私は超乳だ。バストが約10mある。身長は150cm、ヒップは90cmと平均的で、自分で言うのもおかしいかもだけど、すらっとした身体。10mの超乳だけが特異だ。私のおっぱいは地に着く。ブラをしてなんとかおっぱいを固定して、引きずりながら生活している。
私のような超乳は世界中探してもいないだろう。この超乳では通常の生活は困難だ。自分の足で移動はできるけど、大きいおっぱいは道を塞ぐし、車はもちろん電車やバスに乗れない、建物の出入りもままならない。なので私はほぼ外出しない。今はなんとか在宅ワークをこなして、1人で暮らしている。家は二束三文で買ったとても古い日本家屋だけど、ふすまをすべて外して一部屋として使えばすごく広い。そして縁側もあり、そこから外へ出入りできる。それなりに広い庭があり、外へ出たい時は庭に出て過ごすこともある。外出できない私にとっては唯一の出れる場所だ。超乳には都合のいい住まいである。買い物も行けないけど、必要なものはネットで注文して、宅配便で持ってきてもらえるからなんとかなってる。
こんな不自由な生活を強いるおっぱいが嫌じゃないかって?そりゃあ不自由だけど、私は私なりにこのおっぱいでの生活を楽しんでいる。特に寝るとき。このおっぱいをベッド代わりにして寝るのだが、その寝心地はどんなマットレスも布団も敵わないと思える最高級の寝心地を誇る。
でも、たまに普通の生活を夢見ることがある。このおっぱいのある生活の方に慣れているし、おっぱいベッドが無いのは辛いかなと思うけども、普通の女の子としての生活にも憧れがある。
ある年の7月。私は動画投稿サイトで水着の動画を観ていた。超乳に用意できない服の一つが水着だ。素材は特殊だし、ブラは超乳の重さに耐えるため金属を布で巻いて加工するのだが、水着は水に濡れるので錆びてダメになる。そして仮に水着が用意できても超乳の大部分は脂肪なので水に浮く。泳ぐことがままならない。肌面積も広いから日に焼けちゃうし、いろいろ大変だ。海に行き水着を着る憧れはあるけど、現実は無理だ。だから動画で気を紛らわす。今見てる動画はたまたま検索でヒットしたグラビア動画だ。今出てるモデルは背が高い。おしりも大きい。おっぱいもモデルはKカップで、かなり大きい・・・まあ私からしてみればみんな小さいのだが、世間からしてみれば特に大きいだろう。男の人はこういう体型が好きなんだろうな。私もおっぱいばかりに栄養が行かなければ、背も高くなったのかな。おしりもおおきくなったのかな。好きに海へ出入りできたのかな。ちょっとうらやましいな。
そう思った瞬間、動画の画面が切り替わり仙人みたいな人が現れた。広告だろうか。
「やあ、嬢ちゃん。」
画面の向こうから仙人が話しかけてくる。
「ワシはトレーダーじゃ。コンプレックスを抱く人同士の等価交換をしとるんじゃ。例えばお嬢さんのおっぱいを小さくした分、背を伸ばしてしんぜようかの?」
動画のはずなのになんで話しかけてきているのか、というか私の思ったことがわかるのが不思議だが、それ以上に気になるのが話の内容だ。
「そんなことできるの?」
「もちろんできるぞ。世の中には貧乳に悩む人が多い。売り手市場じゃ。嬢ちゃんのおっぱいの需要はあるぞ。」
「そうねえ・・・。」
私は少し考えた。そして回答をする。
「悪い話じゃないわ。でも、私このおっぱいの寝心地が気に入ってるの。不自由なところもあるけど、手放す気になれない。」
「そうか。まあ嬢ちゃんが気に入っているなら、無理に取引しなくて良いがのお。」
「ごめんなさい。せっかく提案してくださったのに。」
「いいんじゃ。気になさるな。嬢ちゃんがそのおっぱいで悩んでいたから助けになろうかと思っての。」
「普通の生活はうらやましいけど、これはこれで好きだし、手放すのはできないわ。」
「手放すことはできないか・・・。なら、貸し出すのはどうじゃ?」
「貸し出す?」
「そうじゃ、嬢ちゃんのおっぱいを貧乳に悩んでいる人に貸し出すのじゃ。わしはトレーダーでもあるが、レンタル業もしておる。本来はあんまりおススメしないんじゃ。譲渡と違って、貸し出しじゃから、借りる側も貸す側もコンプレックスを解消できる訳ではないからのお。だからレンタル需要はほとんど無い。でも、おっぱいは別じゃ。一時的でも大きくしたいという人がおる。嬢ちゃんはおっぱいがない生活を『体験』でき、期限が来ればおっぱいは戻ってくるから、嬢ちゃんにとっては都合がいいのじゃないかのお。」
「それはいいサービスだわ!」
「そうかそうか。ただ注意がいくつかある。まず契約期限は最長1年じゃ。契約の期間は貸す側が決めることになっておる。ただしレンタル契約は借りる側優位じゃ。貸し出す側は期限内のキャンセルはできないが、借りる側はできる。そして、貸し出す側は本当に微々たる貸出料しか受け取れん。交換ではないからの。借りる側としては、出費が少なくて喜ばしいことかもしれんが。」
「それで構いません。貸します!」
「わかったわい。今のバストは1013cmあるようじゃが、何cmを貸し出す?」
「すごいわね。正確にバストがわかるなんて・・・全部貸すわ。」
「そうか。全部じゃな。契約期間はどうするかの。」
「そうねえ・・・。契約期間は1年でお願いします。1年超乳なしの生活ができれば十分かな。」
「1年じゃな。あとは。」
画面が切り替わる。画面にはいろんな体の部位や用語が並んでいる。
「嬢ちゃんはおっぱいを貸し出す側として、受け取る貸出料を何にするか決めれるぞ。譲渡契約の時と同じく1つしか選べんが、受け取りたいものをタップして決めてくれ。」
選択肢には身体の部位がいっぱいあるが、さっきまで観ていた水着グラドルを思い出して、身長かヒップで悩み、結果身長を選択した。仙人が言うには、受け取れる貸出料はほんの微々たるものなので、大した期待はしてないけど。
「ほうほう・・・。身長じゃな。わかったぞい。ではわしは失礼するぞ。契約が決まったらまた言いに来るわい。」
画面が切り替わり、再びグラドルの動画が流れる。夢だったのだろうか。
もう22:00だし寝よう。歯磨き、着替えなどの寝る準備はできている。あとはベッドを用意するだけだ。超乳を下にして身体全体を載せる。超乳は私の身体が載った部分だけ凹み私の身体を受け入れてくれる。さわり心地寝心地ともに最高品質の私だけのベッドだ。
その夜、夢のなかに仙人が現れた。
「やあ嬢ちゃん。すぐに会えたの。さすがおっぱいじゃ。沢山の人が希望して、全部の行き先がすぐ決まった。今夜には振り分けるから、明日からおっぱいのない生活が始まるぞ。忘れるでない。返却は1年後じゃ。それじゃあ、おやすみ。」
そうか。よかった。明日から超乳のない生活が始まる。
スマホのアラームで起きる。いつもと違う肌触り。そうか超乳じゃなくなったんだった。まだ目は閉じたままだ。布団の上で寝てる感覚がするけど、おかしいな。おっぱいだけで寝ているから布団は敷いていない。私は目を開ける。そしてゆっくり立ち上がり下を見る。普段下を見れば壮大な肌色の大地とまっすぐな一本谷しか見えないのに、今は足の爪先までしっかり見える。
足元をみて布団の正体が分かった。床に敷いていたのは布団ではなく巨大なブラのカップだった。夜寝てるうちにおっぱいが無くなりそのままブラの上で寝ていたのだ。巨大なおっぱいを優しく包むため生地を厚めに、そして柔らかくしたので敷布団みたいなブラになったのだ。
そして床にはブラ以上に部屋に広がる布がある。これはパジャマだ。大部分の生地が超乳に割かれていたのだが、今は虚しく床に広がるだけだ。ブラもパジャマもスルリと抜けて私は上半身裸だ。おっぱいは、真っ平だった。すごく小さくなった乳首と乳輪だけがわずかに盛り上がるだけ。直接目で見たのはいつぶりだろう。昨日まで超乳のはるか向こう側にあって手で触るどころか、直接見ることができず、鏡越しでようやく見えるレベルだった。サイズも超乳にふさわしい巨大化した乳首と乳輪だったのだが、今はすごい小さくて、なんだかかわいい。
壁に掛けてある鏡越しに自分を見る。いつもの顔、寝ぐせのついたロングヘアー、いつもの身長、いつもと違うのは乳だけ。
「すごい。本当に貧乳になってる。」
私は感動していた。
その日から貧乳の身体を楽しんだ。外出の邪魔をする超乳はない。どこにでも行ける。庭まで出たことはあるけど、そこから先に出るのは何年ぶりだろうか。道を歩いた。公園を走った。電車に乗った。レストランで食事をした。そして何より水着を買い海に行ったことが一番楽しかった。
だが、私の貧乳生活は長くは続かなかった。変化があったのは貧乳になって2週間後。
「おっかしいなあ。」
昨日まで着れていた水着がおっぱいの部分だけキツくなる。それもそのはずで私のおっぱいは絶壁の貧乳からちょっと盛り上がった貧乳になっていた。
「貸し出しのキャンセルは借り手側で好きにできるんだっけ。」
おそらく借り手側の誰かが貸し出しのキャンセルをし、その分が私に返ってきたのだろう。せめてキャンセルがあることくらいは事前告知して欲しいものである。
そして次の日も次の日も毎日キャンセルが出ているのか、日に日におっぱいは元の大きさへ戻っていった。普乳になり、巨乳になり、爆乳になり、超乳へ。結局、外出できる大きさの期間は半年くらいだった。契約開始から9ヶ月を迎えた頃にはおっぱいの大きさが完全に元に戻り、10mとなった。
「仙人さん、おっぱいは人気だって言ったのに、全部キャンセルされた。言うほど人気ないのね。」
私は自分のおっぱいを否定された感じだ。だが、半年は外出できて、普通の女の子としての思い出を作れたので、キャンセルに関してのショックはあまり受けなかった。
契約開始から1年後。私はまたあのグラビア動画を観ていた。ちょうど1年経過したということで、なんとなく再生したのだった。その動画の途中で画面が変わり、再び仙人が現れた。
「やあ嬢ちゃん。久々に会うの。さすがおっぱいじゃ。全くもってキャンセルが無くての。今日の期限まで会う機会がなかったわい。」
仙人が笑いながら話す。
「え?仙人さん、キャンセルが無いってどう言うこと?おっぱいは全部ここにありますよ。」
私はおっぱいを叩く。どっぷんとおっぱいが揺れる。
「うーん、それはキャンセルされたおっぱいではないのお。」
「どういう事ですか?」
「嬢ちゃんの身体は、どうやらおっぱいを成長させ続けたいらしい。でもおっぱいが大きくなりすぎると生きていけなくなるから、本能がギリギリ生きていける大きさで、成長を止めていたようじゃ。でもおっぱいが全く無くなったことで、身体が反応して再び成長させたのじゃろう。そしてまたギリギリ生きていける大きさ、1013cmまで大きくしたのじゃろうな。」
「そんな・・・。」
「おっぱいは沢山の人が希望して、全部の行き先が決まり、1mmたりともキャンセルは出ておらん。じゃから今夜に1013cm返却となる。明日からおっぱいが2026cmの生活が始まるぞ。」
「いやいや!待って!それは困るわ!」
「そうじゃろうの。おそらく本能で抑えた範囲を超えたおっぱいじゃ。動きたくても動けんかもしれんのお。・・・そこで提案なんじゃが、1013cmを再度貸し出さんか?実は借り手側の全員から延長希望が出ているのじゃ。1013cmを貸し出せば、嬢ちゃんのおっぱいは今と変わりなし。嬢ちゃんにとっても、沢山いる借り手側にも、ワシにも利がある。」
「それ、私に拒否権ないわよね。もちろん全部契約更新する。動けないより遥かに良いわ。」
「そうか。ありがたいのお。」
最初の契約時点でこうなると予想していたのではと思ったが、口には出さなかった。
あれ?ちょっと待てよ。
「ねえ、仙人さん。聞きたいことがあるんだけど・・・。」
翌朝。スマホのアラームで起きる。いつもと違う肌触り。私は目を開ける。そしてゆっくり立ち上がり下を見る。下を見れば壮大な肌色の大地とまっすぐな一本谷・・・は無くなり足の爪先までしっかり見える。足元には巨大なブラのカップとパジャマが床に広がっている。おっぱいは、真っ平だった。すごく小さくなった乳首と乳輪だけがわずかに盛り上がるだけだ。
そう、私は1013cmの貸出延長に加えて、残った1013cmを新規に貸し出したのだ。
「嬢ちゃん、2026cm全部貸し出すのか。そりゃあ、ありがたいのお。1013cmの追加分も、きっと希望者がすぐ現れるじゃろう。」
仙人さんは喜んでいた。そしてその夜の夢の中で、追加分全てが契約できたことも教えてくれた。
「そうそう。忘れておったわ。貸出料を渡しておくからのお。」
夢の中で補足された貸出料。私が選んだ身長のことだ。微々たるものと聞いていた。だが私の身長は10cmも伸び160cmになっていた。貸し出し数値の1%が貸出料のようだ。確かに微々たるものかもしれないが、私が超乳だったが故に、そこそこの数値として跳ね返ってしまった。
来年は2026cmの1%なので、20cmくらい身長が伸びることになる。今の身長に加算すると、190cmと高身長になる計算だ。ちょっと高すぎる気がする。
更に私が再び貧乳になったために、私の身体はおっぱいをまた成長させていった。結局9ヶ月後には、おっぱいが“ほぼ”元通りになった。“ほぼ”と強調したのは理由がある。今のバストは正確に測れないけど、1013cmではなく少し増えている感じだ。というのも同じブラをしているのに、そこそこキツくなっているのだ。おそらく身長が160cmになったので、本能の“ギリギリ生きていけるライン”が引き上がったのだろう。目の前のバストは何cmあるのだろうか。いやそれよりも、身長が190cmになった時には、バストは何cmまで成長するのだろうか。再び大きく成長したおっぱいを前に、私は色々考え込むのだった。
その後
私は毎年、超乳から貧乳になり、そしてまた超乳へ成長を繰り返した。年を追うごとに、総トータルのバストは大きくなっていき、それに比例して受け取る貸出料は増えていった。身長が300cm超と伸びすぎたので、途中からはヒップに貸出料を当てた。結果、私は高身長の極端なボンッ、キュッ、ボンッになった。
「正直これ以上は大きくしたくないなあ。」
次の貸出料受け取りでヒップの大きさは800cmを超える。そこでヒップは打ち止めにしないと、高身長と超乳と超尻で、家はギチギチになり、おそらく生活が困難になる。
「次はどこに貸出料を当てよう・・・。」
私はすっかり変貌した身体と睨めっこしながら、どこに数値を当てがうか悩む。
私が貧乳になれば、誰かのバストアップを手助けする。そして貧乳になったことで、私のおっぱいは再び成長して超乳になり、また誰かのバストアップの原資になる。貸出料の数値は総トータルのバストに比例して増えていく。受け取る貸出料の行先がある限り、貸し出しは続けるつもりだ。だが、行先はずっとあり続けるだろうか。
「とりあえず、ここに当てがおう。」
不安になりながらも、私はまた貧乳になる。誰かのバストアップのために。