大宇宙温泉物語

ttn 作
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ここはmilk bar。店内にいるのは従業員と4人の客。 

「じゃあ昔話でも聞かせてくださいよぉー?良いでしょぉぉ?ねぇぇ・・・」
「ちょっとツグミっ・・・なんで牛乳でそんな酔っ払いみたいに・・・」

フラフラの妹を介抱する姉、リリとツグミの姉妹だ。
二人が飲んでいるのはシュレース星人のミルクだが
最近、新メニューとなった「女性が飲んでも大丈夫なミルク」らしく
おっぱいミルクが止まらなかったり巨大化したりする心配は無い。

「場酔いってやつ・・・ですかね・・・」
「全く・・・まあ昔話くらいならしてやらんでもないがな」

そしてもう片方はレイと優弥。ちなみにレイは小人なのでテーブルに座っている。
そして人形用のコップに注がれたミルクを、大皿を持つように飲んでいた。

「ホントですかぁぁ!?じぁあ軍人だった頃の武勇伝とかぁぁ・・・」
「えっ!?レイさんって・・・」
「元軍人らしいですよ。詳しい事は源治さん・・・というか優弥さんのお父さんしか・・・」

リリに言われて始めて知った優弥。レイのあの小ささを感じさせない言動や技の数々。
只者ではないと思ってはいたがまさか元軍人だとは。そして親父との関係性って・・・
そういえば初めてこの温泉に来る前に貴子さんが言ってた。

「ああ。いろんな星から兄貴が連れてきた奴等さ。全部で5人だったっけ」

レイさんもリリもツグミもドムさんもノヤも・・・
みんな親父が地球まで連れてきたのか・・・俺の知らないことは多いんだな・・・。

「じゃあ、あの話でもするか・・・」
「よぉっっ!待ってましたっ!レイさんッッ!!」

元気すぎるツグミの合いの手をスルーし、レイは静かに語り始めた・・・。



俺はレイ。苗字なんて無い。「レイ」が俺の名前だ。シンプルで気に入っている。
ヨクト星生まれのヨクト星人。
そう宇宙でもトップレベルな体の小ささで有名な、あのヨクト星人だ。
だがヨクト星人には小ささ以外にもう一つ有名なことがある。それは・・・

強さだ。こんなに体が小さくとも俺たちヨクト星人は昔からの戦闘種族なのだ。
すぐにでも巨大宇宙人の首を襲えるほどの跳躍力。
どんなに巨大な体で攻撃されようと立ち向かっていくスタミナと精神力。
全てが合わさった結果、ヨクトの傭兵部隊は今では宇宙最強と呼ばれるほどになった。

この話は俺がまだ傭兵として宇宙中を飛び回り、毎日のように闘っていた頃の話だ。



「この星ともお別れか・・・良い戦場だったなレイ・・・」
「そうだなバズ・・・久々の戦い甲斐のある星だった・・・」

戦友のバズとともに俺は、巨大基地の窓からイーズムの光景を眺めていた。
イーズム星人は地球人より少し大柄だが俺たちヨクト星人の敵ではなく
ほんの数ヶ月の戦いで俺たちの勝利は目前となっていた。そんな時・・・

「大変です!敵軍が傭兵を雇いこちらに新たに攻めて来るとの情報がっ!」
「なぁに、どんな傭兵を雇っても俺たちヨクト人の敵じゃあない、なあレイ?」
「全くだな、ところでヤツラが雇った傭兵ってのは何星人なんだ?」
「デ・・・デカン星人のようですっっ!」

デカン星人。かなりの巨体を持つ女ばかりの種族。
だが巨体と言ってもシュレース星人やギガラ星人に比べたら小人のような種族だ。
だがヤツラもまた戦闘種族。その巨体での戦い方を熟知している。
デカン星人に踏まれ、潰された基地は数知れず。
この戦い、なかなかやり甲斐がありそうだ・・・。

その時、地平線の向こうから大声が響いた。

「虫けらミジンコ以下のヨクト星人ー?大人しく降参すれば被害は出さないわー!もし降参しないようならこのデカン一の巨人、ユノが相手よー!?」

「ユノって・・・あの・・・!?」
「なるほどな・・・イーズムの奴ら、これを最後の戦いにしようとしてるわけか」
「百戦錬磨のユノ・・・相手にとって不足なし、だなバズ」
「ああ、あのデカブツを辱めてやろうじゃねぇかレイ」

俺たち二人を含めた大勢のヨクト人たちは一斉に基地から出動する。
地平線の彼方に見える、あの巨人を打ち倒すために・・・。



「それぇっ!どうよヨクト星人!?大人しく私に踏み潰されなさいっっ!」

宇宙船よりも巨大な足が辺りの地面に大穴を空けていく。だが俺たちはそれを避ける。
ユノは激しく動いてるため上手く体にしがみ付けない。
しがみ付けたなら後は体を登り急所にダメージを与えていくだけなのだが・・・。

「ちょこまかして面倒ねっ!これでも食らって死になさいよぉっ!」

「来るぞっ全員避けろぉっ!」

ドゴオオオオオオオォォォォォォォォォォォ・・・・・・

ヒッププレス、それがユノの必殺技だ。
あの巨体が凄まじい跳躍をし、巨大な尻で全力で俺たちを潰そうと降って来た。
その威力、強力な爆弾でもここまでの破壊力は無いだろう。
何人かの戦友は犠牲になってしまったようだ。だが今がチャンスなのだ。

「行けえええええぇぇっ!尻からよじ登れえええええぇぇぇっ!!」
「ちょっ・・・!?しまった!体にくっつかれた!?」

大山のような尻に飛びつく俺たちヨクト星人。そのままパンツの中へと進んでいく。

「あぁんっ!こんなのっ!許さないんだからぁぁっっ!」

激しく体を揺らし、尻から大勢のヨクト星人を叩き出す、だがまだ生き残りはいる。

「バズっ!尻を登りきったらお前は背中から行けっ!」
「良いぜぇ!腹にいるお前と競争しようじゃねえかっ!」
「望むところだっっ!」

俺たちを含めた生き残りは、どんどん体をよじ登っていく。
いくら体を揺らそうが叩こうがしがみ付いては避け、かわして行く。
目指すはあの場所・・・!



「ひゃああああぁぁぁっっんっ!」

戦いは今、終わった。
体を登ってきた二人によって、巨大な二つのふくらみの先にある二つの突起を
力一杯刺激されてしまった巨人ユノは、可愛らしい声を響かせながら地面に倒れた。
その後も仲間達と共に、ユノの急所である両胸の乳首への攻撃を続けていく。
気付けばユノは快感に身をくねらせながら痙攣したようになり、一歩も動けなくなっていた。

イーズムでの戦いは終わった。
このユノの存在が、やつらの最後の切り札だったらしく、その後は何もしてこなかったのだ。
デカン星人傭兵ユノは一時、俺たちの捕虜となったが後に故郷へと帰っていった。

「次はどんな戦場へ送られるんだろうなぁ・・・レイよ?」
「さあな、だがどこだろうと生き抜いて見せるさ、俺たちなら・・・」



「と、まあこんな感じだ」
「いやぁ凄いっ!レイさんさすがっ!バズって人も同じくらい凄いっ!凄おおい!」
「ツグミ、あんたちゃんと話聞いてたの・・・?」
「なるほど、だから今のレイさんのあの身体能力があるんですね・・・」
「まあな・・・傭兵時代に比べれば今の仕事など楽過ぎるほどだ・・・」

最後に、俺はレイさんにあの質問をした・・・。

「その後、どうして・・・親父と・・・?」
「・・・・・・。話せば長くなるが、源治さんに命を救われた、とだけ言える」
「い、命っ!?どうしてそんな・・・というか俺、親父のことよく・・・」
「優弥。源治さんは、自由な人だった。どんな大きさだろうが、どんな容姿だろうが、あの人は一切の偏見を持たなかった。俺たち5人は全員、その大きさや容姿や生まれのせいで苦しみを受け、5人全員があの人にそんな苦しみから救ってもらったんだ。その恩を返したくて、こんな遠い地球という星で彼の元、働いているんだ・・・なのに・・・・・・」
「レイさん・・・」

俺は知らない。親父が何をしてどうして生きてきたか。
だがレイさんの話を聞く限り、宇宙中でいろんな人を救ってきたらしい・・・。

そんな親父・・・何故・・・消えた・・・?
分からない事ばかりだ・・・。