もしも・・・が巨大な女の子だったら 第1話 もしも東京タワーが巨大な女の子だったら

ttn 作
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日常にあるあらゆるものが
もしも巨大な女の子だったら・・・
あの建物が、あの乗り物が、あの自然が・・・



この巨大な塔の頂上まで登り、先端の電球を取り替えるのが俺の仕事だ。
命綱も無いが何度もやってきた仕事だ。余裕がある。

「じゃあ登るからな。間違っても体を揺らしたりすんなよ?」
「わ、分かってるわよっ!早くしてよね!」

視点を上げる。そこにいるのは可愛らしい制服を着た強気そうな女の子がいた。
彼女の両胸にある、巨大サイズの膨らみ二つが邪魔をしているため
その顔を地上から見る事はなかなか出来ない。

誰がどう見ても、ただの少女。それも胸のかなり大きな女子高生にしか見えない。
だがしかし、これは300メートルはある電波塔なのだ。俺は仕事を始めた。

まずは足を登っていく。
電波を広域に届けるためいつも立ちっぱなしの彼女だがその足はとても柔らかい。
太ももなどは凄まじく、むちっむちっとしている。
大きさ以外は人間と変わらないそれに思わず興奮しそうになるが堪える。

そして次に俺を待つのは見渡す限りの、水色と白のしま模様。これも登るしかない。

「ちょっ・・ちょっとぉ!どこ触ってんのよっっ!!」
「仕方ないだろ!パンツの中に入ったほうが安全だしのぼりやすいんだから」
「だっ・・・だからってあんまり変なトコ触らないでよっ!」

パンツの中にもぐりこみ、そのままお尻を登る。
お尻の地肌とパンツの間で挟まっている為に苦しいが落ちる心配が無いぶん安心できる。

お尻のふくらみを登りきった後はシャツの中でお腹を登っていく。
そして最大の難関。

「あぁんっ・・・もうっ!また変なトコ触った!」
「わりい、でもブラの中はパンツの中以上に見通しが悪くて」
「もぉ、文句言ってないでさっさと登る!ほらっ!」

あまりにも胸が大きすぎるため、ブラジャーの中はパンツの中以上に挟まりがキツイ。
何とも言えない生温かさに包まれながらも、俺は必死になって上を目指して登っていく。
途中、手を掛ける所を間違ってしまい、とっさにピンクの非常用の取っ手に捕まった。
どうやら彼女は、この取っ手は触られるのが苦手らしい。

何とか無事に頭の上までたどり着き、先端の電球を取り替える。
俺は見晴らしの良い頭の上でいつものように話をしていた。

「実はね・・・今日でお別れなんだ・・・」
「えっ!?聞いてないぞそんなの!?」
「何でもね・・・新しいタワーが建つらしくて、あたしはもういらないんだって・・・」
「そんな勝手な・・・」
「でも仕方ないよ、あたしは電波塔。古くて使えないなら役目は無いよ・・・」
「そんな・・・今まで一緒にやってきたのに・・・」
「ありがとうね・・・今まで・・・好きだったよ、あんたの事・・・」

それが俺と彼女との最後の会話。
東京タワーとの最後の会話・・・。



「ひっさしぶりー!東京スカイツリーよっ!」
「えっ!お前あの時、お別れだって・・・!」
「生まれ変わったのよ!大きさだって600メートルよ!2倍なんだから!」

さらに大きくなった彼女。
その変わらない笑顔をみた俺はまたこの仕事で頑張っていけると思えたのだった。