プレゼント -After Story-

残塁マニア 作
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(これを読む前に、プレゼント(帝国城摂政様 作)を読まれる事をお勧め致します。)

-雅's side-

私は、宮野雅(みやの みやび)と言います。
もうすぐ大学生になる、高校3年生です。

今まで友達も少なく、ましてや彼氏なんて18年間いませんでしたが、
それはきっと…この身体のせいだと思います。


中学生の時に大きくなり過ぎたこの身体、
特に人の頭ほど大きくなった胸のせいで服もブラも合わず、
歩く度にいやらしく揺れるこの球体が本当に邪魔でした。
だけど、一番嫌だったのは今まで周りから好奇の目に晒される事でした。
男子からのいやらしい目つき、女子からの嫉妬の眼差し。
外出するたびに毎日のように見られ、時に小声で
「ヤりたい」「すごいエッチな身体してるねーあの子」
なんて色々言われたりすらしました。


そのせいで段々私の部屋にひきこもりになっていき、
数年間はこの身体が嫌いで嫌いで仕方なくなってしまいました。
神様は残酷だ、どうして周りの女子に均等に分けないで、
私ばかり大きくしてしまったの?
こんなに膨らんだ胸を、こんなに大きくなった身体で、
一体どうしろと言うの??
こんな私を、この身体を、全て真剣受け入れてくれる人なんて、
この世にいるの???
そう思い詰める日々が続いていました。


そして中学3年生の時、密かに大好きだったある人と
きちんとお別れの挨拶が出来なかった事で、
私は完全に打ちのめされてしまいました。
ああ、きっと私には運命の人がいないんだ、と。

高校生になった頃には今と変わらない程の身長になり、
私を見る目は化物を見るような視線に変わってきました。
だけど、その方がかえって良かった。変にいやらしいなんて言われたり、
アプローチされるよりもずっとマシでした。


だけど、高校生3年生になった時、中学生の時に挨拶できなかった
あの人のために、私自身をあげたいと思うようになりました。


この大きな身体は、きっと男性が好きになってくれる。
この私よりも可愛い・美しい女性は、そうはいない。

そして、私が欲しい・結ばれたい人は、この世にひとりしかいない。




挨拶が出来なかったあの日以来、その人の事を4年間思い続けて、
やっとクリスマスに結ばれました。


お相手は、宮野匠(みやの たくみ)さん。
私の従兄で、一つ上の大学生の男性です。


クリスマスイブに数年ぶりに会って以来、私たちは恋人になりました。
そして初めて、私は自身の身体を大好きになりました。
今では、こんなにも魅力的で女らしい身体と、
なかなかいないであろうこの美しさと、
誰よりも大きくて柔らかな胸を与えてくれた神様と、
何よりもこの私を受け入れてくれた兄さんに感謝しています。


イブの日は兄さんと他愛もない話をし、時々抱きしめ合い、
兄さんの優しさや吐息を胸の中で感じ取りながら一夜を過ごし、
クリスマスには徹夜明けでしたけどデートして、夕方に帰りました。






それ以降、兄さんとは会いませんでした。優しい兄さんの事なので、
受験寸前だった私の事を気遣ってくれたとは思うんですけど、
やっぱり私としては、多少強引にでも会ってほしかったな…。
自分の部屋で、大きな胸をユサユサと揺らしながら、
そう独り言を言ってしまいました。



兄さんとの関係は向こうの両親も知っているみたいで、
お正月に兄さんの両親から

「雅ちゃん、ありがとうねー。あんな息子だけど、仲良くしてあげてね。」
と言われました。いや、私としては、
こちらがお二人にお礼を言いたいんですけど…。


私の両親にも
「あらー、匠くんが彼氏?良いじゃない、貴女の自慢の胸でメロメロにしちゃいなさいよ。」


とからかわれてしまいましたが、従兄弟とは言え
お互いの両親公認の彼氏さんという事で、ひとまず安心しました。






そして今日、大学の合格発表日。
念願の、兄さんと同じ大学に合格しました。
はやる気持ちを抑えつつ、2ヶ月以上久しぶりに電話を掛けました。



「兄さん、私、兄さんと同じ大学に合格しました。」


「おお、おめでとう。」


「それで、お部屋とか大学の下見に行こうと思うんですけど
、兄さんの家に泊まっても良いですか?」


「ん、僕は別に良いけど…。で、いつ?」


「じゃあ明日の5時くらいに兄さんの家に向かいます。」
早く兄さんに会いたい。この胸に兄さんを抱きしめたい。
ついつい気持ちが先行してしまいました。


「えぇ、明日!?」


「あ、ダメでしたか?」
ちょっと罪悪感を感じる私。


「いや、ずいぶん急だなーって思ってさ。」


「明日は兄さんの家に泊まって、明後日の朝に下見に行こうと思って。
それに…」ダメ、やっぱり気持ちを抑えられない。
「私…早く兄さんに会いたいんです。お正月も会えなかったし、
2ヶ月以上も我慢したんですから…」
ああ、つい本音が出ちゃった。


「分かった。明日来な。」


「ありがとうございます。」ガチャ


さて、準備しなきゃ。明日何着て行こうかな?
ちょっと大胆にボディライン出して行ってみようかな…。

兄さんのためなら、どれだけこの身体を見られたって
耐えられますからね♪