「や〜れやれ、ここまでくると笑うしかないなぁ・・・」
「あら? 肝試しの準備はどうなってるのかしら?」
放課後、独り言を呟きつつ古ぼけた歴史書を読み耽っていると、背後から声が掛けられた。
「おっと、部長でしたか。こりゃ失礼。変わった文献があったんでついつい読んじゃって・・・」
俺は振り返りながら謝った。
「もう・・・ちゃんと準備しなくっちゃ駄目よ?」
部長は頬を膨らませてムスッとした。
「それで、何が笑うしかないのかしら?」
「肝試しのルートにあったあの無人の神社についての伝承ですよ」
俺は読みかけた歴史書を差し出した。
「え〜と・・・この地方に伝わる地鎮祭の由来について?」
部長は本を手に取り、冒頭の文章を目で追い始めた。
今我々が双子山と呼んでいる二つの山は元々は鐘状火山に分類される活火山だった。
その為古くから噴火を恐れて地鎮祭や双子山を祭り上げる民族宗教が複数存在するが、
古い物は国産み伝説から始まり、新しい物では怨霊信仰まであるとされている──
「どこが面白いのかしら?」
「あの神社に関わる怪談話と一致する話が一つあるんですよ」
俺は『地母神伝承』と題されたページを開いた。
双子山に祭られた神は乳神としても祀られているが、その原型となる話が西部の山村で発見されている。
かつて国を産み出したとされる大乳之子宝は、生み出した子供が乳離れをした後も母乳が止まらず
胸は膨れ上がるばかりだった。死して大地に葬られた後もその胸は膨れ、流れる乳で世を潤した。
しかし、長い年月を経ても尚膨れるその胸は、いつしか山となる程だった。
その為母乳で乳が張ると地震が始まって山は高くなり、母乳が噴き出す度に空は霧に覆われ、
地に住まう人々は苦しめられた。人々は巫女を通して神々に助けを求めると、一人の巫女が神託を授かった。
汝らが崇めし山は国産みし神の乳房なり。時に溢れ出る赤き流れは、かの神の乳なり。
太古の昔に永久の眠りにつきし神はその乳を持って常世の命を育む事を契り、今も尚汝らに恵みを与えん。
故に赤き流れ、止める事適わず。赤き流れ止まる時、常世の命尽きる時なり。
赤き流れを止めんと欲すならかの神と契るべし。
汝の体を依代として彼の神の血を常世の民に振舞い、その命を育むべし。
さすれば赤き流れ、世に放たれる事あらん。
この神託を受けた巫女は山の神と契り、以後火山が噴火することは無くなった。
代わりに巫女は神としての力を生ける者に使う事を義務付けられた。
巫女の乳房は尽きる事の無い母乳で膨れ上がった結果一人では歩けなくなり、
常に誰かが寄り添って世話をしなければならなくなった。
しかし巫女の乳を飲めばいかなる病も癒され、健やかに暮らせるようになった。
田圃や畑に乳を注げば豊作が約束され、誰もが巫女を慕うようになった。
また子授けの力を使う事が出来た為、子に恵まれぬ夫婦には子宝を授け、
巫女自身も子宝に恵まれ幸せに過ごしたとされている。
そして巫女が天寿を全うして埋葬されると、次の日に御神木の近くでは甘い木の実が実り、
米の研ぎ汁のように白い湧き水が溢れ出した。不思議に思った次代の巫女が
木の実を食べると胸が膨れ、湧き水を飲むとたちまち乳房は母乳で満たされた
以来この神社では、木の実を湧き水と混ぜて神酒を作り繁栄を願う事になった。
神と契ればこの地に縛られ世に恵みをもたらす巫女として生きる事になり、
湧き水と木の実で作る神酒を飲めば神の力を得る代わりに
健やかな体と子宝を授かり終生幸せになるとされる。
以上が双子山の地母神伝承である。
「へぇ・・・こんな昔話があったんだ」
部長は視線を俺に戻した。
「手水場の水を飲むと胸が大きくなるって噂にこんな由来があったなんて初めて知ったわ」
「でも部長には全く無意味でしたから所詮噂話ですよね」
俎板同然の平坦な部長の胸を見て軽口を叩いた瞬間、俺は頭を叩かれた。
「こら! そんな事を面と向かって言うんじゃありません」
「いてぇ・・・本の角で殴らないで下さいよ。いくら図星でも酷い──危ね!」
すかさず飛んでくる2発目。咄嗟に防御するが腕が痛い。
「まぁとりあえず祟り神が祭られてないとわかってよかったわね。
四谷怪談みたいな事になったら責任が取りきれないし」
「部長が水を飲んで女の子らしくなったら面白かったんですけどねぇ・・・」
部長は百科事典を本棚から取り出した。
「まだ何か言いたい?」
「・・・ノーコメント」
流石に時点で頭を殴られるのは勘弁願いたい。
「それじゃあ引き続き準備に戻りなさい」
「へ〜い・・・そんじゃルートの下見に行きますかね」
俺は再び作業に戻るのであった。
@ @ @
「あ〜あ・・・こりゃないぜ」
肝試し用にルートの下見を終え、安全も確認できたし準備は万端。
意気揚々と帰ろうとした先で雷雨である。幸いにも道中にあった神社に隠れる事が出来たものの、
雨の中を突っ切りながら全力で走ったせいで息が辛い。
「はぁはぁ・・・雨宿りできただけましね・・・とはいえこのままだと準備が遅れそうね」
汗を拭い、息を整えながら部長は苦々しく呟いた。
「なら神様に祈ってみます? 丁度そこに御神体もあるわけですし」
女性を模した像を指差して俺は言った。
「そうねぇ・・・本当に止んだらそれはそれで面白いし祈ってみましょうか」
部長と俺は御神体に近づいた。
「神様、どうかこの雨をお鎮め下さいませ。もしお鎮めになられるのであれば
この神社に仕え、隣の女を巫女として献上し奉る事を約束致します──」
拍手を打って俺は呟いた。
「こらっ、人の体で遊ぶな。神様が聞いていたらどうするのよ。私は歩けなくなるなんて嫌よ」
「大丈夫。その時は責任取って結婚でも何でもするんで
安心して祈ってください。なんなら指きりでもやります?」
からかい半分で俺は小指を差し出した。
「むむむ・・・そこまで言うならやってやろうじゃない」
部長は小指を俺の指に絡めた。
「指きり拳万嘘付いたら針千本の〜ます。指切った!」
部長は口早に決まり文句を言い切った。
「まさか本当にやるとは・・・」
「冗談でもあんな事は軽々しく言っちゃ駄目。女の子から軽く見られるわよ」
「・・・サーセン」
自分から振ったネタなのにどうも照れくさい。俺は思わずそっぽを向いた。
「しっかし酷い雨だ。早く止んでくれねぇかな・・・」
雨に濡れた服が体温を奪い、寒気が走る。もう夕暮れ時で寒くなってきている。
このままでは風邪を引いてしまいかねない。
「へっくしゅ!」
部長が派手にくしゃみをした。
「おっと、大丈夫ですか?」
「ん・・・大丈夫。ちょっと鼻がムズムズしただけだから気にしないで」
そう言う部長の体は震えている。顔も心なしか赤い。
「う〜ん・・・何か体が暖まりそうな物は無いかな・・・」
家具を漁ってみるが、出てくるのは神事で使う幣や梵天ぐらいだ。
後は神棚には瓶が数本置いてあるくらいなものだ。
「まてよ・・・この瓶はもしかして・・・」
神棚の瓶を手に取って蓋を開けてみた。中からはきついアルコールの匂いがする。
「これ、伝承の神酒って奴か?」
飲めば健やかな体を得られると書いてあったあれだ。もしかしたら薬酒なのかもしれない。
「でもこれ飲めるのか?」
腐ってたりしたら大問題だ。試しに酒を一滴舐めてみた。
「甘っ。・・・まぁ腐ってないし大丈夫か」
酒だから飲ませれば体は温まるだろう。とりあえず俺は瓶を部長の下へ持って行った。
「部長、これでも飲んで暖まってください」
「これは・・・何?」
部長は瓶を見て訊ねた。
「お酒です。毒見は済ませてあるんで飲んでください。温まりますよ」
「分かったわ・・・」
部長は瓶に口を付けてゆっくりと傾けた。
「あ・・・美味しい」
ぽつりと呟くとそのまま喉を鳴らして飲み始めた。
「ねぇ、そっちの瓶もお酒?」
「あ〜、多分そうだと思いますよ」
「なら全部頂戴」
部長はひったくるように瓶を手に取り、一気に飲み干した。
「一気飲みは危ないっすよ」
「大丈夫よ」
俺の忠告を気にせず酒を呷る部長は、みるみる顔が赤くなっている。
「う〜ん、いい気持ち。ねぇ、もっとお代わりは無いの?」
「さぁ、わかりません」
俺は頭を掻いて答えた。
「ならもっと集めてこ〜い。これは命令だぞ〜」
気の抜けた声で部長は命令した。
「部長、もしかしてもう酔ったんですか?」
「そんなわけ無いでしょ〜。私のどこが酔っ払ってるのよ〜」
部長の目が据わっている。こりゃ完全に酔ってるな。
「やっぱ酔っ払ってますね・・・」
「お神酒を飲ませて酔わせたのはあんただろぉ? だったら責任を取れ〜」
部長はいきなり俺に飛び掛った。
「ちょっ、何やってるんすか!?」
「黙れ黙れぇ、あんたさっきあんな約束を言ってから胸が苦しいのよぉ・・・」
涙目になって部長は顔を近づけた。
「え・・・? 冗談ですよね?」
「嘘じゃない。ほら、触ってみなさいよぉ」
部長は俺の手を掴んだ。そしてそのまま彼女の胸へ押し付けた。
「ね? ドキドキして息をするのも苦しいの・・・」
柔らかい手触りを通して鼓動が伝わってくる。鼓動は確かに速い──
(あれ? 『柔らかい』?)
部長の胸は真っ平らだったはず。まさか・・・
俺は部長を引き剥がして彼女の胸を見た。
「本当に膨らんでるのか!?」
服の上から分かるほど彼女の胸は盛り上がっている。
「そうよ。さっき指切りをしてからおっぱいが膨らんで苦しいのよ」
部長はブラジャーと一緒に服も脱ぎ捨てた。
「見て。もう母乳も出るのよ・・・これじゃお嫁に行けないじゃない」
彼女の乳首はぷっくりと膨れ、白い雫が糸を引いて垂れている。
「きっと神様があんたの約束を聞いてたのよ。だから責任を取りなさいよ!」
「あ、あぁ・・・わかった。」
凄まじい剣幕に思わず俺は頷いた。
「本当ね? 本当に責任を取ってくれるのよね?」
「ああ。本当だ」
部長は笑顔を浮かべた。
「なら、証拠を見せてくれるよね?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて部長が近寄る。その妖艶さに思わず俺は息を呑んだ。
「それじゃあ・・・おっぱいを飲んでくれる?」
部長は俺の頭を抱きかかえると、左の乳房を口に押し付けた。
「・・・いただきます」
俺は恐る恐る乳首に吸い付いた。口の中にほんのり甘い味が広がった。
「どう? おいしい?」
部長の優しい声に応える様に俺は強めに吸い付いた。
「ふふっ。いっぱい出すから遠慮なく飲んでね」
そう言いながら俺の頭を撫でる部長。こうしていると妙に安心するな・・・
「なぁ、おっぱいに触ってもいいか?」
何だか甘えたくなり、つい俺は頼んでしまった。
「いいわよ。好きなだけ触ってね」
いつもの気丈な部長からは信じられないくらいの母性が溢れている。
お言葉に甘えて俺は彼女のおっぱいを撫でた。
(女の子の肌ってスベスベなんだな・・・)
絹のようにさらりとした肌触りが手に心地良い。俺はそっと双乳を揉んだ。
「ひゃんっ!」
甘い声と共に口の中と彼女のスカートへ母乳が噴き出した。
(もっと揉んだら母乳の出が良くなるかな?)
母乳を根元から搾り出すように部長のおっぱいを揉み解した。
「やぁん・・・はぅ・・・あぁっ・・・」
彼女は搾乳される度に甘い声を出して体を震わせている。
「もう・・・えっちなんだから・・・優しくしてくれなきゃダメよ。女の子の肌はデリケートなんだから・・・」
言葉とは裏腹に声は優しい。むしろ楽しんでいるようにも聞こえる。
「すみません。綺麗なおっぱいだったんでつい・・・」
「ありがと。お世辞でも嬉しいわ」
部長はくすり笑った。
「まぁ個人的にはもっと大きい方がよかったんですけどね」
「へぇ・・・これじゃあ不満なのかしら?」
ざっとメロンぐらいはある乳房を顔に押し付けて部長は誘うように言った。
「そうですねぇ・・・頭を挟めるぐらい大きくなって欲しかったっす」
「そっかぁ・・・それじゃあ大きくするね」
「・・・えっ?」
部長のおっぱいがどんどん膨れ上がっている。
一緒に乳輪も厚みを増し、乳首も太さを増している。
「これくらいでいいかな?」
膨乳が終わる頃には規格外の超乳が目の前にあった。
頭を挟み込むどころか包み込む事も出来そうだ。
「今、何をやったんですか?」
「わかんない。何となく出来そうだからやってみたらできちゃった」
・・・まさか本当に伝承通り巫女の力を使えるようになっているのか!?
「・・・重くないんですか?」
「ん〜・・・確かに重いけど、君が喜んでくれるなら全然気にならないよ。
それより早く母乳を飲んでくれる? おっぱいが張って辛くって・・・」
何もせずとも乳首からは母乳が溢れ出している。
どうやら母乳の量も凄まじい事になっているようだ。
「わかった」
俺は乳首に吸い付き、乳輪を指で捏ねながら母乳を搾り出した。
「あぁん・・・はぅ・・・んぁっ・・・もっと強くして・・・」
一口吸う度に母乳の奔流が喉に叩きつけられる。まるで水を吐く井戸のポンプのようだ。
反対側の乳首からも母乳が吐き出され、床に白い水溜りを作っている。
「ふぁっ・・・乳首っ、噛んでも、良いからっ・・・もっと・・・強くすってぇ・・・」
嬌声を上げながらおねだりをする部長。俺は乳首を歯で擦るように吸った。
「ああっ! いいわ・・・そのまま強くして!」
彼女は体をビクンと震わせながら語気を強めると、おっぱいを俺に押し付けながら押し倒した。
(やべっ、息が出来ねぇ・・・!)
圧倒的な乳肉に包まれて鼻が乳房にめり込んでしまった。
母乳で口は塞がれてるし、引き剥がそうにも母乳で手が滑っておっぱいが掴めない。
なによりおっぱいの重さで動く事も出来ない。
「あぁっ、ふぁっ、ん・・・その調子よ・・・もっと気持ちよくして・・・」
俺の必死のもがきは部長にとって愛撫にしかなっておらず、母乳をもっと噴き出させるアクセントにしかなっていない。
「ふぁっ・・・あっ、いっ、イッちゃううぅぅ!!」
一際大きな声を上げて絶頂を迎える部長の乳首から間欠泉のように母乳が噴き出した。
口の中で逃げ場を失った母乳が喉に流れ込み俺に止めを刺した。
(あ・・・意識が・・・)
すうっと目の前が真っ暗になっていく。
(まぁ、こんな死に方をするならいいかな・・・)
おっぱいに挟まれて窒息死・・・いや、母乳で溺死か。こんな幸せな気分で死ねるなら悔いは無い。
薄れ行く意識で俺はこんな事を考えていた・・・
@ @ @
「・・・・・・て・・・起きて・・・」
体が揺すられている。誰かの声も聞こえる。瞼が重くて顔が見れないが、
なんだか懐かしいような気がする。
「起き・・・と・・・おっぱい・・・わよ」
だんだん声がはっきりと聞こえてくる。女の子の声だ。聞いた事があるような気がするが、
何かが引っ掛かったように思い出せない。
「え〜い!!」
突如、顔に何かが勢い良く浴びせられた。
「うわぁ! 何だ!?」
生暖かい感触に俺は飛び起きた。
「生き返ってよかった。もう駄目かと思ったわ」
俺の目の前には裸の部長がいた。
おっぱいから母乳が滴っている所を見ると、さっき母乳を俺に浴びせたようだ。
「部長・・・? 俺はいったい・・・」
「私の母乳で溺れかけたのよ。ごめんね。私のせいで苦しい思いをさせちゃって・・・」
「別に苦しくは無かったな」
むしろ気持ちよかった。主におっぱいの感触が。
「それにしても凄い事になったな・・・」
母乳が滴る部長の双乳は人外の大きさとなっていた。
スポーツジムに置いてあるバランスボール並みの乳房が二つ。
それが二つもあるのだ。
「このままだと帰れないからどうにかして小さくしないとね」
「そういえば、さっき巫女の力が使えるとか何とか言ってたじゃないですか。
あれで小さく出来るんじゃないですか?」
先程の事を思い出しつつ俺は訊ねた。
「それができたらもうやってるわよ。あの力、今はおっぱいを小さくする事はできないみたい」
「・・・は? どうしてですか?」
「なんとなく分かるんだけど・・・今までこの神社に巫女さんが居なかったから、
母乳が溜まりすぎて抑えが利かなくなってるみたいなのよ」
悩ましげに表情を曇らせながら部長は説明し始めた。
「巫女さんが居なくなって母乳が出せずに詰まってた所に私が巫女になったから、
今まで溜まってた分が全部私に押し寄せてるみたい。だから止めようとしても
私一人じゃ無理よ。国を作った神様の力って凄いわね」
乳首から母乳を滴らせつつ彼女は続けた。
「じゃあ、元に戻すとしたら母乳を全部出し切れと?」
「無理だと思うわ。あの伝承が本当なら、一生このままよ。
それに、もう私はもう動けないから・・・」
部長は片方のおっぱいを持ち上げようとしたが、乳房はビクともしていない。
「ちょっと失礼」
俺も手伝おうと、おっぱいを抱えて持ち上げようとしてみるものの、
床に縫い付けられているかのように動かない。
「うっ・・・何だ? 全く動かないな?」
「神様の力でこの神社から出られなくなったみたい。だから・・・」
部長は俺の手をそっと掴んで引き寄せた。
「責任を取ってね? 旦那様♪」
柔らかくて暖かい感触が唇を包んだ。
「!?」
「えへへ・・・私の初めて、あげちゃった」
悪戯っぽく部長は笑みを浮かべた。
「ここまでやられたら腹括るしかないよな・・・」
嬉しいような恥ずかしいような、複雑な気持ちを抱きながら、
俺は部長と添い遂げる事を決めるのだった。