大宇宙温泉物語

ttn 作
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貴子の提案で今日は温泉の従業員、全員参加でのお花見となった。
新たに加わったアリーサの歓迎会も含めているのだろう。
さっそく、宇宙人街でも有名な花見スポットへと出発する一行であった・・・。

「ここが、宇宙人街で一番の花見の名所・・・でっかいなぁっ・・・!!」

優弥は、さっきから開いた口の塞がらないでいた。
小人から巨人まで多くの花見客が来ているとは知っていたのだが
まさか桜の木まで巨人サイズだとは思いもしなかったのである。

「そりゃあ、ここは巨人も大量に来るし。地球人サイズの桜じゃ楽しめないでしょ?」

貴子の話を聞き優弥は納得した。まだまだこの街に関しては知らないことのほうが多い。

「おおぉっ!あそこの女の人っ!隠してはいるけど俺には分かるぜっ!爆乳だっっ!!」
「さっすが川田さんっ!じゃあ、あっちの人はどうです!?かなり大きそうですけども!!」
「ホントだっ!!ツグミちゃん・・・アレを見抜くとは、中々やるじゃないかっ!!」
「川田さんこそ・・・隠れ巨乳を一瞬で見抜くとはっ!!流石です!!!」

優弥の友人である相沢、川田、松尾の三人も一緒に花見に来ていた。
だが優弥は、川田とツグミの二人を出会わせたことを少し後悔し始めていた。
単体でさえ扱いに困るのだ。二人揃えばもう何が起きるのか分かったものではない・・・。

「よぉっしっ!!ツグミちゃん、あのおっぱいに・・・突撃だぁぁぁぁっっ!!!」
「はぁぁっい!!私もついて行きまぁぁすっ!!」

優弥の悪い予感は的中しそうであった・・・。

「こらぁ!ツグミぃぃ!!あと川田さんもぉっ!変なことしないでよぉっっ!?」

いつものようにリリの怒りの声が聞こえる。今日は二人に向けられてはいるが。

「はぁぁ・・・全く・・・二人とも迷惑ばっかり掛けて・・・松尾さんも大変ですよね?」
「そう?むしろ見てて面白いけど?」
「そっ!?そんなっっ!!いつもどんなトラブルを起こすかと、気が休まりませんよ!?」
「うーん・・・でもねぇリリさん?それを離れたトコから眺めると実に楽しいもんだよ?」
「・・・そう、ですか・・・」

リリと松尾、トラブルメーカーの相手という同じ立場にいながらその考えは正反対のものである。

優弥さんの友人って・・・どんな巨人の宇宙人よりも扱いが大変・・・
そんなふうに思ってしまうリリであった。



「もうっっ!不倫だわっ!次郎さんなんて・・・大っ嫌いですぅっっ!!」

どうやら別の場所で次郎と二人きりでお花見に来ていたらしい。
だがついさっき、泣きながらこちらの席へと
巨体と凄まじいサイズである二つの胸の膨らみを、豪快に揺らしながら走ってきたのだ。

「落ち着いてアリアさん・・・私が話を聞きますから」

号泣するアリアをなだめるノヤ。二人の超巨人の女性が並んでいると圧巻であった。
時間が経つとアリアの興奮も収まった。その後、泣き止んだアリアが話を始めた。

「少し前までは次郎さんとすごぉぉく仲良くお花見をしてたんです・・・それなのに!」
「それなのに・・・どうしたんです?」
「次郎さん!!私を置き去りにして、別な女の人の所へ走っていったんですよっ!?」
「そんな・・・次郎さんがそんなことを・・・!?」

ノヤは信じられない。二人が、見ていて恥ずかしい程に仲が良い事はよく知っていたからだ。

「次郎さんが・・・まさかそんなこと・・・ありえない・・・」
「事実よノヤちゃんっ!いくらスカウトの為だからってっ!許せないでしょ!?」
「へっ!?スカウトぉぉ!?」

その後のアリアの話を聞いていくうちに事の真相が見えてきた。
次郎が別な女性のところへ行ったのは、その女性をmilk bathにスカウトするためだ。
彼女の胸元を一目見て、その超巨大なおっぱいの大きさからシュレース星人だと気付いた次郎。
間違いなく彼女は、良質なミルクの持ち主である。
そんな逸材を見て、次郎は体が先に動いてしまったのであった。
しかもアリアへと去り際にこんな言葉を残したらしい。

「あくまで店の今後のためさ・・・僕の一番は、アリア。君だけだから」

「アリアさん・・・別に不倫ではないでしょ?良いじゃないですか?」
「でもねっ!!次郎さんとその女性とが仲良くしてるの見たら、何だかっ!!!」
「まぁ・・・気持ちは分かりますけども・・・」

その後かなり長時間にわたってアリアの話を聞き続けたノヤ。
いわゆるアリアの「焼きもち」なのであった・・・。



「良い桜っスねぇ・・・レイさん・・・」
「ああ。全くだな」

こちらはドムとレイ。二人静かに桜をながめていた。

「まるで日々の疲れやストレスまで綺麗に洗い流れていくようだ・・・なぁドム?」
「そうっスねぇ・・・日々の嫌な事が流れるっス」
「ドム・・・?」
「思えばっ!ただでさえ少ない出番なのにっ!損な役回りばっかっス!!!」
「おいっ、落ち着けドム。酔いが回ってきたのか?」
「そもそもっ!トラの獣人ってのが微妙な個性っス!この「っス」も面倒なだけだし!!」

「おい・・・ドム・・・その「っス」が無いと他の登場人物と区別が・・・」
「レイさんには分からないでしょ!小人という個性でいつも大活躍のアンタにはっ!!」

ドムの暴走は止まらない。誰も止める事はできない。

「ちくしょぉぉ!!俺も巨人のおっぱい美女とふれあいてぇよぉぉぉっっ!!!」
「ドム、好きなだけ話せ。俺が聞いていてやるから・・・」
「ちっくしょぉぉぉぉ・・・・・!!!!!」

二人の男の語らいは、数時間以上続いたという・・・。



「今日はありがとね優弥?こんな凄いトコに呼んでもらって」
「相沢にはいつも心配掛けてるしさ。あの二人は連れてこない方が良かった気はするけど」
「・・・うん、確かにね・・・」

優弥と相沢は仲良く話していた。遠くから響く女性達の悲鳴を聞きながら。
もちろんあの二人によるセクハラ行為の影響である。

「そうだっ!優弥これ・・・食べてくれる?」

相沢が持っていたのは小さな弁当箱。それを優弥に差し出した。

「ああ、別に構わないけども」
「ホントぉっ!じゃあこのおかず・・・どうぞっ?」

相沢が口に運んできたおかずをほお張る優弥。なかなか絶品である。

「相沢っ!美味いよこれっ!!」
「良かったぁ!じゃあ他のもあるから、たくさん食べて?」
「二人ともぉ・・・ずいぶん仲が良いわねぇ?」

突如現れた貴子に驚く二人。
そして自分達が予想以上に密着していた事に気付き赤面した。

「しかし、ゆかりちゃんもこの街にかなり慣れたものねぇ・・・」
「色んな人、色んな出来事にあってこの街の良さが分かったんです・・・」
「良いことね。また大きく成長したわけだ。優弥もね?」
「そりゃあ・・・今までアレだけの騒動に巻き込まれれば成長もします・・・」

優弥は思い返す。この街での日々。今までも、これからも続いていくのだ・・・。
これならば、きっといつ親父が帰ってきたって胸を張って出迎えれる。
そう優弥は心の中で思っていたのだった。

「よぉぉし!優弥!ゆかりちゃん!今日は・・・私に付き合って飲むのよぉぉっ!!」
「貴子さぁんっ!無理ですってばぁぁっっ!!!」

その後、次郎の必死の弁明でアリアとはまた元のラブラブ夫婦に戻っていた。
川田とツグミはリリに散々叱られたらしい。松尾は相変わらず見ていただけだ。
そしてドムはよほど酔っていたのか、叫んでいた時の記憶が一切無見かったという。