平次のクイズ 1
某日、大阪平次の自室。 試験が終わり、明日からの連休を使って東京の工藤宅へ行く事になっていた。 その用意をしていると、部屋のドアがノックされ父の平蔵が入ってきた。 「平次、ちょっとええか?」 「なんやオヤジ。俺、明日の用意で忙しいんやけど・・・?」 「また東京に行くそうやな。」 「せやねん。ちゅ〜てもくどぉの家に一泊した後、  白馬で開かれるミステリーツアーに参加するんやけど・・。」 「また探偵ゴッコか、東の警察に迷惑かけるような真似はせんようにな。」 その言い様にカチンときた平次は荷造りの手を止め、平蔵を睨みあげた。 「誰が迷惑かけてるちゅーねん・・・・・・。」 「捜査のいろはも知らんもんが現場をうろつくのは迷惑やろ。」 冷ややかに見下ろしてくる平蔵としばしのにらみ合いをする。 「へたな新米刑事よりはよぉ判ってるつもりやけどなぁ?」 「所詮はつもりや。少々謎解きができたからて、ええ気になって現場荒らしとるだけや。  組織には組織のやり方ちゅうもんがある。お前はそれを判ってない。」 またしばしの間、睨み合いが続く。 「・・・オヤジわざわざケンカ売りにきたんか?」 「この程度言われただけで直に頭に血がのぼりよる。お前のその性格は現場じゃ命取りや。  この間しっかり釘を刺したが、まったく懲りる気配もない。  あの竜虎の事件・・・警察が動いてへんかったらお前は墓の下や。」 「人を利用しといてよぉ言うなぁ・・・。」 「あほが・・・利用されてることにも気が廻らんかったお前の負けや。」 (この・・・何考えてるかわからん狐目オヤジがぁぁあああああ。) あっさりと言い捨てられた言葉に堪忍袋の尾が切れ掛かっていた。 「ふん、一人前に怒っとるよぉやのぉ。ほな面白い物くれてやる。」 平蔵は袂からビニール袋にはいった細かく刻まれた写真を取り出し平次に差し出した。 「今大滝が抱えてる事件の現場にあった写真や。みての通り粉々に刻まれ元の絵がわからんようになっとる。」 差し出されたそのビニール袋をうけとり、テーブルの上に広げた。 「事件の手がかりになるかもしれん。被害者の机の上にあった灰皿に刻まれたまま残されてたんや。」 「ほぉ・・・。」 刻まれた写真と平蔵の様子を交互にみていた平次の頭を、平蔵が軽く拳固で殴る。 「なにしてるんや、さっさと組み立てんかい。」 「・・・って組み立てろ言うてなかったやんかっ!」 「まぁ、こんなもの1枚組み立てるのは3分もあれば十分やろ。」 「時間制限つきかいっ!!!だいた・・・、わ・・わかった3分で組み立てればええんやろっ!」 文句を言いかけた平次の前に平蔵の拳固がずいっとさしだされ・・・ 平次は問答無用で写真を組み立てるハメになったのだった・・・。 「ん・・?なんや皆様もこれやってみたいんか?」 「オヤジ・・・誰と話してるん?」 「そら、こちらを見てるお客さんとにきまってるやろ。ええからお前はさっさとソレを仕上げんかい。」 「・・・・・・狐目クソオヤジ。」 平次のぼそりとしたつぶやきに、平蔵は無言のまま拳固をその頭に振り落とした。 「っ〜〜・・・。そうボカボカ殴るなやっ!家庭内暴力反対っ!」 「暴力やない、指導や。さて・・・平次には時間制限つけたが、お客さんにはサービスせなあかんなぁ。」 平次のアルバムから一枚写真をぬきだし、それをはさみで軽く刻んだ。 「お客さんにはこいつの写真の方がええやろ。ほなあんじょう気張り。」