騎士団長ユルキナの受難 序章

茶畑 作(物語・絵)
Copyright 2002,2005 by Tyabatake All rights reserved.

ここは、キスカ王国。
この王国の中心…キスカ城では、世界中にひろまっている噂がある。
それは、この城の騎士団長が、「女性」という事である。
名をユルキナ・ラプリス。20歳という若さで、騎士団長にまで登りつめる程の強さと、一個大隊を任せられるほどの思考を持ち合わせていた。
敵に背を向けず、兵と共に戦い、勝つ。
そして恐らく「絶世の美女」というところが、兵の士気を高めているのだろう。
更に、慈悲深い。兵達は「彼女のために戦う」という姿勢を崩さずに戦い、そして勝ってきた。
…しかし。
―ある夜の晩・ユルキナの寝室―
「ユルキナ様。お食事をお持ちしました」
メイドが食事を部屋に運んでくる。
ユルキナは、明日の騎士団の集会であげる号令の文を書き上げた所だった。
「ありがとう」
ユルキナはメイドにゆっくり微笑み、メイドもまた、照れ笑いを浮かべていた。
そう
城の兵達だけでなく、女性からも支持を受け、この城中誰一人として嫌う者はない程人気があるのだ。

メイドとしばらく会話した後、ユルキナはゆっくりと神に祈りを捧げ、夕食を取った。

翌日。
兵たちは既に集会場に集まり、30分後に始まる集会を待ち…いや、楽しみにしていた。
―…一方、ユルキナの部屋では…―
「なぜ…こんな…!」怯えと驚愕に満ちた声。
それもその筈、今のユルキナに、清楚な雰囲気は薄れ掛けていた。
鎧…胸当てを今にも溢れんばかりの乳房が押し寄せていたのだ。

ユルキナの鎧は「動きやすい鎧」というコンセプトの下、作られた。
肩・手・脚には甲冑、腰は短めのスカートの上に甲冑、そして胸当て、という、露出度は高いが動き易く、ユルキナが得意とする戦法が簡単に出来た。
この鎧で、前までの剣技大会は常勝不敗だったのだ。だが…。
少し動いただけで『ぷるん』と揺れる胸。
今やユルキナの双の乳房は頭ほどの大きさに育ち、いやらしさを増していた。
試しに、不死鳥を象った剣『フェニクス』を腰から抜き、素振りを3回ほどした。
剣の速さは落ちてはいない。だが、剣をふる度に『たぷん』と揺れる巨峰は隠せない…。
(困ったわ…)
ユルキナは、困惑した。今まで騎士として、役割を務めてきた自分。
それを皆が認めてくれている事は重々わかっていた。そしてその事に、何よりも感謝していた。
それが今、自分のこの姿を見たら皆はどう思うだろうか。
兵は、今まで通り私に付き合い、共に語り合ってくれるだろうか。
積もる不安に恥ずかしさを隠せず、自分の乳房を見て頬を赤らめるばかりであった。
その時、部屋の扉が開き、兵士が現れた。
ユルキナは反射的に体ごと素早く兵に向けた。大きい巨峰が『ゆさっ』と揺れる。
「団長殿!兵の身支度が整いました!これより号令を行いたいと思いま…」
気付かれた。見られた。
兵は、ユルキナの膨れ上がった乳房を見て、目を見開き、持っていた銀の槍を力なく落とし、顔を真っ赤に染め、やがては鼻血を出しながら倒れた。
―彼は、私の胸の変化を見て、あまりのショックに倒れた…―
その考えがユルキナの頭を駆け巡った。
(と、とりあえず…集会に行かなければ…)
ユルキナは動揺する手で倒れた兵士の鼻血を拭き、自分のベッドに寝かせた。
(急がなければ…)
それしか頭になく、昨日書いた文面…号令の文をも取り忘れ、集会場へと向かった。
…大きな乳房…爆乳を鎧ごしに揺らしながら。

続く