大宇宙温泉物語

ttn 作
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「次は市場で食材の買出しっスね・・・ホント休む暇も無いっスよ・・・」

まだかなり肌寒い宇宙人街の、大きな道路を走っていく一台の車。
それに乗っているのは大宇宙温泉の厨房を任されているトラの宇宙人、ドムである。
宇宙人街の外れにある市場まで食材を仕入れに行く途中なのであった。
車はどんどん進んでいき、長い長いトンネルへと入っていく。ここが近道なのだ。

だが少しトンネルを進むと突然、酷い渋滞をドムは目にした。
完全に車が止まっている。動く気配が一切無いのであった。
近くの車に声を掛けてみるドム。

「あのー!この酷い渋滞・・・道路の先で何か事故でもあったんスかぁっ?」
「あぁ。数時間前に起こったらしいぜー?トラのあんちゃんよー?」

ドムの問いに答えてくれたトラックの男は続けて、こう話した。

「何でもよー、巨人の宇宙人がトンネルに挟まっちまって動けないらしいぜー?」
「トンネルに?挟まるくらいなら最初からトンネルに入れないはずっスが・・・」
「いやなー?何でもその巨人・・・体の大きさが変わる珍しい種族らしくてなー?」

トラックの男の話にドムは少し嫌な予感がしてしまった。
体の大きさを変える種族なら、大宇宙温泉にもいるのである。
少し前に入ってきた新人、アルファス星人のアリーサ。
彼女は体の大きさを、地球人サイズにも超巨人サイズにも出来る。
もしかしたら・・・そんな事を考えて、顔を青くしたドムにトラックの男はこう言った。

「その巨人・・・何でも寒さを吸収して大きくなる、とか言ってたが・・・」

その言葉を聴き安堵するドム。どうやらアリーサではないらしい。
しかし寒さを吸収して大きくなる・・・こんな肌寒い日ではどこまでも巨大化しそうだ。

「じゃ・・・自分、事故現場を少し見てくるっスから!」

そうトラックの男に言い残し、車から出て歩いていくドム。
この渋滞なら、数時間掛かっても車は一切動かないだろうから・・・。



ドムは凄まじい渋滞の中を歩いて行くと、問題の巨人が挟まっているという場所まで来た。
確かにトンでもない大きさの宇宙人の体が、トンネルのド真ん中でぴっちりと挟まっていた。

恐らく普通に歩いてトンネルを通っていたら、予想外に気温が冷え込んできたためか。
寒さを吸収して大きくなるという体質が発揮され、さっきまで通れていたトンネルも
体が大きくなっていき、最期は身動きも取れなくなったのであろう。

土管の中を通ろうとしたら予想外に直径が狭くて、つっかえてしまった。そんな感じの挟まり方である。
そして辺りには異様なほどに大量の野次馬と警察の姿。
その巨人のつっかえ方が野次馬を引き寄せているのだと、一瞬で分かってしまう。

その巨人は女であり、メイドの格好をしていた。つっかえたのは胸とお尻の部分。
凄まじく大きな胸の二つのふくらみは、トンネル内の狭い空間を突き破ってしまいそうなほどであり
豊満な彼女のお尻は、トンネルを内側からドカンと壊してしまいそうであった。
トンネルの反対側から見れば彼女の巨大な顔と対面できるだろう。
そしてこちら側には、露になった彼女のお尻がデカデカと見えている。

可愛らしい雪だるま柄のパンツ。それを突き破りそうなほどに大きなお尻。
トンネルの天井まで届くほどに大きなお尻であるため、視界一面がお尻になる。
その圧倒的なふくらみは、神々しさ、なんて言葉が出てくるほどであった・・・。



ドムは自分の車まで引き返し、トンネルから車で走り去っていった。
市場まで遠回りになるが、あの状態を何とかするのは簡単にはいかないだろう。
寒さを吸収して大きくなる。この肌寒さが収まるまで事態は進展しないのである。
ならば遠回りでもこちらのほうが早く着くはずだ。
超巨大な彼女の、胸やお尻見たさに野次馬も増え、現場はさらに混乱し始めていたのだから・・・。

「全く・・・今日は運が無かったっスね・・・」

車を素早く走らせながら、そんな事をつぶやくドム。
だが彼女が持つあの豊満な体には一見の価値があった。ドムはそう確信する。

巨人による騒動など宇宙人街では日常茶飯事。
今もどこかで新たなトラブルが、この街で起きているのだろう・・・。