プレゼント -After Story-

残塁マニア 作
Copyright 2013 by Zanrui Mania All rights reserved.

(これを読む前に、プレゼント(帝国城摂政様 作)を読まれる事をお勧め致します。)

-匠's side-



僕は、宮野匠(みやの たくみ)。
つい数ヶ月前まで独り身の大学1年生だったが、彼女が出来た。


相手は、宮野雅(みやの みやび)。僕の従妹で、一つ下の女の子。


すらりとした高身長、可愛らしい顔立ち、サラサラの黒髪、
何よりもメロンのように大きく育った胸。
久しぶりに会った従妹は、誰よりも可愛らしく、
誰よりも魅力的で、誰よりも大きな胸を持っていた。
そして、そんな従妹に数年ぶりに会って、一発で好きになってしまった。


クリスマスイブに数年ぶりに会って以来、僕たちは恋人となった。


イブの日は2人で他愛もない話をし、時々お互いに抱きしめ合って
暖かな気持ちを感じたりして一夜を過ごし、
クリスマスには徹夜明けの2人だったがデートして、夕方に彼女を帰した。






そして、雅とはそれ以降会わなかった。
まあ彼女も受験生だし、こちらから誘うのも何だったし。


雅との関係は向こうの両親も知っているようで、雅を帰した後に
「匠くん、雅の事ありがとうねー。あんな娘だけど、これからもよろしくね。」
とお礼を言われた。いや、正直お礼を言うのはこっちなんだけど…。


僕の両親は「あらー、雅ちゃんと付き合うの。
良いんじゃない?お似合いよ。」
とからかわれたが、お互いの両親公認という事で、ひとまず安心した。






そして今日、2ヶ月以上久しぶりに電話が掛かってきた。
そういえば今日は大学の合格発表日だったっけ。


「兄さん、私、兄さんと同じ大学に合格しました。」


相変わらずの要点のみを簡潔に話す性格。正直、恋人感覚ではない。


「おお、おめでとう。」


「それで、お部屋とか大学の下見に行こうと思うんですけど、
兄さんの家に泊まっても良いですか?」


「ん、僕は別に良いけど…。で、いつ?」


「じゃあ明日の5時くらいに兄さんの家に向かいます。」


「えぇ、明日!?」
思わず声が裏返ってしまう。


「あ、ダメでしたか?」


「いや、ずいぶん急だなーって思ってさ。」


「明日は兄さんの家に泊まって、明後日の朝に下見に行こうと思って。
それに…」少し雅の声が詰まる。


「私…早く兄さんに会いたいんです。お正月も
会えなかったし、2ヶ月以上も我慢したんですから…」
急に雅の声が甘くなる。そのギャップに僕はすっかりやられてしまい、


「分かった。明日来な。」
と言ってしまった。僕も早く会いたかったしね。


「ありがとうございます。」ガチャ
電話が切れた。


明日か…早いところ部屋を掃除しなきゃ。


…あれ?何日泊まるとか詳細聞いてないぞ。まぁ、良いか。