「どうだろうアリアこの仕事とか。かなり大きな宇宙人じゃないと出来ない仕事みたいだけど、アリアなら確実に通るよ」
「次郎さんが言うなら・・・私この仕事に行きますね・・・?」
アリアが今探していたのはアルバイトだ。
別に風呂屋だけではお金が足りない・・・というわけではない。
純粋にアリアがやってみたい!と言ったのである。
思えばアリアはこんなに大きいから二人で旅行や買い物なんて行けなかった。
毎日この風呂屋にいたらアリアも疲れるだろう・・・。
そう思った次郎はあえて風呂屋を定休にして今回のアルバイトを薦めていたのだった。
数日後さっそく指定された場所へ向かったアリア。宇宙人街のかなりはずれだ。
「私のほかにバイトの子っているのかしら・・・あ!いたわ・・・!」
声を掛けようと走っていくアリア。そこにいたのはピンクの髪の少女。
そう、ノヤである。いつものように手ごろなバイトを探しここにきたのだ。
だがノヤは、アリアから声を掛けられて少し驚いていた。
自分と同じ大きさなんてギガラ星人でなければありえない。
だがこの星に私以外のギガラ星人がいるなんて・・・。
「私も今日もバイトできたの、名前はアリア。よろしくね?」
「ノヤです。あの・・・もしかしてギガラ星人の方で・・・」
「私はシュレース星人ですけど・・・もしかしてあなたはギガラ星人なのね?」
「えっ!?シュレース星人って・・・その大きさで!?」
「そうですけど・・・なんか私みんなに比べて昔からおっきくて・・・」
シュレース星人はかなり巨大な宇宙人ではあるが、上には上がいるのだ。
宇宙全体で見ればトップレベルに入るほどではない。
ギガラ星人のノヤから見ればシュレース星人は手のひらに乗るほどの小ささなはずなのである。
だが目の前にいるシュレース星人は、手のひらになど乗りはしない。
どう見ても自分と同じ大きさ、いや何だか胸の凄まじさを見てたらアリアの方が大きい気さえする。
彼女自身の体格とは、不釣り合いなくらいに大きな二つの胸のふくらみ。
それが重力を無視したように、力強く堂々と前方へ突き出しており
彼女が着ている、布の面積の少ない牛柄の水着を、今にも引き千切ってしまいそうであった。
それを見ていたノヤの事を、ただただ唖然としてしまう。
これはもう巨乳、なんて呼ぶのもおこがましいほどの巨大さだ。
一体どんな人生を送ってきたら、こんな超巨大サイズの胸に育つのだろう。
ノヤは目の前にある巨大すぎる乳肉の塊を見て、そんな事を悶々と考えていた。
「今日はよろしくね・・・?ノヤちゃん・・・?」
「は・・・はい。こちらこそ・・・」
今回二人が選んだ仕事は解体作業のバイトだ。宇宙人街は非常に巨大な街である。
解体、建築を何度も繰り返しては街をどんどん巨大化させているのである。
巨大な宇宙人による全身を使った解体作業は宇宙人街ではよく見られる光景だ。
だが今から行われる解体は・・・その規模が違ったのだ。
小規模な都市、丸ごと一つの解体。アリアやノヤでなければ何年掛かるか分からない。
指定された時間が始まり、早速二人は解体を始める。
「ノヤちゃんうまぁい!そうやると効率が良いのね・・・」
「アリアさんだって、かなりセンスありますよ・・・?」
気軽な会話を続けながらの仕事。だがこれを地球人サイズから見れば・・・
解体されている都市の周辺は人だかりの山が出来ている。全員野次馬なのだ。
普通の解体ならば野次馬など出来はしない。この街では日常風景としてスルーされるだろう。
だが、目の前の光景に大小さまざまな宇宙人が呆気に取られていた。
一歩歩く。それだけでビルが折れ、道路が砕け、地盤が揺らぐ。
胸が異常に大きな方が、尻もちをついた。爆撃のような音が響く。
お尻を持ち上げると、二つの巨大な尻肉のふくらみによって作られたクレーターが二つ。
その光景はまるで、隕石が落ちたのかと疑われそうである。
数百メートルもあるタワーも、柔らかく巨大な重量を持つ乳肉の谷間の中に挟みこまれ
最後にはその谷間の中で、磨り潰されるようにして粉々になる。
胸から転んでしまえば、その地面は大陥没が起きた。天災でもこうはいかないだろう。
大きなお尻や胸を最大限に生かし、ドンドン都市を破壊していく二人。
気が付けば、数分で都市全体の解体は終了した。
お金は後から振り込まれるらしく、二人の巨人は廃墟の街を去っていった。
野次馬たちは、ただただ見とれるばかりだった・・・。
「アリア、もし今度またバイトするなら別なのがいいかもね・・・」
「どうして次郎さん・・・?簡単だったし給料も良かったのに・・・」
「いやさ・・・ちょっと目立ちすぎたというか・・・」
野次馬たちの話は街全体に広がり、いつの間にか宇宙人街全体で
あの巨大すぎる二人を探そう!みたいなことが流行りだしていた。
アリアは簡単に見つかり、今では風呂屋はその影響で大繁盛。
もうしばらくはバイトなんてする暇は無さそうだ・・・。
一方のノヤだが、彼女は見つからなかった。
何故なら彼女の存在を知るのは従業員や一部の温泉の常連くらい。
知ってたとしてもいつもモニター越しの彼女である。
巨人だと知らない人が大多数なのだ。
そして仮に気付かれたとしても騒ぎ立てるようなお客はいなかったのだった・・・。