騎士団長ユルキナの受難 3

茶畑(物語)・たまねぎ(挿し絵)作
Copyright 2002 by Tyabatake (story)
Copyright 2003 by Tamanegi (picture)

ユルキナは、戦慄した。目の前の、脅威に―…。

戦は、こちらに分があった。
それは、キスカ城付近の湿地帯で戦闘が行われていたからだ。
この辺りの気候と地理を利用したユルキナの作戦と副騎士団長ヴェイラの機転で、敵軍の兵力を3分の1にまで陥れたのだ。
このままいけば、キスカの騎士団が勝利を納めるのは明らかだった。
だが…。

「おらおらどうしたあ!?キスカの騎士団ってのは名ばかりか!?」
豪快な、地響きを思わせるような声。
そう、敵軍の総大将が残っていたのだ。
全身筋肉といった体つきに、2メートルを越える巨漢。ごつい顔立ち。ズボンと胸に交差させたベルト―クロスベルト―と、身の丈程もある鋼鉄の薙刀装備しているだけ。
頭は脱毛し、艶がかった頭皮が露になっていた。
その総大将の存在と力によって、先程まで100人はいた騎士団が、今や数える程しか残っていないのだ。
今ここに残るのはユルキナ・ヴェイラ・兵士三人の、たった5人だけだった。
疾る、沈黙。その空気がたまらなくなったのか、騎士団の兵士三人は、一斉に総大将にとびかかった。
「うおおおおおお!!」
「だ、ダメッ!!」
ユルキナの叫んだ時には、三人は薙刀で横一文字に斬られていた。三人の兵士は断末魔もあげずに、上半身だけが凄惨に跳ね上がり、そして…
ビシャッ
大地…湿地に崩れていった。
ユルキナは目を離さなかった。兵の最後を見届けるために、悲しみを押し殺していたのだ。
「ほう…そちらの騎士団長さんよ…そのバカみてえにでけえオッパイはなんだ?」
へらへらしながら、ユルキナに問う。
それで気付かされた。自分の体がおかしくなっている事に。
ユルキナは、自分の胸を見た。そこには、自分の頭ほどもある乳房がある。現実。
いくらヴェイラの言葉が励みになり、勇気づけられたとしても、現実は変わらないのだ。ユルキナは絶句した…。
そのことをものともせず、総大将は続ける。
「あんた何か?毎晩そのでっけえオッパイで男を誑かしてんのかあ?キスカ騎士団長っていうからどんなおなごかと思ってたがよお…まさか色仕掛けで他の国も潰してきたとはなあ!噂は信じられんねえ!!ガハハハハハ!!」
「貴様ああ!!」
ガキィイン!!
ヴェイラが堪えきれずに飛び出し、総大将との激しい鍔迫り合いが始まった。
「なんだあ?色仕掛けを食らってた事が指摘されて恥ずかしいのかあ〜?」
「黙れ!」
再び激しい刃の衝突。しかし次の瞬間、ヴェイラは横に投げ飛ばされ、大地に叩きつけられた!
「ッ!ヴェイラ!!」
ユルキナが我に返り、ヴェイラに駆け寄って様子を見る。
…ヴェイラは気絶してしまった様だった。
「…ヴェイラ…!」
孤立してしまった。今この場にいるのは敵の総大将とユルキナのみ。
―こうなったら、一人ででも戦うしかない―
そう確信し、その場を立った。
「!!」
その瞬間、ユルキナを後ろから突如、二の太い腕が羽交い絞めにした!

「あっ…!!」
「ガハハハ!!捕まえたア!!」
総大将は、ユルキナがヴェイラに駆け寄る瞬間、ユルキナの背後に回りこんでいたのだ。
「実は俺もよお、巨乳好きなんだなあ!だからしばらく、遊んでやるぜ!!」
「や、やめっ…!!」
総大将の手はなんの抵抗もなくユルキナに胸当てを引きちぎった。『ゆさっ』と巨大な双つの乳房が勢いよく揺れる。
ユルキナの恥ずかしさのあまりの絶叫がこだまする中、総大将による、実際には5分とかからなかったかもしれないが、ユルキナにとってとてつもなく長く長く感じられる辱めの時間が、今始まろうとしていた…。

続く