大宇宙温泉物語

ttn 作
Copyright 2014 by ttn All rights reserved.

「すいません相沢さん、今日レイさん休みで・・・」
「えっ!?まさか病気とか!?」

玄関先で話している二人。優弥の幼馴染でクラスメイトの相沢ゆかりと
会計担当、体の巨大さの為にモニター越しで会話をするノヤだ。

「違いますってー!確か昔の友人に会うらしいですよ?」
「あっ!確か、従業員のツグミさん・・・!昔の友人にですか・・・?」
「ハイ。ずいぶん遠い星で会う約束したらしくて、丸一日は帰ってきませんよー?」

話に入ってきたのはツグミ。相変わらずの元気さでちょっかいを出してくる。

「しかし、相沢さんって・・・レイさんにゾッコンですよねぇ・・・?」
「なっ!?別にそんなんじゃ!?ただ、優弥が心配で見に来ててっ・・・!」
「でも、確かにかなりの頻度でこの温泉に来てますよ?相沢さん」
「ノヤさんまでっ・・・別にそんな変な理由じゃっ・・・!」
「あっ!ゆかりちゃーん!また来たんだねー?ごひいきにしてくれてどうもね?」

ゆかりに話しかけてきたのは吉田貴子。一応この大宇宙温泉の女将なのだが
他に仕事があるらしく、温泉にいることは少ない。後ろにはリリもいる。

「貴子さんお久しぶりです・・・!優弥がいつもお世話に・・・!」
「アハハッ・・・むしろ幼馴染としてお世話してくれてるのはそっちでしょー?」
「貴子さん、何か用事なんですかー?」

そう聞くツグミに、貴子は早速今回の用件を話し始めるのだった・・・。



「最近この温泉で盗撮事件が起きてるの・・・知ってる?」
「盗撮って・・・そんな噂いちいち信じてませんよぉ?」とツグミ。
「それが事実らしいのよ、何でもこの温泉の女湯の隠し撮り写真が他の星で売られてたとか」
「なるほど、そんな噂も流れれば最近のお客の減りようも分かりますね」とノヤ。
「せっかく少し前テレビで紹介されて繁盛し始めてたというのに・・・!だからこそ今回は、その盗撮犯を捕まえるのよっ!私たちでっ!」
「ど・・・どうやって・・・?どこで撮られてるかも分からないのにっ!?」と相沢。

そこで貴子は、今回の盗撮犯捕獲作戦の全容を発表したのだった。

「リリとツグミ、そしてゆかりちゃん・・・この3人に囮として盗撮犯を引き付けて貰う!そして優弥とドムでその犯人を捕まえる!そんな作戦よっ!」
「ええぇぇっ!?何で私までがそんな・・・それに囮って・・・」
「大丈夫よゆかりちゃん、ただ3人でお風呂に入ってもらうだけ。それに釣られてノコノコ出てきた犯人を二人が捕まえる・・・完璧ねっ!」

貴子の説得により、相沢も作戦に参加することに。
だがやはり上手くいくかは大変心配であった。

「優弥、ちゃんと捕まえてよねっ!あと、必要以上にジロジロ見ないこと!」
「難しいって・・・まあドムさんと頑張るけどさ・・・」
「ハァ、こんな時こそレイさんが活躍できそうっス・・・」
「仕方ないですよドムさん。俺らだけでなんとかやりましょ・・・」



かくして、作戦は始まった。3人は脱衣室でにぎやかに話しながら服を脱ぎ始める。
そしてそれを遠目から眺める優弥とドム。犯人は見当たらない。

「いやぁ、リリ姉も凄いけど相沢さんも結構凄いかも。着やせするタイプとは・・・」
「えっ!?私って結構太って見えるんですか・・・ツグミさんっ!?」
「いやいや、ツグミが言ったのって胸限定の話ですから・・・」とフォローするリリ。
「胸・・・ってツグミさん・・・。まるでセクハラみたいな事・・・」
「すいませんね、相沢さん。ツグミって胸に関しては何故かやかましくて・・・」
「あーあ・・・リリ姉も相沢さんもこんなに凄いのに、あたしって・・・どうしてえぇっっ・・・!!!」と突然落ち込みだしたツグミ。
「だ、大丈夫よツグミ!胸は小振りでも、お尻とかは自慢できるくらいじゃない!」
「もぉっー!だからー!何かそれじゃ太ってるみたいだから言わないでよっー!」



「プーシ星人の姉妹に地球人一人・・・3人とも美人で、こりゃ売れそうじゃねぇか!」

俺様の名はへースケ。脱がれた下着の上に乗って、仕事の真っ最中なわけだ。
俺らクゾン星人は小人だ。それもヨクト星人並みの、宇宙でも最小クラスの分類。
だがその代わり、俺らには技がある。生まれつきクゾン星人誰もが持つ技・・・。

「体を透明にする。しかも時間制限無しで何十時間でも行える」

この技と体の小ささを生かして俺らクゾン星人は宇宙中で大儲けしてるわけだ。
物を盗んだり、情報を盗み見たり、こんな風に堂々と盗撮したってまず気付かれない。

「おっ!遂に浴槽へ入るかっ!なら追っかけて撮ってや・・・・・あああぁっっっ!!」

足が滑る。そしてそのまま俺は地面へ向かって落ちてゆく。これはヤバイ・・・
自分の数十倍の高さに一瞬で飛び上がれるヨクト星人ならこれくらい落ちても無傷だろうが
俺らはこの能力以外に地球人と大差ねえんだ・・・!ぶつかったら潰れる・・・!
クソォォォォォォォォ!死ぬくらいならこんな仕事なんてっっっっっ・・・!!!

ぼにゅううぅぅんんっっっ・・・・・・!!!!!



着地、したのか?こんなトコに都合よくトランポリンとかあるわけが・・・

「相沢さーんっ!早く入りましょうよーっ!」
「すいませーんツグミさん、下着がカゴから落ちただけですから今行きますー!」

地球人の娘の・・・胸の谷間に着地できたか。あぶねぇあぶねぇ・・・。
しかし、これは逆にチャンスかもな。なんせ絶好のポイントに来れたんだ。
ここならさらに近距離で撮れるに違いねぇぜ・・・!
激しく揺れる胸の谷間に乗った俺は、早速カメラを構えた・・・。



歩くたびボヨヨンッ・・・と揺れる足場は大変だったがおかげで良い写真が撮れた。
後は、この胸から出れば・・・と思った瞬間だった。

「あぁー相沢さんのおっぱいぃっ!うらやましいなぁ、もうっ!」
「きゃぁっ!ツグミさんっ・・・!何をぉ・・・!」
「また始まったわ・・・ツグミの変なクセ。付き合ってあげてね相沢さん?」

妹の方のプーシ星人が突然、俺の乗ってた地球人の胸を揉み始めた。
もにゅんたゆんっ!と激しく揺れる足場は立っていられない程だ・・・!

「このまま谷間に落ちたら抜け出せねえ、クソッ、飛ぶしか・・・!」

俺は巨大な胸の足場からジャンプした。そして別の陸地に飛び移る。

ぼにゅううううううぅぅぅんんっっっっ・・・・・・!!!!!!

俺が飛び移ったのは、姉の方のプーシ星人の胸。
さっきの胸も凄くデカかったが・・・こっちはその上を行くサイズだ・・・。
よし。今度はこの胸の上に乗って・・・あの二人の胸の揉みあいでも撮るか!

「今度は・・・リリ姉っっ!!大きさ比べなきゃぁぁっっ!!!」
「ゲェェェェェッッ!?まさか!?来るなああああああぁぁぁ!!!」

さっきまで地球人の胸を揉んでいた妹プーシ星人が、標的を変えやがった。
ぐにゅうぅんっっ!と激しく胸を掴まれたせいで、足場が・・・!

「あぁんっもうっ!やめなさいったらぁっ!ツグミぃぃ!」
「チキショーっ!二人揃ってデカ過ぎるってのおおぉぉぉっ!」

胸の足場から振り落とされた俺・・・温泉に落ち、ずぶ濡れになりながらも何とか
浴槽の端まで辿り着き、登った。ああ・・・カメラが死んだぜこりゃぁ・・・。



浴槽の端に座り、呆然としてる俺・・・。

「こんな目に会うなら、こんな星来るんじゃ無かっ・・・・・あああああぁぁっっっ!!!」
「ハァ・・・お尻がおっきくたって・・・全然嬉しくないんだもんっ・・・」

上を見上げた俺の眼前に広がる、肌色の空。そして真っ黒な大穴。またかよっっっ!

ドムウウゥウンン・・・・・

「が・・ぁ・・・体がつぶれ・・・クソ・・・抜け出せなぁっ・・・」

巨大すぎる二つのふくらみを持つ妹プーシ星人の尻。
手で押し返しても反応が無い。体重が俺の体にのしかかる。
ぐにゅんっ!と押される力が強まっていく。やばい、逃げ道は・・・

目の前に広がるのは、大穴。全てを飲み込みそうなブラックホール。
逃げ込めるはここだけだが・・・むしろここに入ったほうが
後々、恐ろしい目に会うだろうことは、俺でも分かる・・・!
つまり、逃げれないんだっ・・・・・!
今度こそ・・・死ぬ・・・!どうする俺、どうする・・・!

「あーあ、私も胸がおっきくなれれば・・・ん?何か・・・声??」

「ぁ、たすけてぇ・・・ぁぁぁ・・・」

死ぬくらいなら、俺は自首の道を選んだのだった・・・。



「まさかあの宇宙中でセコい悪さをし続けてる、クゾン星人の仕業とはねぇ・・・」

貴子が警察を見送りながらしみじみと語りだす。

「しかしお手柄ね、ツグミ!実質捕らえたのはあんただしっ!姉として鼻が高いわっ!」
「リリ姉、褒められてもなぁ・・・お尻の間に挟まってた犯人を見つけただけだし・・・」
「しかし、俺らは全く役に立ってないっスね・・・」
「まあ、勝手に犯人から捕まりに行ってくれて楽だったし良いんじゃないですか?」
「よーし!明日にはレイも戻るし大宇宙温泉の繁盛のため、また明日から頑張るわよぉー!」

高らかに宣言をした貴子の号令の後、仕事が終わり相沢は帰っていく。
優弥はそれを送っていくのだった。



「優弥・・・私ね、今まで勘違いしてた」
「勘違い・・・って?」
「ほら優弥が初めて私たちに温泉で働く、って言ってくれた時の私の返事・・・」


「大丈夫なの?踏まれたりしないでよ?」


「実は少し怖かった。優弥が宇宙人街でひどい目に会わされるんじゃないかって」
「相沢・・・そんな風に考えて・・・」
「でっ、でも今はそんなこと私の考え違いだってよく分かったのっ!」

相沢はこの街での思い出を振り返る。

「外見、大きさ、私たちとの違いは大きいけど、それでもみんな頑張って生きている・・・誰かの為に頑張ってるってよく分かったから・・・」
「俺もここに来て良かった。考え方やモノの見方が凄く広がったしな」
「いつか・・・こんな考えを地球人みんなで持てれば良いのにね・・・」
「だよなぁ・・・」

宇宙人街の存在を知っていても、宇宙人に会った事さえない地球人は大勢いる。

「今度はさ!川田君と松尾君も連れてくるから・・・!」
「ああ・・・いつでも歓迎するよ・・・大宇宙温泉でな」

二人は和やかに、歩いていくのだった。