバイトなんてよー!!」

学校に来た俺に向かって、やかましいくらいに話してくるのは友人の川田。脳天気なお調子者だ。

「大丈夫なの?踏まれたりしないでよ?」

心配そうに話してくるのは幼馴染みの相沢。
幼稚園から一緒でいつも姉が心配するように接してくる。

「いいなあ宇宙人街。近いうち見に行くからさ」

のんびり話すのは友人の松尾。何があっても動じない結構タフな男だ。

「継いだって言ったって形だけ。普段は親父の頃からの従業員に任せて行けそうなときだけ手伝うくらいだし」
「でもすげーよ!宇宙人の知り合いとかできたかも!」
「まあ頑張りなよ。良い体験になるかもね」
「気をつけてね?変なことに巻き込まれないでね?」
「ああ。気をつけるからさ」



そして学校から自転車で10分。そこから電車で数十分。
地下にある宇宙人街への直行のエレベーターに乗ればもう別世界だ。
俺は、動く歩道に乗って移動しながら町を眺めた。

数センチほどの宇宙人も、何十メートルはあるかという宇宙人も大勢いる。
左を見るとチャラそうな男二人がオドオドした女の子をナンパしていた。
だが女の子は身長10メートル以上はありそうな、かなりデカい宇宙人だった。
10メートル近い身長であったため、両胸にぶら下がっている二つのふくらみの大きさもやはり尋常ではなく
チャラそうな男二人の言葉を聞いていた彼女は、オドオドしながら何度も両胸の巨大なボール型の乳肉の塊を、ブルンブルンと激しく揺らし続けていた。

こんな体格差でナンパして一体どうするのか、などと思って眺めてるとあっという間に目的地に到着した。

「よっ!遅かったじゃん?」

そこには親父の妹である吉田貴子が待っていた。



貴子さんに案内されつつ温泉に到着。
「秘境・大宇宙温泉」とデカデカと書かれた看板が目に付く。
大宇宙からお客が集まるように・・・と考え親父がつけた名前らしい。

「別に難しく考えることないさ。新人アルバイトのつもりで行けば良いわけ」
「ところで、確か従業員の人がいるとか・・・」
「ああっ!いろんな星から兄貴が連れてきた奴等ね!ちょうど全部で5人いるわ」

話ながら宿の中へ行き店仕舞いまで待ってると
貴子さんが従業員を連れてきて紹介してくれた。

「まずはこの娘がリリ。そして隣りにいるのが妹のツグミ。地球人っぽいのは名前だけで二人ともプーシ星出身さ」
「あ・・あのぉ・・よろしくお願いします!」

リリという娘が挨拶してくれた。同い年くらいに見える。
髪が真っ赤なことを除けばいたって普通な地球の美少女だ

「ほら!リリ姉緊張しないで!あ、私ツグミって言いますから以後よろしく!!!」

姉にちょっかいを出しながら気軽に話してくるのがツグミ。青い髪だ。

「こっちの大柄なのがドム。料理担当ね」
「どうもよろしくっス!」

こっちは一目で宇宙人と分かる。虎が二足歩行してるような外見だからだ。

「んで彼がレイ。色々教えてもらいなよ?」

貴子さんの隣りには誰もいない。必死にレイという人を探していると・・・。

「ここだ、俺がレイ。困ったら俺に聞け・・・」

声の先に目を向けると彼はいた。細身だが鍛えられた体に美形ではあるが屈強そうな顔。
だが驚いたのはそんなことではない。なんと彼、レイは地球人の親指ほどの大きさの宇宙人だった。

「体格は関係ない。これでも俺は幾多の修羅場を越えてきた」

確かに大きさを考えなければ頼りがいのありそうな人だ。

「最後に事務系をやってくれるノヤ。これで全員だね」
「私はノヤ。よろしく、吉田優弥」

紹介されたノヤという娘。不思議な感じをまとったピンクの髪の娘だ。
だが何故か彼女はパソコンのディスプレイに映った顔で話しかけている。

「ノヤはギガラ星出身だからね。地下の自分の専用の部屋で仕事してるからさ」

ギガラ星。勉強好きではない俺でも知ってる。
宇宙には大きな体を持つ宇宙人がたくさんいる。
ギガラ星人はその中でもかなり上位に入るらしく、100メートル以上の身長を持つという。

「じゃあこんなもんだね。優弥は明日から本格的に仕事してもらうから、サボんじゃないわよ?」
「しませんよそんなこと!えっと、とりあえず明日からよろしくお願いします・・・」

そう挨拶し俺は帰宅した。
明日から一体、どんな日々が待っているのだろうか?